ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
トリニティ校章を袖につけてから、猫塚ヒビキさんと写真を一緒に撮って、これも宇沢レイサさんグループに送るイヴちゃん。
授業時間が終わったらしく、『ゲーム開発部室で待ってる』というメッセージが才羽モモイさんから来ていた。
バイクはミレニアムの駐車場に行くよう指定して自走させたけどコースが途中まで一緒なので、盾と
『一瞬、転校するのかと思って心臓止まりそうになりました!可愛いです!!』
『よその学校の服も似合ってる。レイサちゃん、まじで真っ白になってたからお水飲ませておいた』
『良い感じ。翼のところはどうしてるの?』
『ミレニアムの友達が穴を開ける改造をしてくれた』と返信するイヴちゃん。返信中、立ち止まってる間に、バイクは静かに前に走って行く。特に歩調を合わせる必要は全く無いんだけど、何となくてってってっと走って行くイヴちゃん。ちょー可愛い。途中ですれ違う生徒が一瞬イヴちゃんの翼、制服、トリニティ校章の順に視線を向ける。
「"えっ、何これ、格好良い!"」
聞き覚えのある女性の声。身長も胸も尻もちょーでかい美女が立っていた。
「……先生、こんにちは……」
「"こんにちは。これ、イヴのバイク?"」
こくりと頷くイヴちゃん。
「"格好良い!めっちゃゴツい!排気量いくらあるの?乗ってみたい!"」
オートモードを解除して車輪止めでその場に
「……先生、免許は……?」
「"大型は持ってないな、残念ながら"」
「……じゃあ、今は乗るだけで……」
イヴちゃんが乗ってるとバイク馬鹿でかく見えるのかなあ、って思ったけどいや先生が乗っても普通に馬鹿でかいわ。先生のスマフォで先生の写真を撮ってあげるイヴちゃん。「"イヴも写真入って"」
首を傾げつつ、良い感じに写真に入って写真を撮った。
「"ミレニアムの生徒が作ってくれたの?うーん、空いてる日にでも免許取りに行こうかな"」
「……エンジニア部の、みんなが……」
なるほどなあ、ってニコニコしつつバイクの回りをうろうろしながら写真を撮る先生。めっちゃ楽しそうでいいね。
ぱりん、と何かが割れる音がした。上、校舎の方か。イヴちゃんが先生の前に駆け寄り、先生の肩に左手を乗せて跳躍、右手で上から降ってきた何かをキャッチした。
(なんか、すげー人をころしそうな真四角のボディ……)
(……プライステーション……?)
プライステーション、名前的にはプレス○っぽいけど、外見的にはゲームキ○ーブっぽいな。
「わー、ごめんなさい!大丈夫ですか?!ってイヴちゃん?」
窓から身を乗り出して声を掛けてきたのは才羽ミドリさんだった。
「……大丈夫、だけど……」
「"イヴ、ありがとうね"」
ゲーム開発部に行くという先生を目的地が同じなので案内するイヴちゃんと、スケルチはそのまま自走させて駐車場へ
ゲーム開発部に着いてプライステーションを才羽ミドリさんに返すイヴちゃん。あっ、見知らぬ人って言うか見知ってる人、花岡ユズさんが、今日はロッカーから出てきてる!
