ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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何だかわからんけどファンシーグッズは話題共有にも持ってこい こんな目の逝ってる鳥が?

 皆注文したものを食べきって、そろそろ解散かなというタイミングで、黒見セリカさんがスマフォを取り出してモモトークのアカウント交換を阿慈谷ヒフミさんとしつつ口を開いた。

「そういえば、結局イヴちゃんは先輩達とどういう知り合いなの?」

「私は会うのはじめて」

「そっか、まだシロコちゃんいなかったっけ?いや違うな、来たばっかでまだ寝込んでたんだよ」

「ん、なるほど」

「それでね、え~と、アビドスにでっかい蛇がいるんだけど、そいつと一緒に戦った仲かな~」

「不良の人達をたくさんトラックの荷台に載せたりもしましたね☆」

「いや、意味わかんないんだけど……」

 十六夜ノノミさんがスマフォで動画を再生する。右上にタイムスタンプ。

「あ、去年のホシノ先輩とノノミ先輩?で、これがイヴちゃ……うわ何これ!」

『……え、何ですかこれ』

「え、何十メートルあるのこいつ……っていうか、あの砂漠にこんな化け物いるの……?」

『イヴさんが振り回してる盾と銃も気になりますけど……』

「アビドスの大蛇、言ってなかったっけ?」

「言ってなかったかもですね」

「私も知らない」

「銃と盾は?ほんとにノノミ先輩が言ってたとおり落としてきたの?」

 イヴちゃんは首を横に振る。

「銃と盾はスマフォと一緒に置いてきた。友達が、身元が割れるし、GPSで追跡されるからって……」

 皆の視線がばっちりトリニティの制服を着ている阿慈谷ヒフミさんに集まる。まじで無敵かよこのペロキチ姐御はよお。ちなみにGPS以外にも基地局との通信歴でも位置が割れちゃいます。

「あ、あはは……スマフォも持って来ちゃってますね……」

「確かに、次の襲撃の時はスマフォはどこかに置いてこないと……」

「いや、次はないからね~?あ、イヴちゃんのアカウントはおじさんから皆に送っといていい?」

 頷くイヴちゃん。

「ところで、この大蛇ですが、ティーパーティーはご存知なのですか?」

 固まる僕。え、何、ティーパーティーに?ナンデ?あっ安全保障的な脅威だから?イヴちゃんはアイスココアをストローで飲みながら首を傾げる。ごめんイヴちゃん代わってもらえる?

「他の自治区の話だから、全然……」

「あ、あはは……一緒に報告しましょう……」

 一勝一敗ってところかな。いや何を競ってるかわからんけど。

 僕と阿慈谷ヒフミさんを一瞬鋭い目をしてから、元のぼんやりした顔に戻る小鳥遊ホシノさん。

「これも今のティーパーティーが詳しく知ってるかはともかく、噂くらいは掴んでそうだけどね~」

「……都市伝説としては、たまに聞きます……」

「地元民なのに知らなかった……」

『今日明日の話ではないですが、また皆で対策を考えましょう』

「そうですね~」

「言うまでもないと思うけど、先生もヒフミちゃんもイヴちゃんも、あんまりあちこちで喋ったりはしないでね~。まあ噂はもうだいぶ昔から流れてるから、絶対言うなとかは言わないけどさ」

 頷く先生と阿慈谷ヒフミさんと僕。しかし地元では案外ローカルなのか?僕が怪談とか都市伝説とか好きだからかな。

(イヴちゃんありがとね)

(ティーパーティーに……言うの……?)

(報告しようっていう考えがそもそも無かっただけで、別に隠してないしな~。べらべら喋って回ったら不味いかなくらいは思ってたけど)

(うん……)

 いや~、でも何て説明しようかな。正直に思いつきもせんかったっていうしかないか。

 

 そろそろ解散という雰囲気になってきたところで先生がお手洗いと称し席を立った。お会計を済ませてくれているのが視界の隅で見える。奢ってくれるらしい。ありがたいね。「他の学校の人達と友達になれる機会なんてめったにないから、アヤネちゃんは留守番残念だったわね」

『そのうちアビドスにも遊びに来てください』

 頷くイヴちゃんと阿慈谷ヒフミさん。

「アビドスの皆さんのために、何かできることがあればいいのですが……」

「気持ちだけで十分ありがたいよ」

「うんうん、その通りです♠」

「とりあえず、遊びに来てもらったら!」

「ええ、ぜひ!」

「……新しいバイク、買ったから……」

「"えっイヴバイク買ったの?!写真とかある?!"」

 先生が一番食いついたな。イヴちゃんは買ったサイトの写真を見せている。やっぱメカとか好きなんだな。全然タイミング合わなくてまだ実物見てないけど(盗まれたり壊されたりしてないか不安になってきた)……。

 

 アビドス勢と別れて、阿慈谷ヒフミさんと同じ列車に乗り、モモフレンズの良さを布教されている最中に思い出した。今日買ったチャームの写真を丹花イブキさんに送らないと。

「そういえば、イヴさんのお友達はトリニティの方なのですか?ぜひお友達になりたいです!」

 ふるふると首を横に振るイヴちゃん。

「……ゲヘナの子、です……」

「おお~!ゲヘナ限定のペロロ様グッズもあるらしく、まだ一度も行けてないのですがぜひ行きたいですね!その時には紹介してください!!」

 何というかモモフレンズの話してるときの圧が凄い。こくりと頷くイヴちゃん。これがペロロ(ちから)……?

 

 阿慈谷ヒフミさんと別れ、帰宅してまっすぐシャワーに直行、寝る支度を済ませてすまっほで丹花イブキさんに今日買ってきたMr.ニコライの写真を送った。興奮と喜びとまた遊びに来てねというメッセージが帰ってきてほっこり。

 身分詐称お出かけセットを片付けて、やっとベッドに転がり込めた。いや疲れたな。

(……今日、色んなことがあったね……)

(濃かった……あっそうだ、明日からちょっと放課後に時間もらっていい?)

(いいけど……何するの?)

(ちょっとお祈りとかしてこようと思って。週1~2の1時間ずつくらいかな?)

(……どうしたの?何かあった……?相談できるなら、聞くけど……)

(あっ、今の生き方に疑問を持ったとか辛いことがあったとかじゃないから!これからの保険の一つなだけ!)

(……そう?……)

 うお~イヴちゃんに心配されるの嬉しすぎる~~~~~!!!いやあまりに邪悪な発想だなこれ。本当は助祭とか読師とかの資格*1取ろうかと思ったんだが、終身助祭がないっぽいんだよな。うっかり司祭に昇格してしまってイヴちゃんが結婚できんとか人生に変な縛りをつけてしまったら困るんだよな。いやしょぼい男とか認めんが?イヴちゃんがいいって言っても僕が許さんが??って後方保護者面しちゃうけど。

 

 イヴちゃんはベッドに横たわった瞬間に寝てしまった。僕も正直くたくたなので寝たいけど、明日のティーパーティー向けの報告書、一枚もんのペラで良いから作っておかないとな。

*1
叙階といって教会、トリニティだとシスターフッドに認定されるものなのでこの表現が正しいかわからん




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