ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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顔のいい子達がわいわい勉強会してる絵面から取れる栄養素 勉強会1回目

 いつもの授業、いつものお昼ご飯(今日は下江コハルさんも伊落マリーさんも所用で欠席だった)、放課後、宇沢レイサさんと「掃除」*1をしてから今日も倍速でお祈りをし、黄金パスタサンプルを3分眺めて図書館に行く。

 図書館で笑顔で迎えてくれた円堂シミコさんが案内してくれる。試験期間にはまだもう少しあるが、熱心な生徒がぱらぱら入っているようだ。

「ここが自習室ですけど、今回は人数が多いようなので」

 ずらりと並んだ半個室を軽く紹介してから、別の階にある部屋に通された。

「多目的会議室が空いていたので、こちらを予約しておきました。試験勉強、頑張って下さいね」

「……ありがとう、シミコさん……」

(お礼の差し入れ持って来ないとね)

(……そうだね……)

 いつもの宇沢レイサさんグループと、ちょっと落ち着かない雰囲気の下江コハルさん、つい今し方来たところらしい伊落マリーさんが勉強道具を広げ始めていた。

「お、イヴちゃんお疲れ~」

「お疲れ様、イヴちゃん」

「お疲れ様です、イヴさん」

「お疲れ様です!!」

 ちゃんとドアが閉められるので、多少の大声は大丈夫らしい。下江コハルさんが宇沢レイサさんの大声にちらっと困惑した目をやってから、下の教材に視線を落とした。

 全員、今日は部や委員会、シスターフッドに勉強会してくると断って来てるそうだ。キヴォトスの学生、割とみんな忙しい気がする。

 イヴちゃんが勉強道具と一緒に伊達眼鏡を取り出してすちゃっとかけた。

 

 トリニティの赤点は60点だ。究極的にはそれさえ回避すればいいっちゃいいし、最悪補習を受ければ進級はできる。

 しかし、平均点数上がれば上がるほどお小遣いが上がる制度なので、勉強するだけやり得なんだよな。

 トリニティの学習教材はタブレットと紙資料が混在している。というかどっちを選んでもいい事になっている。イヴちゃんは初等部から重たい本を持ち歩きたくないという理由でタブレットオンリー。宇沢レイサさんは紙だけ。下江コハルさんもタブレットオンリー。伊落マリーさんは古代語と聖典*2以外はタブレット。朝吹ソフノさん、報野モユルさんは教科書に書き込むのが多そうな教科は紙で他はタブレットと混在。

 かりかりと勉強し、わからないところをお互い相談しながら相談すること1時間程度。

 イヴちゃんが友達に教えることで、自分の中での知識をより確かにするのを期待して、僕はイヴちゃんもわかんね~ってなった時以外は何もしないようにするために脳内ライブラリから適当なもんを物色している。キリッとした目と優しい目を交互にしつつ宇沢レイサさんはじめ友人達を眺めるイヴちゃんのよさみの摂取で忙しいからあんまりライブラリ漁りは捗ってないが。さっき皆で撮った勉強会中の写真も、まあ皆可愛いんだけども、イヴちゃんのキリっとした眼鏡姿が破壊力抜群だった。

 宇沢レイサさんは頭が悪いって訳では無いけど、過去の苦手をそのままにして来てしまったタイプらしく*3まだ時間があるから、徹底的に遡って潰すことにした。ダメダメとは言わんけど平均点60点台後半なので油断はできないんだよな。うえ~って顔をしつつ、イヴちゃんが横にくっついて教えてるとちょっと嬉しそう。手繋ぎながら勉強してるから今更距離感とか気にしなくていいんかな。真面目に教えてるときは手の甲を撫でたりせずにきゅっと握るだけにする2人ともえらい。えらいか?

