加賀道夫さんじゅうななさい   作:ビーバップ八戒

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mr.cabrass様、本作の推薦を書いてくださったようでありがとうございました。
お礼が遅くなりましたことをお詫びいたします。

……作者に特に通知が来なかったんです。(多分)


仕入れ

 

   クーラタルの街

     道夫の家

 

 昼食はロクサーヌがウサギの肉で作ってくれたホワイトシチューだった。

 本人は出来栄えに不満があるようだが、多分(らく)を使ってないからというだけだと思う。

 あれは結構上の方の階層で出てくる魔物のレアドロップらしく、なかなかの高級食材だ。

 まあ、そのうち自分達で狩れるようになるだろう。

 

 十分に美味しくいただいた後、ペルマスクに行く打ち合わせをする。

 

「委任状と一緒にゴスラー殿に依頼されたのは、装飾のついていない鏡が10枚。

 10枚ほどという契約だから、ペルマスクとの話の成り行きによっては多少前後しても問題ないだろう」

 

 それも当座にということだから、もっと増えてしまっても構わないと思う。

 

「うちで使うのは、手鏡が2つ、姿見が玄関に1つと俺の部屋にも1つ、風呂場や脱衣所で髪の手入れとかをしたいなら、壁掛け鏡とかが追加であっても良いと思う。

 そこらへんはみんなで考えて決めてもらっても良いか?」

「そんなに……よろしいのでしょうか? 鏡だけでも安いものではないと思いますが」

「御主人様、手鏡を2つというのは……」

 

 ロクサーヌとハンナが恐縮している。

 まあ、やっぱり不要だとなったら引き取り手には事欠かないだろう。

 公爵達に加えて、是非取引したいという者も現れた。

 

「そう遠慮しないでくれ、特にハンナ。

 ちょっと話が大きくなりそうでな、ハンナの助けがほしい」

「手前にできることでしたら無論のことです」

 

 公爵達との交渉が終わった後、エルフ武器商人の案内で冒険者ギルドとその隣にあるというコハク商に行くことになった。

 だが、武器商人に城を出た後で営業を掛けられた、「タルエムも売りに行く気はないか?」と。

 

「ハンナはタルエムという木材を知っているか?」

「はい、ハルツ公領の特産品ですね。

 木目の美しい白木です」

 

 あの武器商人は、そのタルエムの細工物も扱っているらしい。

 聞いてみれば納得だ。

 特産品の木材を使って、剣の鞘とか刀剣を置く台なんかを仕立てているらしい。

 公爵に呼ばれるような武器商人だ、公爵の差料であるオリハルコンの剣も材質はわからないが白い鞘だったし、彼が作った物なのかもしれない*1

 

「しかし、木材となりますと運ぶのは大変なのでは?」

「俺もそう言ったんだがな、鏡の枠を作るような大きさの板材なら、鏡を運ぶのとそう変わらないだろうと」

 

 まあ、実際はもっと嫌味ったらしく、「どうせ鏡を運ぶんですから運べるじゃないですか?」と言われたのだが。

 マイクラの村人みたいな「はぁん?」という鼻声もセットだ。

 なるほど、これが公爵の言う〝人間を見下す輩〟かと思うところはあったが、よく見るとまだ28――確かルークと同い年なのに薄い頭頂部を必死に髪型でカバーしていた。

 全てを許せる気がした。

 

「……私はタルエムを知らないのですが、その程度の大きさの木材がどれほどのものになるのでしょうか?」

 

 セリーはエルフの商人と聞いて疑わしい顔を隠そうともしない。

 さっきの話をハンナにだけしたのは、やっぱり正解だったな。

 

「それに関しては、意外に高値が付く気がしている。

 希少性というものは、物の価値に結びつくものだからな」

 

 公爵とゴスラーでさえ、コハクの売買は思いついてもタルエムの売買は考えていなかった。

 木材は〈フィールドウォーク〉で運ぶようなものだと思われていないのだ。

 ということは、タルエムは遠方へは殆ど流れていないか、長い時間をかけて運ぶしか無いのだと思う。

 

「まあ、希少なだけで欲しがる者がいなければ価値はないが、タルエムはエルフの特産品だからな」

 

 エルフはイケメンと美女しかいない人種だ。

 可愛いは正義なのだから、エルフは正義である、つまりエルフの愛用する品も正義なのだ。

 王侯貴族やアイドルが流行を牽引するようなものだな。

 

 エルフの武器商人の自信もわかる。

 気軽にペルマスクに行ける運搬手段とエルフの特産品、それよりなによりハルツ公爵の委任状。

 勝利確定だ、ゴールドシップの単勝だ、勝ったな風呂入ってくる。

 

「それに、その武器商人の目論見が外れても、俺達が仕入れるのは背負って歩ける程度の量の木材だ。

 セリーの言う通り、大した出費ではない」

「なるほど、確かに」

「で、その商人がエルフ風の衣装を貸してくれることになった。

 みんなには、明日ちょっとおめかしをお願いしたい」

 

 そっとセリーの顔を窺うと、不承不承頷いていた。

 セリーはスレンダーで耳も細長いから、エルフ風の衣装は絶対似合うと思うんだが……言ったら怒りそうだから黙っておこう。

 

