ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
守月スズミさんとイヴちゃんに介抱されてた宇沢レイサさんが意識を取り戻した。厳密に言うと、もうちょっと前に取り戻していたっぽい。身じろぎしてから、耳が赤かったからだ。
ああ、僕もイヴちゃんが取られてしまったような、断腸の思いと、宇沢レイサさんとイヴちゃんを祝福してあげたい気持ちがあるけど、それよりイヴちゃんの代わりに痛みと吐き気とその他諸々を引き受けるのに忙しすぎて何も出来ない。この状態で僕が意識を失ったら、イヴちゃんにダメージが戻り、そのまま倒れて病院送りになるだろう。それは不味い。
僕が引き受けきれない怪我の痛みで震える手で、イヴちゃんは宇沢レイサさんの手を握る。
「……レイサちゃん、ありがとう……」
「は、はい……何の役にも立てませんでしたけど」
「そんなことはない。自警団の2人が来てくれなかったら、シスターフッドは間に合わなかったろう」
白洲アズサさんが銃を杖にして呟く。
『聖園ミカさん1人で補習授業部の全滅は軽い』というのは大言壮語でも何でも無かったのだよな。
下江コハルさんが倒れそうになるのを、後方支援で比較的マシだった浦和ハナコさんが支える。
「ご、ごめん。もう色々ありすぎて」
「これから第19分校まで、走らないといけないのか」
絶望的な雰囲気を、イヴちゃんが首を横に振って否定する。
「……私のバイクで、ピストン輸送する……」
宇沢レイサさんを守月スズミさんに任せて、イヴちゃんの
「泣いても笑っても、この試験が最後か」
「色々ありましたね、ここまで」
「そうですね。試験を受けられるのが奇跡みたいです」
「ちょっと、部長でしょ!奇跡って!しっかりしてよ!」
一番ダメージが重いイヴちゃんは無言だ。先生、白洲アズサさん、浦和ハナコさんと阿慈谷ヒフミさんは気付いているのか、心配そうな目でちらちらこちらを見ているが、イヴちゃんは首を横に振る。
「"試験を始めるよ。皆、席について"」
「最後まで諦めないで、頑張りましょう。アズサちゃんが教えてくれたことです」
浦和ハナコさんの言葉に皆が頷く。
その場で先生が採点し、事務局から派遣された監督職員が確認する。
「"じゃあ、結果を発表するよ"」
既に、先生が結果を発表する前に緊張が消えていた。先生がニコニコ笑顔だったからだ。
ハナコ 100点
アズサ 98点
コハル 93点
ヒフミ 96点
イヴ 99点
補習授業部の皆の喜びが爆発する。イヴちゃんも小さく、本当に小さくだけど微笑んで、机に突っ伏す。
終わった。とりあえずは、って但し書きがつくみたいだけど。
イヴが100点を取れてないのは、一番ダメージがでかかったからです。ジルが痛みを引き受けていても骨折級の痛みを耐えている状態です。骨もポキポキ折れて内臓に刺さっているのもあるので、本来は救護騎士団のお世話になっているレベル。