虚弱先生の青春物語   作:不透明な水滴

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ティーパーティーについて

ゲヘナと対立しているマンモス校、トリニティ。

 

アビドスから移動し、トリニティ校の幹部『ティーパーティー』からの招待を受け、招待されたトリニティ内のテラスに着くと、そこには高級感溢れる姿の2人が椅子に座って私の方を見ていた。

 

「こんにちは、先生。こうしてお会いするのは初めてですね」

「私は、ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサと申します」

 

「そしてこちらは、同じくティーパーティーのメンバー、聖園ミカさんです」

「改めまして、お初にお目にかかります。私たちがトリニティの生徒会、ティーパーティーです」

 

そうナギサが紹介を終えると同時に、ミカは席を立って私の目の前まで来た。

 

「へー、これが噂の先生かー。あんまり私たちと変わらない感じなんだね?」

「なるほど〜、ふーん……うん、私は結構いいと思う!ナギちゃん的にはどう?」

 

「………?」

 

「……ミカさん、初対面でそういった話は礼儀がなっていませんよ」

「愛が溢れるのは結構ですが、時と場所は選びましょうね」

 

「……え?それってどういう……?」

 

「先生、ごめんね?気にしないで!」

 

「う、うん……」

 

ふと気づくと、2人がこっちを見ている時の表情が、どこか近いようで遠い……不安な表情をしていた。

 

「……あの……2人とも?」

 

「…すいません。少し不思議な感覚でして」

「そろそろ、本題に入りましょう。こうして先生をご招待したのは、少々お願いしたいことがありまして」

 

「お願い?」

 

「はい………ミカさん?」

 

「……ん?」

 

ナギサの声に気づき、ミカの方を向くと、ミカが私の手を優しく握っていた。

 

「……ミカ?」

 

「…ん?あれ?……あっ!?ごめんね!ちょっと……」

 

謝りながらもミカはどんどん強く手を握っていく。

 

「ちょ……ミカ……いっ…!?」

 

「ミカさん!」

 

「っ!?」

 

強く握られて思わず声を出してしまい、ナギサの声を聞いた瞬間にミカは手を離す。

 

「大丈夫ですか?先生」

 

「う……ん、大丈夫」

 

「ご、ごめんなさい!」

「……苦しいな」

 

「……ミカ?」

 

「…あ…いや、ちょっと……会ったことがないのに、どこかで会ったような気がして……先生がどうしても愛おしく感じちゃって……意図はないの……ごめんなさい」

 

「……そう」

 

「早めに話してしまいましょう。先生へのお願いを」

 

「あ、う、うん」

 

ミカは胸を押さえつけ下を向いて黙ってしまい、それを見たナギサも今までに見たことのないような違和感のある表情をしながらも、説明を続けた。

 

「お願い……それは、補習授業部の、顧問になっていただきたいんです」

 

「補習授業部?」

 

「はい。つまり、落第の危機に陥っている生徒たちを救って欲しいんですトリニティ総合学園は、昔からキヴォトスにおける文武両道を掲げる学校。その伝統や歴史を途絶えさせたくないのですが、今この時期に落ちてしまいそうな人が4名もいらっしゃいまして……」

 

「我々は今『エデン条約』というもので忙しくなっておりまして、トリニティ全体に手が回せない状況なのです」

「そこで、シャーレと先生の噂を聞き、こうしてお願いをしようと決めたのです」

 

「このキヴォトスには大人も先生も珍しいものであり、簡単に頼めないということは理解しております。この補習授業部というのも、常設ではない特殊で限定された部活であり、救済が必要な生徒たちを加入させております」

 

「どうか、助けが必要な生徒たちに、手を差し伸べていただけませんか?」

 

「うん、いいよ」

 

そう一言でオーケーを出すと、2人とも驚いた表情で私を見つめた。

 

「……?どうかした?」

 

「い、いや……ではないのですか?」

 

「もちろん、生徒の頼みなら、何があっても断る理由はないよ」

 

「…ありがとうございます。では、こちらを」

 

そうして、渡されたのは対象の4人の名簿だった。

その時、ある名前に目がいった。

 

「…ん?」

 

「……どうかした?先生」

 

「い、いや?なんでも……」

 

「詳しい内容はまた追ってご連絡します。他に気になる点などはござまいませんか?」

 

そう聞かれ、特にないと言おうとした時、あることを思い出した。

エデン条約、私を次の場所へと導いた歪な存在。

 

私の見た景色が間違ってなければ、このエデン条約で数々の負傷者を出す。この条約自体が罠の可能性もある。

 

そのためには、まずエデン条約が何かを聞くひつようがある。

 

