ソードアート・オンライン 心優しき阿修羅の男   作:路地裏の作者

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連続投稿第二弾です!

いよいよあの剣士との決闘です!!

なお、作者は原作のコピペは極力排除したいので、原作と違うキャラ視点にしたり、前回や今回のように説明だけで描写自体すっ飛ばすことがあります。なのでできれば、足りない部分は原作で補完してください……こうしないと規約に引っかかるし…



004 黒の剣士

SIDE:リーファ

 

 

―――それは、≪黒≫と≪白≫の閃光だった。

 

 

 それを宙に描き出すのは、昨日知り合ったばかりの少年が持った、黒白の双剣。まるで流星が集うかのような剣閃は、赤銅の剣士へと向かっていった―――

 

 ◇ ◇ ◇

 

 私は、焦っていた。あの後……キリト君を≪央都アルン≫へと案内するため、山岳部を貫く≪ルグルー回廊≫へと突入したのだが、街からくっついてたサーチャーに位置を看破され、サラマンダーの大集団に襲われた。何とかそれ自体は切り抜けることが出来たものの、いざ街について、リアルでこのゲームの唯一のフレンドであるレコンに連絡したところ、全ては執政部で軍部を統括するシグルドの罠で、しかも流された情報に従い、これからシルフとケットシーの秘密会談が襲われると言うのだ。シグルドと喧嘩し、二度と戻れないと思っていた故郷だが、それでも思い入れはあった。

 

 

 私を、ムリにパーティーに縛ろうとしたシグルドの企みなんかで、故郷が、領主が滅茶苦茶になることだけは、あってはならない!

 

 

 私がそんな思いを彼に吐露すると、

 

「俺も、行くよ」

 

 とまあ、何とも軽い口調でキリト君も同行を願い出てきた。二人とも死ぬ可能性が高いのに……私は胸の奥が熱くなるのを感じた。

 

「と、大分時間を無駄にしちゃったな。ユイ、ナビよろしく」

 

「え?」

 

 ……そこからは、逆にとんでもなく肝が冷える思いをした。キリト君は私の手をおもむろに掴むと、ジェットコースターよろしくダンジョン内を駆け巡ったのだ。しかも道にいたモンスターを、全て無視して。迫り来る壁と、鼻先に振り下ろされるオークの斧は、忘れようとしても忘れられない。回廊の出口から砲弾のように飛び出ると、出口には私達を追いかけていたオークがひしめき合っていた。

 

「寿命が縮んだわよ!!」

 

「はは。早く済んで、よかったじゃないか」

 

 そんな口げんかをしつつ、私達は問題の会談場所へと向かった。

 

 

(お願い……間に合って………!)

 

 

 そんな思いもむなしく、飛ぶこと十数分、極めて広いサーチ範囲を持つユイちゃんという≪プライベート・ピクシー≫が、ようやく会談場所を発見したが、既にサラマンダーも接敵寸前だったのだ。

 

「間に合わなかった……! ……キリト君、ここまででいいよ。ここまで付き合ってくれてありが―――」

 

「ここまで来て逃げ出すのは、性に合わないな」

 

「え? ちょ、ちょっとーーー!?」

 

 私のせめてものお礼のセリフを、途中でさえぎった挙句、キリト君が会談場所へと急降下していった。一体何する気よ?!

 

 すさまじい衝撃音と共に、場が止まった。舞い上がった土煙の中、キリト君はおもむろに立ち上がり―――叫んだ。

 

 

「双方、剣を引けえええええっ!!」

 

 

 そこからが、メチャクチャだった。

 

 相手の指揮官、サラマンダーのユージーン将軍に向かって、「自分はスプリガンとウンディーネの同盟大使だ」などと大ボラを吹いて、スプリガンとウンディーネも同時に敵に回す気かと恫喝し始めたのだ。

 

 

 ……それを端で聞いていた私の背中は冷や汗で一杯だった。

 

 

 それでも何とか糸口を掴むことは出来たのか、将軍自ら剣で試すと言い出した。敵の大将、ユージーン将軍は数少ない伝説級武器(レジェンダリーウェポン)のうちの一つ、両手持ちの魔剣≪グラム≫の持ち主で、ALO最大規模の種族・サラマンダーの中でも最強との呼び声高い人物だった。

 

「……アンタ、相当強いな」

 

「……ふ、随分ナメてくれるものだ。これでも、サラマンダーを束ねる武人だ。剣の腕ならば、ALO最強と自負している」

 

「最強、ね………」

 

 そう呟いて、キリト君は装備とアイテムウィンドウを出し、何やら操作を始めた。一体何を……?

