ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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でっかい銃たくさん撃てたら強ない?あ、一緒に盾もお願いします

 リヴォルバーカノン、喉から手が出そうな、いや何なら既に手が出てるくらい欲しい!!!5000兆円くらい欲しい!!!と思ってしまったので、通報してやって来た自警団の女の子に泣きついたら「持っていっていい」と言われたのでもらってきました。マジで???

 

 と思ったら翌朝正義実現委員会の本部に呼び出されて、自警団の子らしき生徒にお叱りを受けたあと、証拠品を捜査完了後に協力者に払い下げなる手続きでもらえることになり大歓喜。

書類20枚くらい書く羽目になったけど必要な犠牲といえよう。犠牲の犠牲にな……。

自警団の事務所で宇沢レイサさんと遭遇しなかったので気まずさも回避ヨシ。まあ耳に入りそうだが。

 かくして殺してでも(誰も殺してない)手に入れたかったでかい銃を放課後にえっちらおっちら馴染みになった銃砲店に持って行ったら『整備不良もいいところではあるものの動く』というお墨付きを得たので、フル整備してもらったうえで予備の銃身も含めて短めにカスタマイズして買うことにした。

(……どうしたの、こんな大きい銃……?)

(物干し竿にされてたから自警団からもらってきた)

 うん、嘘は一切ついてない。自警団がチンピラから押収したのをもらってきたのを省略しただけ。なるべく正直であろうとは思うけど、ドブカスの心が邪魔をしちゃうんだよな。

ごめんねイヴちゃん。

 

 本当はしばき上げたカツアゲウーマンから銃と財布とスマフォその他の財産全部巻上げてブラックマーケットに全部売り飛ばした後で身柄も仲介料取りつつカイザー辺りの激安暗黒民間軍事企業に売り飛ばしたいのだが、多分それはキヴォトスの根本的な法則─と勝手に推測してるだけだが─「子供同士のままごとで括り得る場合は死傷者が出ない」というそれに思い切り抵触するのではと疑ったのでやってない。

もう一つ、「先生」に流石に説明と弁解が効かなくなるのではという、自己保身だ。

僕が責任を負えないっていうのももちろんある。イヴちゃんが咎められると、凄く困る。

 

 まーでも、嬉しいね。でっかい銃たくさん撃てたら強いからね。強いよお。間違いない。

ただこの馬鹿みたいにでかい銃そのまま使うのは無理。

ってこともないけど、何しろでかいので、的としても機能しちゃう。被弾して撃てなくなったりするのは困るから、盾が欲しいね。

イメージとしてはグ○カスタムみたいな感じで、盾の裏に括り付けたい。

まだちょっと試射をしただけだし、左腕に適当に鎖で括り付けただけで変わった重心もイマイチ身体で掴めてないしだけど、逆に何か足すならまとめて装備調達したい。

しかし口径30mmで銃身と機関部含めて1m近い馬鹿でかい銃を持ち歩いて電車乗っても誰も気にしないのがキヴォトスだな。

(ということで、お高い高速鉄道で2時間近く。ミレニアムにやってきましたよ)

(……今日、病院の定期検査だものね。終わったら、どうする……?)

(ちょっとミレニアムサイエンススクールに行きたいんだよね。お医者さんの紹介状ももらったし)

(……学校の中に病院か何かがあるの……?)

(あーいやそうじゃなくて、この翼の元々の設計をした人に会いに行きたくてね。いい?)

(……うん。知らない人も学校も怖いけど……いいよ……。でも、ジルがしゃべってね……?)

 しょうがないにゃあ……って感じの声というか思考。ごめんねイヴちゃん。でも必要なんだよね。多分これからの生活にもね。

 

 今日も晴れた良い日だ。予約の甲斐なく40分くらい待って、定期検査が15分、会計とお薬で20分ちょっと。終わって解放されたのでミレニアムサイエンススクールへやってきた。

 ミレニアムサイエンススクールの校門前、トリニティの制服を着た僕を無遠慮な視線で眺め回すロボット警備員さんに紹介状入スマフォを突き出す。

電子証明やら何やらでピピッと情報共有されたのか、特にコメントもなく通される僕。いかにも科学の学園都市という無機質で未来的な玄関。かっこいー。

当たり前だけど、ゲームで見てた1枚絵と実物はやっぱ全然違うね。

(……すごい、キラキラしてる……)