 一方、ロクサーヌは素直に嬉しそうだ。

 しかし、

 

「おめかしさせていただけるのは嬉しいですが、動きやすいものだと良いのですが……」

「それもそうか、行きも帰りも迷宮を通るからな……明日頼むか」

 

 それ以上に心配なのは、ロクサーヌの服のサイズは大丈夫だろうか、ということだ。

 ……いや、どことは言わないが。

 

「まだ続きがある、コハクだ」

「同じくハルツ公領の特産品でございますね」

 

 公爵達に紹介されたコハク商のもとへは、今日は下見と話を通すだけのつもりだったんだが……。

 まず、コハクの仕入れは問題ない。

 近所で商売されるのは困るが、遥か遠方のペルマスクに持っていくならば全く支障はないそうだ。

 

「で、武器商人と話していたら、コハク商も鏡が欲しいということでな……」

「……まあ、ペルマスクの商人も鏡と宝石を一緒に売りつけているわけでございますからね」

 

 同じことをやりたいと思うのも自然なことだな。

 

「ここで疑問なんだが、公爵は確か〝贈り物として領内の者に下賜するには良い品だ〟と言っていた。

 ハルツ公領の商人と組んで鏡を仕入れてしまって、問題ないものだろうか?」

 

 武器商人とコハク商は問題ないと言っていたのだが、ここはハンナの意見が聞きたい。

 一番不興を買いたくないのは、言うまでもなく公爵なのだから。

 

「そうですね……問題にはならないかと存じます。

 例えば公爵閣下がペルマスクの鏡を領内で独占したいという意向をお持ちになられたとして、その時は商人に献上させれば良いわけですから」

「……随分と無体な話に聞こえるが」

「いえいえ、公爵閣下に請われて献上するのですから、名誉なことです。

 その商人達はハルツ公の御用を務める者達でしょうから、その辺りの機微は心得ているでしょう」

 

 なるほど……神社に奉納した鳥居に名前が載るようなものかな?

 修学旅行で行った伏見稲荷神社にも、名だたる大企業が名を連ねていたものだ。

 

「で、そのコハク商も、コハクを売りに行くのだから、是非商品見本を身に付けてほしいということでな」

 

 以下同文だ。

 仕入れるのはペルマスクでコハク需要を調べてからのつもりだったんだが……需要の創出というわけだな、さすがは商人だ。

 

「明日はコハク商の店で着替えてから鏡を買いに行くことになる……のだが、俺はペルマスクに入れない。

 交渉その他は全てハンナに任せることになる」

 

 アイテムボックスから金貨を10枚、妨害の銅剣の代金を出してハンナに渡した。

 セリーなら商談をまとめてられそうではあるが、さすがに本職商人でもないのにいきなり大金を任せるというのもな……弊社は無茶振りのないホワイトな職場を目指していきたい*2

 

「ロクサーヌも頼んだぞ。

 街中と言っても安全とは限らんからな」

 

 ベイルなんかは夜とはいえ盗賊がほっつき歩いていたからな。

 一緒に盗賊退治をしたロクサーヌに、しっかり頼んでおく。

 

「はいっ、お任せ下さい!」

 

 ロクサーヌが胸を叩くとブルンと揺れた。

 大丈夫、さっき色魔を外したから大丈夫だ、大丈夫なのだ。

 

「セリーとカタリナは一度ペルマスクに行ったのだから、ハンナをよく支えてやってくれ」

『はい』

 

 セリーはエルフ嫌いがちょっと心配だ。

 特にあの武器商人は……ちょっと、いやだいぶアレだからな。

 温和なカタリナで中和してほしい。

 

「さて、5人でペルマスクに行くのはちょっと不安だ、荷物も増えるしな。

 ……というわけで」

「迷宮探索ですね!」

「昨日の探索で、ベイルの九階層はあらかた探索し終えています。

 十階層は水魔法が弱点のニートアント、ご主人様なら効率的に狩ることができます」

 

 今日は〈MP微上昇〉の効果がある僧侶をLv30にするか。

 あとは、戦士をLv30にして騎士か賞金稼ぎになれればな……MP上昇効果があるジョブがあれば良いんだが。

 暗殺者は……なれると決まったわけでもないし、時間も掛かりそうだ、また後日だな。

 

「ハンナは俺達が迷宮に行っている間、具体的な手順を詰めておいてくれ。

 なにしろ突然の話だからな、当然抜け漏れはあるだろう」

「……はい、大役を仰せつかりました」

 

 席を立って恭しくお辞儀をするハンナに見送られながら、迷宮に〈ワープ〉した。

 

 

 

 

   板材と鏡の運搬方法が決まっていません。

   ボーデで確認必要です。

   他に気付いたことがあればお願いします。(ハンナ)

   ↑私は動きやすい服装をお願いするつもりです。(ロクサーヌ)

   ↑ボーデはかなり寒いと思いますが大丈夫ですか? (カタリナ)

   ↑コハク商は冒険者ギルドの隣なので大丈夫だと思いますが……(セリー)

   ↑一応セリーには私の外套を貸しますね。(ロクサーヌ)

 

   ※ここから下は御主人様の備考欄です。

 

