ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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 直近数話、図書委員会を何故か図書館部と書いてしまっていたので修正しました。失礼しました。


神秘由来で出てくるアイテム、内容が無いようかそうでないか

 いつも通りの授業、いつも通りのお昼ご飯フルメンバー(今日は全員出席)、いつも通りのお掃除*1、お祈りを3倍速と黄金パスタ3分眺める*2して美術展土産のクッキーを円堂シミコさんはじめ図書委員への差し入れにしたうえで今日も勉強会2日目。今日も会議室を借りられて大助かり。

 

 宇沢レイサさんグループに「正義実現委員会の訓練があるから今日は途中で帰る」と事前に宣言した下江コハルさん、開始後30分くらいしてから伊落マリーさんと、お茶の差し入れと称して円堂シミコさんが合流。

「……図書館の方は、大丈夫……?」

「普段働いてない委員長を連れてきたので大丈夫です。あ、委員長もクッキーのお礼を言ってました」

「……ウイさん、後で挨拶したい……」

 古関ウイさん、人前に出るともやしみたいになっちゃうからあんま向いてないような気がするけど、まあ強く受付やってほしい。

 1時間少々で今日は下江コハルさんの集中力がぷっつんした。集中っていうか、蒼白になって唸ってるだけだった気がするんだけど。みんな体調とかを心配してたけど、体調不良とかではないらしい。それはそれで心配だけど。

 ちらっとだけ僕がイヴちゃんの左目だけ借りて覗き見したら2年のテスト範囲の一覧が表示されてただけだったんだけどな。僕も当然確認してるけど、去年とかと比べて出題範囲がめっちゃ広いとかも無いし、別に唸る要素無いような。

「もう全部できたし!大体エリートの私がこんな小さな勉強会に参加なんて、もう……」

 もうしない、って言おうとしたんだろうけど、宇沢レイサさんとイヴちゃんの捨てられた子犬的な目に加えて、伊落マリーさんの捨てられた子猫的な目が追加で完全に言葉が喉に詰まったらしい。

「ま、まあ、気が向いたら顔を出してあげなくもないけど?私がいないと困ることもあるだろうし?」

 なんかお昼休みで見た気がする流れだな。困るっていうかみんな心配はするよね。僕も成績的な意味で心配はしてる。まじ大丈夫なのかなあ。補習授業部に別に関わる事無いんだろうけど、関わらないからこそ心配っていうか。補習受けなかったらみんなで遊びに行くのに誘いやすいし。きっと皆も誘いたいだろうしね。

 

 下江コハルさんが出て行ってから更に2時間程度、今日は全員の集中力は保ったけど、宇沢レイサさんのお腹がいい音を鳴らして空腹を訴え、好意的な笑いで静寂が破られたので勉強会終了。

 今日も円堂シミコさんは晩ご飯一緒に来てくれるらしい。みんなでぞろぞろ降りていって、古関ウイさんも宇沢レイサさんとイヴちゃんが誘おうとしてた*3が、カウンターに近づいた時点で「知らん人が一杯いて無理」って恐怖に顔が引きつってたのを見て諦めた。

 

 今日はいつものファミレスじゃなくて新規開拓にする?って話になっていつもと違う店に。新規開拓とは厳密には違うけど、円堂シミコさんがたまに来るらしいお勧めの店。

「あっ、ごめんなさい。この店、私語禁止でした……」

 店の前で思い出してしまったらしく、円堂シミコさんは手で口を押さえる。

 一瞬顔を見合わせる一同。何か言いたそうにして、一瞬口ごもった宇沢レイサさんの親指と人差し指の間のツボをイヴちゃんがきゅっとつまむ。

「あっ、い、いいのでは?食べたら何か、甘い物食べに行きましょう!」

 宇沢レイサさんのフォローに頷く一同。カロリー的には別だけど、提案としていいね。

 ちょっとずつ人付き合いが上手になっている気がして友人(イヴちゃん)の後方保護者面として嬉しい。何の立場から喜んでるかわからんが。

 

 何にも言わないと牛筋煮込みが出てくる店。渋い、渋すぎる……!某古武術輸入商の漫画で見たことあるやつじゃん。店主のロボットは無言、お客さんはご飯の量大~小だけを伝えるシステム。実際には小声の私語くらいは全然大丈夫らしいんだけど、みんな無言。でも緊張感に不思議な笑いが出るのか、イヴちゃんが最初にくすりと笑うと、報野モユルさん、朝吹ソフノさん、宇沢レイサさん、円堂シミコさんと小さな笑いが伝播した。

