ハッピーエンドさんが好きです!でも家主さんがもーっと好きです! 作:三山畝傍
朝、抱きついて深呼吸してる宇沢レイサさんをお姫様抱っこで抱えて教室に入ったイヴちゃん。
好奇の視線が一瞬イヴちゃんと宇沢レイサさんに集中したものの「ああ、いつものか……」みたいな感じでみんな気にしなくなったのが今日の一番解せないポイント。
エンジニア部から衛星についてのメッセージが来てたのを休み時間に確認。「衛星は生きていて試射を1発して、発射前後のデータを見たら1回撃って次に撃つのに数日は冷却が必要らしい。仕様書では1発撃って半日で発砲可能だったが、経年劣化の可能性あり。更に調査する」とのこと。写真がついていたけど、標的にした廃墟産スクラップの山が劇的ビフォーアフターででろでろに溶けていた。うーん、キヴォトス人にはどれくらい効果あるんだろう。まさか人体実験するわけにもいかんしな。
いつも通りの授業だと思っていたが、今日は急遽明日から開催されることになった美術展『トリニティ ティーパーティーの至宝展』の都合で3時間目で授業が終わった。
放課後の予定はいつも通りなので、宇沢レイサさんは少し休憩してから午後のパトロール、朝吹ソフノさんと報野モユルさんも普通に部活。
下江コハルさんも警備と搬入の手伝いをやるらしいが、「だから体力をつけたいし、ご飯を食べたい」ということで、みんなで少しだけ早めのご飯にすることにした。
伊落マリーさんもこの後はシスターフッドの参考出品が何点かあるのを手伝いに行くらしいが、お昼には来てくれた。
今日のお昼は校門近くの芝生だ。今日のチョイスは下江コハルさん。先日ミレニアムを舞台にした映画か何かで見たらしい、山海経料理が入った箱。まあ要は中国料理を
みんなで主食の箱を選んで、主菜副菜はみんなで分けてつつこうという発想で、悪くない選択だと思うが、何しろ人数が6人分で、宇沢レイサさん、報野モユルさん、イヴちゃんはかなり食べるので割と本格的に淹れられるお茶も含めると結構重たく、イヴちゃんが同行して持ってくるのを手伝った。
購入者の下江コハルさんが最初に選び、エビ炒飯。伊落マリーさんはジャージャー麺、宇沢レイサさんはミートソースタンメンと
みんなが選んでる最中、「全員分の量が足りてなかったらどうしよう……」って顔をしてた下江コハルさん可愛い。大丈夫、足りてた。
「美味しい!」
「美味しいですね!!!」
「今度、みんなで食べに行ってもいいね~」
「と、当然だし!私の選んだ料理だから!」
「ええ、本当に美味しいです」
「……色んな味付け、すごい、いい……」
今日も伊落マリーさんは謎の色気に溢れている。箸を使う所作と、皆にお茶を淹れてくれる動作がなんか……お茶の支度で袖まくるだけでもなんか妖しい色気があるんだよな。
伊落マリーさんを猫の目で見つめていた下江コハルさんがはっと何かを思い出したらしい。ご飯1品を食べ終えたり違うのを食べようとして片方の手が空いたタイミングで、お互いの手首や手を触ったりしてるイヴちゃんと宇沢レイサさんに目を向ける。
「今日の朝、あんた達なんだったの?」
「……普通に、ちょっとだけ余裕を持って来たけど……」
イヴちゃんは普通に答えて、下江コハルさんはまじかって顔をした。
宇沢レイサさんは顔を真っ赤にして誤魔化すように遠くの水餃子に箸を伸ばした。
「その……(もぐもぐ)……」
目をあちこちに泳がせ、イヴちゃんを見る。イヴちゃんは不思議そうに首を傾げた。
(心配して顔を見に来てくれたんだよ、宇沢レイサさんは)
(……転校、のこと……?)