プライステーションを投擲したのは才羽モモイさんらしい。
「……先生に、当たるところだった……」
「え、えっと……ご、ごめん……ごめんなさい!」
「"いいよ、次から気をつけてね"」
キヴォトス人なら当たっても何とも無いんだろうけどね。
「……はじめまして?……」
イヴちゃんの挨拶にびくりと身体を震わせる花岡ユズさん。
「ロッカーにはずっといたけどね!」
「はい……。先生、御蔵さん、初めまして……。花岡ユズです。げ、ゲーム開発部、の、部長です。よ、よろしくお願いしまひゅ……!」
「才羽モモイだよ!姉!」
「妹の才羽ミドリです。こっちは同じくゲーム開発部の御蔵イヴちゃん」
「……大丈夫、先生とは会ったこと、ある……。それと、花岡さん、イヴって呼んでもらっても大丈夫です……」
「あ、ああ、はい!じゃあイヴさん!私もユズって呼んで下さい!」
「"え、イヴはトリニティじゃ……?"」
先生は後で聞くか、って顔をして咳払いをした。
「"と、とにかく、よろしくね。廃部回避の依頼メールを見て、手伝いに来たよ"」
「やったー!先生がいたら100人力だよ!4人で廃部の危機を乗り越えようね!」
一応メールで軽く説明はしていたらしいけど、改めてということで才羽モモイさんが先生に説明をしている。大袈裟な身振り手振りも交えてめっちゃ賑やかだ。ふりふりする尻尾とコロコロ変わる表情が可愛らしい。
「それで、ミレニアムセミナーの顔にして『冷酷な算術使い』の悪名高い早瀬ユウカがこれを持ってきて、私達は寝耳にウォーター!!そこで私はズバーンって言ったわけ!『ミレニアムプライス?!できらぁ!!!』ってね!」
「……結構前から、言ってた、よ……?」
「うん、ユウカ、言ってた……」
「"あはは、まあ、ユウカのことは一旦横に置くとして……どうしよう?"」
「と、当然、新しいゲームを作るしか無いんだけど……」
「今、すっごいスランプなんだよね!何も思いつかない!!」
「お姉ちゃん、そんな陽気に言わないで」
「……何を作るか、ジャンルとかは……?」
「「「うーん」」」
あ、という顔で才羽モモイさんが顔を上げた。
「お姉ちゃん、何か思いついた?」
「ふっふっふ、思いついたよ。回天*2の良策をね!」
おおー、という顔で才羽モモイさんを見る一同。
「ミレニアムの『廃墟』ってみんな知ってる?」
「う、噂だけは」
「お姉ちゃん、廃墟に取材でもいくとか?」
「……セミナーがやってる、廃墟探索、の、バイトしてる……」
「"連邦生徒会が立入禁止にしているところだよね?"」
ドヤ顔で首を横に振る才羽モモイさん。
「廃墟には『G.Bible』っていう、伝説のゲームクリエイターが作った、神ゲーを作るためのマニュアルがある!!らしい!!!」
らしいて。
「らしい……?」
「もー、お姉ちゃん、そういうのいいから!」
「ほんとだって!!!」
「"まあまあ、それで、場所はわかるの?"」
「へっへっへ、もちろん!これはエンジニア部のウタハ先輩の友達の知り合いの犬の散歩友達のいとこの学生結婚したお嫁さんの義理の妹の隣の席の子からもらった、確かな座標情報!」
沈黙が場を支配した。ドヤ顔でふんぞり返る才羽モモイさんと、頭を抱える才羽ミドリさん。えーって顔をする花岡ユズさんと先生。イヴちゃんも割と困惑している。
「……なんて……?」
「だから、『G.Bible』こそが現状の打開策なんだよ!」
場を代表して聞き返したイヴちゃんの渾身の疑問は全力でスルーされたけど、まあいいや。聞き返しても「他人じゃん!!!!!」っていうツッコミしか出てこないし。あと、本当ならっていう注意書きがつくにせよ、学生結婚の例が間近にある、っていうのはある意味収穫かもしれない。
「しかも、しかもだよ!今ここに、廃墟探索のエキスパートがいる!これは間違いないね!私達が『G.Bible』を手に入れよという天の采配!」
「モモイ、喋り方、どうしたの……?」
「なんか、お姉ちゃん、最近読んだ劇画に影響されてるみたいで。すぐ元に戻るかなって」
(シナリオ担当だから語彙力が凄いんだと思ってたわ)
(……確かに……)
「"じゃあ、廃墟探索の許可を取りに行こうか。セミナーでいいのかな"」
イヴちゃんが頷く。
「……多分、ですけど……」
「じゃあ、先生と私とイヴで行こう!みんなは廃墟探索の準備してて!」
大丈夫かなあ。まあ最悪、シャーレの捜査権限を使うって手もあるだろうけど。
土曜日に病院と美術展3件ハシゴの荒行をしたら日曜寝潰してしまって書き溜めが準備できないなってしまいました…今週も低速更新になってしまいそうで申し訳ない。
アイデアとこの後の流れは全然一杯あるんですが…。
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