 下江コハルさんはそもそも過去の点数を見せてくれなかった。めっちゃ「余裕だし!そもそも勉強とか必要ないんだけど?!」みたいな事を言ってるから、みんなそれを尊重している。これ尊重したらまずい場面なんじゃないかみたいな気もするけど、いや、ゲーム通りとは限らんしな。

 伊落マリーさんは古代語は得意だけど他は平均的、70点台後半なのでまあ問題ない。ただ、理科系統はやや苦手っぽい。暗記が多いからある程度コツは教えられるけど、ってところか。逆に、古代語をイヴちゃんも僕も得意じゃ無いから、宇沢レイサさんグループの穴を埋めてくれて助かる。別にそういう実利目当てで誘ったわけじゃないんだけど、有難いのは間違いない。

 朝吹ソフノさんは中等部時代は平均点80点台だったらしく、高等部の授業分復習を自力で進めるだけでかなり追いつけてきている様子。

 報野モユルさんは数学系はやや苦手、国語で点数を補うらしく、平均70点台後半なだけあってあんまり問題無さそうだ。集中力がまめに切れてるけど。

 イヴちゃんはもちろん問題ない。2年生の中間テストの過去問をやって、平均96点を取れたので今回は学年1位狙えるかもだな。古代語と、イヴちゃんの本番の弱さが何とかなればな~。

 

 更に1時間ちょっと。報野モユルさんの集中力と下江コハルさんのやる気が消えた!!イヴちゃん*4がわかんないって様子を見せた子を見に行く動きをしてる間、下江コハルさんは誰かに聞くのも教えるのも全然しなかったし、何なら教材すら見せてくれなかったんだけど、大丈夫なんかな。

「あーもう無理!っていうかそもそも私、勉強とかしなくても完璧だし!!」

「え、まじ、すごい。でも私もそろそろ飽きたしお腹減った。ご飯行こうよ」

 みんなは勉強してるから配慮してるのか、やや小声でシャーって感じに宣言してる下江コハルさんとちょっと素で感心してるっぽい報野モユルさん。

「えっ、もうこんな時間ですか?楽しくてつい。晩ご飯、私も行きたいですが、シスターフッドの集まりがありますから、残念ですがこれで」

 伊落マリーさんが慌てて勉強道具一式をかき集めて片付けたところで空気が弛緩し、今日はこれくらいでってことになった。

「……せっかくだから、シミコさんも、誘う……?」

「さっきの図書委員の子?」

「いいですね!!」

「わ、私はど、どど、どっちでもいいけど?」

 下江コハルさん、警戒してるなあ。

「……内線電話、使っちゃお……」

 会議室の内線電話で図書館の受付*5を呼び出すイヴちゃん。

 内線電話を使ったのはちょっとだけお小言を言われたけど、一緒に来てくれるらしい。

 

 昨日と同じファミレス。

「ふふ~、これで全員来られたね」

「まあ、今日はマリーさんがいないけどね」

「コハルさんは、ここ来たことありますか?」

「ば、馬鹿にしないで!来たことあるし!毎日来てるし!」

 えっ、って顔の宇沢レイサさんとしまったって猫目になった下江コハルさん。毎日は来てないやろって誰も言わないのは優しさだなあ。

「……じゃあ、店の制度は大丈夫……?」

「ふふ、私も図書委員会の人達と1回来たっきりですから教えてください」

 ふんすと何故か胸を張って説明し始めるイヴちゃん。可愛いね。

 

 宇沢レイサさんはミートスパゲティ大盛り、下江コハルさんはカリデシ・ギュヴェチ*6、円堂シミコさんはノフトゥル・ピラウ*7、朝吹ソフノさんはムール貝オイルパスタ、報野モユルさんはクアトロフォルマッジ*8、イヴちゃんはバルック・エクメーイ*9

 みんながつつく用にバルック・シシ*10とバルック・ブーラマ*11

 