イヴちゃんが口を開こうとしたタイミングで宇沢レイサさんが続きを話し始めた。
「イヴちゃんが転校しちゃうんじゃないかって、心配だったんです。顔を見たら安心してしまって」
呆れた顔で宇沢レイサさんを見る下江コハルさん。
「す、少なくともイヴがあんたに黙って転校はしないでしょ」
「そうですよね!う、うう……でもやっぱり転校するって聞いたら……」
「……しないよ……?」
温かい目で3人を見る伊落マリーさんと朝吹ソフノさん、生暖かい目で見てる報野モユルさん。
食べ終わった辺りで、イヴちゃんがスマフォで呼んでおいたスケルチ*8がやってきた。学園内の敷地なので、電動静音モードの徐行だ。
「か……格好良い!」
「うわー、すっご!」
「まあ、大きいバイク……」
宇沢レイサさんと報野モユルさんが目を輝かせている。
伊落マリーさんが「大きい」っていうだけで下江コハルさんがエ駄死判定を出そうかどうか迷っている。いや、これに関してはちょっとだけわからんでもないな。発言の一つ一つの雰囲気が謎に意味深なんだよな。
「イヴちゃん免許取ったの、これ用だったんだ」
朝吹ソフノさんの質問にイヴちゃんは首を横に振った。材料に転生*9してしまった中古のノートンWD16Hっぽいバイクの写真を皆に見せる。
「半分くらいの大きさですね??」
「筋トレの成果出過ぎじゃない?」
「誰が上手いこと言えと」
報野モユルさんのギャグでふふ、と伊落マリーさんが笑ってる。
「私も免許、やっぱり欲しいかも」
下江コハルさんが何気なく呟く。
「そうだよね、コハルちゃん!みんなで免許取りに行こ!みんなで海とか行けるし!」
「えっ、あっ、えっ、気、気が向いたらね!」
報野モユルさんが下江コハルさんにぐいぐい行く。こういうとこ、良い子だなあ。
「……マリーさんは……?」
「私も、少し興味はあります。こんなに大きいバイクはちょっと難しそうですが」
「こかしたら自分で起こせなさそうだよね、これ」
「……しゃがんで、膝とか背中の力を使えば、大丈夫……。盾がなかったら、400kg……盾をつけたら、900kg。でも、引き起こしアシスト機能もあるらしいから……」
うへ~って顔をする一同。引き起しアシスト機能、イヴちゃんなら別に無くて大丈夫そうだけど他の誰かが乗るかもだからなあ。
「このバイク、名前はありますか?」
「……『
「じゃあ、ケルちゃんだな~」
「スケちゃんじゃなくて?」
「残虐時代劇『百鬼鬼門』の『スケさん、カクさん、○っておしまいなさい』っぽいじゃん」
「見てないし……」
「まあ私も本編は見てないんだけどね~」
あんまりにゴア描写ヤバすぎて、連邦生徒会直々に放送禁止になっちゃったアレか。イヴちゃんが寝てるときにちょっとだけ見たけど、まじで地上波でよく放送しようって思ったな、みたいな感じだったな。描写も普通にFatality……って感じだったし、「百鬼夜行生に対する偏見を助長しかねない」みたいな意見もまーやむなしかなって台本だったし。
「……ケルちゃん、可愛い、かも……」
まあそれはともかく、イヴちゃんが気に入ってるならヨシ!
そういえば、ナンバープレートも新しくエンジニア部で取ってくれてたから、その実費とお礼のお土産はまた持っていかないとなあ、と思っていたら、モモトークでゲーム開発部というか才羽モモイさんから連絡が来た。
『昨日はありがとね!今日、無事にユウカチェックを通過したので、天童(名字も私が決めた!)アリスはゲーム開発部員になったよ!イヴは知ってると思うけど、エンジニア部でレールガンをもらってきた!』
早瀬ユウカさんチェック無事に通ったんだ。よかった。笑顔の天童アリスさんが
『でも大変なの!考えてみたら、G.Bibleは見つかってないんだよね!今日も廃墟に行きたいから手伝ってくれない?』
ごめんね、お願いと書かれている可愛らしい猫のスタンプが一緒に送られてきた。
天童アリスさんの自我がはっきりしてない状態(?)で抱えて行くわけにもいかんかったししょうがないんだけど、僕も半分忘れてたわ。
(イヴちゃん、どうする?)
(……行く……私も、ゲーム開発部員だから……)
ちょうどこの後はみんなバラバラに予定あるし、好都合っちゃ好都合か。
(あ、ミレニアムの制服も持っていこう)
(……うん……)
みんなにミレニアムに行く事を伝えて、とくに一緒に行きたがっていた宇沢レイサさんを宥めて、一旦家に帰って制服とマフラー、念のため
とりあえず肘膝にプロテクタとかはつけてるけど、早いとこライダースーツ買わないとなあ。今日は急ぎだから無理だけど。
イヴが同程度の重量の装備を運用しているので、エンジニア部は個人装備化も視野に入れてイヴの装備運用データを元に光の剣:スーパーノヴァを改造していました。
装甲板を右側に追加(砲を右手に持った時のアリス視点)と、シールドブースタ的な運用を想定しブースタ×4、近接戦闘向にクレイモア×2を装甲板上に増設しています。横幅増でよりマッシブな感じに。火力もバックパック無でも向上しています。
背中のバックパックは追加発電用ユニットと蓄電池で、追加の火力向上と発射間隔短縮用、無くても使用可能です。
気になる重量は140kg以上+射撃反動200kg以上=340kg以上(原作)→200kg+射撃反動400kg(バックパックあり)+バックパック150kg=750kg
本調子になりつつあるアリスならではの重量級装備です。
※イヴでも使えなくは無いですが、近接戦指向のイヴにはわずらわし目の重さです。
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