ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
お土産コーナーも閉店間際だったけども、先生をたまたま知っているトリニティ生がバイトに入っていて、「片付けと平行していいなら」と、5分間の猶予をもらえた。
キヴォトス、当然治安が終わっているので、閉店のタイミングで隠れて窃盗を働くなんて例が絶えないらしい。こえーよ。
水族館限定のモモフレンズグッズを3セットずつ既に買ったらしい阿慈谷ヒフミさんは、旧第18校舎に発送の手続きを終えて、後方保護者面で白洲アズサさんを見ている。
「どうだ、ハナコ、イヴ。ふわふわだろう」
「アズサちゃんは、ゴマフアザラシが好きですか?」
「む、言われてみれば。特にこっちの、白いのが好きかもしれない」
ゴマフアザラシ、特に赤ちゃん可愛いよな。イヴちゃんも頷いてる。
あんまり時間がないのでバタバタとファンシーグッズを中心に見て回っている浦和ハナコさんと白洲アズサさん、下江コハルさん。
イヴちゃん自身は、サバが好き(食べる的な意味で)なので、サバのアクセサリを買おうか悩んでいるみたいだ。
宇沢レイサさん用にファンシーでキラキラした水色のヒトデのヘアピン、朝吹ソフノさんと古関ウイさんに魚由来アミノ酸ふりかけ、報野モユルさんにアザラシカレー*1、伊落マリーさんにゴールドマグロがでかでかとあしらわれた単行本サイズのブックカバー、円堂シミコさんには文庫本サイズのゴールドマグロと普通のマグロ柄のブックカバー、守月スズミさんにはケーブル整理用のゴールドマグロを象ったクリップ。クラスの皆と正義実現委員会、自警団用に業務用サイズ、個包装のでっかい海老せんべい。
早瀬ユウカさんにDHAってでかでかと書かれた茶漬けの素、エンジニア部とヴェリタスに同じくDHAってでかでか書かれた魚の骨せんべい、猫塚ヒビキさんに追加で翼カバーのお礼として冷凍ゴールドマグロ大剣レプリカ*2。ゲーム開発部に『クラゲノケンカ』というキヴォトスの水族館が出資して作ったゲームソフト*3のDVD-ROM。
丹花イブキさんにMr.ニコライがラッコ着ぐるみを着たスマフォアクセサリ*4。
和楽チセさんにタカアシガニが頭に乗ってるペロロのスマフォアクセサリ。タカアシガニがすげーリアルな造形でいいね。あとペロロの目が逝ってて怖い。
(結構買うねえ)
(……普段お世話になってる人に、お礼の気持ちは、大事かなって……。特に、補習授業部に入ってから、人にお世話になることが増えたし……。ゲヘナにも、もっと送っておきたいけど、人数もわからないから、次かな……。あとは……買い忘れ、無いかな……?)
(すっごくえらい)
友達いなかった子とは思えないよね。それにしても、近所へのお出掛けとしては、普段より気合入ってる気もしなくもないが。
店員さんの好意で荷物発送を受け付けてくれたので、でかい荷物抱えずに済んで良かった。特に冷凍マグロ抱えて歩きたくなかったから嬉しいね。
懐に余裕があるから、品物を選べさえすれば一切迷わずにパパパっと買えたのも良かったんだろうな。5分で全部買えたし。
水族館を出たところ、綺麗なイルミネーションなんかもあったりして皆一息ついた。
皆も小腹が空いたらしく、魚介系の店に行くか浦和ハナコさんが事前に下調べしておいたスイーツかで議論が白熱している。
「"イヴ、自分用のは買わなくてよかったの?"」
「……サバ、今日は自分の目で見なかったから、今度でいいかなって……」
そうか。マグロばっか見てたもんな。なるほど、と先生も頷く。
「ちょっと、イヴ、先生も!じゃんけんするから来て!」
下江コハルさんが2人を呼ぶ声。多数決でも票が割れたしじゃんけんにすることにしたらしい。
じゃんけんの結果、深夜までやってるスイーツのお店になった。
雑談をしながら歩いていると、話の流れが『尊敬する先輩』という話になり、羽川ハスミさん大好き下江コハルさんが熱弁を振るっている。
「それで、ハスミ先輩は怒るとすごく怖い、らしいんだけど」
「"ハスミが?ちょっと意外だね"」
もうあんまアテにしてない僕知識だと、冷静に見えるけど実際は結構怒りやすい、みたいな人だった気がするけど、確かにイヴちゃんの前でも怒ったのとか見たこと無いんだよな。やっぱゲームはゲームで、所詮現世の参考情報に過ぎないって事なのかも。
「そうよね!私も、怒ったこと見たことないし!そういえば、この間、ゲヘナの風紀委員会と合同演習をした後に、万魔殿のえらい人と会談をした時にも凄かったんだって!」
なんでも、『
ほお~、って感じの一同。うんうん頷く先生。
最後のダイエット宣言に首を傾げたのは、ゲヘナとの合同演習後にも羽川ハスミさんとスイーツを楽しんだ思い出があるイヴちゃんだ。
「私も、冷静で大人なハスミ先輩みたいになりたい!」
キラキラした憧れで瞳を輝かせている下江コハルさんには到底言えなさそうだけども。冷静な反応をしてる、っていうのは確かだしな。
(ちなみに、イヴちゃんは一番憧れる先輩って誰?)