 

「ルールはさっき確認したとおりでいいんだよな? 特に禁止されたアイテム・魔法はなし、何でもありのルールで」

 

「ああ、その通りだ」

 

 その言葉を受け、ユージーン将軍の後に空に上がったキリト君の背中には……黒の大剣とは色違いの、白い大剣があった。

 

「≪二刀流≫だと……?」

 

「ああ、ルール上問題ないだろ?」

 

「ああ。ただ……貴様が≪黒の剣士≫を気取る偽者だというのであれば、ルールの変更をさせてもらう。貴様を斬るまでに変更だ」

 

「上等」

 

 そう言ってキリト君は、二本の大剣を抜き放った。それはまるで、剣士の真似をする小さい子供のようだった。

 

(ムチャよ……!!)

 

 ALOの剣士リーファとしても、現実の剣道少女直葉としてもそう思った。実際ALOで≪幽霊拳士≫の奇妙なイベントが発生してから、様々な人が≪黒の剣士≫を名乗り、剣を振るったが、誰一人まともに扱えた人はいなかった。二刀流はそれほど難しい技量が必要とされるのに、素人が扱えるわけが――――

 

 

「……いくぞ」

 

 

 キリト君の小さな呟きに、空気が変わった。

 

 痛いほどの緊張感が周りに伝わり、相手のユージーン将軍も、顔を引き締めた。――そして。

 

「「勝負!」」

 

 両者は同時に飛び出した。先手は、キリト君。前傾姿勢から、思い切り身体を斜めに捻転させ、とんでもない二連撃を放った。

 

「ぬうっ……!」

 

 しかしさすがと言うべきか、ユージーン将軍は縦に構えた両手剣で見事にその攻撃を凌いで見せた。攻守が入れ替わる。

 

「ハアアアアッ!」

 

 裂ぱくの気合と共に、魔剣≪グラム≫は十字に交差されたキリト君の剣へと吸い込まれ―――すり抜けた(・・・・・)

 

「なっ!?」

 

 驚愕と共にキリト君は衝撃に吹き飛ばされ、地面へと叩きつけられた。

 

「今のは!?」

 

「魔剣≪グラム≫には、相手の防御や攻撃をすり抜ける、≪エセリアルシフト≫っていうエクストラ効果があるんダヨー!」

 

「そんな?!」

 

 ケットシー領主、アリシャ・ルーのどこかのん気な解説と共に、吹き飛ばされたキリト君へと目を向けたが、巻き起こった土ぼこりでよく見えない。まさか、今の一撃で……

 

 

「……すごい剣だな」

 

 

 土ぼこりの中から、そんな声が聞こえ、身を起こすキリト君の姿が見えた。……よかった。

 

「――驚いたな、今の一撃でも死なんとは」

 

「あいにく、そう簡単には死ねないんでね。待たせてる二人にも、『死なない』で『絶対に再会する』って約束しちゃったからな」

 

 そんな言葉と共に、キリト君は両手の剣を構えなおすと、再び空へと駆け上がった。

 

「……『再会』はともかく、『死なない』? そんなことは、MMOをやっている限り不可能だ。ましてや、俺の前に立ったからにはな」

 

「……そうでもないさ」

 

 …? キリト君の雰囲気が、変わった……? 一体何を……

 

 

「少なくとも……俺たちにとっては、『これは、ゲームであっても遊びじゃない』! ≪SAO(・・・)≫を生き抜いた、俺たちにとってはな!!」

 

 

「何?! ッ――――!」

 

 その言葉と共に、キリト君は再び全速力で突っ込んだ。その勢いは、重戦士であるはずのユージーン将軍が吹き飛ばされるほどだった。そして―――

 

 

「う―――おおおおおおっ!!」

 

―――≪黒≫と≪白≫の閃光が巻き起こった。

 

 

 左の白剣で切り上げ、連動して斜め肩口からの斬り下ろし、右の黒剣での連続斬り、左からの突き―――両手の剣が完全に別々の生き物のように動き、息もつかせぬ連続技を繰り出した。一体あれほどの攻撃が出せるようになるまで、どれほどの修練が必要なのか、全く想像も出来なかった。いや、それ以前に……

 

 

(キリト君が、お兄ちゃんと同じ、SAOプレイヤー……?)