「エデン条約について……少し聞きたいことがあるんだ」

 

「………………」

 

「……それについては、中々時間がかかってしまいますので、また後日お話します。内部機密ということもあるので……」

 

「そう……」

 

エデン条約について聞けないのなら……そういえば、トリニティに来る前にある夢のようなものを見た。

トリニティの制服を着た少女が、この場所に座ってこっちを見ている。顔までは見れなかったが、どこか雰囲気が私と似ていた。

 

もしかしたら、何か知っているかもしれない。

 

「そういえば……もう1人生徒会長がいるって聞いたんだけど」

 

「セイアちゃんのことなら、トリニティにいないの。入院中で……」

 

「入院中……セイア……」

 

どこかで聞いたことのある名前。どこかで出会うと不思議に確信しているこの感覚も、どこか不可解な感覚だ。

 

「そう……なら、今はもう聞くことはないかな」

 

「承知しました、また何かあれば聞いてください」

 

会話が終わり、私はティーパーティーのいる場所の扉を閉めた。

 

「…………」

 

エデン条約、セイア。この言葉を聞くだけで心臓を掴まれたかのように息苦しくなる。

この条約、まともな形で終わるわけがない。負傷者……最悪、死者もでるだろう。

 

私が、止めないといけない……いや、私が、必ず成功させないといけない。

例え、私の生を削ったとしても。

 

「………でも、まずは補習授業部のことだよな」

 

あまりに先を見すぎて、目先の物事を忘れちゃいけない。第一に、補習授業部のみんなを救わなきゃ。

 

「というか……知ってる名前が1人……」

 

ま、まあ……会ってみないと分からないか。

 

書かれた場所まで近いし、会いに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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指定された教室に着き、ドアを開けると、1人だけ教室の中に居た。

 

「……やっぱり」

 

「あ、あはは……こんにちは、先生」

 

居たのは、アビドス時に力を貸してくれた。ファウ……ヒフミだった。

 

「こ、これにはやむを得ない事情がありまして……」

「ペロロ様のゲリラ公演に参加するために、テストをサボってしまって……それで……」

 

「うん、しっかり反省しようね」

 

「うぅ……はい」

「あ、あと……ナギサ様に、先生のサポートを頼まれまして……」

 

「サポート?」

 

詳しく聞くと、元々成績が悪くないヒフミには、さっきの件もありちょうど補習授業部の対象となり、部長として他3人を先生と共に救って欲しいという訳だった。

 

「なるほど」

 

「は、はい……なので、みんなが補習授業部から抜け出すまで、よろしくお願いします、先生」

 

「うん、ヒフミの頼みなら、喜んで」

 

「っ!は、はい!」

「あ、他の人たちには、まだ会われてないんですよね?」

「名簿には、メンバーは私含めて4人みたいです」

 

「とりあえず、会いに行ってみませんか?」

 

「うん、そうだね」

 

「まずはみんなで、どうやって落第せずに済むのかの計画を立てないと……」

 

そう言って前を歩いていくヒフミについて行き、次の教室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

︎✦︎︎✦︎︎✦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着いた教室は、正義実現委員会の教室だった。

 

「し、失礼します……どなたかいらっしゃいますか?」

 

ふと目を向けると、横の椅子にうずくまって座っている子がいた。

 

「あ、あの……」

 

ヒフミが話しかけても無言のままで、一向に喋ろうとはしなかった。

 

「え、えっと………」

 

痺れを切らしたのか、その子はこっちを向いた。

 

「……何?」

 

「え、えっと……」

 

お互いによく分かっていない謎の空気感。

 

「……人見知りかな」

 

「だ、誰が人見知りよ!?」

 

なぜかボソッと言った人見知り発言にはなぜか凄く良く反応した。

 

「た、ただ単純に知らない相手だから警戒してるだけ!」

 

「警戒の仕方が猫みたいだね」

 

「!?!?だ、誰が猫よ!?」

「っ……そ、それで、何の用?」

 

「えっと、探している人がいまして……」

 

「はぁ!?正義実現委員会に人探しを依頼しようっていうの!?」

「私たちは、そんなに暇じゃないの!」

 

「い、いえ、えっと、ここに閉じ込められてるって聞いて……」

 

「……はぁ?」

 

「ですから、良くないことをした方がここに……」

 

「……え?それって……」

 

すると、奥から足音が鳴りながらこちらに近づいてきた。

ドアが開き、そこから出てきたのは____

 

「こんにちは、もしかして、私のことをお探しでしたか?」

 

「!?!?」

 

「!?」

 

「ん!?」

 

学校内で、しかも教室内でスク水を着ている人が突然私たちの前に現れた。

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