ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
宇沢レイサさんグループの皆で集まって美味しい晩ご飯を食べて(今日は珍しく全員揃った)、夜の日課も済ませて翌日お昼。昨日の晩に全員に了承を取って誘った伊落マリーさんが一緒にお昼を食べる事になった。
今日のお昼は屋上にシートを敷いている。伊落マリーさんは屋上で食べるのは初めてらしい。
「同じクラスなのにあまりお話しする機会がなかったので嬉しいです」
「そうですね!!」
「シスフ(シスターフッドを略してる)の子って、なんか独特のグループがある感じだしね」
「いや、それ他も一緒じゃない?」
「……私達も、私達のグループがあるし……」
「それもそっか。あ、伊落さん、マリーさんって呼んでいい?」
「はい。喜んで。皆さんのことも、お名前で呼ばせてください」
「あ、1時間目の休みの時に言っておいたけど、私らのグループ、毎日持ち回りで全員分のご飯買ってきてるんだけど、マリーさんのも買ってきたから」
「……今日の担当、レイサちゃん……」
「はいっ!!!今日はチーズオムライスとナポリタン小にしました!!」
「「「「おお~」」」」
あー裏門出て角曲がったところの洋食屋さんのやつ。美味しいけどちょい遠いから足が速い
「マリーさんのはこのベジタブルキノコです」
宗教的に肉食駄目な日あるかもだもんね。ナイス配慮だわ。
「ありがとうございます。美味しそう」
美味しいご飯を食べながらのんびり話す。風が気持ちいい。と、イヴちゃんの電話が鳴った。昼休み時点でメッセージも山ほど来てたけど会話中はスマフォ見ないから気づかなかったんだな。イヴちゃんが断って席を立ち、屋上の隅で電話を取ると黒見セリカさんだった。
「イヴちゃん大変!ホシノ先輩がいなくなっちゃった!」
「……え……?」
は????????????????黒服に釘刺したが???????????
イヴちゃんに代わってもらって、とにかく黒見セリカさんをなだめてこれからアビドス高校に行くからと伝えて電話を切って黒服にモモトークでメッセージを送る。こんな可愛らしいアプリで黒服とやり取りするの客観的には笑えてしまうけどそれどころじゃないんだよな。
『もちろん、私はあなたと約束した通り手を引きました。カイザーはホシノさんを退学させたうえで雇用するつもりだそうですよ。もちろん、どれだけハラスメントやサービス残業その他の酷使をさせるかはわかりませんが』
人体実験の対象じゃないなら良かった~!ってなるかぼけ!!嘘だろ。完全に油断しきっていた。何とかしないと、何とか。
(ジル……大丈夫……?)
(大丈夫じゃないかも)
(……深呼吸……いつも言ってくれてる……)
ありがとうイヴちゃん。せやせや、僕が冷静さを欠こうとしてどうする。チャドーの呼吸をしているとまたメッセージが来た。今度は阿慈谷ヒフミさんだ。
『ナギサ様にホシノさんの件でお願いしに行きます。来てくれますか』
「レイサちゃん、手伝ってほしいことがあります」
「わかりました!私が必要ならいつでも!」
内容を聞くまでも無く答えてくれる宇沢レイサさんに嬉しくなる。
僕達のやり取りに目を丸くする伊落マリーさん。
「私達だと、力になれない?」
こっちをじっと見る朝吹ソフノさん、報野モユルさんに、僕は首を横に振った。
「腕っぷしが必要になりそうだから」
「そっか~。じゃあしょうがない。2人ともお土産よろしくね」
「怪我とかしないようにね」
「ごめんなさい、マリーさん。誘っておいて。ソフノちゃんもモユルちゃんもごめん。レイサちゃん借りていくから」
「いえ、お気をつけて。私も無事を祈っています」
伊落マリーさん本当に良い子だなあ。忘れないようにモモトークのアカウントだけ交換してと。とりあえずティーパーティーにのりこめーだな。
ティーパーティーへの面会は阿慈谷ヒフミさんが要請したら秒で通ったらしい。いや本当にどういうご関係なんでしょうね……。溺愛ってやっぱりそういうアレなご関係なのかな……そんなん聞く訳にいかんし今どうでもいいっちゃどうでもいいんだよな。
「以前お願いしていたアビドス高校についてです。事実上の生徒会長が失踪し、カイザーグループに身柄を拘束されているおそれがあります」