 

 

 あの恐ろしいデスゲームで……目の前のキリト君も、お兄ちゃんも『生きていた』。そしてその中で、あれほどすさまじいまでの技量を獲得した。どれほど過酷だったかなんて、想像も出来なかった。

 

 

「――っ、調子に乗るなあっ!」

 

 

 目にも止まらぬ連続攻撃に押し込まれていたユージーン将軍から、目の前に炎が噴きあがった。恐らく装備中のレアアイテムの効果だろう。攻撃中だったキリト君はその炎にモロに巻き込まれた。

 

「ぬうんッ!!」

 

 そしてその炎を二つに裂くほどの豪剣。エセリアルシフトにより、防御不可の攻撃は、キリト君のHPをたやすく吹き飛ばすと思われた。

 

 

―――が。

 

 

 ギインッ、と甲高い音を立てて、魔剣グラムは弾かれた。炎の中から出てきたキリト君の手元を見ると、魔剣グラムはキリト君が僅かにずらして構えた二本目の剣によって、見事に防がれていた。

 

「……どうやら、連続でのすり抜けは出来ないみたいだな?」

 

「……っ!」

 

 キリト君のその言葉に、ユージーン将軍は鋭く息を吸い込むと、いったん後ろに下がろうとした。だが距離を取るよりも早く、キリト君が全速で距離を詰める。

 

「おおおおおっ!」

 

 スピードを一切殺さず、右手の黒剣をユージーン将軍の胸の中心へと突きたてた。その勢いはすさまじく、離れた私達にもまるでジェットエンジンのような爆音が聞こえてきた。

 

「ぐあっ!」

 

 あまりの衝撃にユージーン将軍が声を上げ、そのHPも危険域を示す黄色に染まった。そして、攻撃は、そこで終わらなかった。

 

「ラアアアアアッ!!」

 

 左手の白剣での、稲妻のような連続縦斬り。一瞬で四回も振り下ろされた、その技の軌跡が、宙に正方形の光を描いた。

 

 

「…………見事だ、≪黒の剣士≫」

 

 

 最後にその言葉を残し、ユージーン将軍のアバターは砕け散り、紅色の残り火(リメインライト)を残した。

 

SIDE OUT

 




連続投稿第二弾終了です!
原作がブレイクしまくってるなあ……キリトが大剣二刀流になってるし。SAOプレイヤーだとばらしてるし。

さらにここで≪黒の剣士≫だと確信されたせいで、もっと原作の道を外れていきます! もっとも須郷にとって最悪の方へ、ですが……

 二十四話の予告に一言!「須郷イラネ」!! 誰か『大嘘憑き(オールフィクション)』でアイツを消してくれ(存在消滅)! もしくは『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリッシュ)』か『風遁螺旋手裏剣』か『無月』も可(ぜーんぶ死ぬ)!! 個人的には『スカーレットニードル』や『悶虐陣破壊地獄』がオススメッ☆(キラッ)!!!(ちなみに両方死んだ方がマシな技)

追記(12月16日):二十四話Bパートを見て、最ッ高ッにハイッてヤツだー!になってるところ、何気なくランキングを見たら、38位にこの小説が……

Σ(°Д°;)(ポカーン)

 しかも、いつの間にかお気に入り数も250超えてるし……作者と、読んでくれている読者に少しでも楽しんでもらえたらと思って始めた連載ですが、素直に皆さん、本当にありがとうございます!

 そして、ここで予告を一つ! 次回の更新時に、作者が考える『須郷フルボッコ計画』が明らかに! そしてそれと前後して、作者のもう一つの作品、『闇の剣と星の剣』も更新します!(一日二日ズレるかも知れませんが)

 こんな駄文ではありますが、皆さんどうかこれからもよろしくお願いします!
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