ソードアート・オンライン 心優しき阿修羅の男   作:路地裏の作者

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もうすぐはじまるSAO第二期を記念して……そして、キリト君(笑)がやたら楽しそうだった、某アニメ終了を記念して!本編無関係のクロス番外編、投稿!

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第四章 アフター
幕間7 ゲーマー兄妹がSAOの世界に来たようですよ?


 その事件は、ある日、メールソフトをチェックしていたキリトの言葉からはじまった……。

 

「……なんだ、これ?」

 

 そのメールには、ただ一つの文章。そこには、こう書かれていた。

 

『≪黒の剣士≫キリト君、君とその仲間たちは、『違う世界』に生まれたプレイヤーと戦ってみたくはないかい?』

 

 ◇ ◇ ◇

 

「……パーティー戦の挑戦者?」

 

「そうなんだよ。どういうわけか全然知らないアドレスから、『キリト』宛に届いてさ……」

 

「成程ね……」

 

 当たり前の話だが、キリトは自分のアドレスをネットに晒してなどいない。それなのに、『キリト』というプレイヤー名を指定して届いた。ならば、相手はキリトのリアルもゲーム内のことも知っているということだ。

 

「で、相手は? ご丁寧に挑戦状まで突きつけてくる相手なんだし、匿名希望ってこともないんじゃない?」

 

「あー、いや、それがな。どういうわけか、相手のチーム名は『空欄』だったんだ。いやもしかしたら、そういう名前なのかもしれないな……」

 

「……へえ? 『空欄』なのに、そういう名前って……何か意図が読み取れるってこと?」

 

「あー、そんな大したことじゃなくてな」

 

 この時は知らなかった。まさか相手が、本物の『異世界』の住人だったなんて。

 

 

「わざわざカギカッコと空白(スペース)を二つ並べて『  』(くうはく)って書いてあるんだ。それが名前にしか見えないだろ?」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

「……で、なんで私達まで巻き込まれるのよ」

 

 相手に指定された休日のとある時間。≪央都アルン≫のグランドクエスト用ドームの前に集められたのは言いだしっぺのキリトと僕、シノンにアスナさんに、リーファ、クラインさん(リーダー)、シリカとリズさんの八人。パーティー限界人数以上の人数が集められていた。

 

「いや、だって向こうはパーティー戦を希望してるんだぞ? だったらこっちも、メンバーをギリギリまで集める必要があるだろ」

 

「元SAO攻略組四名に、剣道の全中出場者、GGOトップの狙撃手に……キリト、あんたどんだけ勝ちたいのよ」

 

 リズさんの指摘が、正鵠を射ている。ちなみにシリカとリズさんは、相手次第で参加するかどうか決めるそうだ。

 

「全く、とんだ迷惑よ。今日はレイジに荷物持ちをさせるつもりだったのに」

 

「あはは、シノン。シノンとの買い物なら喜んで付き合うし、荷物持ちだっていつでもやるよ。シノンと一緒にいられるなら」

 

「――レイジ…………」

 

「あー、わたしもかなあ。今日はキリト君と公園に散歩でも行こうと思ってたのにー!」

 

「わたしもプローブでついて行く予定でしたー!」

 

「ごめんな、二人とも。今度埋め合わせするからさ」

 

「「――――チッ!!」」

 

「リズさん、クラインさん。顔が怖いですよ……」

 

 そうして、待つこと数十分――。

 

 

「――――へぇ。アンタ達が対戦者か」

 

 

 正面から、歩いてくる一団があった。その一団の中心、黒髪の影妖精族(スプリガン)の青年は、値踏みするかのようにこちらを見据えた。

 

「ああ、そうみたいだな……だが、確認させてもらう」

 

 その青年はおもむろに口を開き――――

 

 

「テメエかあッ!! ゲームでも、現実でもハーレム作ってやがる、キリトとかいう三千世界に響き渡るリア充はあッ!!!」

 

 

 ――大声で嫉妬全開の台詞を口にした。その台詞に、言われたキリトも周りのメンバーも思わず絶句。

 

『……は?』

 

「しかも、なんだあ!? 結婚までした恋人がいながら、姐さん系、仮想妹系、義妹系に娘系と、選り取り見取りにもほどがあンだろうがッ!! その上、ゲーム内でもシルフとケットシーの領主からも言い寄られてるだあ?! 結婚したなら、大人しく墓場に入るか、少しは分けやがれ! テメエを倒すのは、全世界の男性、ひいては(オトコ)共の、大いなる意思による! つまりは、これは聖戦だああああッ!!!」

 

