ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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買い物は見るのも悩むのも楽しいと思うと買い物時間が長いのもわかる

 休日、今週はまじで色んなことがあったのでみんなの遊びとかのお誘いも申し訳ないけど辞退してごろごろしていた。イヴちゃんは脳内ライブラリの映画を見ながら漫画を読む器用なことをしている。映画は侵略者の宇宙人と鮫が戦うくそ映画、漫画はピエール○原作、漫☆○太郎画のアレかあ……。濃すぎるし胸焼けしそうな組み合わせだな……。

 

 イヴちゃんが休養してる間に、僕はハッキングの方法を勉強しようと思って電子書籍を漁ってみたが、こりゃ一朝一夕で何とかなるもんじゃないな。まあ勉強して無駄になるもんでもないけど、即戦力になってこれからすぐ役立ちます!!みたいなんはまず無理だな。

 

 夜まで休養と勉強に充てて充実した休日だったなーと思いつつ、晩ご飯は買っておいたスモークサーモンとチーズ入パン。

 ご飯も美味しく食べてデザートにいちじくのヨーグルトを食べて、イヴちゃんがモモトークを見たら宇沢レイサさんグループに「明日こそ遊びに行かない?疲れてるなら朝から夕方までだけで」と朝吹ソフノ(黒髪ポニテ)さんからメッセージが入っていた。

(どうする?)

(……今日で元気になったし、行きたい……)

(じゃあ行こう。その代わりじゃないけど、今日はもう早く寝よう)

(……うん、そうしよう……)

 今日も明日も早めに寝たら大丈夫だろう。と、もう2つメッセージが入った。1つは宇沢レイサさんだ。まず明日遊びに行くのは賛成のうえで。

『私の家も誰かが侵入しようとしたみたいで、新しい鍵に傷がついてました!侵入はされてなさそうです!』

 イヴちゃん含め3人とも心配してるが、鍵穴に傷が入った写真と、ちょっと雑然とした室内の写真が送られてきた。

『物は盗られてないです!部屋も綺麗ですし!』

 イヴちゃんの部屋、イヴちゃんも僕も片付け好きな方だから床になんも置いてないし、それに比べると割と汚……いや、汚部屋ってほどではないんだよな……。パッと見下着だとかゴミとかはほったらかしじゃなさそうだし。洗濯した後の服が床に積まれてるっぽいが。

『本当だ。私の部屋より全然綺麗』

 報野モユル(茶髪おっとり)さんの部屋の写真も送られてきた。こっちもゴミとか下着とかはないけど雑然としてる。足の踏み場とか気にならないのかな。

『モユルの部屋はまた片付け行かないと駄目ね。それはともかく、大丈夫ならいいけど』

 まーうん、本人が大丈夫そうならまあいいか。一応正義実現委員会には通報はするらしいし。

 

 もう一つのメッセージは、守月スズミさんから自警団のグループ宛だった。

『私の部屋に誰かが侵入を試みました。在室していたので捕まえたかったのですが、物音で気づかれて逃げられてしまいました。自警団でも被害に遭っている人がいるようです。皆さんも気をつけて。自警団員で姿を見かけなくなった方がいたりしたら教えてください』

 まじか。自警団に恨みのある奴なんかなあ。もちろん代表をやってる守月スズミさん、宇沢レイサさん、イヴちゃん以外にも強くて目立つ子はいるし、全部目くらましで本命に他の子の家荒らすとかも有り得る。それくらいならともかく、誘拐とかになると洒落にならんし、気をつけるに越したことないね。

 

 次の日もありがたいことに休日。朝から宇沢レイサさんグループで遊びに行くことになった。伊落マリーさんと下江コハルさんには声をかけたけど、日曜はミサがあるのと、正義実現委員会のパトロールの都合で駄目だったそうだ。日曜のミサも顔出さないとな。もちろん今日は無理だけど。

