ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
ヘルメット団を撃退して先生が無事というメッセージを十六夜ノノミさんから受けて一安心のイヴちゃんのおまけ、ジルです。鹵獲小銃とか車両とかで作った即席銃座とかバリケードとかテンション上がるなあ~ってものが自撮りの背景にたくさん映っててオラわくわくすっぞ!ってなってる。イヴちゃんもニコニコだ。
(大変なんだろうけど……楽しそう……)
(自警団の権限で押収品倉庫入れるじゃん!今度見に行く?)
(……名案!……)
持ってる権限とコネは浅ましく使うのがジル流。早速今日にでも行ってみよう。
ということで、今日は普通に授業とお昼、午後の授業も終わり、宇沢レイサさんが正義実現委員会の訓練に参加する日なので見学にきました。正義実現委員会全員に行き渡るってなるとラスク詰め合わせみたいなんになっちゃうけど差し入れも持ってきた。剣先ツルギさんとは初対面ですね。
(イヴちゃん、一応何があっても大丈夫なように注意はしておいてね)
(……うん……?)
「きひ?!」
何故か身体をビクッとさせる剣先ツルギさん。今のは反射的に飛びかかろうとしたのを理性で抑えた感じ……?重心とか思いっきり倒れてたし……。あれか?ウリエル・ニンジャのソウルの持ち主*1だからか?とにかく会った瞬間にぶん殴られるかもは覚悟してたけど、理性の方が勝ったみたいでよかった。宇沢レイサさんも釣られてビクッとした。今イヴちゃんを庇って前に立とうとしてたっぽい。手はもちろん繋いでる。やだ……格好良い……。あ、羽川ハスミさんだ。
「ツルギ、どうしました?」
「ひひ……」
「はぁ、魂が震える?そうですか。あまり気負いすぎないように。今日はあくまで訓練ですし、今日の参加者は宇沢レイサさんの方ですからね」
「宇沢レイサです!!よろしくお願いします!!!」
「きぃへへへ」
「『自警団との協同は我々正義実現委員会としても重要であり、今日の機会を楽しみにしておりました』と言っております」
圧縮言語だな??
「……レイサちゃん、頑張って……」
「はいっ!!!」
手をにぎにぎするイヴちゃんと嬉しそうな宇沢レイサさん。
剣先ツルギさんと宇沢レイサさんの訓練は1対1の戦闘からスタート。40秒足らずで宇沢レイサさんがぶっ飛ばされてしまって終了。いや謎ビーム的なエフェクト出てる散弾何発も耐えるの凄いね?!
「ひっひひ……」
「『私の攻撃を耐えられるのは大したものだ。筋はいい。だが、撃って当てることに意識が先んじている。相手の力を見たうえで必要なら避ける、待つのを覚えた方がいいな』と言っています」
「はっ、はい!ありがとうございました!」
よろよろしながらも立ち上がる宇沢レイサさん。潰れたアルミ缶みたいになってないのすげーな。
「けひ……」
「『自警団は連携訓練をしていないと聞いている。今日は遮蔽物を使って援護しながら移動する射撃と運動の基本訓練をするが、宇沢レイサも御蔵イヴも良ければ参加しないか?』だそうですが、どうですか?」
「はいっ!是非!」
「……します……よろしくお願いします……」
圧縮言語まじですげーし実際にはクレバーなんだなあっていうのがしっかり伝わってくる。通訳はいるけど。まともな事言ってるはずなのに何言ってるかわかんねーっす。
集団でしかできない訓練って感じの有意義な時間だった。仮想敵として剣先ツルギさんが殺意溢れてるようにしか聞こえない叫びを上げながら撃ちまくり正義実現委員会モブちゃんと声を掛けたりハンドサインを教わりながら正義実現委員会のプレハブが立ち並ぶ野外訓練場で汗を流した。*2キヴォトス人、基本銃弾で死なないから遮蔽物から次の遮蔽物へ走る距離*3が長い!30~50mどころじゃない距離を走ってるな。しかし実弾と人体が飛び交うしやってる事は硝煙と汗にまみれてるけど、運動部系の爽やかな雰囲気があって楽しかったな。イヴちゃんも満足そう。
きっと先生の指揮下の時の援護にも役立つだろう。僕もイヴちゃんも装備的に前衛~後衛どれもできるからな。あと、一度じゃ流石に流麗にはこなせないだろうけど宇沢レイサさんも遮蔽物使えるようになるかなって。使わなくても十分なくらい頑丈なんだろうけど、攻撃はもらわないに越したこと無いしね。