 ……色々と、ツッコミたいところはあったが、キリトは言葉が出ないようなので、隣にいた僕が口を開く。

 

「……君の周りも、半分以上女の子だけど」

 

 現れた一団は男女比3:4、女子の方が多いくらいなのだ。だが、その一言も次の瞬間封殺される。

 

「テメエは黙りやがれ! クール・薄幸系ヒロインをものにしたリア充!!」

 

「え~……」

 

「いいか、持つ者は! 持たざる者を決して理解出来ん! 所詮俺たちは、『孤高』という茨の道を往く、哀しき戦士……届かぬ夢に手を伸ばし、追いかける永遠の夢追い人……そう! 俺達はこの聖戦に臨む本物の戦士なのだッ!!」

 

 その言動に、全員がドン引く中、一名だけは違った。

 

「……見直したぜ。まさかここまで熱く、戦士の心を持った奴が、まだいたとはよ」

 

 モテない男代表、リーダー。

 

「分かってくれるか、アンタ!」

 

「オイオイ、他人行儀な呼び方はよしてくれ。俺らは――戦友(とも)だろ?」

 

戦友(とも)よ!!」

 

 やたら熱い友情の握手を交わす、バカ二名。というか、リーダー。貴方はこっちチームということを忘れてませんか?

 

「……ん……」

 

 そんな握手を交わす青年の服の裾を引っ張るのは、相手チームの水妖精族(ウンディーネ)の少女。外見年齢は十歳前後くらいだろうか?青みがかってはいるものの、どちらかというと白っぽい長い髪が特徴だ。

 

「ん? どうした、()よ?」

 

「……にぃ、だい、じょうぶ…………将来は、シロのお嫁さんにして、あげる……」

 

 その言葉に――友情の握手を結んでいたリーダーが、斬り掛かった。

 

「あぶな!? 何すんだ、戦友(とも)よ?!」

 

「フザケんな……こんな可愛い妹さんがいるヤツが、俺ら孤高の(モテない)戦士(オトコ)の仲間だとぉ!? テメエは戦友(とも)じゃねえ、ただの敵だあぁぁぁッ!」

 

 そうして襲い掛かるカタナを、横合いから割り込んだ両手槍が受け止める。

 

「マスターに、何をなさるので? 取るに足らないと、今まで無視してまいりましたが、これ以上は許しませんよ?」

 

「何だ、アンタは!?」

 

「私ですか? 私はジブリール。我が主たるソラさまとシロさまの道を切り開く従者。お二人の障害となりうる全てを蹂躙し、粉砕し、滅殺することこそ至上の喜びとする、二人の奴隷にございます」

 

 その発言に、リーダーが引いた。精神的にも肉体的にも。

 

「……あー、そろそろ始めないか」

 

 どうやらキリトは今までのやり取りを全て無かったことにしたいようだ。その声に答えたのは、今までしゃべらず、ヨーヨーで遊んでいた一人の音楽妖精族(プーカ)の少年。

 

「ああ、もう少し待ってくれるかな? 実はスペシャルゲストを用意していてね。まだ着いていないんだよ」

 

 しかし、その言葉を放ちながら、彼は中空を見上げ、笑みを深くする。

 

「――待つ必要はない。たった今、到着した」

 

 現れたのは、真紅の鎧に身を包んだ男。十字剣と十字盾を携えた男。妖精の世界にあって、唯一人間の姿の男。

 

 

「――――ヒース、クリフ…………」

 

 

 それは、SAO事件の首謀者、仮想世界の創造主、茅場晶彦(ヒースクリフ)の姿だった。

 

「久しいな、キリト君、アスナ君。それにレイジ君も。息災で何よりだ」

 

「何で、アンタが――!」

 

「私のところにもメールが届いたんだよ。一体どうやって届けたのか、皆目見当もつかない方法でね。全く、興味深いよ」

 

 その言葉に全員が警戒を露わにする。仮想世界のどこに潜むかも分からないヒースクリフにメールを届けるなど、この世のどんな人間にも不可能だ。では目の前の存在は、一体なんだというのか。

 

「何だ、アンタ……」

 

「僕、僕はねえ……」

 

 少年は、笑む。心底楽しそうに。心底可笑しそうに。

 

 

「この世界で、いうところの――――『神様』?」

 

 

 荒唐無稽。驚天動地。摩訶不思議なその言葉を、その場にいた全員は、不思議と納得できた。成程、神様なら、仕方ない(・・・・)

 

「さあ、そろそろ始めよう! この世界の王者(キング)は、君たち! 僕らは挑戦者(チャレンジャー)! 互いに7名のメンバーを持ち寄り、名乗りを上げた後、正々堂々ぶつかろう! 楽しい、楽しいゲームの時間だ!」

