私こそが─!
ドシン!ドシン!ドガガガガ!ビビビビビビ!
''感化''され暴れる黒いペロロジラ。特ダネを前に放送しなければと動く欲深いクロノスの報道ヘリの何十倍、そこらに建てられているビルの何倍もある巨躯とビームで都市を破壊する怪物を止めるのは、未だ居ない。
本来なら、
それについて、ある1人の大人の男が関わっている……
名前は
キヴォトスの宜しくない治安をどうにかしようとキヴォトス治安回復企業サスキバス・ヴェスパー*1を立ち上げた光ある少年…だった男だ。今となっては社会に揉まれ、ストレスから嫌味ったらしい口調となり戦力の足しとして雇った傭兵バイトは使い捨てるような冷たい性格にもなった。
デスクワークで目つきが悪くなり近視となったせいでメガネをかけるようになった。更には、企業を立ち上げた社長としての仕事と、社員の仕事をやっている上に|1名仕事をしないし話を聞かない自分勝手な自由人《実力ナンバーワンの問題児》の仕事もやっていてスケジュールは常にカツカツ、休む時間は睡眠時間を除けば風紀委員長もびっくりの1ヶ月に数時間あれば良いというもの。*2本来なら人として死んでいなければ行けないが、彼は人として生きたままこんな破綻生活をしている。彼が生きていける秘訣はそのうちに話すとして、まぁそんな企業があるキヴォトスだからV.ⅠやV.IIIなどにカイテンジャーロボを度々破壊されて駆り出せなかったのである。*3
であるなら、ここのキヴォトスは色彩に感化されたペロロジラに踏み荒らされるのかといったら、否である。この物語は、ペロロジラに壊されるというシナリオが存在しない。それ以前に治安回復企業サスキバス・ヴェスパーがある故に、ペロロジラを撃破するものが必ず現れる。
ゴォォォォォッ…!!丁度こんな風に……
『…聞こえていますか?こちらV.IIスネイル、現着しました。このオープン通信を聞いている者たちに告ぐ、このサスキバス・ヴェスパーの社長に助けてもらえることを光栄に思いなさい。』
ペロロジラには劣るが中々に大きくてカッコイイ機体、サスキバス・バルテウス改良型に乗ってやってきては上から目線の物言いに聞いている者たち、大人も子供も関係なしに少年心をくすぐられながらもその言い方に不快感を覚える。*4
「さて、公開放送で民間人への報告はいいでしょう。長くやっては会社が潰れる。…はぁ…」*5
サスキバスのやりたくない仕事をしないやつ、社員名はV.Ⅰフロイト。彼女はブラックマーケットで身企貴に拾われた名前のない少女。生身でも戦闘力だけならアビドスの小鳥遊ホシノやゲヘナの空崎ヒナ、さらにはトリニティのピンクゴリラこと聖園ミカにすらも勝てるキヴォトス無敵の少女。地頭もいいため世界線が異なればミレニアムでセミナーをしている事だろう。だが、拾ったはいいものの性格に難アリで強敵がいる実働や面白そうな仕事をやっていて、書類を片付けるために机に向かうということをほとんどしないため身企貴のストレスは上がり続けている。
「…サスキバス・バルテウス改良型機。対象の排除を執行する。」
ブースターを吹かしペロロジラの周りを、強力なパルスガンを撃ちながら旋回する。
今まで武装ヘリがどれだけ攻撃をしても反応がなかったのに痛がって動きをとめた。
「音のエキスパート*6が集まる我が社の音響部門が開発した武器だ、この程度は出来なくては困ります。」
「…
少しづつ声から感情が抜けていく。自社の癖強社員達やそれぞれがそれぞれにあった頭のおかしさを最大限発揮できる場所となった部門を思い浮かべているのだろう、彼の操縦レバーを握る手が震えている。
パルスガンを打ち続け、クールタイムに入ったらミサイルを発射していく。ペロロジラはたまらず1歩引いて、倒れないように踏みとどまった。
ペロロジラはそれを受けながらも舌を振り回して攻撃してくるが、そんな攻撃はバルテウスの機動力では当たることなく空を切る。