 

 店を出て2軒目に行こうとしたところで、通りでもめ事があったらしい。スケバンが通行人にぶつかったからどうこう、みたいな古典的すぎるやつっぽいな。

 宇沢レイサさんとイヴちゃんが素早く反応して、みんなに安全なところに下がってるように言ってから2人ともそれぞれ違う建物によじ登り始める。円堂シミコさんは「先生の指揮で戦ったこともあるので」と手伝ってくれるらしいけど、後ろから着いてきてもらうように頼んだ。どっちにせよスパッツとか見せパンとか履いてないらしいしね。

 

 三角飛びの容量で壁を蹴って爆速でよじ登った宇沢レイサさんがスケバン達に名乗りを上げた。

「そこまでです!自警団の守護者、宇沢レイサと!」

「……?」

 宇沢レイサさんの期待のまなざしに不思議そうな顔をしたイヴちゃんはウッドペッカー(30mmMG)を発砲し始めてから「そういえばこういう時には自己紹介(?)を一緒にしようと誘われていた」というのを思い出したらしい。

「……チョコレートの使者……御蔵イヴ……」

 重低音に埋もれるような呟き。あ、チョコレート推しで良いんだ。

 

 スケバン8人のうち4人はイヴちゃんの初撃でぶっ倒れてヘイローが消えた。残り4人は弱いがちょろちょろと鬱陶しい。

 長引かせると自警団や正義実現委員会の増援が来るから不利だと思うのだが。

「誘われてませんか?」

「……退路を確保しながら、追おう……」

「だ、大丈夫です?」

「よし囲め!」

 円堂シミコさんが見渡した途端、建物の屋根から不良達側の増援が現れた。

「あたしらだって上を取れば……おあーっ?!」

 ドヤ顔をして銃を構えていた不良に容赦なくウッドペッカー、シューティング☆スター(宇沢レイサさんのSTG)ライブラリールーラー(円堂シミコさんのAR)が叩き込まれ、不良達が転げ落ちた。

「……静かにしてもらおう……」

 円堂シミコさんが後ろで大きく手を振ると、本の山が空から降ってきた。紙の本なのにうっすらと輝くそれが落下と同時に轟音を立て着弾する。本の状態はいかにも新品というものからよれよれでカバーがなく紙が黄ばんだものまでまちまち。何冊かの本のページがめくれ上がったが、ぱっと見たところページには何も書かれてない。

 宇沢レイサさんが遮蔽物としてその後ろに滑り込んだ。ただの紙にしか見えないが、不良達の銃弾を防いでいる。神秘由来なのだろうな。確かにこの本なら粗略に扱っても大丈夫そうだ。

 盾を構えたまま前進し、右手のクラリオン(STG)を撃ちながら宇沢レイサさんの後ろに追いついたイヴちゃんも本に興味を持ったのか右手を伸ばす。触感は普通の紙だな。持った本を最後の1人めがけ投げつけた。

「てめべっ?!」

 顔面に本が直撃し倒れた不良に3人の銃弾が降り注ぎ、沈黙した。

 ふぅー、と円堂シミコさんが息をつくと、本の山が消えた。

「本が消えました!凄いです!」

「……中、読めないの……?」

 感嘆したりしながらも不良を拘束する手は止めない2人。円堂シミコさんは悲しげにかぶりを振った。

「私も、何が書いているのかずっと気になっているのですけど、何も書いて無いようです。出せる回数も、出しておける時間も限られるので、一度図書委員の方々に頼んで一気にページを見たことがあるのですが」

「へー」

 円堂シミコさんのプライベートな情報が満載だったりするとそれはそれで困るんだろうけどね。

 神秘の力って すげー!結局未だに何だか良く判ってないんだけど。

*1
今日は0グループで不漁だった。自警団も正義実現委員会も巡回増やしてるから警戒されてるのかも。

*2
こっちがイヴちゃんのお祈りみたいな気がしてきた

*3
円堂シミコさんはノーコメントだった。まあ来ないの判ってたんだろうな




 今日明日は通院のため明日の投稿はお休みです。

 コハルが蒼白になっていたのはこの日初めて2年の出題範囲と過去問を見たからです。恐怖『ノリでなんか級友に張り合ったら見たことも無い問題が襲ってくる』現象。

 シミコ→ウイの呼び方は高等部に上がって関係がこなれたのでゲームと同一の呼び名になっています。
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