ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
白い翼を怪我で失った後、ミレニアム製の技術による機械の翼をつけたイヴはジルによる手厚いサポートを受けつつ、勉学や身体鍛錬により能力を大きく高め、奇矯な映画や漫画や小説、音楽等を布教されて悪影響を受けつつ友人や知己を増やし、特にミレニアムへの繋がりを深くした。
イヴの睡眠中はジルが身体を動かし実戦経験と実績を積む)
年度変わってもまだ休みがあるって学生の特権な感じあるよね D.U.に友達と一緒に来る日が来るなんて……おぃ、まじかよ、夢なら覚め
年度が変わったけど、学生はまだ休みがある。学生には休日出勤も無いのか。生きやすいものだな、ふらやましいよ。*1
まあ部活とか基幹インフラ絡みのエッセンシャルワークに従事してるとか生徒会活動がある子は普通に休日も出てるんだろうけどね。世知辛いのじゃ。
ともあれ帰宅部のイヴちゃんは普通に休みなので今日はごろごろ……はせずに、D.U.にお出掛けです。
例の不知火カヤさん呼び出し案件。怪訝に思っているイヴちゃんもだけど僕も行きたくねえ気持ちで一杯で、宇沢レイサさんグループモモトークで愚痴ったところ、宇沢レイサさんから爆速でメッセージが来た。
『たまたまですけど、自警団の用事でスズミさんと連邦生徒会に行く用事があるので一緒に行きませんか?!!!つ、つつついでに一緒に買い物にも!!!』
とお誘いがあったので、イヴちゃんはちょっとご機嫌になった。
宇沢レイサさんの気遣いは嬉しいけど、お出掛けの用事自体はヤなんだよな。
一応、イヴちゃんにも予備知識くらいとは思って不知火カヤさんの名前をネット検索しておいてもらった。室長って相当偉いはずなんだけど、あんまり演説とかは出てこなかったのでそこまで参考にならなかったけど。
(……連邦生徒会の人、何の用事なんだろう……?)
(多分あんま良い用事じゃ無いと思うなあ。あーやだやだ。家にいるのに帰りたい)
(……ジルったら……)
イヴちゃんが笑ってるのは良いことだけどこの後の用事は絶対良いことじゃねえんだよな~~~~。
例の気が狂った
もちろん、利用者が減るということは情報精度も情報量も激落ちくんしてしまっている。
これまでの活動でそれなりにお金は貯まってるし、ちょっとした装備を買う分には問題ないんだけど、例えば無線操縦できる自走榴弾砲とかはカエサルみたいなトラック搭載の砲露出型の自走砲でも値段的にきつい。
タトラっぽいトラックとか余ってる地対空ミサイルの運搬車体――キヴォトスは頭がおかしいので、弾道ミサイルを裕福な個人(!)が持ってたりもする――を適当に買って中古の火砲を買って荷台にビス留めして、エンジニア部に頼んで無線誘導できるようにしてもらうかなあ。
手作りロケットランチャーをずらっと車体に並べるっていう手もあるけど、瞬間制圧火力は激上がりの代わりに継続して支援できなくなるし、悩ましい。
エデン条約締結日の本土防衛戦では必要になりそうだし、今度相談してみよう。
不知火カヤさんに呼び出されたのは15時なので、割と余裕がある。
午前中にトリニティ中央駅で無事に宇沢レイサさんと合流し、当たり前のように手を繋いでD.U.連邦生徒会最寄り駅で降りた。今日もいい天気だな~。青空に光輪が映えている。
連邦生徒会のくそでかビルに隣接しているビルが複合商業施設で、宇沢レイサさんお勧めというか目的の店があるらしい。
僕はえらいさんとお喋りして困る時とかだけイヴちゃんと代わることにして、感覚共有だけしてイヴちゃんの脳内でごろごろ(?)している。
宇沢レイサさんが張り切ってイヴちゃんを引っ張るように連れてきたお店。
「……ガンショップ……?」
「はい!!イヴさんの銃、特にデコレーションはしてませんよね?」
「……そう、だね?確かに……」
くそでかガンショップだった。
銃をデコレーションするの、あんま判らん文化なのだよな。リヴォルバーカノンを整備してくれた馴染みになった店も隅っこにちょっとだけ置いてあるだけだったし、イヴちゃんはそもそも銃を持ってるだけだったからあんまり関心は無かったみたい。
女の子の可愛いものを手元に置いておきたいという気持ちなのかもしれないけど、棍棒をデコってラメる感じじゃんね……。
って言っても、刀剣も鞘や鍔、柄他に装飾を凝らすようになっていった歴史的経緯はあるし、人間固有の感情……なのか?まあともかく、別に僕も理解しがたいだけでイヴちゃんがデコりたいならいいんじゃないかな。
(イヴちゃん、どうする?僕は別に全部デコってもらってもいいけど)
(……
(側面になんか貼るのはありかも?)
