ソードアート・オンライン 心優しき阿修羅の男 作:路地裏の作者
どうも『プロローグ』という表現もアインクラッドと被るな、ということで『第一話』に表現を書き換えました。
主人公レイジによる、SAO二次でかつてない介入が開始します…。
001 ニブルヘイムの幽霊拳士(ドッペルゲンガー)
SIDE:―
――ねえ、知ってる?
「はあ? 一体、何をよ」
ここは、妖精の世界、≪アルヴヘイム・オンライン≫。その中でも有数の美しさを誇る翡翠に彩られた都、スイルベーン。
「だ、だからさ。あのウワサだよ、最近流行の、怪談じみた……」
「あー、アレ? どうせまた、GMの仕組んだ悪趣味なイベントでしょ?」
会話しているのは、金色の髪と碧眼を持つ長刀使いの剣士・リーファと、その数少ないフレンド、ダガー使いのレコンだ。
「それが、そうじゃないんだって! 何でもレプラコーンの領主が直々に、GMにイベントの詳細を問い合わせたら、『当方ではそのようなイベントは予定しておりません』って言われたんだって!」
「マジ? …でもねー、このゲーム結構意地悪な設定多いし、私はやっぱりGM主催の秘密イベントだと思うけど」
「もー、夢がないなー、リーファちゃん。僕はやっぱり、何かの怨念めいた……」
「VR空間に、幽霊が出るわけないでしょ」
最近、プレイヤーの間でまことしやかにささやかれるウワサがあった。それは、妖精の世界であるはずのこの世界に、どう見ても『人間』と思しきプレイヤーが出没すると言うのだ。しかもなぜかそのプレイヤーは姿が半分透けており、夜な夜なあちこちの妖精たちの都を徘徊するというのだ。
これだけ聞くと、何かのイベントのためのモンスターが出没しているだけにも思えるが、その『人間』には、モンスターとは明確な違いが存在するのだと言う。
「……で、どんなんだって?」
「えっとね、確か、半透明で顔が隠れるマントを着てて……」
そんな話を続けている彼らの目の前を――――半透明の人影が通り過ぎた。
「「…………」」
たった今話していたところに、それらしき存在が通り過ぎたので、二人とも目に見えて固まっていた。
「ちょ、ちょっと待って!」
「り、リーファちゃん?!」
止める間もなく、リーファと呼ばれた少女は、その人影に向かって走り出していた。慌ててレコンもその後に続く。
「ねえ! ちょっと、あなた!!」
その呼びかけの声に、半透明の人影は、足を止めて振り向いた。
『僕のことですか?』
奇妙にエコーのかかった声が響いた。これが死者の声とでも言うのだろうか?
「えっと、あなた……見たところ、風妖精(シルフ)じゃないわよね。何でこんなところにいるの?」
『あー……あはは、スイマセン。確かに、僕は不審でしたね』
そんな感じに目の前の彼は苦笑していた。奇妙な男だった。その姿の半透明なところもそうだが、マントからのぞく右手や両足はバンテージを巻いているだけで、何の装備も無い状態だった。
「ちょ、ちょっとリーファちゃん! コイツ例のイベントNPCじゃないの? 何で普通に会話してるの!?」
「え、いやでも……」
『おや、大分ウワサになってるみたいですね。……好都合か』
最後に何か小さく言った気がしたが、それでもこの男がNPCの類ではないと確信した。たとえどんなAIだとしても、こんなに感情豊かに会話することなど出来るだろうか。
『そうですね……そのウワサのイベントの件で、風妖精(シルフ)の領主を務めておられるサクヤ様にお話したいことがあって、ここに来ました』
そう言って目の前の男は、フードを外し、その丸い人間の耳と、純白の髪があらわになった。
『いずれ、この世界を訪れる――――――≪二刀流≫の≪黒の剣士≫を探していただきたい』
――――それは、妖精伝説に出る、常闇の冥土の国にちなんで、こう呼ばれていた
――――ニブルヘイムの幽霊拳士(ドッペルゲンガー)
SIDE OUT
ALO編第一話更新終了です!
そもそも主人公、MHCPでAIで、外に出ないんだから、「中から介入すればいいんじゃね?」と思った結果、モンスタータイプのNPC介入となりました! もちろん戦闘は可能ですよ?
ちなみにROの有名なMVPボスモンスター、DOPことドッペルゲンガーにしたのは……人型でちょうど良かったからです! 生体工場は何か違うし、タナトスも『剣士』だし…前回の悪ふざけから、ムナックやボンゴン(両方キョンシー型Mob)にするのもねえ…