自ら異世界に赴く者 作:Mr 不器用
俺、永井優斗は生まれた時から天才だった。幼いころから勉強、運動共にトップをとることができた。
周りの大人たちはそんな俺をひたすらに褒めた。すごい、頑張ったね、など言われるのは毎日のことだ。それが嫌だったかと言われたらもちろん違う。もちろんうれしかったし、最初のころはむしろそれを言われるためにやってきた。
でも、それと同時に同学年の奴らは離れていった。
彼らも最初のころこそはすごい、教えてほしいと言ってきたが時間がたつにつれて次第にその賞賛は妬みに代わった。
もちろん気持ちはわかる。努力してきた者が全く努力してない奴に負けるそんなのは屈辱のほかない。俺が逆の立場ならそう思うし、そんな奴と一緒にいたら比べられるから離れていくのは当然のことだ。だから俺はみんなが離れていくのは仕方ないことだと割り切った。
それでも俺に話しかけてくれる人はいたがその人とも長くは続かなかった。
価値観が違うからだ。人はだれしも努力をしてそれが実ると喜ぶ。だが俺にはそれがない。そもそも努力をすることがなかったので、成功した時の喜びや失敗した時の悲しみを感じたことがなかった。
だからこそ俺は毎日が退屈で仕方なかった。友達もいなく学校に行っても既にできることをやるだけである。することもないから暇つぶしに資格を取ったりさまざまな大会に出たりした。それでも退屈なのは変わりなかった。
でもそんなある日、俺はアニメの世界に出会った。
俺はその独特な世界観だったり俺が送ることのできなかった日常を書いているものがたまらなくおもしろかった。でも俺は、面白いと思うと同時に憧れた。ああ、俺もこんな風に生活を送ることができたらなと。
でも俺には無理だった、天才であるがゆえに周りには人がいない。孤独なのだ。一人では恋愛もできないし高めあうライバルもいない。だが、ある時ふと思ってしまったのだが一つだけなら俺にできるかもしれないものがあった。いやむしろ俺にしかできないものが。
それは異世界物である。
今どきの学生なら一度は異世界に行ってみたいと思うだろう。異世界に召喚され魔法を使い、無双して、ハーレムを作ることを。だがそれは妄想で終わる。
俺も異世界に召喚されてみたいとは思うが自分にドンピシャで来るとはまずないだろう。それにそもそも、異世界に召喚されることがあるのかどうかもわからない。だからこそ思った。
呼ばれないのなら自分から赴けばいいと!
それからの行動は早かった。そこで初めて俺は努力をした。この退屈な日常に終止符を打つためにたとえ血を吐こうとも体が動かなくなろうとも毎日地道に努力した。異世界に行っても戦えるようになるためあらゆる武術を身につけ、基礎体力を上げ、異世界に行くにつれ必要と思うものをすべて身に着けた。それと同時に一番肝心な異世界に行く装置の研究も始めた。それから過ぎること数年
♢♢♢♢
「ついに、ついに完成したぞ!異世界に行く装置!名付けて空間転位装置としよう!この日のために俺は努力し続けた。ようやく俺の祈願がかなう!」
今、装置の名前が安直すぎると思ったやつ。別にいいだろ世の中にはシンプルイズベストという言葉があるようにシンプルでいいんだ。
それにしても長かったような短かったような。普通に現代の科学レベルで考えれば圧倒的に早いのだろう。具体的には俺のいる研究室は一世紀くらい文明が進歩していると思っている。この研究を世間に発表すればノーベル賞なんて確実にとれるし、世界から注目されるだろう。
だが、そんなことはどうでもいい!
どうでもいいと強がったが、研究の初期段階の方は発表してはいる。
なぜなら、金が要るから。そう金がいるから!
研究を進めるのに道具が必要だったり、異世界で使う武器とかを製作したり購入したりするのはとにかく金がかかる。研究を発表する以外にもスポーツの大会に出たり、異世界に行くにつれ必要と思われる技術を付ける過程で金を稼ぐことができたがそれは機会があれば話していく。
ひとまず、荷物をまとめる。着替え、食料、歯ブラシセット、スマホ、パソコン、充電器、武器、etc。こんな大量の荷物普通なら入らないし、持って行くにしてもかさばると思われるかもしれないが俺にはこれがある。
「テッテレーアイテムボックスー」
どこぞの青いネコ型ロボットのような言い方をしながら出したこれは、いわゆる収納ボックスである。なぜこんなものが作れるのかというと空間転位装置を作るのに使った物質を使ったからである。その物質についての説明は長くなるからやめておく。とりあえず空間に作用すると思ってくれていい。
ついに装置を起動させる。
「ようやく異世界に行ける。さらばだ平凡な地球を。俺は異世界に行くぞ!ジ〇ジ〇―!」
俺は叫ばずにはいられないセリフを叫び地球を後にする。
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