 イヴちゃんは黒のバンドTシャツ*1に青のツータックパンツ、足下はごっつい黒ブーツ。

 宇沢レイサさんは上に薄いピンクのシャツ、下に黒のショートパンツのボーイッシュなコーデ。

 朝吹ソフノさんは紺のふわっとしたノースリーブのツーピースっぽいワンピース。

 報野モユルさんは緑のニットにだぼっとしたデニムパンツ。

 宇沢レイサさんは普通に元気そうでまじで気にしてない感じで、みんなも侵入未遂(?)についてはあえて触れない感じだった。

「今日はレイサちゃんとイヴちゃんの水着を買いに行きましょう」

「いいね~。ソフノも買いなよ」

「モユルちゃんは買わないんです?」

「えー、私は彼女に選んでもらうし」

「はいはい、ご馳走様」

 夏はまだ先だけど、スパとか一緒に行くこともあるかもだしな。いいと思う。選んでもらったら突拍子もないのにならなさそうだしね。

「あの、終わったらガンショップに行きませんか?」

 キヴォトスで銃は服よりありふれている。みんな2つ返事で了承した。いやなんで銃の普及率こんな高いんだよ。怖いわ。

 

 温水プールもあるし、水着売り場は春先のこの時期でも全然充実している。宇沢レイサさんとイヴちゃんを引っ張っていき、あーでもないこーでもないと物色しはじめた。こりゃ長引くなと思ったが、2人はあらかじめ似合いそうな候補いくつかに目星をつけていたらしく、店員さんにこういうものを、とある程度注文をつけてから、持ってきてもらうまでに店頭に並んでいるもので似合いそうなのがあれば一緒にチェックするつもりらしい。

 

 結局、何着か試着したうえで1時間くらいしかかからなかった。いや結構長い気がするが、2人分(朝吹ソフノさんはスパで着てたのと同じ水着のサイズ違いを買うらしく即決だった)だし、女の子の買い物ならこんなもんか?

 宇沢レイサさんのはコルセットワンピース、レースでお腹のところが透けてチラ見せ、胸とレースの部分は青、腰のところは青色と本人の髪色に合わせた色までばっちりな一品。似合っていて宇沢レイサさんも嬉しそうにてれてれしている。

 イヴちゃんのもビスチェタイプだけど上下はっきり分かれていて胸元と太股にレースがあしらわれている。上下とも白で、これも髪色に合わせたチョイス。おへそが見えて可愛い。まあイヴちゃんは何着ても可愛いけどね。イヴちゃんも凄く嬉しそう。水着そのものもだけど、友達とこういう買い物に来るというのが凄くいいんだろうな。

 

 ガンショップは女の子で溢れかえらんばかりだった。いやまじでキヴォトスやべーよな。スイーツ店かめっちゃ人気のコスメの店かと思うもん。

「……レイサちゃん、何か欲しいの……?」

「私もグレネードランチャーをつけてみようかなと思って!」

「あー、イヴちゃんつけてるよね」

「私も中学の時1回つけたけど、重心が変わるから外しちゃった」

 イヴちゃんのは普通に黒だけど、色んなカラーのグレネードランチャーがある。うーん、悪い夢に出てきそう。

「イヴちゃんの持ってる銃、レッドウィンター規格のが多いよね」

「……丈夫だし、動作不良になりにくいから……」

「なるほどな~」

 ソヴィエトが開発した銃は大体キヴォトスだとレッドウィンターの企業が作っている。よその学園や企業が無断コピーしてるのもあるらしいが、別にあえてコピー品を買う必要もないので僕もイヴちゃんも正規モデルしか買ってない。山海経だとかの学区の外れだと、鍛冶屋が手作りした銃*2によその学園や企業のエンブレムやらロットやらを打刻してくれる*3なんていうディープすぎるサービスももあるらしいが。

 宇沢レイサさんは色んなグレネードランチャーを銃につけては外しで振り回しているが、あんまりしっくりこなかったらしい。

「手榴弾がそろそろ少なくなってきたので買ってきますね!」

「へえ、トリニティ・ミルズ手榴弾*4の新モデル出てるんだ」

「……私も、信管と導爆線*5と対戦車地雷買っておこうかな……」

「あー、前やってたね。何だっけ、チェーンマイン?」

「……格好良い……」

「盾もそうだけど、あんな重たいもの持ってよく走れるよね、イヴちゃん。陸上部でもやっていけそう」

 イヴちゃんがてれてれしてる。あー、前やったね。あれなー。しょぼい戦車なら正面装甲無理矢理抜いたりできるけど、正直ウッドペッカー(30mmMG)でも撃ってもあんま変わらんっつーか……。壁1発でぶち壊して突入するとかにはいいんだけど。持ち歩き大変な割に1回で使い切っちゃうのが微妙。