「…フロイトの奴が、『こんなデカい的になるだけのやつよりも他の侵略者と戦いたい』と砂漠に無断で出撃したのも…まあいいでしょう。奴がキヴォトスを破壊する害獣どもを始末するのなら目を瞑ります。この粗大ゴミは私が片付ければ良いですから。」
手の震えが落ち着いてきた…その代わりに彼の額に青筋が立つ。何やらV.Ⅰのこと以外にもストレスがある様子。
「ゲマトリアとかいうやつらの一人が色彩を呼び寄せたのも…許容は出来ます。シャーレの先生と敵対しているようですしたとえ異形と言えども人間。切羽詰まったら人は何でもする…今回もそれでしょう。*7それに、新たな武装のインスピレーションを得られました。これで更なる治安回復に努められます。」
青筋が薄れ、手の震えもなくなったことで怒りが収まったように見えるが、彼の内側はより一層燃え上がり拳を握り…振り下ろした。
ガンッ!*8
『だが……』
オープン回線になっていることに気づかずまだ喋っている彼。ビームを放ったり舌を伸ばして
『このキヴォトスを荒らす貴様は…貴様らだけは!!!ここで駆除する他ない!!!!』
声を荒らげ叫ぶ行かれる苦労者、
『このキヴォトスのどこよりも優先し破壊するべき私の企業を…治安回復組織を!ないものとして扱った!*9このような不測の事態が起きた時のために真っ先に狙われ目立つような存在となった、この私を!企業を!!侮辱したのだ!!!』
彼の言動に混じるキヴォトス愛と自己愛、そしてこういった時のために盾となるよう作られたという創設理由を聞いた民衆は、綺麗に残った彼のサスキバス・ヴェスパーを思い出し複雑な思いを抱きながらも不快感はなく、
『舐めやがって…!!色彩もフロイトも、どいつもこいつもこの私を苛立たせる…!!』
ただただ労しい姿が何も知らない民間人にも見えてきている。彼の苦しそうな唸り声が響く。叫ぶ前兆だと言うのが嫌にもわかる、そんな唸り声。
そして…
『あああああああああああ!!!!
死んで平服しろ!!!!』
『
とうとう発狂した身企貴。今までよりも苛烈に、パルスガンとミサイルを発射し、鋭角にターンしたりペロロジラの舌を回転しながらも綺麗な曲線を描いて回避するなど気持ち悪い挙動で絶えずパルスガンとミサイル、青白いレーザーによる攻撃を食らわせる。怒りから手元をガチャガチャと、まるで格ゲーをするネルの手元のようになっている。操作はゲーム界でトップのUZQueenのような技術を感じる。いくらタフなペロロジラでもずっと攻撃を受けていたら耐えられる訳がなくボロボロだ。それでもキヴォトスを滅ぼす色彩の意志を遂行するために邪魔なバルテウスを撃ち落とさんとブレスを吐き、ビームを放ち頭を振って攻撃してくるのだから流石と言うべきだろう。しかし届かず、攻撃に対して踏ん張れず背中から更地になった所へ力尽き倒れてしまう。消滅を待つだけのペロロジラが最後に見た光景は綺麗なキヴォトスの空…
『終わったか…次の、仕事を…』
─ではなく、サスキバス・バルテウスから放たれた
そうして討伐された色彩ペロロジラは爆発し消滅。頭空力のキモアセンブルで各地を飛びまわるフロイトが残しているミレニアムの粗大ゴミと赤黒いサンクトゥムタワーのいくつかを片付けに向かった。
余談だが、彼はオープン回線になっていることを知らないし、リアルタイムでクロノスに放送されている事も知らない。それを知る頃にはフロイトが仕事をしてくれるようになって、クロノスが【かのサスキバス・ヴェスパーの社長、ストレスから発狂!】という見出しで新聞を出したり、
ネットで
「近寄り難い人だと思ってたけど苦労してたんだな…」
「私こそが企業だ!…何も知らなければ、おもちゃに出来たのに…いつもお疲れ様です」
「これからはちょっとは仕事をしないと殺されそうだ…」
と言われてからだった…
一発限りのスネイルを喰らえ!
食らったか!?ならばこの小説を機に貴様もブルアカ×AC小説を書け!
必ず最終章まで書け!