   春41日

    AM:ボーデ→ペルマスク

    PM:午後半休

 

 

 

 

   ボーデ 城下町

 

 ボーデは日の出が早いようなので、まだ暗いうちにクーラタルを出発した。

 と言っても、家の壁から冒険者ギルドの壁に移動するだけなのだが。

 まだ人気のない冒険者ギルドも既に肌寒いのだが、外に出た瞬間震え上がるような寒風に晒された。

 

「本当に雪が残っているのですね」

「……ああ、ロクサーヌは大丈夫か?」

 

 いかにも雪国っぽい、傾斜の大きい屋根が印象的な街並み。

 その端々に残った雪を興味深そうに眺めるロクサーヌは……元気そうだな。

 

「全然平気です! 3人は大丈夫ですか?」

「は、はい、外套を貸していただいて正解でした」

「手前共は北部の気候に慣れておりますから」

「はい、大丈夫です」

 

 こないだ言っていたが、ロクサーヌは寒さに強いらしく、一番薄着のセリーに外套を貸してくれている。

 ロクサーヌが着ると膝まである外套も、セリーが身を包むと(くるぶし)あたりまであるが、それでもセリーは寒そうだ。

 まあ、無理もない。

 外套の下は、タイツを履いているとはいえホットパンツだからな。

 

 ……やっぱりもっと服が必要だな。

 

 いつだったか、セリー達が来る前に脳内で将来設計をしたが、とんだ丼勘定だったろう。

 黒板が出来て迷宮探索のことは色々検討したが、生活を豊かにする方向でもう一度話し合ってみるか。

 

「コハク商は、ギルドのすぐ隣だ」

 

 それもこれも、今回のことが片付けばまとまった資金が用意できるだろう。

 スキー場のロッジのようなログハウスの扉を開けた先は、事務所めいた雰囲気の受付だ。

 帝都の目抜き通りには、ウィンドウに商品を陳列する地球と同じような業態の店があったものだが、ここはそうではないらしい。

 

「いらっしゃいませ、ミチオ様」

「よろしくお願いする」

 

 昨日と同じく猫耳の店員が迎えてくれた。

 そばかすの可愛い女の子だ。

 細目の顔がどことなく猫っぽい彼女は、猫人族だそうだ。

 

「こちらはエルフの方のお店ではないのですね」

「……ああ、すまない、言っていなかったか」

 

 ロクサーヌの言葉に、店員が営業スマイルを浮かべながら言う。

 

「コハクは海で採れますので、海であれば私ども猫人族のテリトリーです」

 

 昨日、俺も同じことを訊き、同じことを言われた。

 初めての客は、大体同じことを言うらしい。

 

 海に詳しそうなので、昨日はついでにペルマスクに海路で交易していないか確認したが、それはないそうだ。

 というか緯度と経度の理解も不十分だから、どっちにせよ外洋を航海する技術は未発達なのではなかろうか。

 いや、沿岸伝いなら行けるのか? 古代ローマの硬貨が沖縄で出土したとかニュースになっていたような。

 

 ……よくわからんな。

 まあ海路での直接取引はない、それだけわかれば十分か。

 

「どうぞこちらへ、店主もすぐに参ります」

 

 奥の応接室に通された。

 コハクのネックレスや原石が、既にテーブルの上に広げられている。

 不用心なとは思うが、同時に公爵の紹介状の重みを感じるようで胃もたれする。

 

 ……目を輝かせているロクサーヌ達を見て癒やされよう。

 素直な反応を見せるロクサーヌとカタリナ、最初から冷静なハンナと違って、セリーは感嘆符付きの声を一瞬出した後、表情を引き締めた。

 今は興味なさそうな顔でコハクを見ている……可愛いよな、この娘。

 

 ややあって、猫人店員がお茶を持ってきてくれた。

 ついでに話しかける。

 

「ボーデは日の出が早いようなので早目に来たのだが、早過ぎただろうか?

 武器商人はまだ来ていないようだが」

「いえいえ、とんでもない。

 ……あそこは老舗ですからね、勿体ぶってるんですよ」

 

 あらら、評価が低いな。

 ちょっと唇を尖らせている。

 

「皆さんのお着替えをこの店でするように言ったのも、異種族を店に入れたくないからですよ」

 

 ……どうだろうな、冒険者ギルドの隣だからこちらとしてはありがたいのだが。

 それに、今回の商談で武器商人が賭金(チップ)とするのは貸衣装とタルエムの板だ。

 コハク商はコハクを出すわけだから、値打ちから言ってもここで着替えや受け渡しをするのが妥当だろう。

 

「これこれ、お客様にそんなことを言ってはいけませんよ」

 

 コハク商の店主が入ってきた。

 ソマーラの村長を思わせる腰の低い品の良い初老の男性、彼も猫獣人だ。

 (たしな)められた店員は、大きくお辞儀をして「う、受付に戻ります!」と言って逃げていった。

 

「……もしかして、ご迷惑だっただろうか?」

 

 穏やかな顔で小さくため息を吐く店主に訊いてみると、「いえいえ、とんでもない」を首を振った。

 さっきの店員と同じ言葉なのが、ちょっと可笑しい。

 

