ソードアート・オンライン 心優しき阿修羅の男 作:路地裏の作者
いよいよ始まる大幅な原作ブレイク! レイジだから出来る、ブレイクをご覧あれ。
ちなみにこちらは何とか更新できましたが、『闇の剣と星の剣』の更新は月曜を予定しています。プログレッシブの内容で改変を加えたら、少し収拾付かなくなっておりまして…
SIDE:キリト
…デュエルの後が大変だった。最悪、他のサラマンダー達と戦うことも想定していたが、残り火(リメインライト)から蘇生したユージーン将軍が退いてくれたおかげで、これ以上の戦闘は停止した。
――問題だったのは、
「貴様が≪黒の剣士≫ならば、たとえ『スプリガン・ウンディーネ同盟』の大使でないとしても、手出しはせん。このクエストは念願のグランドクエストの糸口となる可能性が高いのでな」
と、言い出した事だ。どうやら幽霊拳士のクエストは、『飛行制限解除』への突破口と考えられているらしい。
(……どうすんだよレイジ)
ここで、今まで蚊帳の外だった、リーファやシルフ・ケットシー勢が近寄ってきた。
「…キリト君。説明、してくれる?」
……そう問われても、俺にも何処まで話すべきか検討もつかない。だからここは、こうなることも
「――詳しい説明は、幽霊拳士(ドッペルゲンガー)がしてくれるさ。とりあえず俺は、間違いなく『≪二刀流≫の≪黒の剣士≫』本人だ。幽霊拳士のヤツに、連絡を取ってくれないか?」
「…わかった、肖像画と共に渡されたアイテムがあるから、私から連絡を取ろう」
そう言ってシルフが連絡を取ろうとしたところ、
「…少し、待ってもらえるか」
サラマンダーから待ったがかかった。彼らは、今回のクエストから排除される事を恐れており、俺を自分たちの領地に連れ帰ってから連絡を、と言い出した。
最も俺は、可及的速やかに連絡を取りたかったので、向こうに俺から言い含める事を条件に引き下がってもらった。
「では、いくぞ」
シルフ領主サクヤの取り出したのは、大きめの『手鏡』だった。大きさこそ違うが、SAO開始時に同じ物を見た記憶があった。……わざとだな、アイツ。
「さて、『遠けき扉の果てへ――』
『――あ、もう繋がってますからいいですよ――』――ひゃあ?!」
アイテム発動のパスワードに割り込んで、空中に蜃気楼のような映像が浮かび上がり始めた。
『いやー、シルフ領主のサクヤ様も、案外可愛らしい方なんですね。可愛い悲鳴でした♪』
「……お前、二ヶ月会わない間に性格悪くなってないか」
『…………そんなこと無いよぉ? …さて』
ふざけた登場の空気を引き締め、こちらへと尋ねた
『先ほどのやり取りは、一部こちらでも確認させてもらったけど、一応の用心に僕の名前を言ってみてくれる? それで確認するから』
「――確認って、何時から見てたんだよ、『レイジ』?」
『え? 『双方剣を引けー』からだよ? 『キリト』』
「最初っからじゃねぇかぁああ!」
だったら声の一つも掛けろ!
『いや、渡したアイテムのログたどったら、二ヶ所の領主が領地の外にいて、しかも大軍団が迫ってたら気になるでしょ? だからずっと様子を見てたんだよね』
……コイツ、やっぱり性格悪くなってやがる。
『まあともかく確認出来たから、今会わせるね』
レイジがそう言うと画面がズームアウトし、画面下側にある茨に覆われた鳥籠が顕になった。
「……キリト、君」
「
「…え?」
その中にいたのは、俺の最愛の人だった。ああ……、ようやく、会えた。
『キリト、そっちのアカウント情報からすると、そのキャラSAOからの引き継ぎだよね。なら、彼女も一緒にいるよね』
「ああ。出ておいで、ユイ」
「はい!」
小さな体の妖精が姿を現した。
「ユイ、ちゃん……私の、ユイちゃん…!」
「ママ…!」
母子の感動の再会に、実に無感動な声が響き渡った。
『ユイ『姉』、久しぶり~』
「貴方は軽過ぎです! もっと何か無いんですか!?」
『そう言われてもねぇ……』
「ユイが『姉』って、変な感じだな」
久しぶりにそんな会話を楽しんでいると
「――――待って、キリト君」
呆然とした様子のリーファが声を掛けてきた
「……その人、アスナさんって言うの?」
「あ? ああ。SAOで一緒だった、俺の大切な人だよ」
「嘘……だって、だってその人は…」
どこか虚空を見るようだった彼女の視線が、次の瞬間カチリと合わさったようだった。
「……お兄ちゃん、なの?」
「…え?」
不意に、そう呼ばれた
「……ス、スグ? 直葉、なのか…?」
一瞬、MMOで現実の情報を明かすのはタブーということも忘れて、そう呟いていた。
「なんで…なんでお兄ちゃん、またVRゲームをやっているの? 私と母さんが、この二年どれだけ心配したか…」
「う……でもそれを言ったら…お前だって…」
「私は、アミュスフィアで入ってるわ! お兄ちゃん…ナーヴギアで入ってるでしょ」
「ぐ…」
