どうもこんにちは、つい最近2500歳の誕生日をゲストを迎えて祝ったレノストです。
もうゼーリエと戦ったのが200年前なのを思うとあんまり時間が過ぎていないなと感じると同時に前世の残った感覚は随分と長い時間が過ぎ去ったんだなと言っている感じがします。
あの戦い……ゼーリエを
思ったより呪いが強過ぎたのか丸2日間寝ていたのには焦ったが、その後土下座しながらここまでの経緯を説明したらなんとか許してもらえた。
……優しい。
それ以来、3年に1度のペースで天脈竜の家に来ては戦闘を要求したり、お茶を飲みながら魔法を教え合ったりするような仲になった。
ゼーリエの時間感覚的に1週間に1回会いに来ている感じなのだろう。
まぁ、そんな頻繁に来てくれるからちょうどオレの誕生日と重なった日にやってきたので強制的に誕生日を祝ってもらった。
イヤイヤながらも祝ってくれたゼーリエちゃんの写真を魔法で残しているのは内緒だ。
「おい」
「ハイッ」
「お前、何か私の────」
「イヤ、何も? あ、ゼーリエさん、君は呪いへの対処が甘いから『
「……まぁ、いいだろう」
…ふぅ、セーフ。なんとか見逃して貰えたようだ。
優しいと思ったけど前言撤回、やっぱりゼーリエさんは怖いね。
あ、それとゼーリエさんがなぜオレを探していたのかを聞いてみた。
どうやらゼーリエさんは元々、オレの生存を疑っていて、オレがエーヴィヒの墓所の周りに張っていた結界で生きていると確信したらしい。
そこでオレを見つけるために大陸中を探し回っていたとのこと。
オレの考えではエーヴィヒとゼーリエは知り合いだったらしいので、エーヴィヒがオレの話をしてオレの存在を聞いていたのかと思ったのだが、違ったようだ。
オレはその他にも疑問を問いかけた。
エーヴィヒから話を聞いていないのであれば、なぜ魔族であるオレを殺そうとしなかったのかと。
ゼーリエとの戦闘中、一切殺気を感じなかったことに疑問を覚えたのだ。
そしてゼーリエはこう言った。
「……あぁ、それはとてもシンプルな理由だ。お前が強いからだ」
とのことでした。
最近、歯ごたえのある相手がいなさすぎてつまらなかったところにオレの存在を確認してワクワクしたらしい。
つまりは自分と対等に戦えるやつをやっと見つけたのだから、殺すのは勿体無いということですね。
そんなことだろうと思ってましたよ、この戦闘狂エルフめ。
今でこそゼーリエと何回もお茶したり、戦ったりして信用を得ているが……よくよく考えたら戦ったりして信用を得るとか意味わからんな。
まぁ、それはいいとして、ゼーリエも最初らへんのオレの家に来ていた理由はオレを監視するためで、万が一、オレが変な動きでも見せたら殺すことを視野に入れていたのだろう。
もしかしたら、オレが魔王になって人類を絶滅させようとするかもしれないということで。
これは自慢ではないが、実際にゼーリエさえ邪魔しなかったら時間はかかるが、大陸に生存する全人類を絶滅させることができるだろう力をオレは身につけていると自負している。
だからこそゼーリエもそのことを危惧して、オレの家に頻繁に来ていたわけなのだが、でも今はオレがそんなやつじゃないと分かったのか、オレを殺すことは全く考えていないらしい。
ただそれとは別として、殺し合いはしないが、己の全力を使って戦いましょうやとよく誘ってくる。
オレはその誘いに乗って、よく実戦での魔法実験をしている。オレが開発している魔法って大抵、相手がいないと使えないようなものばかりであるからだ。
それはつまり原作のセリフを借りるとしたら、オレは平和の時代の魔法使いではないのだろう。
オレはゼーリエと同じような魔法使い、だからこそゼーリエとここまで仲良くなれたのだと思う。
オレはゼーリエさんを戦闘狂めとか言っているが、オレも実際はゼーリエとの戦闘を楽しんでいる。
人のことを言えないのだ。
「おい、やるぞ」
「はいはい、準備するから待って」
そして今日もゼーリエさんと戦闘をするのだった。
◇◆◇◆◇◆
勇者ヒンメルの死より1000年以上前。
とある森で2つの人影が草木の間を通過していた。
一人は翡翠色の瞳に明るい茶髪、長い髪を後ろで三つ編み風に束ねている女性。
もう一方は金髪のロングヘアで尖った長い耳が特徴的な幼い少女のような見た目をしている。
その2人が並んで森を歩いていた。
「
「ん? あぁ、いた」
「いや、愚問だったな。
女性の方はこの世ならざる者の存在を聞いたかのような表情をする。
それに比べて幼い少女は平淡だった。
「普通にいる」
「え、それって
「ああ」
自分から聞いていたことだが、あまりにも非現実的な事実に目眩がして、足元がふらつく女性。
その様子を見ていた幼い少女は口角を少し上げ、面白いことを思いついたみたいな表情をする。
「そんなに気になるなら今度会わせてやる」
「え、いいのか?」
「フッ、最近会ってないからな。ちょうどいい」
「そうか、それは楽しみだが、
「……そうだな、人間みたいなやつだよ」
そこには、あまり要領を得ない回答に首を傾げる女性とまるでドッキリを仕掛ける直前の子どものような表情をする幼い少女がいた。