ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
数日してテスト結果発表日、朝一で恒例のテスト結果張り出しを見に行った。宇沢レイサさんグループ勢揃い。といっても伊落マリーさんは朝のお祈り、下江コハルさんは既読がつかず、円堂シミコさんは朝の図書館準備でいないので4人だけだけど。
宇沢レイサさんが先頭を切って、ごった返す人混みの中を声をかけて通してもらう。めちゃくちゃ声でかいけど、人が多いから人波が左右に割れるってほどでもない。
「ええと、右端ですかね?」
「……多分……」
特に意味も無く手を繋いだままジャンプする宇沢レイサさん。イヴちゃんもタイミングを合わせて小さく跳ねる。
まだ距離があってジャンプしようがしまいが見えないのでくすりと笑うイヴちゃんに釣られて笑う宇沢レイサさん。2人とも可愛い。
人波の隙間を通してもらうこと数分、やっとこさ見えるくらいに距離を詰められた。
1年で3年のテスト受験者ともなると、さすがに割と注目されているらしい。中間テストの時以上に周りの3年らしい子達からの視線が熱い。気がする。
「あっ、ありました!」
「……あったね……」
1位はやっぱり桐藤ナギサさん。流石だなあ。聖園ミカさんは13位。あれ、中間テストの時もその点数じゃなかったっけ。まさか狙ってやってないよね?
イヴちゃんは6位。このクソデカマンモス校で、2年も上の範囲でよく頑張ったなあ。自己採点の結果、古代語がやっぱ足を引っ張ってたんだよな。僕も予復習はしてたんだけど、強くフォローできない科目だから2人して苦手科目*1だなあ。伊落マリーさんに教わったりはしてたけど、当然1年以上の範囲はあんまりやってなかったし、古代語に詳しい知り合いってシスフの暗黒卿か古関ウイさんしかいないのだけど、前者はちょっと怖すぎる上にそこまで親しい訳でも無いし、古関ウイさんも時間が合えば教えてくれると言ってくれてたけど、スケジュール合わなくて無理だったんだよな。
(おめでとう、イヴちゃん!)
(……むむ、今度こそ1位を取りたかったんだけど……)
(うーん、もっと勉強頑張ってみる?)
(……1位は、いい地位だから……)
(あ、それ言いたかっただけ?)
成績の方じゃなくてダジャレの方でドヤってるイヴちゃん可愛い。
「おお~!凄いです!!」
「凄いな~。でも今度こそ一位かなって思ってたけどな~」
「無茶言わないの」
「……次はもっと上を目指す……」
「その心は?」
「……首席は、
「うーん、65点!」
「……モユルちゃん、厳しい……」
笑いながらしょうもない話をしつつ、横の邪魔にならない方に通り抜ける宇沢レイサさんグループ。イヴちゃんの名前を見つけてからも一応ってことで、ちらっと50位までの名前を見たけど、下江コハルさんの名前はなかった。まあ50位より下だけど良い成績って可能性もまだ残されてはいますけども。
邪魔にならない位置に抜けてから、みんなで写真を自撮り。本当好きだなあ、みんな。イヴちゃんの名前、明らか写らん距離だし。まああんなごった返してるとこで自撮りなんてしてたら邪魔だからしょうがないけどね。
お昼ご飯の休憩時間も、やっぱりみんなの話題はテストに関することだった。
今日はイヴちゃんへのお祝いということで、みんなが少しずつ出してご飯を奢ってくれている。この中で学校から一番お小遣いもらってるのはそもそもイヴちゃんだから、別にお昼1食でどうこうなるわけではないけど、こういう気遣いは嬉しいよね。イヴちゃんニコニコ。
伊落マリーさんと円堂シミコさんは休み時間に祝ってくれたけど、お昼はランチを兼ねてそれぞれの部活でのテスト反省会的なものがあるらしく欠席。