そんな感じの、非常に分が悪い兄妹の口喧嘩に、
「なんでよ!おにいちゃ――」
『あー、少しいい?』
レイジのヤツは何の躊躇も無く踏み込んだ。
「何よ、邪魔しないで!」
『…君がキリトの現実の家族なら、状況については後で詳しく僕が説明する。今はとりあえずここにいる皆に、クエストの説明をさせてくれないかな?』
「――っ。……わかった」
『ありがとう。…さて』
そこで言葉を切り、周りの皆に向き直った。
『まずは皆さん、黒の剣士を見つけてくれてありがとうございます。これで僕たちは、この世界を支配する『ある人物』に戦いを挑む事が出来ます』
「戦いを挑む、か。キサマ程の腕の持ち主が、助力を頼る程の相手がこの世界にいると言うのか?」
表情が滅茶苦茶嬉しそうですよ、ユージーン将軍。
『出来れば、この場の全員に手伝っていただきたいんですよ。報酬は、それなりのものを用意できると思います』
「ほう……だが、シルフとケットシーはともかく、我々サラマンダーは長い間シルフと戦ってきた間柄だ。報酬が余りに低いものでは、協力は出来ないかもしれんぞ?」
…さっきはぜひとも参加したいと言っていたし、これは報酬を確認するためのブラフ、か。
『ええ、きっとご満足いただけると思いますよ? なにせ―――』
そう言ったレイジの手に、豪華な装飾が施された円鏡、巨大な水晶、そして台座に突き刺さった装飾剣が現れた。
『
その言葉に、全員が絶句した。
「何ッ!!?」
話を振ったユージーン将軍も、まさかこれほどの報酬がもらえるとは思っていなかったようで、画面越しの報酬アイテムを、食い入るように見つめている。
『ただし、これには≪アルフ≫への転生機能はついていません。というか、そんなことは出来ないのです』
「……詳しく、教えてもらえるか?」
周りに目を向けると、今やシルフもケットシーもサラマンダーも、目の前の画面に釘付けになっている。それほどこの世界のプレイヤーにとって、飛行制限は取り払いたいものなのだろう。
『こちらにある≪月光の水晶鏡≫≪星屑の聖宝玉≫そして≪日輪の炎王剣≫は、僕が作ったものです。各種族の『領主館』に配置することで効力を出すイベントアイテムであり、いずれかの種族が配置した瞬間に、九種族全ての飛行制限が解除されます』
「――まて、九種族
『ええ。どれか一つでも配置されれば、全ての種族の飛行制限が解除されますが、そのクエストを達成した領主の名前は永久にこのイベントアイテムに刻まれ、またクエストに参加したレイドのメンバーも、全員がこのゲーム内のとある場所に名前を刻むことが出来ます』
「…成程。全種族の飛行制限は解除されるが、そのイベントをこなしたプレイヤーは、永久にその足跡をこの世界に刻めるということか」
これには、この場にいる全てのプレイヤーが奮い立った。もし成功すれば、この世界の妖精たちを苦しめる、『飛行制限』の解除を成し遂げた≪英雄≫としてこの世界に語り継がれることになるのだ。ネットゲーマーとして、これ以上の名誉はそうそうないだろう。
『ですが、このクエストは困難を極めます。それでも貴方方は、成し遂げる勇気はありますか?』
だからこそ、この質問への答えは、もう決まっていた。
「愚問だな。困難を極めようと、これほどの報酬、成し遂げんわけがなかろう?」
「全くだ。シルフ領主としても、一プレイヤーとしても、参加しないわけにはいかんよ」
「ホントだネー。私達も秘密兵器出しちゃうヨー?」
代表して、各地の領主が答える。だが、その言葉はこの場にいる全てのプレイヤーの気持ちだった。
そうしてクエストの目標……この世界への
『では――――≪偽りの妖精王・オベイロン討伐クエスト≫を開始します』
SIDE OUT
と、いうわけで、ALOプレイヤーとの共同で、『須郷フルボッコ・大連結(レイド)パーティー』結成!
正直原作読んだ時、ALOを犯罪の隠れ蓑に使ったわけだから、ALOプレイヤーも怒る権利はあると思ったんですよ。第一あの展開だと、ALO最強のユージーン将軍が単なる中ボスだし、もっと見せ場あってもいいと思いまして……
もっともこの展開を選択したせいで、レイジ以外にあと二キャラ、オリジナルキャラを作らなければいけなくなりました。ちなみに片方は、名前だけなら原作に登場しています。まあ、ストーリーの都合上、原作で想定されていたであろうキャラとは、全然違う人になっていますが。
イベントアイテムの製作やら、クエストの設定やら、ALOでのレイジは、何かもう本当にチートや……
追記(12月24日):『闇の剣と星の剣』を朝に投下し、昼食後に何気なく見ていたら、ランキングで日間8位、週間27位……
――――え???
何が起きたのかも分からず、絶賛混乱中ですが、読んでくれている方々、本ッ当にありがとうございます!!!
……もしかして、皆そんなにオベイロン嫌いだったのかな?