「あの方は……そう、非常に真正直な方でございますからな。

 あれほどの大店に婿入りして、なかなか苦労もされているお方です」

 

 ……すごいな。

 全く悪い言葉を使っていないのに、諧謔(かいぎゃく)的というかなんというか。

 俺のことも実際はどう思っているのやら、お偉いさんに紹介された客とか、面倒くさいと思われてもおかしくない気がする。

 まあ、勘ぐっても仕方ないし、額面通りに受け取ろう。

 

 おっと、そうだ。

 一歩引いた位置にいるハンナを手招きする。

 

「彼女が商人のハンナだ。

 私は門外漢なので、基本的に交渉は彼女に任せることになる」

「これはこれは……なるほどなるほど。

 是非お客様のような方にお勧めしたい商品がございまして……」

「いえ、まずは仕入れのお話を……」

 

 ……まあ、任せておけば良いだろう。

 俺はコハクを見ているロクサーヌ達を眺めることにする。

 

 そういえば、以前黄魔結晶を手に入れた時、ロクサーヌにコハクが似合うんじゃないかと考えたことがあったな。

 一口にコハクと言っても、血のように赤いもの、白く透明なもの、どことなく青黒いものと、色々あるようだ。

 樹脂の化石だから、元となった樹木の種類で変わるのだろう。

 彼女にはどんなものが似合うだろうか。

 

 色合いだけじゃない。

 ネックレスにするか、イヤリングか、ブレスレット、額飾りというのもあるか、指輪は……ちょっとな。

 あるいは実用的な物の方が良いだろうか。

 外套の胸元を飾るマント留めとか……いや、ロクサーヌは寒さに強いのだったか。

 

 などと考えていると、ロクサーヌの鼻がスンっと鳴った。

 遅れて入口から物音がする、武器商人がやって来たようだ。

 

「……こちらになります」

「ん……なんだ、随分狭い部屋だな」

「これはこれは……こちらの部屋は、女性陣のお着替えに使っていただくつもりでして」

 

 いきなりあんまりな言葉を浴びせるエルフの武器商人にも、嫌な顔一つせずにコハク商が応対した。

 店員の子は能面状態だ。

 

 武器商人の後ろにいるのは……身なりからすると奥さんだろうか、姉さん女房らしい。

 引き連れた使用人のエルフ達も含めて、ツンっとお高く止まってる感じがする。

 当然美人なのだが、白雪姫に毒リンゴでも食らわせていそうな意地悪そうなというか……いやいや、偏見はよろしくないな。

 

「やっ、これはミチオ殿、もういた――いらしていたとは。

 ではそちらが――な、なんというモノを……」

 

 武器商人の目がロクサーヌの胸をロックオンした。

 こっちの女性陣も全員能面になる。

 

 ……うわっ、奥さんの眼力やっば……今鏡に世界で一番怖い人を聞いたらこの奥さんの顔が映ると思う。

 この武器商人、家に帰ったら折檻されるんじゃなかろうか。

 彼は咳払いをした後、次にセリーを見ると、

 

「ドワーフにしては、これはなかなか……」

 

――チッ!

 

 おいおい、誰だ舌打ちなんかしたの、武器商人さんがびっくりして明後日の方向に目逸らししちゃったじゃないか。

 ん? セリー、なんで俺を見るんだ?

 そして猫人店員が満面の笑みで俺を見ている。

 

 ……ああ、舌打ちをしたのは俺だったか。

 まあ、大人しくなったならそれでいいや。

 

   ※   ※   ※

 

 さて、店の受付に戻ってファッションショーの開催を待つ。

 猫人店員が出してくれたお茶には、ベリーのジャムがたっぷり添えられていた。

 お茶請けにジャムを添えるのは、プラウダ学園でやってたからロシアの文化だよな……こういう雪国で飲むとより一層美味しく感じる。

 

「ご主人様、いかがでしょうか?」

「――おおっ、素晴らしい、見違えたな」

 

 最初はロクサーヌだ。

 

 ロクサーヌは案の定エルフの服が体型に合わなかった。

 ハルツ公の騎士団員が着ていたような上衣(サーコート)だと、胸が横から溢れるし太って見えてしまう。

 だから、武器商人が装備を提供した。

 ハンナもそうだったが、彼の店は武器も防具も取り扱っているようだ、ジョブになる条件が同じだからな。

 

 とはいえ装備の選択も難航した。

 装備品だからサイズ自動調整が利くとはいえ、肩当てや草摺*3がついた鎧は動きにくいとロクサーヌが嫌がった。

 

 ……じゃあドレスアーマーは駄目か、絶対似合うと思うのだが。

 いや、そんなゲームやアニメにしかない装備がこの世界にあるか知らんけど。

 

 ともあれ、いつぞやベイルの街の騎士団で偉そうな女騎士が着ていたミニスカワンピースみたいな鎧下の上から聖銀の胸当て*4という装備を着用することになった。

 胸甲騎兵みたいで、これはこれで格好いい。

 

 解説のハンナさんによると、聖銀には魔法攻撃を軽減させる効果があるらしい。

 いくらロクサーヌでも仕様的に全体魔法攻撃は避けられないはずだから、この装備は良いな。

 頭腕足にはダマスカス鋼の額金(ひたいがね)、ガントレット、デミグリーヴ。

 無骨な鉄色の装備が、白銀色の胴装備の美麗さを際立たせている気がする。

 

