ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです!   作:三山畝傍

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ミレニアムの制服、ジャケットの着崩し方がキモかもしれない

 正直、何か症状がない限りはメンテ無くても大丈夫なんだけど、公休取る口実にしただけだともったいないし、エンジニア部も手隙らしいので今回は折角だから翼の大規模メンテもしておこうということになった。

 ホットプラグではあるけど、安全のために電源を完全にオフして翼を外す。背骨の上に拡張性や整備性まで考慮されたソケット(翼差込口)があり、鏡越しに見ると人体にそのまま機械がついてるのは何だか不思議な感じ。

 イヴちゃんが何を思ったのかイヴちゃんスマフォで写真を撮ってもらってから、ソケットに防水耐衝撃のカバーをつけようとしたところで、才羽ミドリさんが口を開いた。

「イヴちゃん、これも、スケッチして良い……?」

「……いいよ……」

「じゃあ、衝立を持ってきてもらおうか。人が出入りするからね」

 ナイス配慮。

 ということで、衝立で隔離されたスペースで、背中を向いたイヴちゃんと才羽ミドリさんの2人きり。最初は間近で興味深そうに見ていた才羽モモイさんは数分で飽きてエンジニア部の他の作業を見に行った。

 才羽ミドリさんがタブレットにペンを走らせる音だけが響く。どうでもいいがイヴちゃんの産毛*1は大体僕が処理している。デリケートなところだけは自分でやってもらっているけども。ほぼ全身の産毛処理と乳液化粧水他諸々を欠かさないので、美容に関しては居候として役に立ててると自信を持って言えるね。

 そんなきめ細やかで真っ白な白雪のような美肌をじーっと見ている才羽ミドリさんも気持ち頬が赤い。ブラはしているとはいえ、上半身ほぼ裸だし、ちょっと変な気持ちになってもおかしくないな。何しろイヴちゃんは可愛いので。まー才羽ミドリさんも先生ガチ勢とかになっちゃうだろうし、別にフラグとか立ててないだろうからあんしんですけども。

 

 衝立越しに白石ウタハさんに声を掛けられた。

「使用ログを見ているけど、迎撃ユニットはイマイチかな?」

「……そもそも迎撃対象があんまり無くて……」

 ATMとかロケットとか、無い訳では無いんだけどねえ。

「とりあえず、前回の要望にあった迎撃目標の選定をオートでして割込みもできるようにしておいたよ。最初の目標だけは指定できるけどね」

「……ありがとうございます……」

「いやいや、これだけ運用データがもらえるとこちらとしても助かるからね。他は特に変更点がないから、メンテだけしておく。5時間目以降、出席しないといけない授業があるから……」

「私は5時間目空いてるので大丈夫です」

 白石ウタハさん、豊見コトリさんは授業があるそうだ。猫塚ヒビキさんと他何人かが残って作業してくれるらしい。

 

 才羽ミドリさんが描き終えたところでお昼休み終了。才羽姉妹も授業に出るらしく、猫塚ヒビキさん含むエンジニア部員の一部が居残って作業している中、イヴちゃんが制服を脱いでミレニアムの制服に着替えた。

「似合ってるよ、イヴ」

「……ありがとう……」

 白いジャケットでフロントの閉じる部分に赤のライン、インナーも白。*2シャツは普通の白ブラウス、スカートは黒。左腕にミレニアムの校章が入っている。ネクタイは水色。

 背中側、ジャケットは翼の部分を通せるようにジッパー、ブラウスにはボタンがついていて今はどっちも閉じてある。翼が今着いてないことも含めて、本当にミレニアム生みたいだ。

(トリニティの制服も可愛いけど、これもいいね)

(……みんな、着崩してるから、着崩すのが正解……?)

(確かにミレニアムの子、なんか肩より下に引っ掛けてること多いよね)

 気持ち肩より下にジャケットを引っ掛け、全身を自撮りして写真を宇沢レイサさんグループに送るイヴちゃん。

 

 作業を他のエンジニア部員さんに任せて猫塚ヒビキさんは席を外した。

 特にやることもないし、メンテナンス作業を眺めているイヴちゃんと僕。万が一自分でやることになった時に備えて覚えておかないとだからね。っていっても、ネジ外して同じ規格の部品交換するとか、そういう基本的な部分くらいしかできないだろうけど。

 

 翼のメンテナンスが終わって取付け作業は他のエンジニア部員さんがやってくれた。

 直後に猫塚ヒビキさんが戻ってきた。

「お待たせ。ジャケットの、ええと、左腕かな。校章を隠すための腕章を持ってきたから」

 安全ピンで留める腕章にちゃんとトリニティの校章が描かれている。

「……嬉しい、ありがとう……」

「どういたしまして。『セレブリティ・アッコ』のために作ったのが余ってたから……」

「……?」

「あ、コスプレって、やったことある?その衣装のために作ったの」

 ふむふむと頷くイヴちゃん。

「……どんな話……?」

「ティーパーティーの一員で、軍事企業で発明家の社長のセレブお嬢様がテロリストの襲撃に遭って、監禁されている間に自分の身体に隕石を埋め込んで、超人になって戦う話」

 アイアンマンとスーパーマンを足して割らない感じの話?っていうか属性盛りすぎちゃう?

 スマフォに表示された表紙絵を猫塚ヒビキさんが見せてくれたけど、アメコミ調の絵柄で金髪縦ロールでめっちゃ巨乳のお嬢様が高笑いしてる。*3いや要素濃いな。

「校章そのまま使うと怒られるからちょっと違う形にアレンジしてたけど、ちゃんと正しい形に戻してあるから」

 まあイヴちゃんがつける分には問題ないもんね。

「……その話、ちょっと気になる……」

「面白いから読んでみて。映画にもなってるし」

 売れてるんだ。今度探してみるか。

*1
イヴちゃんは天使なので無駄な毛はない。イヴちゃんに限らず体毛薄い子がほとんどだけど

*2
多分才羽モモイさんがイヴちゃんの髪の色に合わせてくれたのだろう。自分で染めないとこの色なのかもだけど。

*3
当然、秤アツコさんとは全然似てない。まあ会ったこと無いんだけど




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