 手榴弾の信管を対戦車地雷に挿して戦車の天板とかに放り投げると戦車も一発で吹っ飛ぶので楽しい。それはそう。いやー、キヴォトスの女子高生の会話、ヤバいね。

「いや、あれはオーバーキルでは?」

「……もう買えた……?」

「はい!レジは空いてました!」

「……買ってこよう……」

「私も弾買っておこうかな~」

「私はこの間注文したばかりだから、レイサちゃんと待ってるね」

 

 荷物がそれなりに増えてきたので、休憩を兼ねてランチ。報野モユルさん激推しのカレー屋、少し並ぶけど大目に見て30分くらいで4人のテーブルを確保できそうと並んでいた。それにしてもやたらパトロールしている正義実現委員会の子を見かけるね。あ、顔見知りの子がいる。イヴちゃんと宇沢レイサさんが小さく頭を下げた。

 行列には宇沢レイサさんグループが先頭になった状態で、この店から出てきた美食研究会と顔をつきあわせた。食べ終わったところらしい。満足げなのでこの店は当たりなのだろう。

「あら、あなた達はこの間の」

 宇沢レイサさんがちょうど口にしたペットボトルの水を吹いて、イヴちゃんが盾付属の椅子に腰掛けていた報野モユルさんごと持ち上げてくるっと半回転、盾の装甲側で吹いた水を受けた。

「うわっ!び、びっくりした!」

「あれ、レイサとイヴもご飯?」

「あ、ご、ごめんなさい、ジュンコさん。イヴちゃん、ありがとうございます!……じゃなくて!」

「うわびっくりした~。イヴちゃんすごい力持ちだよね」

「え、有名な人達なの?」

「……ゲヘナの、美食研究会。テロリスト……」

「飲食店爆破で有名な指名手配犯ですよ!!まあ、顔見知りではありますが……」

 こないだ列車の中でちょっと仲良くなってたけど、まあそれはそれ、これはこれって感じだよな。

「あっ、思い出した。あーあ、この店、気に入ってたのになあ……」

 朝吹ソフノさんはドン引きしているし報野モユルさんはもうあきらめ顔だ。お店の人ロボットが勘弁してくれって顔をしているけど、美食研究会に対して直接言う度胸は無さそうだ。

「別に、今の私達はやる気ありませんから、ご心配なく」

「ま、びっくりさせられただけだしね」

「私達はご飯食べにきただけですし~」

「あ!こないだのおやつありがとうね!あー、でも思い出したらお腹空いた!次の店行こうよ!」

 どうする、と顔を見合わせる宇沢レイサさんグループの4人。宇沢レイサさんが朝吹ソフノさんと報野モユルさんの顔を見る。

(ソフノちゃんとモユルちゃん庇える?)

(……この人達、強いから、自信ない、かも……)

(じゃあ、2人にはお店の中で待ってもらって、2人で追いかけたら?)

(……なるほど……)

 イヴちゃんと宇沢レイサさんが目を合わせて2人とも店の入口を見てから首を縦に振った。宇沢レイサさん的にも、2人なら倒して捕縛するのはできるけど、朝吹ソフノさんと報野モユルさんに怪我させないのは難しそうってことだな。結論が出た。

「2人は、先に入って待ってもらえますか?」

「……2人、ドアの中で立って待ってていいですか?……」

 ちょうど席が空いたらしく、掃除しながらでいいならと許可が出たので、2人に先に入ってもらう。宇沢レイサさんとイヴちゃんの買ったものは2人に預かってもらった。

「あら、私達を見逃してはくれないと?」

「ちょっとしたトラブルで済ませてもら」

 宇沢レイサさんが合図した途端、正義実現委員会の子達が一斉に美食研究会の面々を包囲する。

 

 黒舘ハルナさんを除く3人を今回は捕まえられた。

*1
Dream Thea4erの"When Dream And Day Unite"っぽい、お姉さんが焼きごてを押されそうになってるデザインの

*2
もちろん無断コピー

*3
もちろん無許可

*4
現代手榴弾の元祖、パイナップルみたいな切れ込みが入ってる

*5
爆薬を起爆するためのビニールコード。火でなくて爆轟が伝わる




 美食研究会のナレ死(死んでない)は原作リスペクトです。

 今週はストックがなく労役の後の通院ハシゴが続くので、多分今週は投稿できなさそうです。申し訳ない。

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