コミュ障クソ陰キャなので転生してもラノベの主人公みたいにはいかない 作:虚$
「お疲れ様……あれ?どうしたんですかライアス君は」
少し早めでいつも通り空いているギルドに戻り、お馴染みの受付嬢にキノコを渡すと。またしても世間話が始まってしまった。勘弁してくれ。仕方が無いので、ジェスチャーで気持ちよく寝てるだけだと伝えた。
「そうなんですか!それは、良かった。そうだ、ユウさんもライアス君の事気にかけてあげて下さいね。私も空いた時間で気にかける様にはしますけど、仕事も忙しいので」
なんか、舐められてる様な気がするな。そうやってポンポンと頼めば、ホイホイと受け入れる奴だと思われてるらしい。だが、俺は違う。そんな感じで面倒毎に巻き込まれやれやれ面倒臭いってムーブ出しながら、何とかするかみたいなのは嫌だ。如何にも異世界転生物主人公って感じで凄い嫌だ。
他人事で気楽に見るのは好きだが、やるのは嫌だ。誰だってそうか。
「そんな嫌そうな顔しないでくださいよ、そこを何とか。……あっそうだ!今日もどうせ、夕ご飯食べてないんですよね?取り敢えず今日のお礼としてお二人分奢るので、どうです?」
そうだ。今日の収入は、キノコ一本だけで懐が寂しい。しかもしれっと俺がこの子供の分まで払うみたいな感じだしな。そんなお人好しでも無いぞ。此処は乗るべきか?いやでも、タダ程怖い物は無いよな。……。乗っかったら最後、なし崩し的に色々頼まれそうだ。よし、ここはガツンと言っておけば良いだろう。
「コ、コンカイダケ」
「ええ……わかってますよぉ勿論」
そう返した俺に受付嬢は、意味深な笑顔でサッとメニューの確認をして去っていた。
絶対分かってない、これは移動も考えなければ行けないか。まぁ、腹も減ったので飯を食う事を優先する事にする。
にしても、起きないな。メシの匂いでも嗅げば起きるだろ。
「お待たせしましたー、いつものです。じゃ、約束通りお題は私が払いますんで。ではまた」
ん?また?またって食事の事だよな。この子供のことじゃないよな?子守りは嫌だぞ?遠ざかる背中にそう聞こうとすると、最悪のタイミングで奴が目覚めた。
『あれ?此処は、巨大なキノコは?』
煩いので、自分の腹を叩いて食った事にした。でも、逆にもっと煩くなったので失敗したかもしれない。
『うまっ!』
二人で同じ物を食べて、明日に備えてギルドが騒がしくなる前に外へと出た。
『おじさん、また明日』
そう差し出された手を少し見つめた後、見上げれば期待した目をしてこちらを見ている。仕方無く、握手をして解散をした。