 額金は忍者が使うようなイメージがあるから、斥候の役割を担っているロクサーヌには合っているな。

 そして、最近はボス戦ではデュランダルを使ってもらっているから、その時は盾を使えない。

 ということを踏まえると、ガントレットは良い選択肢かもしれない。

 デミグリーヴはロングブーツくらいの脛当てだ、ニーハイブーツくらいあるグリーヴだと動きにくいが、これなら許容範囲らしい。

 

 最初からデミグリーヴを履かせていたら、ロクサーヌは動きにくいのでと断ったかもしれない。

 だが、グリーヴからデミグリーヴにすることで譲歩的依頼法(ドア・イン・ザ・フェイス)のような効果を狙ったとすれば、この糞エルフはやり手だ。

 

 ……個人的にはニーハイブーツ――じゃないグリーヴだと絶対領域っぽくなって眼福だったのだが、あの格好で大立ち回りされると……色魔をつけている時は不安だ。

 もちろん下にはちゃんとタイツを履いているのだが、それはそれで良いものだ。

 

 俺の反応を見て、武器商人はすっかり鼻高々だ。

 

「いや、これは素直に脱帽ですな、素晴らしい」

「いやいや……ま、これくらいはな。

 あとは武器だが……このほむらのレイピアは申し分ないが、鞘は貧相で見窄らしいので――」

 

――チッ!

 

「――そ、その、折角なので当店でご用意したタルエムの鞘を使っていただきたく!

 こ、これなどは木目が丁度放射状になるように切り出した逸品で、公爵閣下に献上しても惜しくない――」

 

 よしよし。

 猫人店員がお茶のおかわりを淹れてくれた。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「あ、あの……ご主人様、いかがでしょうか?」

「うん、凛々しいな、良いじゃないか」

 

 次はセリーだ。

 彼女は騎士団員が上衣(サーコート)の下に着ていた濃緑色の詰め襟の服を着ている、下は色が揃った半ズボン(キュロット)だ。

 制服がある私立小学校の高学年男子みたいな格好だ。

 彼女の場合は背丈の都合で上衣が合わないようだ、半ズボンから出る足がよく見える。

 

 ……うーん、ツインテールの髪型は後で考えるとして、この格好だとタイツがどうも浮いて感じる。

 男子小学生っぽさがなくなる、まあ俺が日本人だから抱く感想なんだろうが。

 

「騎士団員の着ていた長ズボンは履けないのかな?」

 

 武器商人は俺の反応が鈍いのが不満らしい。

 鼻を「はぁん?」と鳴らして、

 

「わからんやつだな。

 袖はボタンで詰められるが、一番短いものでもこの袖のように丈が余って――」

「――だがそれがいい」

 

 俺の誠意ある言葉が通じたらしい。

 もう一度着替えると、セリーが小学校高学年男子から、入学直後のピカピカの中学生男子に進学した。

 制服代の節約のために、サイズ大きめに仕立てた制服に身を包むあの感じだ。

 

 エルフの武器商人の奥さんと使用人も、ほぅっとため息を吐いた。

 おばさ……お姉さん方って、こういう美少年好きだよな*5

 

「当方からはコハクのボタンをご提供させていただこうかと思ったのですが……この服装なら髪留めの方が良さそうですな」

「そうですな、後ろでまとめた方が良いような」

 

 猫人店員がセリーの髪を解いて、

 

「これはまた豊かな御髪(おぐし)で、よくお手入れされてますね」

 

 と褒めるとセリーが照れくさそうにした。

 そして、コハクで茨を模した髪留めで髪を後ろにまとめる。

 

「こちらはコハクを研磨する前の、切削して成形する工程で出る端材を使っておりまして……」

 

 と、店主がセールストークする。

 コハクがよく映える黒檀を土台として、形の不揃いなコハクで茨模様を作っているのだそうだ。

 

「これはすごい、髪に茨が巻き付いているように見える」

 

 黒髪に馴染む色だから、茨模様が浮き出して見える。

 色合い(カラーリング)は違うが、幽白の蔵馬が髪で薔薇棘鞭刃(ローズウィップ)を使ったシーンをちょっと思い出した。

 

 正面から見れば初々しくも凛々しい少年騎士、だが後ろから見れば豊かな御髪のお嬢様にも見える、中性的な妖しい魅力がそこにはある。

 エルフのお姉様方の視線にますます熱が籠もるのを見て、武器商人が忌々しそうな顔をした。

 ……勝ったな。

 

「くっ……武器だが、さすがに棍棒は、その……だと思うので……」

「確かに、ご提供いただいた服装に見合っているとは言えませんな」

「うむ! なので、こちらからはこのグレートメイスを提供する」

 

 メイスは十字軍のキリスト教の僧侶が使っていた、突起がついた打撃武器だな、それの大きい版か*6

 武器商人がアイテムボックスから苦労して引っ張り出したそれを、セリーは軽々と受け取った。

 

