コミュ障クソ陰キャなので転生してもラノベの主人公みたいにはいかない 作:虚$
『うわー、でっか!アレがクエストのキノコ?だけどあんなのどうやって。あっ、こうすれば良いのかな?よし!』
しっかり見れば良かった。顔馴染みで油断してたし、ここ最近良くして貰ってたのもあって完全に油断していた。はぁあ、最悪だ。確かに一つ一つのランクはブロンズでそれほど高くは無いが、チリも積もれば……と言う言葉がある通り。数と言う力は恐ろしい。
本当にな。陰キャでコミュ障だから、パーティーも組めず露出度の高い女戦士や美女に目を逸らして話しかける事も出来ず。ダラダラと過ごして、ぼっち冒険者をやって来た俺が言うんだから間違い無い。数の利はある。
特にこのキノコかなり厄介なんだよなぁ。
簡単に説明すると、この三メートル近くある巨大キノコはタワーディフェンスゲームの城だ。で、広場で味方が一人もいないガラ空きな
つまり、奴の大きさ=今までの犠牲の多さと言う事だ。うわー、もしかしなくても面倒事押し付けられてんなぁ、これ。
『おじさん、助けて〜!』
と今説明していた事が、今行われようとしている。これが現在進行形って奴か。まぁ、俺の心の中の説明だし、聞いてないよな。うん、悪く無いな。でも無知は自分を死に追いやる事が多い。毒キノコとかな。まぁ、良い教育になっただろ。
「
聖書を開き、そう唱えれば光がシャワーの様にガキに当たり菌類を弾いた、が。
「あれぇ?何だぁ?おじさぁん、クラクラするんだけど……」
やっぱりか。俺がこのキノコと戦いたくなかった理由の一つが、コレだ。ホーリーシャワーは掛けた相手を元の状態に戻すだけでは無く、追加効果として
何というか、酒を飲んだ時の酩酊感と言えば良いのか。気持ちが大きくなって、身体がポカポカして良い気分になる。そんな原理も分からない不気味な物を自分に掛けようなんて思わないと思う。
如何にも怪しくて胡散臭い感じだろ?教会だからなと言って仕舞えば、納得して貰えるだろうか。……なんて言ってる場合じゃない。これで、ガキは戦う事が出来なくなり、俺だけとなった。
そしてキノコは栄養補給を邪魔され、大変ご立腹だ。なら、食事にするか。と言っても俺も腹が減っている。つまり、サバイバルだ。生き残った方が全部食べられる。賭けるのは己の肉体。さぁ、戦うか。
最初に動いたのはキノコだった。胞子を飛ばして仲間を増やし、俺の元まで突っ込んで来る。キノコ狩りをするか。
(……むかーし、むかしの話。とある村に神様がいました。その神様は貧乏でだからこそとても慈悲深く、どんなものに対しても同じ立場の元大切に扱い優しくしました。それが好感を呼び、村の人々は神様の事が好きになりました。勿論、神様もそんな村人達が好きでした)
(ですが、村の人々は知らなかったのです。後々、あんな事になるなんて……)
うーん、やっぱ詠唱は長いな。語り部口調の詠唱は、現実に向いてないから心の中で呟くのが一番だと思うんだがそれでも面倒臭い。詠唱自体はファンタジー感あって好きなんだけどな。
要は、神は何でも好きだと言う話だ。好き嫌いせずに全員を愛して、その愛が歪んで人には理解出来なくなったと言う話だ。愛してるからこそ、一緒にいたいだったり。その様子、一挙手一頭足が愛おしく思って
(ごちそうさまでした)
神の事は誰にも理解出来ない。だからこそ神話なんだろうな。
「
目の前のキノコがゆっくりと微かに揺れた。最初は小さな揺れだったソレはやがて、地響きになり地面を揺らがせて大きく揺れる。
揺れるなよそんなに……。ただの食事なんだからさ。
じゃ、頂きます。恐怖で縮こまり、普通より少し大きいサイズまで小さくなったキノコを収穫したのは良いものの。ラノベの子は起きないし、日も暮れてきたので今日はこれで終わりにする事にした。