(トリニティも汚いわけじゃないけど、この新しさは惹かれるよね)

 すれ違う生徒達も無遠慮な視線とひそひそ話というか普通に噂するのも隠しもしない。

トリニティ生徒が目立つというのもあるが、ほとんどは機械の翼のことだ。トリニティと違って好意的だったりする。

あ、誰の設計なのか解体して中を見てみたいだとかちょっと物騒な話も出てきたからさっさと行こう。

それに、イヴちゃんも僕も初めて見る景色で興味しんしんだけど、下手に覗き込んだりしてるとスパイか何かと疑われかねないしな。李下に冠を正さずってやつ。

(……上着とか、着てきた方がよかった……?)

(いや、隠すと却って警戒されたりするでしょ。別に偵察しに来たわけじゃないからね)

 ぶっちゃけ見てもようわからんし。前世の僕は工学部卒ではなかったか教育を受けたのが相当前だったらしい。

ホワイトボードに数式やらを山ほど書いて盛り上がる子達を多少見たところで何もわからん。何語?

 

 やってきました。(2回目)ミレニアムサイエンススクールが誇る精鋭と爆発オチ担当の恥部という両方の性質を持つ♣部活ことエンジニア部の部室。

 外見は総合重機とか車両のちょっとした工場みたい。

(……大きいね……それに、凄い音)

(そうだねえ……)

 いやマジででっかいわ。大型加工機械か何かの立てる爆音が多少緩和されつつ建屋の外に漏れ出してくる。

 部室前でしゃがみ込んで作業してる青いツナギで青髪の部員さんに声をかけ名札を見、白石ウタハサン?!

「何か用かな?」

「白石ウタハさん……?あ、あの……これ、紹介状です」

 急にボールが来たのでキョドってしまった。そうか、今2年なんだね……。不審がるイヴちゃんと怪訝そうなウ――白石ウタハさん。吃驚しただけなんだけどね。

ゲームで言うところの本編まだ始まってないけど、こういう不期遭遇も増えるのだな。前世から知ってますだなんて口走らないよう気をつけよう。

 

 エンジニア部の部長さんは知らない人だった。本編には多分登場してないもんね。3年だし。

青髪をショートにして眼鏡をかけたタッパとケツの大きいお姉さんだ。

「この翼の設計を書かれたと聞いて、お礼を申し上げたくて」

「いやいや、私は理論を思いついてついでに軽く設計を書いただけですから。実用例はあなたが初めてだから、お目にかかれて何より」

 いただいた缶コーヒーを一口。ニューロン直結野郎になったせいか、カフェインがすげーキまる感じがある。

ご機嫌になりながら談笑をしばし。お礼を言いたかったのも事実だしね。

「それと、ついでと言いますか。厚かましいお願いになるのですが」

「何でしょう?」

「余っている鋼板か何かありませんか?この銃の盾を作りたくて」

 あれ?さっきまで部長含め同席していた白石さん含めて部員何人かもニコニコしてたのに、急に殺気のような何かが……ざわりと空気が歪んだ気がした。

「盾。盾を作りたいと?」

「え、ええ。こう、あ、ありがとうございます。こんな感じで」

 部員さんが渡してくれた手持ちホワイトボードに銃身を覆い、盾の内側に弾帯を収納できる簡単なイメージ図を書く。

「ほほう……」

「これはこないだ作れなかった3連主砲戦車の前面装甲が使えるのでは?」

「あれを使うのは悪くないが端材を組み合わせて芯材をこう組み合わせた方が」

「ロケットはどこにつけますか?」

「ハードポイントで拡張性も重点しておきたいところだ」

 えっ、いやなんかスクラップくれたらいいなって思っただけなんですけど。なに?わらわらわら~っとエンジニア部員らしき生徒達が集まってきた。

 

 オーナーになる予定の僕の意見も聞きながら1時間くらいで設計の概念が纏まったらしく、手隙の部員を集めて早速作り始めてくれるらしい。

「あ、あの、お代は……?」

「いえいえ、余り物で作るだけですし、結局自爆装置も発電機も積みませんから。無料で結構ですよ」

「あ。それなら部長」

 ややおずおずと、しかしきっぱりとした雰囲気で手を上げる白石さん。

「彼女の翼に新しい機能をつけたいのですが」

 おお、素晴らしい提案だ!とどよめくエンジニア部一同。その時、ふと閃いた!