 ……小さい子に大きい武器は素晴らしい。

 根本から先端まで無骨さたっぷりの棍棒と違って、グレートメイスは柄だけ見ると剣や槍に見える。

 だが振り上げると先端に凶悪なものが現れる、という視覚効果があるのだな。

 ロクサーヌに絶対領域を展開しようとしたことといい、このエルフ……理解(わか)っていやがる。

 エルフは美貌だけでなく、審美眼も優れているのだと認めざるを得ないな。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「手前共にもこのような見事なものを身に着けさせていただけるとは、恐縮ですが」

「……い、いかがでしょうか?」

「いや、素晴らしい逸品だな」

 

 ハンナとカタリナは片目を隠す皮の眼帯の上から、コハクで目の模様を(かたど)ったすだれのようなアクセサリーを額から巻きつけていた。

 色の違う小粒のコハクをチェーンで繋いで、目玉模様になるようにしているのだな。*7

 モザイク画みたいだな。

 エキゾチックというかオリエンタルというか、お洒落で格好いい。

 

「これは随分と高価な品なのでは?」

「いえいえ、大粒のものは使っておりませんし、正直に申し上げて色合いを優先したのでコハクの質は二の次です」

 

 とはいえ、加工に手間が掛かる分、そう安くはできないという。

 

 2人に誂えたようにぴったりだが、この世界では貴族や商人も迷宮に入るから、案外こういう不具になった貴人向けの装身具の需要があるらしい。

 公爵ですら、あの口振りでは自ら迷宮探索しているのだろうしな。

 と思ったら、公爵クラスの本物の上流階級になると、エリクシールで全部治してしまうらしい。

 大金持ちならエリクシールで治してしまうし、そうでない者は高額な装飾品は買わない、ちょっとニッチな代物になってしまったわけだな。

 

 材料のコハク自体は高いものではないが、技術力はアピールできるというわけだ、なるほどな。

 コハク商は原石も用意してくれることになっているが、できれば加工したものを売りたいのだろう。

 

 ……それにしても、エリクシールか。

 さすが異世界、そういうのもあるのか。

 

 服装だが、交渉役であるハンナは額飾りは受け取ったが、「ロクサーヌさんを差し置いて……」と華美な服装は断った。

 まあ、気持ちはわかる。

 10代の美少女達を差し置いて、30代の自分が飾られるのは気恥ずかしいのだろう。

 娘を差し置いて身体を張るどっかの戦車道の家元のようにはいかない。

 

 代わりに割を食った……と言うのも変な言い方だが。

 一番若くて非戦闘員のカタリナが、大きなコハクのネックレスとエルフ風のドレスで目一杯着飾ることになった。

 さすがに十二単衣みたいに裾……トレーン? を引き摺るようなドレスではないが、このまま披露宴に行けるようなドレス姿だ。

 

 ハンナが着飾った愛娘の姿に涙を堪えているのを見て、ちょっと目頭が熱くなる。

 ……こういう時、年を取ったことを実感するな、涙もろくなる。

 

「ご満足いただけたようですな」

 

 武器商人が会心の笑みを浮かべている。

 エルフのお姉様方も出来栄えに満足げだ。

 カタリナは細身だから、エルフの服がよく似合うのだな。

 

「いや、素晴らしいものです、感服しました」

 

 素直に頭を下げる。

 彼らは異種族をあからさまに見下すが、傷痕があることは特に見下す理由にならないらしい、良い仕事だと思う。

 まあ、魔物がそこらにいるような世界だからな。

 

「ふぅん、そうだろうとも。

 では、最後にミチオ殿ですが……」

「いや、交渉役はハンナに任せるし、男の私は所詮引き立て役だから……」

 

 それどころかペルマスクに入ることすらしないのだから、意味がない。

 と皆まで言わないで断ると、武器商人が俺の上から下までを眺めてから「まあ、これでは着飾り甲斐もないか……」としみじみと呟いた。

 だから聞こえてるんだよ。

 

――チッ!

 

 ……俺じゃないぞ。

 後ろでセリーがグレートメイスをズシンと構えて舌打ちしたら、武器商人は目を逸らして黙った。

 猫人店員がキャーって感じでセリーに熱視線を注いでいる……そろそろ君は店主さんに怒られなさい。

 

 あと、ロクサーヌ……さん。

 武器の手入れをここで始める必要はないと思います。

 

 ……い、いかん、教育に悪いことをしてしまった。

 年を取ると気が短くなっていけない……いや、若い頃は気が長かったかというと、多分そんなことはないが*8

 

   ※   ※   ※

 

 その後、タルエムの板材とコハクの原石を受け取った。

 板材は背負子のついた長櫃のような容器に梱包されている。

 武器商人が用意してくれたものだ、このまま鏡も入れることができる。

 

 棺桶という単語が浮かんだが、縁起でもないので口にはしないでおく。

 ……ええと、そう、クソデカ富山の薬売りみたいな感じだな、重さも多分20kgくらいあるが、〈腕力上昇〉に割り振れば大丈夫だ。

 どうせボーデの宮城に運ぶ時は俺が持つことになるし、みんなは恐縮しているが俺が背負う*9

 コハクが入った容器は比較的軽装なハンナが背負った。

 

