虚弱先生の青春物語   作:不透明な水滴

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誤字報告ありがとうございます!あと関係ないですが初めて感想貰えて嬉しくて踊ってます。


補習授業部(2)

全員集まり、一度教室に戻って全員を席に座らせる。

 

「これで全員……だね」

 

ヒフミとコハルは良いにしても、ハナコは水着、アズサは顔にガスマスクを付けて銃を常に身に付けている。

私は、やっていけるのかと心の底から思う今日この頃。

 

「えっと……そういうことなので、短い間ですが、これからよろしくお願いします」

 

「うん……うん、そうなんだけど……一旦ね?」

 

異質な2人を着替えさせよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

︎✦︎︎✦︎︎✦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

改めて全員を見つめ直す。

初対面だが、私の見た目と雰囲気から見て「本当にこの人で大丈夫だろうか」という固い意思を感じる。

 

「あれ……先生、その手は……?」

 

「ああ、これ?」

 

ヒフミが疑問を投げかけながら私の手に指を指す。確かにヒフミは気になるような疑問ではある。

なぜなら、私は暑い日が来そうな時期なのに長袖に薄いが黒い手袋をしているからだ。

 

「前にお会いした時は無かったんですけど……何かあったんですか?」

 

「いや、これに関しては……」

「まあ、私にも色々とあるんだよ」

 

変に茶化してしまったが、そんなに複雑な理由は無い。理由としては、私の眼に宿っている謎の力は自身の拳にも付与できることが分かったから、変に暴走させないように手袋をしているだけなのだ。

もちろん、自分でもこの眼の力やどうやって拳に付与するかも分からない、だがもし仮に力が暴発して生徒に傷を付けてしまえば、その日の内に私は自死を選ぶ。

 

だから、そんな時がきて、生徒を悲しませないためにこうして雰囲気だけではあるが抑えつけているということだ。

 

「まあ、そのうちに話すよ」

「他に、何か聞きたいことはない?」

 

「大丈夫、これからは普通の授業に加えて、毎日放課後に特殊訓練があるだけ」

 

アズサが兵隊のような言葉で大丈夫と告げる。

 

「えっと……訓練と言って良いのか分かりませんが、はい。私たちが目指すのは、これから行われる特別学力試験で「全員同時に合格する」ことです」

「先生も手伝ってくれるので、み、みんなで頑張って落第を免れましょう……!」

 

特別学力試験は第三次まであり、そのうちの一度でも全員が同時に合格できれば補習授業も終わり、落第を免れる。

だいぶ優しい設定だが、ただ単純な優しさではないような気もする。どこか裏があるようにも感じるが、今は考える必要はなさそうだ。

 

「先生には主に……スケジュールの調整や、色んな補習を行っていただければ助かります!」

 

「うん、分かった」

 

「先生って頭良いの?」

 

コハルがそう聞いてくるが、当たり前だ。私は先生だから。

 

「……そう思いたいな」

 

「……不安」

 

そんなこと言わないで。

 

「うん、理解した。3回のミッションのうち、一度でも全員で成功を収める。そのためにここに毎日集まって訓練を重ねる……さほど難しい任務じゃない」

「この集まりはつまり、各自のリタイアを防ぐための措置……私としては、サポタージュする気も理由も無い」

 

随分と自身満々なアズサには、あまりの自信のありさに安心感もあるが、ここは補習授業部。つまりそういうことだ。

 

「そ、そうですね?頑張りましょう!えっと、アズサちゃんは、転校してからあまり時間も経ってないんですよね?」

「まだこの学校に慣れてないせいもあるでしょうし、みんなで頑張ればすぐに何とかなると思います!」

 

「あら?白州さんはこちらに転校されて来たのですか?」

「トリニティに転校だなんて、珍しいですね……?」

 

ハナコが多少含みを持たせながらも丁寧な口調で転校の件をアズサに聞くと、アズサは何も答えずに目を瞑った。

 

「あ、書類上はそう書いてあって……も、もしかして私……余計なことを……?」

 

ヒフミがそう焦っていると、それに気づいたアズサは隠すことではないと転校のことを事実だと肯定した。

 

「こう言われるのは慣れるべきことだし、そのための努力もしよう」

 

どうやらアズサは何か裏があり黙った訳ではなく、その問いに対して多少回答に時間がかかっただけのようだった。

 

「なるほど……では、この雰囲気のままでも何ですし、私もアズサちゃんと呼んでもいいですか?」

 

「……?別に良いけど?」

 

「では、アズサちゃん。ヒフミちゃん。それからコハルちゃん。うふふふ、何だか良い響きですね。私たちはこれから補習授業部の仲間ということで」

 

心做しか、今まで見た中で一番嬉しそうな顔をしていたように見えた。

 

「アズサちゃんは一見冷たそうに見えますが、なんだか可愛らしいですし。ふふふっ」

 

一瞬にしてちょっと変な目に変わった気がするが、まあ気のせいということにしておこう。

 

「?」

 

そんな場を遠目から一言も話さず軽蔑の目で見ているコハルに気づいたハナコは、直ぐに食いついた。

 

「あら、そんな憎悪に満ちた目で、どうしたんですかコハルちゃん?」

 

するとコハルは、席から立ち上がってみんなを指指す。

 

「言っておくかど、私は認めないから……!」

 

「あら、何のことですか?」

 

「わ、私は正義実現委員会のエリートだし!」

 

えりーとの間違い……あなんでもないです。

 

「私の方が年下だからって、あんたたちを先輩だなんて呼ぶつもり無いから!」

「それにそもそも、こんな部活さっさと抜けてやるんだからっ!あんまり馴れ馴れしくしないでもらえる!?」

 

「なるほど……確かに、補習授業部の中まで、先輩後輩なんて必要無いと思います。私としては何も問題ありません」

 

「私も別に、そもそもそういう文化を知らない」

「そもそも仲良くするために集まった訳じゃない。あくまでお互いの利益のためなんだから、親しいふりをする必要も無い。違う?」

 

「あ、うぅ……」

 

「じゃあ決まり!それにそもそもの話……!」

 

「……はぁ」

 

仕方ない。

手を叩くと、教室中に響き渡り、その音で全員が私の方を向く。

流石に目的を忘れて言い争いをしていては困るし、ヒフミも困っていた。あくまで優しく、できるだけ優しい顔で怒ってあげないと。

 

「仲良くしよう……ね?」

 

「!?!?」

 

「…………」

 

「あら………」

 

「ぁ……」

 

私がそう言い終え、しばらくの間沈黙が続いた。なんで。

 

「……あれ?……あの〜……?」

「………と、とにかく!みんなで仲良く!頑張ろう!」

 

「っ!は、はい!そうですね!」

 

遅れてヒフミが対応し、何とかその場は保つことができた。

そんなこともありつつ、遂に補習授業部としての活動が始まり、毎日放課後、教室に集まり特別な補習授業を受けることとなった。

 

未だに、あの時なんで教室が静かになったのかは分からないかった。




いくら初対面とはいえ、先生には失望されたくなかったんでしょうね。

これを作成してる時夜3時から初めてノアとカヨコのASMR聞きながら5時まで作ってたんですけどまじで何やってるんでしょうね自分。
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