大魔族の彼は人生を謳歌する   作:HIIRAGISHIYU

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 お久しぶりです、皆様。お待ちいただいていた読者の皆さんがいらっしゃったので、少しでも早く続きをお届けできるよう、時間を作って執筆しました。少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。どうぞごゆっくりお楽しみください。


025 魔法を封じるってヤバくね

 

 

 どうもこんにちは、レノストです。オレも今年で4800歳。足腰が悪くなり、耳も遠くなってきました。

 

……冗談です。バリバリ現役で、今なお肉体は全盛期を更新し続けています。

 

話は変わって、最近の地上では大魔族が戦争の前線に現れて、大暴れしているとのこと。

 

 主に暴れているのは不死の軍勢を持つアウラらしい。オレ個人の思いとしては、アウラが扱う魔法(呪い)は魂に干渉する特殊なもの。魂に関する研究で壁にぶち当たっているオレからすれば、ぜひとも実験動物として………オッホン、大事な友達として確保したいが、今は我慢だ。

 

 まぁ、人類よ、頑張ってくれ。つい最近やらかしたオレは反省してエーヴィヒの墓所を掃除しに行く以外、地へ降りていない。自室で紅茶を優雅に嗜んでいるオレの応援なんていらないと思うが。

 

 さてさて、地上についての話はこれで終わり。次の話題は、オレが昔から開発している魔法……いや、現段階では技術と言ったほうが正しいだろう。それがもう少しで完成するところまで来ている。

 

 それは封魔鉱の加工技術だ。

 

 封魔鉱は、この葬送のフリーレンの世界の物質の中でも最大級の硬度を持つ物質。オレはそれを加工できたら、よく他の作品とかで聞くゴブリンスレイヤーやドラゴンスレイヤーのようなものが作れると考えた。さながら魔法使い殺し。いや、横文字風に言うのならウィザードスレイヤーか。

 

 で、その封魔鉱の特徴としてオレが目をつけているのは主に二つだ。

 

 一つ目は、物凄く硬いので今の人類は加工すらできないこと。

 

 二つ目は、純度にもよるが広範囲での魔法の無効化ができるということだ。

 

 正直言って、もし封魔鉱を加工できる技術を人類が手にしたなら、魔法を生業とする魔族はとっくの昔に滅ぼされていただろう。まぁ、それは人類の魔法使いにも当てはまることだが。

 

 ここで注目して欲しいのは一つ目の特徴ではなく、二つ目の魔法の無効化という部分にある。

 

 これは作中でも語られている通り、封魔鉱がもたらす効果は()()の無効化であって、()()の無効化ではないということ。

 

 封魔鉱の特徴の一つとして、大量の魔力を込めれば閃光弾並に光を発するというものがある。これが魔力の無効化の効力を持っていないという何よりの証拠だ。

 

 つまり、封魔鉱が無効化しているのは、魔法を発動するための前段階のプロセスだということが分かる。

 

 ここで、魔法を発動させるまでのプロセスについて詳しく説明しよう。オレの経験則によれば、魔法を発動するためには以下の三つの段階が必要だ。

 

 まず魔力の集中。魔法を使う者が、自身の体内や周囲の環境から魔力を取り込む。この段階では魔力はまだ()()()の状態で、ただのエネルギーとして存在している。魔力の集中には、使い手の精神力や感覚が大きく関与する。

 

 次に魔力の構造化。集中した魔力を、使い手がイメージする形に変換するプロセスだ。この段階で魔法陣が役割を果たす。魔法陣に描かれた模様や文字は、魔力の流れを整えるための()()()のようなものだ。呪文を唱えることで魔力を整え、構造化を助ける。

 

 最後に魔法の発動。構造化された魔力が、外部に放たれることで魔法が完成する。これが一番大事で、イメージがそのまま形となり、火の玉や氷の槍といった具体的な効果が生じる。

 

 封魔鉱が干渉するのは、この中の第二段階、魔力の構造化だ。封魔鉱は特定の波長のエネルギーを放ち、魔力が秩序立って形を成すのを阻害する。その結果、魔法が完成する前に()()されるわけだ。

 

 オレはこの仮説をもとに封魔鉱の研究を始めた。そして数百年の試行錯誤を経て、ようやく気づいたんだ。封魔鉱の干渉波を逆に利用することで、一時的に干渉を無効化し、加工を可能にする技術を開発できることに。

 

 具体的には、逆位相干渉魔法というものを作り出した。この魔法は、封魔鉱が発するエネルギー波に逆位相の魔力波をぶつけることで、中和させる仕組みだ。この魔法を使えば、封魔鉱が無効化するはずの魔法を使える状態にすることができる。

 

 加工に成功した例として、封魔鉱を薄い板状に加工し、防御壁として利用する実験を行った。結果は驚異的だった。どんな強力な魔法も、この壁を越えることはできなかった。

 

 これは快挙だ。人類の魔法史にオレの名前が載っていいくらいだと思う。

 

 まぁ、オレは魔族なので名前が乗ることはないだろうが。

 

 ……まぁ、オレは名前や名声に興味はないけどな。ただの好奇心で、面白そうなことをやっているだけだ。それは自分のためでも他人のためでもない。

 

 でも、こうやって新しい技術ができるのは楽しいものだ。さて、一つの研究が終わったとしてもまだまだ研究するものは残っている。

 

 オレは次なる研究のことを考えながら、ゼーリエに報告しに行くのだった。

 

 

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