4月18日。
現実の鴨志田から退学ささると予告を受けたので、異世界の鴨志田に会いに行った。この異世界はどうやら『パレス』と呼ばれるらしい。それにしても鴨志田をとっちめる方法は今だに良くわからないが、どうせこのパレスに関係していることは間違いないだろう。
なんなら素早く王様の鴨志田の所へ殴り込みに行くしかねえ。
で、何となく黒髪と坂本と猫の後を追ってパレスに入った時、知らない金髪ハーフの女がいた。
「……。えーと、どちら様でしょうか?」
「ん? 君、どこかで見たような……。まさか雨宮君の後に来た転校生?」
「あ? 雨宮? あいつ雨宮つーのか。お前は?」
「私は高巻杏……ってここどこなの?」
「さぁ……シラネ。んじゃあな。俺は用事があるんで」
「え? ちょっと!? えぇ……」
俺は高巻とかいう女と別れると、何故か修復してあった正面扉を、次は修復出来ない程に粉々に蹴り吹き飛ばして中へお邪魔した。
速攻でぶっ殺してやる。出てこい鴨志田ァ……。
それから遅れて雨宮と坂本と猫がパレスに来て、雨宮はちょくちょく猫にアドバイスを受けつつ、すんごいスタイリッシュに建物の中を進んでいた。
しばらくすると如何にも物々しい通路の先で、聞き覚えのある女の叫び声が聞こえた。
「なんなのよこれ! なんかの撮影? ちょ離しなさいよッ!」
撮影……? これが撮影に見えるってなかなかの現場で活躍してんのかねコイツ。そういやモデルみてぇな見た目してたからなぁ……。
「最上! お前もこっちに来てたのか! この声は高巻のやつだ! 行くぞ!」
後ろから坂本が叫びながら来た。なんたか助けようととしているようだが別に良くね?? この城を撮影だと思ってんなら、それで良いじゃねえか。まぁ、合わせてやるか。
「おうよ!」
俺は3人と一緒に部屋の中へ突入した。するとそこには……淫らな姿と声を発する生き物が無数にいた。なんだこれ……。
「おいおい嘘だろ……これも鴨志田の想像だって言うのかよ。女子のバレー部員をこんな目で……」
「え? こいつらみんな生身の人間じゃなかったのか!?」
衝撃の事実に驚くと猫が答えてくれた。
「コイツらはみーんな、あのカモシダってやつの認知上の存在なんだ。現実の女共をこういう目でみてるっつーことだよ」
「なるほど……。ならみんな死ねえ! 五月蝿え!! 喘ぐなクソ野郎!!」
俺は床に転がる認知上の存在と言われる女子バレー部員の奴らを片っ端から蹴り飛ばしていく。まるでみんな虫の羽音みたいで耳障りったら無かった。
すると部屋の奥にいる鴨志田がこっちに気がつく。が、すぐに高巻の方へ向き直す。
高巻は拘束されていた。なんかX型をした拘束具に。何だっけこれ……たしかSMとかいう……。まさかそういうプレイ中!?
「何回来るんだよ……。どうせそこの賊どもと同じなんだろ? 俺様に文句があって来たんだよな? けどえっと……なんだっけな。名前忘れた。飛び降りたあいつ、お前のせいだからな」
「え……?」
「お前が相手してくれなかったから、代わりにあいつにしてもらったんだよ」
「ふざけないでッ!……ッ!?」
周囲にいた兵士が高巻に剣を持って近づく。
「やめろッ!!」
「それ以上近づいたら殺す……。お前らも見ていけよ。解体ショー」
「やだ……やめて……!」
「まずは服からバラしちゃおっかな〜」
「やだせんせぇ……どえろすぎぃ」
やっぱりそういうプレイ中じゃねぇかよ!! あー俺らここにいて大丈夫? 18禁な展開にならないよな!? あーでも……SMは正直言って興味無いんだよなぁ……。いや待てよ。よく見たら鴨志田と高巻の立場は逆? しかも高巻はそこそこなスタイルをもっていやがる……。
「鑑賞会も良いかなって思う!!」
「何言ってんだ最上!? っておいどうすりゃ良いんだよ!」
どうすりゃ良いって……高巻が殺される前に全員蹴散らせば良いだろう? あ、鑑賞会の後にな。ワンチャン高巻殺されても復活させられるから。五体満足で。
しかーし! 俺はこいつらのことを助ける義理はない。様子見させてもらおう。
「はは……これ、天罰かな? 志帆の……」
「最初からそういう顔してりゃ良いんだよ」
「志帆……ごめん……」
「また言いなりか?」
また雨宮が喋ったああああ!! まさかこの流れは!?