(……ユウカさん……とっても賢くて、面倒見が良くて、優しい……)
ああうん、そうね。確かにそれは間違いない。んだけど。
大体インガオホーではあるけど、僕はイヴちゃんに叱られがちなので、できればあんまりお説教臭いところは真似ないで欲しいと思った。
楽しいお話をしてると歩く時間もあっという間。
明々と照明が照らされたお店は「24時間営業」をでかでかと謳っている。水族館コラボで、水族館半券で割引もあるそうだ。
カウンターで先に注文して、席に持ってきてもらえるスタイルの店。事前に席を取りに行くほど混んでは無いけど、がらがらって程でもなく客が入っている。店の右側、衝立の奥にもお客さんがいるらしく、何だか聞き覚えのある声と、くぐもった呻きが聞こえる気がする。
阿慈谷ヒフミさんが皆の注文を取りまとめている。限定パフェAはベリーソースで作られたマグロが上に乗ってるベリーヨーグルトパフェ、限定パフェBはリンゴと生クリームを添えたシーチキンフライパフェ。*5
「限定パフェAを3つと」
キッチンにその場で確認をしてくれるオートマタの店員さん。
「あ、ごめんなさい。限定パフェAはさっき3つ出てしまって、売り切れなんですよ」
がーんだな、って顔をする浦和ハナコさん、下江コハルさん、白洲アズサさん。
「じゃ、じゃあ、この限定パフェBを3つ……」
「ですからごめんなさい。限定パフェBも売り切れなんですよ」
限定パフェBを食べる気満々だった先生、イヴちゃんも愕然とした顔。ノリで選んでたっぽい阿慈谷ヒフミさんは「あはは……」って顔をしている。
結局、皆フルーツ系のパフェを頼んで、全員が座れる席を探して店の奥に目線を投げたところで、意外なようで意外でもない人物とイヴちゃんの目が合った。
「イヴさん?!コハル、先生!補習授業部の皆さんも、どうして……??」
「……ハスミさん……?」
限定パフェAとB、あともう1個別のパフェを並べて8割がた食し、ご満悦の羽川ハスミさんだった。
「ハスミ先輩?!ダイエット中なんじゃ……」
思わず、という感じで口走った下江コハルさんの言葉に、一瞬だけしわしわ電気ネズミみたいな顔をする羽川ハスミさん。
ダイエット中だけどパフェを3つも食べちゃいます!冷静で大人な先輩の姿か?これが……。
ハスミの対ゲヘナ感情は大幅に改善していますが、対万魔殿への警戒は大きく上がっています。トリニティ正義実現委員会とゲヘナ風紀委員会の関係が改善され、やり取りの中でゲヘナ側から『万魔殿議長は極めて失礼で無礼だが、無能では無い』という警告を受けていた事から、単純な怒りと反ゲヘナ感情では無く、トリニティ上層部とはまた違った形での政治的駆け引きを仕掛けてくる狸だという認識を持っています。
本作品でのマコトは有能な人物なので、会談相手を間違えるのは素ですが、イロハ含む側近から注意を受けた時点で切替えて、正義実現委員会の意図を探る方向に切替えました。
どっちにせよ、万魔殿のカウンターパートはティーパーティーなので、多少失点があっても対ゲヘナ感情を探れる方が得だと判断しています。
パフェは美味しいし、カロリーは冷たさに弱いので3つ頼んでいます。ちなみに、とんかつパフェなど、揚げ物は意外とパフェに合います。魚介系だとエビフライパフェなど実在します。
マグロの話ばっかりしてるなって気がしてきましたが、もうちょっとだけマグロの話が続きます。まだあるの?
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