正義実現委員会のシャワー室はそれぞれ個室でやっぱりゲヘナの風紀委員会のより上等な感じ。隣の個室まで一緒だった宇沢レイサさんがちょっと残念そうな顔をしてたのは僕だけに留めておいてあげよう……。風紀委員会シャワー室、ゲヘナのウェブページとかで確認したけどやっぱ絶対横の子の見えてるよね。
シャワー終わった後の牛乳は剣先ツルギさんと羽川ハスミさんが奢ってくれた。「内緒ですよ?」と微笑む羽川ハスミさん可愛い。2人で内緒なので小さくお礼を言う。
「ありがとうございました!集団での戦闘経験は自警団では少ないので勉強になります!」
こくこくと同意して頷くイヴちゃん。
「きひ、うひひ」
「『実になる訓練だったならよかった。一緒にトリニティの治安を守るためにこれからもよろしく』……私からも、よろしくお願いします。お2人の高い実力はきっとトリニティのために、正義の一助になるかと」
「はいっ!!」
これも頷くイヴちゃん。まあ平日はやること色々あるから自警団活動はあんましないつもりだけど。そのうち宇沢レイサさんに付き合ってとかあるかなあ。
正義実現委員会も反省会兼勉強会がある。やってるのは本当に歩兵戦闘の話なんだけど。こういう話楽しいなあ。今日は分隊支援火器を運ぶまでもなくイヴちゃんが火力発揚できたけど、それに甘えた動きをしてしまったのではみたいな話になっていた。キヴォトス人でもモブちゃんだと汎用機関銃以上の銃担いで動くのは大変らしい。イヴちゃんがパルクールを使って動くのを見て、そういう訓練も新たにして、できる人がハシゴをかけたり屋根の上に火器を運び上げるかみたいな話になった。ほう、外部の刺激に柔軟なの大したものですね。正義実現委員会、名前以外はすげー真っ当*4な組織だな。
終わった後、剣先ツルギさんと羽川ハスミさんに挨拶したうえで、自警団員の権限を使って正義実現委員会の押収品倉庫へ。宇沢レイサさんも一緒に見に来た。あっ、下江コハルさんだ。さっき訓練見学してたのはちらっと見えてたけど、見学だけだったから先に戻ってきてたのかな。
「……見学を……」
「お願いします!!!」
まじまじと2人の学生証をチェックする下江コハルさん。同じクラスなのに相変わらずの塩対応だなあ。無言で扉を開ける。入っていいってことだな。
「触ってもいいけど弾は込めないで。それと発砲、射撃は禁止だから」
「はいっ!!!!あれっ?下江さん、同じクラスじゃ……」
自信無かったのか小声になっちゃった宇沢レイサさんの声にノーリアクションの下江コハルさんに小さく頭を下げるイヴちゃん。うーん、お互いの距離が近付かない感じね。このままだと接点無いまま終わるかもだなあ。補習授業部はこのままだと関係無いだろうし。
押収品倉庫、めっちゃ面白かった。不良生徒から没収した火器類はボルトアクションの小銃から個人防衛火器やら擲弾筒に迫撃砲に野砲まで山積みになって博物館どころじゃない騒ぎだったし、薬品類とかは本当に訳わからんもんばっかり。適切に管理されていなかったと思われる放射性廃棄物(これは立入禁止のエリアになってた)とかもあってキヴォトスヤバいな~ってなった。出版物の方は「エッチなのは駄目!死刑!!」みたいなのは2人ともあわあわして読まなかった*5けど、政治的にややこしそうだったりする奴とかもあるのが面白かったね。
事前に規定を読んだけど、押収品のうち返還を本人が求めないものはトリニティ学園が他の学園に
見終えた後に下江コハルさんに礼を言って出て、宇沢レイサさんと部活終わりの
あっ、寝る前のトレーニングをしてたら先生からメッセージが来た。『緊急時の生徒の位置座標追跡について連邦生徒会に稟議書を出しました』とのこと。流石先生。判断が速い。勝ったな。シャワー浴びて歯磨いて寝よ。
正義実現委員会、火砲を持ってないのはティーパーティーの政治的制限なのかなと思っていましたが、そもそもWW2期までの英歩兵大隊~旅団(他国の連隊相当)は火砲を装備してなかったからそれモデルなのかなと気付いてしまいました。委員長が砲であり盾であり矛なので何とかなるけども…。
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赤帯に戻りました。わー嬉しい。