「あ、それならこういう、空飛ぶアンカーとワイヤーをつけてほしいんですけど。こういう感じで……」

「ほう、思考誘導の飛翔体と戦車をぶら下げられるワイヤー!」

「思考誘導?!」

「いいですね!ただ、こっちは時間がかかるかも……またご足労いただいても?」

「ええ、また来ていいならぜひ」

 要するにメガデウスについてるモビーディックアンカーの小型版だね。あれは応用が効きそうだから。

 がっちりと握手をする部長さん、白石さん、あと何故か僕。まあでも……変な機能つかないならいいか。

(……本当に大丈夫……?)

(わかんないっピ……)

 大丈夫だといいなあ。

 

 僕の身長等々を測定しつつ組み上げられた盾は素晴らしい出来だった。長方形の骨組を作って盾となる外側に装甲を張った、肉抜きなどで重量軽減にも配慮した逸品だ。

黒に塗られた表面に、イチジクの葉っぱに焼かれた大きな蠅が乗ったロゴを描いてもらいご満悦。

宇宙戦艦はまだ作ってないらしいけど、「宇宙戦艦の装甲じゃないんだ」とぽろっと口を滑らせたら早速予算を組むらしい。

やっべ。しょうもないことで歴史を変えてしまったかもしれない。大丈夫かな。駄目かもしれん。

 ま、知るか馬鹿!そんなことより新しいオモチャだ!ってことでね。うっひょ~~~!

もらった時、盾の裏側に保持用の鎖を引っ掛ける場所と拡張用のハードポイントが付いてたのを見て喜びの大きな声を出したらエンジニア部さんからの誠意でミレニアムサイエンススクール立入許可証をサービスしてもらいました。

僕の発言次第でこの許可取り消される事だってできるんだぞってことでいただきま~~す。

まずは盾の外見から。ガンダム試作2号機っぽい奥行きのある長方形、立方体の盾です。

 

 コラ~!

っていうのはあんま無いけど、強いて言うならこれでもかっていう位頑丈そうな盾の上側に何故かチェーンガンを置ける溝があることくらいかな?簡易銃座にも使えるぞってことで……輝き撃ち、銃身を物に預けると共振して命中率落ちるから良くないらしいんだけどなあ。

まあいいか……軽量化にもなってるらしいし。後は大体頼んだとおり。盾を地面に置いても銃身は地面に付かないし、必要なら予備の銃身2本と山ほどの銃弾を詰めておける親切仕様。

イヴちゃんの背が高くないから、身体が完全に隠れるほどデカいし何なら20cmくらい盾の方が大きいけど、不思議技術力と筋力を鍛えておいたお陰か、左腕だけでしっかり持ち上がる。神秘も鍛えられてるお陰かはわからんな。

(……おっきい……)

 何だかやらしく聞こえちゃうけど、これ咎めたらイヴちゃんに全部説明しないといけなくなって却って汚れちゃうかも。

イヴちゃんは清くて可愛くてまるで天使みたいに笑っててほしいんだよな。いや脳内にしかいない僕がゴーストハックされたらマジでヤバいが。

(……このロゴは、なに……?)

(ある経典に、イヴっていう女の子が出るんだけど、その話にイチジクの葉っぱが関わるんだよ。蠅はロッテンフライさん。空見上げたら飛んでるからいいかなって)

(??????)

 まあまあ、帰ってから説明というか脳内放送するからさ。もう一度見送ってくれるエンジニア部の皆さんに一礼して、ミレニアムで有名なラーメン屋で美味しいラーメンを食べて帰った。30分ちょい待っただけの味でした。

しかし、盾が自立するのと、取っ手が椅子になる機能が行列で役立つなんてね。

かがくの ちからって すげー!




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 紙での小説の書き方に基づいて書き続けていたロートルとしての改行等を改めつつ、同時に加筆修正を行いました。話の本筋には変更ありません。2025.01.19
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