 そしてコハク商の隣の冒険者ギルドから、猫人店員に見送られて〈ワープ〉で移動した。

 ないとは思うが、ちゃんと移動したか監視されているかもしれないから、クーラタルの冒険者ギルドを経由してから一度自宅に戻った。

 

「移動には支障ありませんか?」

「ああ、背負子だから動くのはそれほど阻害しないし、Lv1の魔物をデュランダルで斬るくらいなら問題ないだろう。

 だが、外套とかは一度置いていこう、あっちは結構暑いからな」

 

 それぞれ外套とさっきの着替えて脱いだ服を置いて荷物を減らして、今度はベイルの迷宮の一階層に移動した。

 たまに実験とかで使っている、前にニードルウッドの魔物部屋(モンスターハウス)があった場所の近くだ。

 人が来にくい――つまり魔物が駆除されにくい小部屋に魔物が溜まって魔物部屋となるというから、ここは目立たない場所だと言える。

 

 ロクサーヌが先導し、俺がその後に続く。

 更に後ろをハンナとカタリナが並んで、殿をセリーが固めるというインペリアルクロスに似ていなくもない陣形で迷宮を歩いていく。

 

「ご主人様、あそこを曲がった先の道を、遠ざかるように歩いています」

「ああ、ありがとう」

 

 特に問題なくデュランダルで斬ることができた。

 一応3匹倒してから、次のドブローの迷宮に移動する。

 

 最初ザビルに行った時に寄らなかったベイルを経由してドブローに来たのは、以前4人でここに来た時に感じたクーラタルに居るはずのハンナの方向と、いつもベイルの迷宮で探索している時に感じるハンナの方向が似ているように感じたからだ。

 帝都やサボージャを経由するより消耗が少ない……ような気がしているが、まあ気休めだな。

 

 ……あれ? パーティーメンバーを陸地に残して航海したら方角がわかるから、緯度や経度が不明でも遠洋航海できるのかな?

 とすると、意外とこの世界の航海術は発展しているのかもしれない。

 どうするかな……ペルマスクに着いたら、「タルエム? ああ、鍋敷きに良いですよね」とか言われたら。

 

「ご主人様」

「ん? もう敵か?」

 

 〈鑑定〉には反応がないが……と周囲を確認していたら、ちょっと思い詰めたような顔でロクサーヌが、

 

「どうしてご主人様は、あのような無礼な男と取引しようと思われたのですか?」

「……ああ、そのことか」

 

 ロクサーヌはまだ結構怒っているようだ。

 まあ確かに、令和の日本だったらSNSに晒されて炎上しそうな軽率な男だったな。

 

「まず、セリーに言ったようにタルエムの板材だけなら大した金額にならないからだな」

 

 意外に発展しているかもしれないこの世界の航海術で運ばれていて、向こうでありふれた板材として捨て値で処分することになっても大して痛手じゃないしな、板だけに……ふふっ。

 

 だがロクサーヌは納得していない。

 そうだな、これはタルエムを取引して良い理由であり、わざわざあのエルフと組んでやる理由とは違うからな。

 他に材木問屋とか探しても良いわけだし。

 

「あとは、実は昨日のうちにちょっとした提案をしたんだが――」

 

 タルエムを加工できる武器商人とコハク商がいるのだから、「コハクの装飾品を入れる化粧箱をタルエムで作っては?」と言ってみたのだ。

 コハク商は「それは良きご思案ですな」と内心の読めない細目を更に細めていた一方、武器商人の方は〝なんで今までそうしなかったんだ?〟と言わんばかりの悔しそうな顔をしていた。

 人目がなかったら台パンしていただろう。

 

 思い付かなかったのは、多分今までは商売相手が領内だったからだろうな。

 遠方相手なら、地域ぐるみでコラボレーションして商品開発するというのはよくある話だ。

 ペルマスクの鏡と宝石の抱き合わせ販売も似たようなものだし。

 

「――悔しいと思うことは悪いことではないだろう、上昇志向があるということだし」

「確かに、そう思うことは良いことですね」

 

 上昇志向を持てる奴は純粋に羨ましい。

 俺は20代のうちに擦り切れてしまったからな。

 ……そういえば、俺が休職した頃とあの男の年齢は大体同じくらいになるかな。

 

「コハク商が入り婿とか言っていたから、多分実績を作ろうと必死なんだろう。

 そういう立場で、公爵の委任状と紹介状を持つ俺を騙す危険は少ないだろうし、繰り返しになるが板材も大した出費じゃない。

 もしそれで儲かるのなら、まあ悪い話ではないだろう」

「わかりました、ありがとうございます」

 

 ロクサーヌは引き下がった後、「でも私はあの方が嫌いです」と言って歩き出した。

 厳しいなぁ。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 その後もいくつもの迷宮を経由して、最後の中継地点であるザビルの迷宮に着いた。

 ここの魔物はミノだ、Lv1でもあの突進はちょっと怖い。

 と思っていると、ロクサーヌがひらりと突進を躱した、何度見ても見事だ、闘牛士でもこうはいかないだろう。

 

 躱し際に彼女がレイピアをちらつかせると、ミノが不格好な体型で不器用に方向転換を始める。

 そこを見計らって、駆け出してデュランダルで斬りつけた。

 