イヴちゃんの様子を探り探り、おずおずという感じで宇沢レイサさんが切り出した。
「あの、お2人とこの間会ったときにちらっとそういう話が出まして。みんなでお揃いの装飾をしませんか?!」
ああ、ミレニアムに頼まれごとで行ってた時に参加できなかった集まりか。
宇沢レイサさんの見せてきたスマフォにメモがてら送られてるであろうメッセージ、
イヴちゃんは頷いた。
「……うん、良いと思う……。4人分、買おう?レイサさんは、星……?」
「はい!!!!わ、わかります?!」
「……うん。今日の髪飾りも、可愛いよ……」
「えへへ……」
髪飾りも星だけど、あ、確かに普段のと違うやつだね。イヴちゃんよく判ったなあ。
もしかしてイヴちゃんは宇沢レイサさんの事が……?!いやそんなはずが……僕の方が先に好きなのに……。
いやいかんいかん、セルフでダークサイド堕ちしそうになってしまった。だめだめだめだめ、イヴちゃんの寄生虫の分際で嫉妬だなんていけませんわよ。
なんて葛藤しているうちにアクセサリコーナーにたどり着いた。ひょえー。まじで山ほどあるな。
宇沢レイサさん曰く、このガンショップは装飾品の方に力を入れてるらしい。
(イヴちゃん、何にする?)
(……食品サンプル……?)
(シールだと本物の食べ物かどうかわからないけど大丈夫……?)
結局、宇沢レイサさんは色んな星モチーフを見比べた上で普通の☆型のを選び、イヴちゃんはイチジクの葉のシール――イチジクの実に「たべられません」か「これはサンプルです」の小さい文字があれば良かったけど、なかった――にして、他の2人の指定したものも買ってそれぞれの銃(イヴちゃんは
会計をして、お店の用意してくれている作業スペースで銃をデコってから、僕が下調べしておいたうどん屋に行くことにした。
「混んでましたけど美味しかったですね!」
「うん……椅子があって、よかった……」
イヴちゃんの盾(付属の椅子)がだいかつやく。交代交代で座るの可愛いね。イヴちゃんは店頭の食品サンプル眺めたさそうでもじもじしてたけど、途中で宇沢レイサさんが気付いてくれてよかった。
宇沢レイサさん、人のことよく見てるし気遣いも上手いよね。イヴちゃんは食品サンプルの良さを布教してたけど伝わったのかな。
うどん自体も確かな美味しさだった。宇沢レイサさんはざるうどん麺特盛に天麩羅マシマシ、イヴちゃんはきつねうどん普通盛にかやくご飯、お刺身セット。
「うどんが美味しかったです!」
「……うん、美味しかった。……あと、かやくご飯、好き……」
「分けてくださったの美味しかったですね~」
食べ物シェアは良い文化だよね。
(さー帰ろっか、イヴちゃん!)
(……用事は……?)
(わ、忘れていたかった~~)
イヴちゃんが忘れてたらもうブッチしたろうかなくらいに嫌なんだよな。まあ半分冗談で、これドタキャンなんてしたら後々不味すぎるから我慢するけど。
連邦生徒会制服に身を包んだ女の子達が忙しげに廊下をうろうろしている連邦生徒会ビル内、僕達は大体1.5時間後、宇沢レイサさんは30分後の予定なのでまだ時間があるので、自販機コーナーで2人で腰掛けてお茶をすることにした。
イヴちゃんはアイスココア、宇沢レイサさんはカレーソーダ……カレーソーダ?!ナンデ?!
