ジョジョだったかもしれねェ…   作:aka1

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オリ主は多分女性

 玄関を通ると、何分か前に家を出たはずの兄が門の前で佇んでいた。

 疑問に思ったが、まあ兄も遅刻したい時だってあるのだろう、と挨拶をして通り過ぎようとした──が、「おい」と呼び止められる。え、何?

 基本無口な兄がこちらに話しかけてくるのは珍しい。足を止めると、兄は「アマについてだが……」と尋ねてきた。

 

 どうやら朝の行ってらっしゃいのキスがなかったことに違和感を抱いているらしい。

 新婚ラブラブ夫婦のような疑問を抱いてる兄だが、確かに母はいつも玄関まで見送りに来て、頬にキスをしてくる。それも毎日。

 

 したくない時もあるんじゃね、と思わなくもないが、スタンドやら何やら非現実的なことが起こっている以上、ちょっとした変化が気になってしまうのは仕方がないことだろう。

 言われてみれば、何だかおかしい気がしてきた。

 母の様子を見に行くか、と提案すると兄は黙ったまま玄関へと歩き始めた。何か話せよ……。全く、何のために口がついてるか分からない。やれやれだぜ。

 

 

 兄の予感は当たっていたようで、台所にて意識を失っている母を支えているアヴドゥルがいた。首あたりからちらちらと見える蔦は、母のスタンドらしい。このスタンドが母を縛り気力を吸い取っているのだとアヴドゥルは言った。

 

 まさかスタンドがそんな呪いみたいなものだとは思わなかった。

 とりあえず母をそのままにはしておけない。台所から母の寝室へと向かい、布団を広げる。スタンドが引き起こす体調不良に、一般的な療養がどれだけ通じるかは分からないが、無いよりマシだろう。

 パジャマやら氷枕やら解熱剤やらを揃えていると、母を背負った祖父と兄、アヴドゥルが部屋へとやってきた。

 

 祖父が母をそっと横たえる姿を見ていると、横から視線を感じた。隣にいるのは兄である。つまり視線の主も兄。何?と首を傾げるとお前は大丈夫なのか、と聞かれた。何のこと?

 

 質問の意図が掴めず瞬きをしていると、横から肩をガッと掴まれた。祖父の腕が私の肩に伸びている。そのままぐわんぐわんと体を揺らされ、「お前は無事か!?」と叫ばれる。

 うるさいし、酔うからやめて欲しい。そんな意味を込めて祖父の腕を叩くが、気づいていないのか全く収まる気配がない。話を聞いてくれおじいちゃん。

 

 騒ぐ祖父に呆れた表情を浮かべる兄が祖父の蛮行を止めてくれた。

 

 どうやら母のようにスタンドに抗えないのではないかと心配してくれたらしい。

 全然大丈夫。スタンドもう発現してるし。

 心配そうにこちらを窺う祖父とアヴドゥル、その隣でじっと見つめてくる兄に力瘤を作ってみせると、アヴドゥルと兄は目を見開いた。祖父に至っては「な、何ーッ!?」と芸人にも負けず劣らずのオーバーリアクションである。

 

 驚くのはこちらである。てっきり気づいていると思っていたのだが、彼らの様子を見るに違うらしい。

 兄に出してみろ、と言われたが、もうずっと前から出てるよと伝える。何?と眉を寄せる兄に、自身の頭部を指差した。ほら、この髪留めみたいなけばけばしい花。これだよ。

 

 目を見開いた兄は、指を指した先の花をガン見していた。

 

 なになに?一年前からつけてただろって?うん。だってこの花取っても生えてくるし消えないから仕方なくそのままに……え、もしかして好んでつけてたと思ってる?

 兄の瞳を見つめると、気まずげに視線が逸らされた。好んでつけてたと思ってたんだ……。こんな毒みたいな色してる花を……。

 

 兄が私のことをファッションモンスターだと思っていたことが判明し、少なからずショックを受ける。

 

 衝撃でぼんやりとしている間に話が進み、兄のスタンドによってディオの居場所がエジプトということが判明した。

 

 

「やはりエジプトか……いつ出発する?わたしも同行する」

「花京院」

 

 アッ!?

 

 思わず声が出る。八つの瞳がこちらを向いた。ごめん、何でもない。話の続きをどうぞしてください。

 

 そう促すと、他の四人は訝しげな表情をしながらも話へと戻った。神妙な顔で真剣に聞いているふりをするが、思考は先ほどの驚きを引きずっていた。

 

 か、花京院ってあの花京院か……!同行するコラの!

 かつて見た数多のコラ画像やパロディイラストが脳内を駆け巡る。これが本家。初めて見たが、やはり他とは違う感じがする気がする。もうちょっとちゃんと見ておけば良かった。あとでサインとか貰おうかな……。

 

 ようやくジョジョの世界に生まれたのだな、と実感が持てたところで、エジプト行きが決まった。

 

 

 え?お前はどうするかって?

 

 兄が見定めるようにこちらを見つめる。他の三人も返答を待っているようだった。

 

 兄と違って優等生で通っている私は喧嘩なぞしたことがない。足手纏いになることは必然である。母の看病は誰がするんだという話になるし、そもそも私はジョジョの世界に存在しないはずの人間である。変に付いていって何かがおかしくなってしまったら大変だ。

 

 行かないよ、と伝えようとするとアヴドゥルが「一緒に来た方がいい」と言った。

 ほう……?その心は?

 母のようにスタンドで倒れることなくぴんぴんしている私は、ディオに刺客を送られる可能性が高く、日本に留まる方が危険である、との事らしい。

 

 確かに……!雷で打たれたかのような衝撃が体を走る。

 

 言い方は悪いが、私は何もせずとも時間が経てば死ぬ母と違う。ディオが送ってくる刺客がエジプトに向かう兄たちと私で分散する可能性がある以上、一所にいた方が私も母も安全である。

 

 異分子による本来辿るはずだった彼らの歩みが歪むことについては……まあ何とかなるやろ!

 作戦、「兄の主人公力に任せよう(ひとまかせ)」である。

 

 こうして、四人改め五人は打倒ディオのためにエジプトへ向かうこととなった。

 




性別決めてなかったのですが、単行本読んだらジョースター家の男子は肩幅が広くて背が高いと書いてありました。ほな、オリ主は女の子やな…
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