あの後、奥空アヤネさんから送られてきた手紙の内容概略を見るには、法的には拘束でも何でも無さそうなんだけど、前後のどっかで脅迫挟んでる可能性もあるしいっか。
聖園ミカさんが溜息をついた。何か意外な反応だな。
「まあ、ナギちゃんはヒフミちゃんに甘いしね。バレないようになら介入オッケーってことでしょ?」
「……ティーパーティーの近衛砲兵、第1連隊を使ってもらいましょう。他ならぬヒフミさんですし、全てお任せします。細かいことはこちらで」
「ありがとうございます!」
「それと、自警団なら動かしても対外的には話は通しやすいです。御蔵さん、宇沢さん、今来てくださったということは、お願いしていいということですね?」
「はい!」
「……わかりました……」
「砲兵の機動用以外にもヘリを1機出しましょう。それと、万が一の時に備えて、1人応援をつけます。アビドス高校には存在してもらった方が好都合なようですから」
はて。1人とは。まあすぐにわかるか。2人はちゃんと公休扱いになるらしいので助かる。
早速指定されたヘリポートに行くと、ヘリの発進準備がもうできていた。すげーな。ティーパーティーが用意してくれたヘリは堂々と描かれたトリニティ校章含めて結構くたびれてるUH-60っぽい機体だった。トリニティが主に運用してるヘリの数的主力は違う機体*1だからちょっと意外だけど、まあ何か考えがあるんだろう。ヘリ後方座席は側面と向かい合う方向壁際に設置されている。後方には3人しか乗らないからミニガンが置いてあっても割と広々、あれ、ミニガンは整備員さんが剥がして持っていった。
エンジンとローターが爆音を立てる機体の中で宇沢レイサさんと当然のように手を繋いで座るイヴちゃんと宇沢レイサさんを見て、同行者が青筋を立てる。
「ヘリコプター、初めて乗りました!!!!」
「なんで私まで一緒に行かないといけないの?!っていうかなんであんた達手繋いでんの?!」
正義実現委員会の制服ではなくて、普通の制服か私服を着てくるようにと言われ呼び出された下江コハルさんだった。普通の制服を着てきている。ヘリ操縦士もティーパーティーの制服ではなくて普通の制服だ。トリニティの正規に認めている活動ではあるけど、軍隊である正義実現委員会は動かしてないですよ~というポーズなのだろう。国境警備隊の方が軍より揉めごとになりにくいのと同じだな。ドアが閉まり、操縦士さんが「出発するので気をつけて」と一言。
イヴちゃんが繋いでない方の手で2人の肩を叩いてヘッドセットと喉に巻いているマイクを指さす。お、機体が浮いた。
「……2人とも、大声出さなくても、ヘッドセットと咽喉マイクがある……」
「そうでした!」
「マイク越しでも声でかい!!」
「……ボリューム調整できるから……」
「そういう問題じゃないんだけど?!」
何故かぷんすこしている下江コハルさんを宥めながら、持ってきた飴ちゃんを開けて極めて自然に宇沢レイサさんにあーんするイヴちゃん。それを見て猫目に真っ赤になって震えてる下江コハルさん可愛いね。まあ客観的に見てすげーいちゃつきだしな。いや本当にめっちゃナチュラルにいちゃつくね?!宇沢レイサさんも割と真っ赤だけど。イヴちゃんも口に飴を放り込む。今日の飴はボンタン飴。あ、美味し。懐かしい味だね。
「ちょ、あんた達……」
「……下江さんも、食べる……?」
「もらうけど!ありがと!」
怒りながらもちゃんとお礼は言うの可愛いね。あーんじゃなくて自分で手に取った。
コハルのあなた→あんた呼びは人見知りメータが下がっている印です。
鉄道名、駅名はもちろん勝手に生やしています。トリニティ(イギリス)、ワイルドハント(フランス)、ゲヘナ(ドイツ)、アビドス(エジプト、アビドス本線は別?)にそれぞれ鉄道があるらしいですね。D.U.はワシントンっぽいですが、各地に先生が移動する時、飛行機もしくは船舶に乗る描写がないので、陸続きないしは海底トンネルがあると想定しています。描写省略されてるだけかもしれませんが。
評価、感想、ここすき、お気に入り、しおり有難う御座います。皆様の反応が書き続ける力になります。
最近滅茶苦茶忙しくて書く速度下がってますが頑張ります。