ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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全ての補習対象者は点数を失い、点数を求めている

 アビドスの大蛇(ビナー)の骨髄が事務室経由で返ってきたのでミレニアムに送ったら「精神に影響を与える面の分析も怠りなくやる。楽しみ」という返事が返ってきて、そっか……ってなった可愛い可愛いイヴちゃんとそのおまけジルです。

 そうそう、中間試験の結果発表が今日なので早速見に行くというか、高等部の校舎の入口、一番目立つところに1~3年の上位50人が掲示されるらしい。採点済の答案は今日返されるんだけど。上位者は答案見る前に順位を見るらしい。美しい娘よ、(成績が悪くて)泣いているのだろうか?しなくて済みますように。僕がテスト中にやった自己(?)採点だと大丈夫だったはずだけどなあ。

 

 普段より少し早い時間に行ったのだけども、宇沢レイサさんグループの全員が待ってくれていた。普段は時間ぎりぎりに来る宇沢レイサさんも来てくれていて、イヴちゃんが友人達の顔を見て顔をほころばせる。うーん可愛い。

「おはよーイヴちゃん。みんなの成績平均上げてくれるの楽しみだな~」

「おはよう。平均値が上がっても何もないわよ」

「おはようございます!!成績発表楽しみですね!!」

 宇沢レイサさん、手を繋ぐのがどんどん自然かつなめらかになっていくな。トリニティの騎士なんだから女の子をエスコートするのは自然。なのか?よく見ると毎回頬をうっすら赤らめてはいるんだけど。

 

 校舎入口、ロビーみたいな立派で広いスペースで普段は余裕があるのに、成績を見に来た生徒やその付き添い、野次馬でごった返している。イヴちゃんは成績優良者の中でも外見(というか翼がだな)が特に目立つから、上位陣には顔が覚えられてるのか、野次馬や付き添いらしい人がすっと道を開けてくれて前の方にいけた。とはいえ、右側の子達が通してくれたので、目当ての位置にはちょっと距離があるな。

 眼前のホワイトボードに貼られたでっかい紙に順位と名前が印刷されている。多分こっちじゃないと思うけど、イヴちゃんも宇沢レイサさんも目をやった。

「えーと、1位が……桐藤ナギサさん!あれ?」

「そっち3年のじゃない?イヴちゃんのは2年のだよ~」

 地頭は良いんだろうけど、しっかり結果出さないと領袖としては面子が立たないだろうし、勉強大変やろうなあ。聖園ミカさんは13位。何だかんだ言ってたけどやっぱり成績悪くないんだな。

 苦笑いした宇沢レイサさんとイヴちゃんが左隣の『2年生』と書かれた紙を見る。1位は知らない子だ。

『2位 御蔵イヴ』

 おお~。やったね。1位取れなかったのは残念だけど、イヴちゃん本番に強く無いんだよなあ。

「「やったね!」」

「やりましたね!!」

 宇沢レイサさんグループの一同がハイタッチ。宇沢レイサさんとイヴちゃんは片手塞がってるから片手だけだけど。

「……ありがとう……」

 スマフォで写真を撮ってグループみんなの自撮りしてから後ろに下がる一同。

 下江コハルさんの名前は無かったけど、まあ50位未満でも別に成績不良とは限らんしね。うん。まあ。うん。

 

 採点済答案が返されて、休み時間は点数の話で皆盛り上がっていた。イヴちゃんは平均95点。みんなも成績はちょっと上がったが、+3~5点ってところか。中等部から高等部に上がった一発目の試験だし、誰も赤点科目が無いのでまあ悪くないと思う。伊落マリーさんも成績少しだけ上がったらしい。良かった良かった。

「いや~、お姉さんも鼻が高いね」

「いや、イヴちゃんの何ポジションで言ってるの?」

 報野モユルさんの謎のドヤ顔に、朝吹ソフノさんが苦笑いで応じる。

「赤点がなくて良かったです!これでみんなで遊びに行けますね!」

 下江コハルさんは答案を受け取る度に顔色が悪くなっていき、休み時間になった途端にいなくなってしまった。みんな心配していたけど、体調不良とかじゃないんじゃないかな……。

 

 お昼休みのご飯も下江コハルさんは顔を出さずじまいだった。モモトークも既読つかないし。伊落マリーさんは普通に来てくれた。

 今日のご飯は朝吹ソフノさんチョイスのホットサンドセット。朝吹ソフノさんは量少なめのチキン、報野モユルさんと宇沢レイサさんは倍盛肉マシビーフ、イヴちゃんと伊落マリーさんは鰯ハンバーグ。

「えー、百花繚乱の仕事?あんまり仕事の話はしないんだよね。なんで?」

「いえ、昨日行ったときに人手が足りて無さそうで大丈夫かなって」

「あー。なんか、今、委員長と副委員長がいないって言ってた」

「まあ、それは大変そうです」

「トップが出張か何か?2人ともいないの忙しそう」

「……そうなんだ、ありがとう……」

 あー、そういやそんなんだっけ。委員長と副委員長いないのは最終章のあたりだけだと思ってたけど、この時期からなんだ。

 あっ、そういや百花繚乱の委員長と副委員長、その辺で大変なことになるんだっけ。エンジニア部にちょっとお願いするなりどっかから何か良い感じのものをなんか……しとかないといけないな。っていっても無茶振り頼める人が百鬼夜行側にいないけど。先生に頼んどくしかないのかなあ。どっちにせよすぐってわけじゃないけど。

 

 午後の休み時間も下江コハルさんは席を外すし、放課後になった途端あっという間に姿を消してしまった。

 今日はイヴちゃんが自警団本部に顔を出す日だったので、宇沢レイサさんと一緒に正義実現委員会に様子を見に行こうということになった。百鬼夜行土産もあるしね。

 

 放課後、学園内のお掃除*1と黄金パスタサンプルを3分眺めてお祈りをしてから正義実現委員会本部の、まずは自警団の部屋へ。

「あ、もう終わりましたよ」

「……ありがとう……」

 イヴちゃんが買っておいたサイダーを渡して、自分用のアイスココアの蓋を開ける。

 宇沢レイサさんが先にメールチェック他細々した作業をしてくれていて、もう片付いたみたいだ。ノートPCの電源を落として、金庫にしまい込んでから2人で正義実現委員会の事務室へ。

 

 今日は3年生の子達がテスト明けのお休みだそうで、仲正イチカさん他、2年生の顔触れが中心のようだ。1年の子ももちろん普通に出てきてる。

「コハルっすか?もうパトロールに出たっすよ?」

「……コハルさん、体調とか、どうでした……?」

「ちょっと顔色がイマイチでしたけど、『今日は休みにするっすか?』って聞いた時には大丈夫って言ってたっすけどね」

「そうですか!ありがとうございます!」

 諦めて帰ろうとした2人を仲正イチカさんが呼び止める。

「あっ、そうだ。2人とも。これからもコハルと仲良くしてやってくださいっす」

「……もちろん、友達ですから……」

「はい!!お任せください!!」

 2人の迷わない返事に、頬を緩める仲正イチカさんと、他の先輩方。

 部屋にいた1年の子達の反応はちょっとイマイチというか、単に忙しいだけなんかもだけどリアクション薄め。1年達とは上手く言ってるかそうでないかはわからんなあ。たまたまここにいる子達とは関わりが薄いのかもだし。

*1
メイド服は着てない。今日は空振りだった。




 コハル、1年の他の生徒に嫌われてはいません(一部先輩に目をかけられているからと嫉妬している子もいる)が打ち解けてもいない感じです。先輩に好かれるタイプ。

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