ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
読まなくても案外繋がってる感が漂っておりアレなのですが、出来ればユウカの話に繋がりがある部分があるので、今回の話の前にお読み下さい。
担当者はマンゴーもぎ研修に送られたのでごあんしんください。
今度こそとゲーム開発部の2人がイヴちゃんと早瀬ユウカさんを引っ張っていこうとしたときに、豊見コトリさんがぽんと手を打った。
「そういえば、以前ウタハ先輩がイヴさんから聞かれていたものらしきものがありましたよ」
「うん?何だったかな?」
「普通の銃弾の他に、エネルギー弾が撃てるらしきライフルです」
えっまじで?!
(……何のこと……?)
(神秘が銃弾に付与されるらしいから、その効率を上げた発明品とかあるかなって聞いたかも。かなり前)
何度もお預けを食ってもう飽きたのかゲーム機を取り出した才羽モモイさんと何かの参考になるかもと話を聞いてる才羽ミドリさん、また訳わからんもんが出てきそうって顔をしてる早瀬ユウカさん。
発明したものの使い道がなくほったらかしになっている、整頓はされているけど誰も手をつけないエンジニア部の一角から豊見コトリさんが1丁のライフルを持ってきた。見た目は何の変哲も無い
「いいですか。この銃はこんな見た目ですが弾が専用弾倉に9発と薬室に1発の合計10発しか入りません」
自動で簡易標的が自走してきた。室内で銃を撃つつもりらしいけど、誰も気にしてない。キヴォトスだなあ。安全装置を解除して薬室に弾丸を送り込む。
「撃ちます!」
1、2、3……あれ、今11発出なかった?どれも曳光弾だったから数え間違いはしてないと思うんだけど。木製らしき簡易標的に普通に穴が開いている。
「今入ってた弾は通常弾で、曳光弾ではありません!」
なぜか撃ち終わった途端にぜーはー肩で息をしている。解説をする気力が無さそう。
「……気力とか体力とかを、撃つ銃……?」
「おそらくは……ハァハァ……げほごほ」
「……撃ってみても……?」
「どうぞ」
専用弾倉の中をイヴちゃんが覗いてみるけど、弾は見たとこ普通のっぽい。
「弾丸は普通の.45ACP弾ですよ。売店でも売ってるような品です」
イヴちゃんが発砲。うわめっちゃ光るじゃん。出た弾は13発。標的は粉微塵になった。
「何今の!?レーザーマシンガンみたい!」
「えっ凄い」
(……体力が吸い出されるみたい……)
(チャドー呼吸だよイヴちゃん!)
皆できゃーきゃー言いながら銃が取り合いになった。思い思いに撃ちまくる。楽しそう。結局神秘が何だかよく判ってないんだけど、確かに神秘を強制的に吸い出す銃なのかな?何となく感覚を掴むのにはありだし、これ毎日くたくたになるまで撃てば神秘の総量が増えるのでは……?皆が撃ちまくってぐったりしてわーきゃー楽しそうにしてる中、エナドリを飲んでちょっと回復した豊見コトリさんが解説を続けている。
「分解して調べてみたのですが、撃針が青く光を当てると輝く材質不明の石なのと、銃身の
青く光る石?!先生に聞いても「何それ知らん……怖……」て言われた
神秘を射出するっぽい銃、20年近く前からエンジニア部にあり、材質調査も前年度含め過去複数回試みられている以外はほったらかしだから貸しても構わないって話になった。一応保証金として新品の
(イヴちゃんごめんもっかい代わって)
「えっまだ何かあるの。もう私達先に部室行ってるからね。おやつはイヴが今日持ってきてくれたのあるし、ジュースは冷蔵庫にあるから買ってこなくていいよ」
才羽ミドリさんと早瀬ユウカさんも苦笑いしながら引っ張られていく。豊見コトリさんも着いていった。自由だなあ。
ちょっと不味いかもな話なので声を潜めて白石ウタハさんに頭を下げる。
「目立たない、シールサイズのGPS発信器って作れますか……?」
「誰かのストーキングにでも使うのかな?」
完全に冗談のトーンだけど、用途的には割とマジなんだよな。
「起動信号を送るまでは休眠してて、起動したら2~3日しかバッテリが持たないってところになりそうだけどそれでいいなら。物が物だけに、悪用しないでくれるね?」
「もちろんです」
取りに来る前に何か起こると困るので、宅配便で至急作って送ってもらうことになった。数は10枚。これはデータも渡せないし代金を押しつけるように置いてきた。キヴォトス人、攫われて沈められたり埋められたりしたら死ぬからなあ。勝手に位置情報取っちゃうのはもちろん良いことでは無いんだけど、余所の学園の子とかだともう同意取るまでに至らないみたいなことがあるかもだから念のため。