「……そういえば」

「ご主人様、どうかしましたか?」

 

 おっと、声に出していたか。

 これで最後だと思ってちょっと気を抜きすぎたかな。

 

「いや、ちょっと思い出してな。

 ……最初はな、あの調子で話を持ちかけられたから、無視して帰ろうとしたんだ」

 

 公爵達の前ではおどおどしていた武器商人だが、城を出た途端に横柄に話を持ちかけてきた。

 面倒になったので「道案内どうもありがとう」とUターンして城のロビーから帰ろうとしたら、またおどおどした態度で慌てて引き止められた。

 頭を下げることに慣れてないんだろうな。

 

 ……ミノを見てあの不格好な様を思い出した、と言ったらさすがに酷いかな。

 

「多分、俺が公爵に告げ口すると思ったんだろうな。

 そう思うと、俺が公爵の威を借りて偉ぶっているみたいで、ちょっと情けなくなってな」

 

 ちょっと負い目に感じて話を聞いている間に話が膨らんできて、まあいいかみたいな気分になったのだよな。

 

「……あの、申し訳ありませんでした。

 あの商人を脅すような真似をして」

 

 ああ、ロクサーヌは自分が俺の威を借りて脅すような真似をしたことを間接的に叱られたと思ったのか。

 ……いや、脅すようなというか、完全に脅していたと思うが。

 セリーは舌打ちまでしてたし……俺が言えた話じゃないけど。

 

「御主人様、主人の名誉を守るのも奴隷の務めです。

 あのように公衆の面前で主人を侮辱されては、ロクサーヌさん達の行為は決して無作法とは……」

「あ、いや、別に責めているわけじゃないぞ」

 

 ハンナを振り返るついでにセリーを見ると、気まずそうな顔をしていた。

 

「俺のために怒ってくれたんだろう、嬉しかったよ。

 セリーもな」

 

 ……さて、やっとこさペルマスクだな。

 

*1
 本作では、鍛冶師がスキルで製造する武器は刀身のみで、鞘は職人が作るものとします。

 ダガーに関してはスキルで鞘まで作られますが、銅の剣には鞘が無かった(漫画版では盗賊の剥ぎ取り品や妨害の銅剣は鞘がない)こと、聖剣デュランダルは鞘がない状態で出現することから、このような設定とします。

*2
道夫君17歳が1つ歳下の天才少女セリーに仕事を任せることと、道夫さんじゅうななさいが中卒の新卒相当のセリーに大口案件を任せるのは大分意味が異なるように思います。

*3
日本の大鎧(ラメラーアーマーに分類される)における、腰から下を守る部位。

*4
ドラクエの銀の胸当てのような装備をご想像ください。

*5
 原作者様の感想返しより、耳が細いのが年寄りの特徴とされるドワーフのことをエルフは嫌っているだろう、と所感を述べられています。

 逆説的に、耳が細くて(ドワーフとしては)高身長で美形のセリーは、服装を除いてもエルフ的にかなり好印象だと思います。

 ただし、セリーにとっては極めて不本意な褒められ方だと思いますが。

*6
 ダークソウルやエルデンリングのグレートメイスをご想像下さい。

 原作で存在が明言されているウォーハンマーと迷いましたが、エルフは使わなそうな気がしたので。

*7
ちょっと描写が難しいので、『眼帯』『ラインストーン』で画像検索してみてください。

*8
若き日の道夫君は剣道で鍛えていじめ犯を黙らせているので、暴行まではいかなくても器物損壊や脅迫に近いことはしているか、少なくともする気はあったでしょう。

*9
〈フィールドウォーク〉及び〈ワープ〉で運べる荷物のサイズは後書きで補足します。




 エルフは原作で他種族を見下すとはっきり明言されているので、あまり親切&有能すぎると不自然かなと思ってこんなキャラにしてみたら話が長くなってしまった……。

■〈フィールドウォーク〉と〈ワープ〉の積載量について
 これは原作でも明確になっていないと思います。
 漫画2巻にて、ニードルウッドの魔物部屋攻略後の道夫君はベイルの迷宮入口の探索者がギョッとするくらいのドロップアイテムを持って、恐らく〈ダンジョンウォーク〉か〈ワープ〉使っているはずです。
 同じく漫画2巻の、ロクサーヌ購入時に持っていたメイド服が入った大きめの旅行カバンも問題ないでしょう。(地元民でもない道夫君に〈フィールドウォーク〉で運べないカバンを持たせるのは非常識だと思います)
 言うまでもなく、普段探索に持っていっている背負いカバンくらいであれば問題ないです。
 本作では1人で持ち運び可能であること、〈フィールドウォーク〉の黒い幕に収まるサイズであること(恐らく一般的な扉と同じくらい)、という条件を満たしていれば運べるものとします。
 ただし、持ち運ぶ質量に応じてMP消費量は増えるものとします。
 また、本設定はあくまで〈フィールドウォーク〉の仕様であり、上位互換のボーナススキルである〈ワープ〉はもっと仕様がアバウトかもしれません。
 原作で特に描写されていません、引っ越し初日にロクサーヌと2人でダブルベッドを2階の寝室まで運んでいますが、〈ワープ〉を使って運んだ可能性はあると思います。
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