コミュ障クソ陰キャなので転生してもラノベの主人公みたいにはいかない 作:虚$
『いやーもしかして昨日寝てご飯食べただけで終わった?』
顔を合わせて早々、ライ……何だ?何か昨日受付嬢が言ってた名前が思い出せないので諦めた。今日終わらせれば、クエストをありったけ詰め込んで強制的に忙しくすれば金は稼げるし構わなくて済む。これで俺はいつも通りの日々を過ごせる。
そう思いながら、森へと辿り着く。残りは根っことミミズか。
『サクッと終わらせて、もっとやばくて凄いのを倒そうよ!それで……』
そう言ってせがむので実力を見るのに丁度良いと思い、根っこの方を一人で任せる事にした。小学生ぐらいの少年とは言え、世界が変われば一人前の戦士だ。根っこは割と強いが勝てるのか。
『じゃ、一時間後ぐらいにまた此処で会おうよおじさん』
元気に手を振り、森の奥へと消えて行くライを眺めた後、俺も芋虫を探すかと思った時。
思い出してしまった。
やべ、虫が苦手だわ俺。特に芋虫系。
終わったわ。
あれから、見つからなきゃ良いなと思いながらミミズを探した結果。すぐ見つけてしまった。手で行くしかないか。
うーん、そうだ。困った時には神頼みって言うよな。手を借りよう。
(
葉っぱの上で踊るミミズ君を落とさない様に、慎重に神々しい大きな両手で葉っぱごと捕まえてクエスト完了。
ふぅ、後は根っこだな。さて、大丈夫か?
向かっていた森の奥の方へと進んでみると。剣を片手に息を切らす少年の背中と、奥には大きな切り株の姿があった。
《この森を荒らすモノは生かして帰ス訳にはイカヌワ!》
喋る大きな切り株だ。何だアレ、急にファンタジー要素濃いめだな。だから喉も声帯も無いのに、何故喋れるんだとは突っ込んでは行けなさそうだ。と言うか、この切り株は森の番人的な存在か。テンプレだなぁ、森を荒らす俺達から守る為に出て来たんだろうけど。
テンプレだなぁ。
もしかしなくてもユニークモンスター的な奴だな。絶対ブロンズじゃないとなると、逃げてもギルド側のミスで済まされる。俺だったら喜んで生きて帰れた事に感謝しながら逃げるんだが。
『僕だって、逃げるわけにはいかないんだ!さっさと木の根を渡してよ』
そう言い終わらない内に、距離を詰めライの剣が切り株の年輪を掠めた。
『怪我しない内にさっさと渡してくれない?お爺ちゃん』
ライはそう煽る様に悪戯っ子の様に笑って言い、剣を振るう。だが、その剣はだんだん弾かれていく。剣を弾いているのは木の根っこだ。
《切れるモノなら切ってミロ。欲シいんだろ》
『ッ、ムカつくなぁ!』
ペースを乱され剣の振りが雑になって、空振りが多くなるライとは対照的に奴の根はまるで鞭の様に正確に一発ずつ当たり体力を削って行く。このままじゃ駄目だな。