やっと用件が終わってゲーム開発部に行ったら豊見コトリさんが買ったらしい新作パズルゲームで盛り上がっていた。イヴちゃんも混ぜてもらう。あんまり強くないけど、こないだの格闘ゲームよりは全然マシだな。ゲームしながら爆速でキャラクタとゲームそのものの解説をしている豊見コトリさんすげー。パズルゲームの歴史からテトリスを始め落ち物パズルの話、いやこれ今日中に終わるんかな。一応皆聞いてるけど、才羽モモイさんは無理そう。今日も花岡ユズさんは出てこないけど、「お土産ありがとうって言ってたよ!!」と才羽モモイさんが言ってたから多分起きてはいるはず。
「そろそろ部長会議もあるし、昨日渡したけど実績報告と評価もセミナーがするんだから、ちゃんとしないとあっ嘘っ今のなんで!?」
「任せて任せて。ゲーム開発部の新作も鋭意えーと何かしてるから。はいこれでとどめね」
「お姉ちゃんのシナリオ上がらないと何にもできないんだからね」
「わかってるって。へへ、コトリとイヴ、交代する?」
「そもそもこれコトリちゃんのゲームだし……」
「このシリーズ初めてやったけど楽しいわね」
「へー、ユウカこういうの好きそうだと思ってた」
「タイミングが合わなくて。これからはゲームする時間もっと取れそうだけど」
解説しながらコントローラを受け取る豊見コトリさんとグレープフルーツジュースを飲みながら受取るイヴちゃん。ゲームの持ち主だから豊見コトリさんが強いということもなく、結構良い勝負だ。あっイヴちゃんがミスった。ああー。才羽ミドリさんがやりたいらしく、イヴちゃんと交代しソファに移動、早瀬ユウカさんの隣に座る。
「……そういえば、連邦生徒会のお仕事は減りそうですか……?」
「そうね。連邦生徒会から回ってくる紙の仕事は減ると思う。これを機会に書類の様式だとか内部の通知通達とかもコンサルタント入れて見直すらしいし、かなりマシになるんじゃないかしら?まあ、なったところで腰の重さは変わらないと思うけど」
「……どうして……?」
「連邦生徒会はあくまで建前として各学園の自治に不干渉。ミレニアムやトリニティ、ゲヘナ、一回り小さくなるけど百鬼夜行、レッドウィンター、山海経クラスの学校は自力で運営できてるからそもそも連邦生徒会に頼ることが少ないの。もっと小さいところで連邦生徒会の助けを求めてるところは多くて、でも袖にされてるから三大校に頼ったりしたい学校も結構あるのよね」
「……それは、忙しいから……?」
「責任を取りたくないし、予算もないし、やってもキリも無いっていうのもあるのかもね。廃校になる学校、新しくできる学校は毎年何十もあるし。ミレニアムから連邦生徒会に出向した子に話を聞いても何だかいまいち要領得ないわ」
はー。連邦生徒会って何やってるんやろう。イヴちゃんも同じく疑問に思ったらしい。
「連邦生徒会って……何をしてるんですか……?」
「キヴォトス全域向けの法律制定や自前の組織、鉄道を運営したり、後はヴァルキューレやSRTもあるけど、治安機関がちゃんと活動してるさっき言った学園ではほとんど姿を見ないものね。治安機関がそもそも存在しない学園だと、ヴァルキューレが代行してたりする場合もあるのよ」
早瀬ユウカさんの口ぶり的にはあんまり関わりないから知らんけどあんま頼りにはならんって感じの評価かな。まあ普通に七神リンちゃんさんに噛みついてたし、連邦生徒会ってそんな立場強くなさそうな感じある。あれっ、じゃあアビドスにもヴァルキューレの支所とかあるんかな。今度調べよう。
ちなみに、この間読んだ本によると連邦生徒会法は各学園法と対等であり、二元論――生徒会法を学園法に別途立法する――学園が多いらしい。*1はえ~。
今日も楽しい時間だった。明日も学校があるのでイヴちゃんは早めに切り上げ、ミレニアムといえばみたいな定番店の1つらしいロブスター料理の店で食べて帰ることに。イヴちゃん、海鮮系好きなんだよな。僕も別に嫌いじゃないけど。ほくほく笑顔でもりもり食べてて愛くるしい。一杯食べるイヴちゃんが好き。
連邦生徒会と各学園の力関係とか法規周りってどうなってるんでしょうね。日本における地方自治推進前の国と地方自治体みたいな関係なのかな?
拙作では補助金を出してくれかつ自力で立法と軍事力を持つ国際連盟的なふんわりした感じで想定しています。各学園からの参加費も出ているけど、D.U.含む直轄地域や事業の税があるのでお金には余裕があるけど廃校になる案件は山ほどあるから放置している感じ。
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