ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
歩く淫乱ピンクこと淫ピ変態、もとい浦和ハナコパイセンだ。たまたま通りがかっただけっぽいけど、うーん、間が良いのか悪いのか。しかしまじで全身ど迫力って感じだな。先生も大概なんだけど、先生より背が低いのにそれよりうおでっかだから、何ていうかボリュームが凄い。
にこにこと本当に楽しそうな顔をしている。いや、獲物を見つけた猫の笑みなんだろうか。
「それにしても、自警団の役職にあるお2人が水着でなんて♥」
「い、いえ、普通に掃除してただけですけど?」
荷台兼砲架からぴょんと飛び降りて物理的に歩み寄る宇沢レイサさん。動機にやましいところがある自覚があるのか、気持ち目が泳いでいる。イヴちゃんは砲身の汚れの気になっているっぽいところを拭き終えてから同じく荷台から飛び降りて、ホースの水を一旦止めて浦和ハナコさんに近づいた。
「……こんにちは……」
「はい、こんにちは。ええと、宇沢さんと、御蔵さん。浦和ハナコと申します♥」
「私達のことをご存知なんですか」
「ええ、そちらに書いてますから」
ああ、確かに『宇沢』『御蔵』ってスク水の胸元にでかでかと書いてある*1な。
「それに、自警団はトリニティでも今、注目の的なんですよ。色々と♥」
へーそうなんだ、って感じで顔を見合わせる宇沢レイサさんとイヴちゃん。へーそうなんだ。
「……活動の、合理化の仕方とか、ですか……?」
「ええ、確かに今、『紙噛くん』でしたか。伝統が重いトリニティですら紙の書類を排除するようになるなど、キヴォトス全体でその流れはありますから、そういう意味でも確かにですけど」
浦和ハナコさんはにっこりと楽しそうに微笑んだ。
「それよりも♥正義実現委員会の敷地内で、水着で過ごされてるお2人の方が今はと~っても気になります♥」
「……水に濡れても、いい服、です……」
「なるほどなるほど。理屈づけこそが大事ということでしょうか。言い出したのはどちらですか?」
「わ、私です……」
「ふふふ、なるほど」
こしょこしょと浦和ハナコさんが宇沢レイサさんに何かを囁く。元々赤かった宇沢レイサさんの顔がどんどん赤くなっていく。大丈夫?
「いえ、その……はい……」
まあまあ、と微笑む浦和ハナコさん。
「水着の活動、お2人とも頑張ってくださいね♥」
「は、はい、ええ……」
困惑している2人を余所に微笑んで去って行く浦和ハナコさん。嵐のようだった。
「……レイサちゃん、なんて……?」
「い、いえ!何でも無いんですよ!」
そう、と首を傾げるイヴちゃん。真っ赤になって目を逸らし「つ、続きをやっちゃいましょう!」とうわずった声を張り上げる宇沢レイサさんと頷くイヴちゃん。
出入りする正義実現委員会の子達の好奇の目にちょっと晒されつつも、無事ファン・レイン号の掃除が終わった。元の白の輝きを取り戻し、宇沢レイサさんもイヴちゃんも満足げ。
「あっ、しゃ、写真を撮りましょう!!せっかくだし!」
何が折角なのか全然わからんっていうかある意味わかっちゃうんだけど、イヴちゃんも乗り気だしいいか。ファン・レイン号を背景に自撮りする2人。なんで普通の水着なのに何となくえっちな感じになっちゃうんだろうな。TPOってやつか?不思議だ。
正義実現委員会の個室シャワー室で個別にシャワーを浴びて、制服姿に着替え直して自警団の事務室でくつろぐ2人。当然イヴちゃんの右手と宇沢レイサさんの左手はしっかり繋がれている。宇沢レイサさんは紙パックのイチゴミルク、イヴちゃんは冷たいココア。2人とも飲み終えて人心地ついたので、自警団宛のメールと書類をついでに2人で片付けた。
いつもの面子と伊落マリーさん(下江コハルさんは声掛けたけど昨日の諸々の後始末で駄目だった)を交えて晩ご飯。いつものファミレス。宇沢レイサさんがお手洗いに行き、伊落マリーさんが荷物番をしてくれていたので、ドリンクを取ってきた。
「何気に、ここにあたし達以外連れてくるの初めてじゃない?」
伊落マリーさんにドリンクバーで作った怪しげな色のドリンク2杯を渡して笑う報野モユルさん。
「まあ!こういった場に友達と来るの、憧れてました!」
「さすがに、来たことはあるよね?」