 何となくで促されて、ちょっと困惑気味の宇沢レイサさんが「き、今日も勉強会お疲れ様でした!!」と乾杯の音頭をとる。いえーい、と応える一同。下江コハルさんはちょっと照れ気味だったけど、乾杯中も宇沢レイサさんがイヴちゃんの手を繋いだまま離さなかったのを見てちょっと吹っ切れたみたいだ。まあいつものことではある。

 イヴちゃんが飲んでる報野モユルさん製ジュース、暗い黄緑色のすげー色。不味い。野菜ジュースとコーヒーとグレープフルーツジュースの濃いところだけ入れたやつらしい。

 朝吹ソフノさんが気遣いつつ水を向け、苦笑いする円堂シミコさん。

「シミコさんは、今度のテスト大丈夫なの?」

「図書館、テスト直前のシーズンでも無いと滅多にお客さんが来ないので、暇な時間は予復習してますから」

「みんなしっかり勉強してるな~」

「皆さんは、大丈夫そうですか?」

「こんなにできてないところが多いなんてって、自分でびっくりしちゃいました」

 あはは、とちょっと暗めに笑う宇沢レイサさん。イヴちゃんが手の甲を撫でる。

「……大丈夫、全部は今回は難しいかもだけど……教える……」

「イヴちゃん、教えるの上手いよね~。コハルちゃんは大丈夫な感じなんだよね?どう?今回は学年1位とか狙っちゃう?」

「と、当然!私は正義実現委員会のエリートだから!」

 特に悪気は無いんだろうけど、売り言葉に何とかみたいになっていくし、下江コハルさんも謎に自信に溢れたというか、いやうーん、やけっぱちにも見えるな。

「1年で2年の範囲をワンツー取れたら凄いわよね」

「え、下江さん2年の範囲受けるのですか?」

「……私も、受ける。頑張る……」

「私も挑戦してみようかな。うーん、でもいきなりはちょっと。次、かな……?」

 まあ普通は円堂シミコさんみたいな反応になるよね。でも次に検討するのか。

「うちのクラスで2年のワンツー独占できたら、委員長がティーパーティーに勧誘とかされるかな?」

「えっ、ソフノちゃんがティーパーティーに?!」

「そんな制度ないわよ。あって誘われても困るけど」

 1位2位の子じゃ無いんだ、っていう穏やかな笑い声。まーでもどうかな。実際、痴女もとい浦和ハナコさんはかなり勧誘されてるらしいし。でもイヴちゃんは勧誘されてないんだよなあ。実力テストで3年の範囲高成績取ったら勧誘とかされるんだろうか。ま、そんときはそんとき考えたらいいか。イヴちゃんが嫌なら蹴ったらいいし。

 

 しかし勉強会助かるね。イヴちゃんのケアレスミス潰しの時間を取れるしね。帰って射撃場でビーム撃つ練習含む鍛錬して、ゲーム開発部のGit○ub上がってるデフラグもしてるから忙しいんだよな。まだ本気2馬力倍速デバッグするほど進捗はしてないけど、作品そのものの評価に関わってくるから、今からマメにバグ取りはしておきたい。デバッガー、イヴちゃんしかいねーし。多分追い込みとかの頃には先生も手伝ってくれるとは思うけど。こういうのは目変えて見るのが大事だから、2.5人しかいないのちょい怖ええが。

*1
今日は1グループだけだった

*2
シスターフッド以外の子の認識ではミサの授業で使う奴。普通の生徒のは抄出、伊落マリーさんのは全部載せ

*3
イヴちゃんもそうだったけど

*4
古代語に関しては伊落マリーさんがやってくれてた

*5
主な内線番号のメモが下に貼ってある

*6
エビのオーブン焼きシチュー

*7
ひよこ豆のピラフ

*8
4種類チーズが載ったピザ。蜂蜜をかける

*9
サバサンドイッチ。イヴちゃんのお気に入り。ていうか昨日も食べてなかった?

*10
魚の串焼き

*11
魚の煮込みレモン風味




 体操服マリーフィギュア化めでたいですね。

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