下江コハルさんには「昼の時間も無駄にしてられないの!エリートだから!」とお誘いを断られた。昼休みは近接戦闘の自主練してるらしい。イヴちゃんが徒手なら良かったら一緒に練習しようかと声かけする前にぱーっと走っていってしまった。
今日のお昼は宇沢レイサさんチョイスのイタリアン的料理。サラダは全員分別々に用意して、ピザ何枚かとパスタ複数種類をみんなでシェアするスタイル。美味しい。カロリーがちょい怖い量だけど、報野モユルさん以外はみんな運動量凄いからな。
「イヴちゃんはこれで期末テストが0点でもたぶん大丈夫ですね!」
宇沢レイサさんの極端な発言にみんな笑う。
「実際、めっちゃ点数ヤバいと補習なるんだっけ?」
「中間と期末の点数足して120点未満だと黄色信号です!」
「即落第ではないのね」
「実力テストの成績もある程度計算に入れてくれるそうですよ!3年のとき、合計120点を切った学期がありましたけど、補習無しでした!」
そんなドヤって言う事ではない宇沢レイサさんの発言にちょっと苦笑いする一同。
「……今回は、前回の成績良かったから、みんな大丈夫……」
「みんなでまた遊びに行きたいですよね!」
「あっ、そうだ。彼女にこれもらったんだけど、みんなで行かない?」
報野モユルさんがスマフォの画面を取り出してみんなに見せる。
『初夏の和楽姫 5名様ご招待券』。備考欄に「予約取消券流用許可:陰陽部 百花繚乱紛争調停委員会」と記されている。結構先の日付。和楽チセさんのデフォルメされた顔が楚々とした感じで描かれている。
「おお~!これ、すごく人気でチケット取れないイベントですよ!」
「……でも、5人……1人は彼女さんのだから……」
「最悪、私と彼女の分は別に遊びに行くってして、無しでもいいけどね~」
「うーん、それもどうかしら……?」
(イヴちゃん、それこそ河和シズコさんと、和楽チセさんに聞いてみたら?)
(……なるほど……)
「……百鬼夜行の、他のツテに当たってみる……」
ぽちぽちモモトークでメッセージを送る。まだ割と先だから、って思ってたらすぐ返事が返ってきた。
『申し訳ないけど陰陽部直轄事業なので参加券は難しいです。見学席券なら準備できるかも』
『3人分ね~。いいよ~』
流石。といってる間にチケットがモモトーク経由で送られてきた。デザインは一緒で、これも5人までいけるようになっている。備考欄に「陰陽部 和楽チセ 招待枠」と書かれている。まあみんなの予定次第だし、使うかはわからんけどね。
宇沢レイサさんグループ一同から、おお、って小さなどよめき。
河和シズコさんにお礼と見学席不要のメッセージを送ってから、和楽チセさんにお礼のメッセージを送る。
(お土産ちゃんと買っていかないとね)
(……戦車モチーフのね……)
確かに喜びそうだなあ。
その後も、海に行くために戦車を借りようという話で盛り上がった。正義実現委員会が訓練用に持っている戦車だけでなくて、各クラスにも教材用として戦車が何両かあって、予約しておけば借りられるらしい。1年用のは軽戦車らしいけど。
「全員来られたら7人ですから、大きめのを借りるか、2両借りるかですかね?」
「……スケルチに3人までは乗れるから、大きいのなら1両で良いかも……」
「あ、じゃあ私が戦車運転しよっか。純文学部の荷物運び用にどうせ免許取らないとだし」
「当てにして大丈夫?取れなかったら困るのだけど」
「ひど~」
笑い声が上がる。
夏か。早いね。でも楽しみだね。まーまずはその前に条約締結っていうでっかいイベントがあるけども。
コハルは2年のテストの点数×2をして、期末テストを1年科目100点満点取っても120点に到達しない(今回の実力テストも惨憺たる点数だったので補正対象外)ので、補習授業部がこの時点で確定しています。
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