「……美味しい……?」
「美味しくないです!!!」
やっぱ不味いんだ。きゃっきゃうふふしていたら見知った顔が通りがかった。
ふとももユウカさんもとい早瀬ふとももさん、違った、ミレニアムふとももさんだ。っていうかミレニアムの精緻たるえっちふとももそんなにさらけ出してて大丈夫?機密漏洩にならない?
「あら、イヴ?」
「……ユウカさん……?こんにちは」
「こんにちは。お隣はお友達かしら?はじめましてね。私はミレニアムの早瀬ユウカよ」
「は、はい!初めまして!!!トリニティのこれから高等部1年になる宇沢レイサです!!!!!」
ふふ、と微笑む早瀬ユウカさん。緊張した面持ちでぴしっと頭を下げる宇沢レイサさん、早瀬ユウカさんに会えて嬉しそうなイヴちゃん。
「……ユウカさんは、凄く賢い人で……えらい。レイサさんは優しい、友達です……」
「ふふっ、おだてても何も出ないわよ。あ、ガム食べる?」
まんざらでも無さそうというか、凄く嬉しそうな早瀬ユウカさんがアセロラ味のガムを取り出して2人に1枚ずつくれた。
「えへへあっ「「いただきます」」
まあ早瀬ユウカさん、ミレニアムのえらいさんやし、2年時点だと確か事実上ミレニアムを仕切ってるトップ代行みたいな立場らしいし、連邦生徒会来る用事くらいあるか。
壁の時計をちらっと見てから同じく飲み物を買ってイヴちゃんの横に腰掛けた早瀬ユウカさんは可愛らしい後輩を眺めるニコニコお姉さんぶり顔だ。
本格的に関わるのはこれからだろうけど、ゲーム開発部は小生意気で手が掛かりそうだし、エンジニア部は有能だけど問題行動も多いし、宇沢レイサさんもイヴちゃんも素直系可愛い後輩でしかも他校の子だから、孫的な感じの猫可愛がりたくなりそうだよね。わかるなあ。
まだ初対面の先輩の眼前だからか、堅い宇沢レイサさんを含めて雑談してる中で、イヴちゃんが今日の用件について触れると早瀬ユウカさんは溜息をついた。
「これから連邦生徒会の首席行政官の七神リンに会うのだけれど、向こうの都合が付かなくて、延長に延長されて、これからやっとよ。しかも、トリニティの正義実現委員会とゲヘナの風紀委員会とまとめてだって。3大校全員まとめて話聞く気なのかって思うわね。大体私もこれでもセミナーのそれなりな立場なのに、本当にちゃんと話聞く気あるのかしら」
「あれっ、ひょっとして同じ用件ですかね……?」
「あら、宇沢さんも?」
「……ユウカさん、レイサさんも、名前で呼んであげて……?」
早瀬ユウカさんは言葉に詰まった。嫌という感じでは無くて、イヴちゃんの可愛さに中った感じっぽい。
「イヴ、小動物的な可愛さがあるわよね……。う、うん、ともかく、レイサさん、レイサって呼んでも?」
「はい。だ、大丈夫です!あ、えっと、ゆ、ユウカさん……」
モモトークのアカウントを教え合ったりしてるのを眺めてると、予定の時間が近づいたので、イヴちゃんもついでに様子を眺めに行く事にしたみたいだ。
ん?いや、何か、年上先輩風吹かしてる早瀬ユウカさんめっちゃ可愛いなって眺めてる間に大事な事に気付いたような……。
あっこれあれか?!先生が初めて来るイベントのやつか?!やっべ!!!!!
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紙での小説の書き方に基づいて書き続けていたロートルとしての改行等を改めつつ、同時に加筆修正を行いました。話の本筋には変更ありません。2025.01.21