朝吹ソフノさんが怪しげな色のドリンクを回収して烏龍茶を置きながら尋ね、伊落マリーさんが頷く。
「あっ、あたしのレモンコーヒーアイスティー割とブドウコーラが!」
不味そうな方をイヴちゃんがさっと取ってぐいっと飲む。凄い微妙なもにょもにょって顔をするイヴちゃん。うーん、味覚がしっかり伝わってくる。不味い。
「どう?どう?」
「……えぐみが足りない、かも……」
「そっか~。グレープフルーツジュース入れて、ベースはコーヒーだけにしようかな?」
「飲み物で遊ぶなら自分で飲みなさい」と溜息をつく朝吹ソフノさんと苦笑いする一同。
宇沢レイサさんがお手洗いから戻ってきて、全員がメニューを眺めて楽しく選び始める。
宇沢レイサさんはウスパクナル・ボレッキ*2、朝吹ソフノさんはゼイティンヤール・カバク・ドルマス*3、報野モユルさんはゼブゼリ・ブルグル・ピラウ*4、伊落マリーさんはアジュル・エズメ*5。イヴちゃんはバルック・エクメーイ*6、レモンしゃばしゃばになるまでかける。みんなでつつく用にムタンジャナ*7とトパラン・キョフテ*8。
「ここ、お安いけど味も結構いいし、凝ってるメニューもあるんだよね~」
「いつ何食べても美味しいですよね!」
報野モユルさんと宇沢レイサさんに食べながら頷く皆。トルコ料理以外にもイタリア料理とか(どっちも名称違うけど)もあるんだよな。
みんなひとしきり満足するまで食べてまったりした時間。
「よく食べました!」
「追加でもう1品頼んじゃったしね」
「ふふ、ごちそうさまでした」
「……美味しかった……」
「コハルさんは来られなくて残念ね」
「正義実現委員会、あの後も大変だったそうですから」
「……今日、確かに本部にもあんまり人いなかった……」
「バタバタしてましたね、確かに」
報野モユルさんが作った変なドリンクを飲んで眉をひそめるイヴちゃん。
「イヴちゃんの不味ドリンク、解禁されて嬉しいね。どんどん作っちゃお」
「……楽しみ……」
「2人とも変な事で喜ばないの」
タッチパネルに全員分のデザートを代表して入力した宇沢レイサさんが向き直ると口を開いた。
「ところでそろそろ、中間テストの勉強をしないといけないなって思いますがどうですか」
あからさまに目を泳がせる報野モユルさん。
「うげー、嫌なこと思い出させてくるじゃーん。あーでも、うちには学年2位のイヴ大先生がいるから大丈夫か」
「大先生て」
「イヴさんは、普段どう勉強されてますか?」
伊落マリーさんの質問にイヴちゃんは一瞬目を上に向ける。
「……高等部の範囲の予習は1回全部したから、2周目の予習を少しずつと、毎日の復習だけ、かな……」
おおー、と一同の小さな感嘆の声。
意外な(?)ことに、朝吹ソフノさんも今回は大変そうな雰囲気だ。
「私、陸上終わって帰ったら疲れててとっても無理で……」
「私も純文学部の部室出たらやる気が床に落ちちゃって」
「予復習はしてますがあんまり理解できてない気がします!!」
「皆さん、勉強会されるのですか?」
「そうそう。中間テストまでやろっかなって。マリーちゃんも来てよ」
「……場所、どこでする……?教室……?」
「教室はちょっと駄目かな~。イヴちゃんに『あっ、学年2位だ!!!』って寄って来ちゃうよ」
気に入ってるのかやたら学年2位を擦る報野モユルさん。ニコニコというかへらへらした感じで悪気は全く感じられないので、1度ウケたネタを永遠に擦るおっさん臭いっていう感じ。
「まあでも、確かにイヴちゃんに休み時間に聞きに来る子も増えてますし、勉強会にならないというか、収拾がつかなくなるかもしれませんね」
宇沢レイサさんがうーんと唸りながら言う。それもそう。みんなで勉強会って言って集まってくれるのは楽しいかもだけど、1クラスの全員で無いにしても半分とか、流石にイヴちゃんも面倒見られないしな。
「図書館に自習室があったはず。あそこを借りましょう」
「……シミコさんに、聞いてみるね……」
モモトークで連絡を取ったところ、あっさり抑えられた。この時期でもあんま人来ないのかな、図書館。
浦和ハナコさんのアドバイスは「率先して自分が露出が多いデザインの水着を着ると、他の人にも着せられますよ」みたいなどうしようもないやつです。
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