ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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虚無からPopするもの いやお前まじか???

 先生の仕事も自警団周りのごたごたも良い感じに落ち着いてきて安心してきたジルです。自警団は結局補助団体という部活と同好会の間、予算は少なめだけどティーパーティーの拘束も緩い制度の枠内に落ち着いた。守月スズミさんには会う度に愚痴を言われたけど、許してくれ……犠牲になったのだ……犠牲の犠牲にな……。あと、ほぼほぼ名義だけだけど、自警団に籍を置くことになってしまった。「言い出しっぺが関わりもしないのはおかしいですよね?」っていう素敵な笑顔で詰め寄られてしまい断れず、宇沢レイサさんは「イヴさんも自警団に?!」って喜んでたけど、よっぽどのイベントでないと活動しないと釘を刺したらちょっとがっかりしていた。まあエデン条約調印式なんですけど、そのよっぽどって。無事に位置情報共有サービスとシフト制も動き始めて、宇沢レイサさんも寝る時間が増えてきたようであんしん。ドローンは比較検討中だけど、トリニティ内企業よりミレニアム製が圧倒的に高性能安価でランダム巡回飛行偵察プログラムと映像保存サービスまでおまけにつくらしく、まあミレニアム製になるんだろうなあってところ。

 籍を置く羽目になってしまったのはそこまで嫌なわけでは無いけど、強制イベントで何か予定が潰されたりしそうなのが嫌なんだよなーと思いつつ、開き直って中古のタトラ815っぽい6輪駆動トラックとZiS-3 76mmっぽい大砲を経費で買ってエンジニア部に頼んで荷台に直留めしてもらい自動装填、リモコン指示と簡単な自律攻撃、陣地移動をできるようにしてもらった。テクニカル(*民生用車両に銃や火砲などを積んだもの)最高。命中精度を考えると荷台から下ろして鋤打って撃って、上げ直して移動の方が良いんだけど、軽い砲だし人員が横につけない前提だからなあ。普段は正義実現委員会本部の駐車場に駐めておいて自警団や正義実現委員会の指示で火力支援ができる態勢になった。タダでやってくれるかわりにトラックなのに飛べるようになるという本当に絶対使わない機能が付けられてしまったけど。イヴちゃんのこの翼の飛行データをどこかで使いたくて仕方なかったらしい。トラックも5秒は飛べます。案外使い道あるんかなあ。いやないよね。ともかく、勿体ない使い方ではあるけどいざというときは人員輸送にも便利。まあ1両しか準備できなかったんだけど。いくら手弁当で自警団がやってたからって年度始まったばっかりであんまがんがん金使うと後で困るかもしれないししょうがないね。自警団も正義実現委員会もそんなに人手が多いわけじゃないから、地上攻撃ができる無人機とかも欲しいけど、滅多に見かけないから多分すげー高いんだろうなあ。エンジニア部はノリノリで対砲兵レーダーもつけようとしてくれたけど、車体が普通に保たなさそうだったので断念。完全自律で対砲兵戦までこなせたら最高だったんだけどなあ。まあしょうがない。

 そうそう、今までうたた寝何時間かだけで済んでたのが、本格的に3~4時間くらい眠りが必要になっちゃった。あのタペストリちゃん(仮称)に綿喰わせたせいかなあ。はらわたを食べさせたのに眠気が出てくるとはこれいかに。コトダマ空間へのログインは昨日久々に成功したのだけれども、僕のサイズ全体が小さくなってしまっていた。今までイヴちゃんの8割くらいの全高だったのが5割くらいに。3割は食べられちゃった……ってコト?!百合園セイアさんと夢の中で接触もないし、留守の間に来てくれたとかなのかな。まだヤバい段階まで何か事は進んでないと思いたいんだけど。進んでないよね?

 

 さて、今日は放課後にイヴちゃんと宇沢レイサさんの2人が当番でやってきて、軽く仕事を手伝って16時過ぎにはあらかたの仕事が無事片付いたのでお茶をしている。先生はレアチーズケーキ、宇沢レイサさんはフルーツタルト、イヴちゃんはチョコケーキをチョイス。お茶をしながら先生お勧めの映画を見ている最中、映画で可愛い女の子が女の子にケーキをあーんと食べさせているシーンを見た瞬間に先生が発作を起こし、床に転がってまでやってほしいと駄々をこね、美少女2人にケーキを食べさせてもらってとんでもなくだらしない顔をしているとんでもない時間になった。可愛らしい系180cm超の美女が床で駄々をこねるシーン、思ったより絵面が最悪だったな。本当にこの先生にまかせて大丈夫なのかなあ。オンオフで今オフだからだよね?不安だわあ……と思いながら見ていると、来訪者があった。あれ、杏山カズサさんだ。先生がキリッとした表情になる。うわぁ!急に正気になるな!

「"やあ、カズサ、待ってたよ"」

「先生、こんにちは……。って、他に人が、うわ、宇沢とイヴじゃん」

「杏山カズサこんにちは!!!!!」

「カズサさん、こんにちは……」

「はぁ……まあ確かに、1対1で話したいとは言わなかったけど」

「"その方がいい?"」

「……外したほうがいい?」

「そうしましょうか……?」

「うーん……いや、まあ、いいや。あえて人払いしてないってことでしょ?」

「"メッセージで聞いた内容なら、私以外の助けも必要になってきそうだからね"」

「まあ、この2人なら確かに大丈夫……大丈夫かな?」

 先生は未練がましく食べかけのというか食べさせてもらっている最中だったケーキに目をやった後、冷蔵庫から新しいケーキを出した。イヴちゃんと宇沢レイサさんがコーヒーを淹れるのを申し出たので、先生は座り直した。

 

 コーヒーを全員分淹れた後、先生の代わりと思ったのか、親しい相手なら普通だと判断したのか、お互いにケーキをあーんし始めたイヴちゃん(平然とやっていて僕は存在しない脳が壊れそう)と宇沢レイサさん(こっちは真っ赤になっていた)を見て「えっ、こいつら付き合ってんの……?」というぎょっとした顔をした後――付き合ってないんだよな――気にしないことにしたのか話し始めた。先生はちらっちら羨ましそうに見るのやめろ。さっき2人同時にやってもらっとったやろうが。

「ストーカーが出るんだ」

「へえー、ストーカーですか。大変ですね。あっ、あーん……」

 顔真っ赤にしながらイヴちゃんのチョコケーキおすそわけもぐもぐ、宇沢レイサさん可愛いね。もぐもぐごくん。あっ正気に戻った。

「えっ、ストーカー?!大変じゃないですか!!正義実現委員会か自警団に相談してます?!」

「あーうっさいな。相談ねえ……そういう感じじゃないんだよね」

 は??ストーカー??今の2人の反応で、宇沢レイサさんがストーカーなわけないよな。誰???

「"明日、当人に会ってみる?"」

「そう、ですね。毎朝登校の時に会うので、お願いできますか?」

「「……毎日、ストーカーと……?」」

 いやそうだよねえ。僕もそんな気持ち。

「私達ももちろん力になりますよ!」

「うん、手伝う……」

 あんまやべー奴がPopしてませんように。いやまじでな。

 




 補助団体は勿論無から生やしている設定です。トリニティ金満だからか割と部活自体には緩そうですけど、自警団は暴力組織のため扱いが特殊(個人の見解です)なので。同好会は非公認でお金が出ない部活。

 初期先生の奇行割と好きなのですよね。初期だからのキャラブレ説もあるらしいですけど……。

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