「え……? そんなのやだ……。そうだよね。こんなクズに言われるがままなんて。どうかしてた!」
「だから、貴様は大人しく……」
「うるさいッ! もうムリ! マジでむかつき過ぎてどうにかなっちゃいそうよ! ……っ!?」
来たわー……こいつも覚醒すんのか。しっかしまぁ、どれだけ痛いんだろうねえ? 覚醒直前の頭痛。俺も幻覚魔法で再現はしたけどさ。いやぁ、普通なら耐えられないだろうね。
「あっ!? あぁあぁ……!」
うわぁ……やっぱり女だからか? 流石に聞いてられんわ。世界のマスター音量下げとこ……。
「聞こえるよ……カルメン。わかった。もう我慢しないッ!! そうよ。我慢なんてしていたって何も解決できない」
高巻は仮面を引き剥がした。それでいつものように凄まじい衝撃波っと。あ、これはまたすげぇ衣装だな。ライダースーツっていうの? あらあら胸元もそんなに開いちゃって、なんてはしたないのかしら!
高巻はカッコよくポーズを決めた後、近くにいた兵士の剣を足で上へ弾き飛ばし、それを高く飛び上がってキャッチしてから、勢いそのまま偽者の高巻を一刀両断した。
ひゅー! 良いねぇ!!
「私、あんたなんかが好きに出来るほど、お安い女じゃないから……。志帆から全部奪って、踏み躙った……あんたは許さないッ!! あんたの全てを奪ってやる!!」
「これ以上好き勝手な真似はさせんッ!!」
「もう我慢しないっての。好きにやらせて貰うんだから! いくよっカルメン!」
うひょ〜カッケェええ! 俺が無理やり再現した時とは比べものにならないぜ! で、ついに敵がお出ましか。なんかでっけえトイレに座っていやがる。つくづくどこまでも下品なんだな。この鴨志田は。周りさえも。
「カモシダ様の愛情を理解出来ぬ小娘が! 死んだ詫びろ!!」
「女を欲望のはけ口にしかみてないクズが! 『愛』だなんて笑わせんな! いくよカルメン! 思いっきりやっちゃおう!」
「うおおおおお!! 思いっきりやろうぜえええええ!!」
《center》『
俺は目の前に人間専用発射機を召喚すれば、即座に自分自信を弾丸とし。最大限まで引き絞った後、叫びながら発射する。
瞬間時速凡そ100キロを超える。一直線に、トイレに座る化け物へ。激突する直前に身体強化魔法で瞬間的に自身の身体を硬質化させ、鋼のような物体を化け物に叩き込んだ。
「ばぎゃあっー!?」
あわよくば便器を破壊出来ればと思ったんだが、どうやら便器も体の一部のようでそれは叶わなかった。
ちなみに、『魔法』は俺が元から持っている物で、『スキル』はペルソナから発動するものである。
「ひぃ……ひぃ……ふぅうう……ああぁぁぁ……」
今こいつうんこしたぞ!? しっかり便器の役割は果たしてるだな!? スッキリしたような顔しやがってぇっ!
「最上くんナイス! 私の炎で燃やし尽くしてやる!」
次に高巻はペルソナから火球を発射すると、どうやら弱点だったのか。化け物はのたうち回る。
「あちちちち! あぁっつい!」
「今だ! 総攻撃だ!」
はぁ!? なんだって?
するとそれが機に思ったのか、雨宮、坂本、猫、高巻が一斉にズバババ! っと化け物へ一切攻撃を仕掛ける。
なんかすげえ! 俺も参加したい! という訳なので、一斉攻撃が終わった直後に俺は強そうな刀を召喚し、真っ直ぐ突進からの一閃。勢いよく血が飛び散る。
「ぎゃあああああ!!」
その時ふと鴨志田の方を見ればそそくさと逃げていた。
「待て鴨志田! あ、あれ? 身体が……動かない……?」
「俺が追いかける! じゃあな!!」
俺は4人を置いていって即座に鴨志田を追いかける。しかし鴨志田はもういなくなっていた。この俺をコケにするとは良い度胸じゃねぇかああああ! うおおおおぉ! もう一度人間カタパルトおおおおお!
俺はきっと鴨志田は城の最上階と塔にいるのだろうと考え、自分を勢いよく外から上空へ発射。最上階の壁を吹き飛ばした……。
次回、最上。裏切る!
次回からやっとカモシダ倒します!