ジョジョだったかもしれねェ…   作:aka1

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恐怖!~壁〇危機一髪~

 乗ってた船が爆発した。次から次へと事件が舞い込み、目が回りそうだ。

 

 船に乗っていた全員で救命ボートに乗り込み、海上を進む。シンガポールを目指して三日間、悠々自適な船旅の予定が、乗船して半日で遭難している。予定通りに行くことはないとは思っていたが、前途多難だ。

 

 これからどうするんだ、とこの先について話し合っていると、目の前に大きな船が見えた。私達が乗ってきた船よりも一回りも二回りも大きい。都合よく現れた船。怪しすぎるが、このままボートに乗っていても、見える道は遭難一択である。顔を見合わせて、ボートから船へと乗り込んだ。

 おかしなことに船内には人気がない――というよりも、人が一人も見当たらない。いるのは檻に入ったオランウータンだけである。動物の輸送船?何故一匹だけ……。

 

 そのまま船内を散策しようとすると、

「見るなッ!」

 いってぇ!

 祖父の手の平が私の目を覆う。かなりの勢いがあった上に義手の方の手の平だったせいか、目の前に星が舞った。痛いと叫んだ私に、頭上から「すまん」と謝る祖父の声が届く。真剣な声色に、何かが起こったのだと理解する。

 

 私の目を覆う祖父の手を叩き、どかせる。船員が一人クレーンの先で頭部を貫かれ、その命を終わらせていた。彼の側にいた他の船員は同僚の突然の死に驚愕と恐怖が混じった声を上げている。

 

 私達の旅に巻き込まれて死んでしまった一般人はこれが初めてではない。飛行機のときだって、何人もの乗客が舌を抜かれて死んでしまった。ただ、あのときの私はその光景をよく見てなかったし、実際に被害にあった人をこの目で見るのはこれが初めてだ。

 敵が、無辜の民の命を奪う事に何の感情も抱いていないことが伝わる光景に怖気が走る。

 

「おい、どこに行くんじゃ」

 

 騒めいている船員たちに向かって歩き出した私に、祖父が手を伸ばした気配がする。肩に置かれるはずだった手を避けて進んだ。

 

「な、何だ嬢ちゃん。危ねえからあっち行ってな」

 近寄ってきた私に一人の船員が声を掛けた。彼の瞳には恐怖がちらついている。突っ立ったまま動かない私に眉を寄せた船員の手を取る。僅かに目を見開かれた。そりゃそうだろう。船員の空気が恐怖から困惑に塗りつぶされ、微妙な空気が流れる。

 順番に船員一人一人の手を取って、最後の一人に花が巻き付いた事を確認した私は、そのまま祖父の元へと戻った。

「……」

 一連の行動を見ていた祖父は、何も口にする事なく私の頭を手を置いてぐしゃぐしゃとかき混ぜるように撫でた。

 

 クレーンが一人で動くわけがない。つまり、船員を殺したのはディオが差し向けた刺客だろう。花京院がスタンドで捜索するも、何の気配も見当たらないらしい。

 

 ……どう考えてもあのオランウータンでしょ。人がいない船にたった一匹乗っている動物。あまりにも怪しすぎる。

 動物のスタンド使いとかいないの?と祖父とアヴドゥルに尋ねる。いないことはないが数は少ないらしい。なら、決まりでは?

「しかし、この船に人が潜んでいる可能性もあるだろう」

 確かに、アヴドゥルの言うことも一理ある。あのオランウータンはブラフで、本当の敵は私達を陰から見ているのかもしれない。

 

「「「……」」」

 深い霧のせいか、空気が重苦しい。敵の捜索は暗礁に乗り上げていた。

 

 

 取り敢えず、何人かに別れて本格的に船内を探索するしかない、という結論に至った時、突然頭部を鈍器で殴られたような感覚が頭から全身へと伝わった。全身を砕かれたような痛みに意識が歪み、祖父たちに船内で起こっていることを伝える前に私の意識は遠のいた。

 

***

 

 目覚めると、体が壁に埋まっていた。

「目が覚めたのか!良かった……」

 祖父から安堵の声が掛けられる。瞬きをし、周囲を見回すと、兄以外の男性達が全員私と同じように壁に埋まっている。

「くそっ、スタンドが出せない……!」

 どうやら危機的状況らしく、焦る四人が視界に入る。

 

 こ、この状況……!か、壁尻だ……。完璧に壁尻だ……!全員まとめて年齢指定の薄い本みたいな目に遭ってしまう……!

 

 目覚めたばかりの頭には受け入れがたい状況に脳が警鐘を鳴らす。まずい、このままでは。焦りから乾いた喉から絞り出した言葉は、なりふり構わない叫び声だった。

 

 ワーッ!助けて!!にいさーん!!!スタプラでこの壁壊してー!!!!

 

「騒ぐんじゃねえ」

 

 ウォーッ!ありがとう!!来てくれるって信じてた!!!

 

 先程まで胴体を締め付けていた壁の力が緩む。どうやらスタンド使いを倒してきたらしい兄のおかげで壁尻の危機を脱することができた。兄に縋って人の目があるにも関わらずおいおいと泣く。

 ありがとう、ほんとにありがとう……。

 

「泣くほど怖かったのか……」

「……やれやれだぜ」

 騒がしいことが嫌いなはずの兄は眉を顰めて嘆息するが、抱きつく私を引き剥がそうとはしなかった。

 

「これこれ、泣くんじゃない。もう大丈夫だからな」

 祖父がぽんぽんと慰めるように私の肩を叩く。うんと頷くが、くぐもっていて情けない声色をしていた。

 

 

 

 良かった。ほんっとうによ゛がっだッ!!!

 

 

 

 祖父がアーッ!な目に遭うことを阻止できて!!!肉親の壁尻とかいうどんな性癖持ちだってドン引きする事態にならなくて!!!!

 




オリ主 は こんらん している !

サブタイは一応センシティブかなと思って伏字にしました。性別違うと言い方も違うらしいし。
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