 

 少年の神は、笑う。嗤う。哂う。それこそがこの少年が(つかさど)り、(つかさど)るもの。

 

「僕は、『テト』! よろしくね?」

 

「……『イノ』と申します。お手柔らかに願えますかな」

 

「『イヅナ』、です。負けねえぞ、です!」

 

「ス、『ステフ』ですわ……ソラ、シロ! なんで(わたくし)、こんなゲーム名にさせられたんですの!?」

 

「先程名乗りましたが、『ジブリール』と申します。マスターのご命令とあらば、例え世界を敵に回そうとも、勝利を掴んで御覧に入れましょう」

 

 そして、最後に二人。影妖精族(スプリガン)水妖精族(ウンディーネ)の少年少女は、笑む。不敵に、不遜に、傲岸に。

 

 

「『ソラ』、だ――さあ、ゲームをはじめよう」

 

「……『シロ』…………手ごわい、あいてを、期待する……」

 

 

 ――どこが、『挑戦者』だ。この二人が纏わせているのは、紛れもなく『王者』の風格。

 

 対して、こちらは、シリカとリズさんが一歩退き、必然的にメンバーが決まる。紛れもなくこの世界最強の7人。

 

「『ヒースクリフ』、だ……こちらこそ、よろしく」

 

「『クライン』ってんだ。悪いが、こっちも負けねえぞ」

 

「『リーファ』です……このメンバーって、ひょっとして最弱は私?」

 

そして、最後に名乗るのは四人。この物語の中心であった四人。

 

 

「『レイジ』です――カミサマに挑む、か。闘神(アシュラ)っぽくっていいかも?」

 

「『シノン』よ。なんだかは知らないけど、神を撃ち抜くってのも悪くないかもね」

 

「『アスナ』です……皆、罰当たりなんだから……」

 

「『キリト』だ。まあ、いいじゃないか。神を斬れるかどうか試してみようぜ?」

 

 

 そうして、高まる戦意。彼ら流、だと教えられた言葉によってゲームが始まる。

 

 

盟約に誓って(アッシェンテ)――――!!』

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

「きゃあ!?」

 

「防具が!?」

 

 一人の影妖精族(スプリガン)が駆け抜け、女性陣の装備が一部砕け散る。そう、これこそが彼が磨き上げたスキル――!

 

「フゥーハハハハハ! 見たか! これこそこの闘いに向けて、磨き上げてきたシステム外スキル! その名も≪防具破壊(ドレスブラスト)≫!! ハラスメント警告を潜り抜け、女の子をギリギリ健全な姿にすることが出来る、漢の中の漢のスキルなのだあぁぁぁッ!!」

 

「人の妹と彼女に何してんだ!?」

 

 それを邪魔するのは、二本の剣を操る黒の剣士。

 

「そこ、退きやがれ、キリト! 俺は、漢達の≪遥か遠き理想郷(アヴァロン)≫を目指すんだあッ!」

 

「させるかよぉっ!」

 

 そうして幾度となくぶつかる片手剣と両手剣。そんな光景に、一歩引いて見ていた観客(ギャラリー)が一言。

 

「……声が似てるせいか、キリトの欲望とか妄想が具現化してるみたいなのよねえ…………」

 

「キリトさん、見損ないました……」

 

 そして、その戦場に巨大な両手槌(ハンマー)を振り下ろす水妖精族(ウンディーネ)のシロと、闇妖精族(インプ)のジブリール。

 

「……加勢、する……にぃ、負けちゃ、だめ……」

 

「当然私も、でございます。私の全てはマスターのために……」

 

 そことは離れた戦場、ぶつかり合うは、漢の意地。猫妖精族(ケットシー)の老戦士と、火妖精族(サラマンダー)の武士。

 

「ふ、やりますな」

 

「アンタもな、尊敬に値する戦士だぜ……!」

 

 さらに離れた場所。苛烈な攻撃を仕掛けるのは、猫妖精族(ケットシー)鉄爪使い(イヅナ)と、火妖精族(サラマンダー)フェンサー(ステフ)

 

「ステフなのに、やるじゃねえか、です!」

 

「貴女まで、そう言うんですの!? これでもアカデミーのフェンシング大会では、負け無しの実力でしたのよ!」

 

 それに耐え、逆転の隙を伺うのは、闘神(アシュラ)と冥府の女神。

 

「悪いけど、このまま良い様にはさせないわよ?」

 

「そうだね。勝つのは、僕らだ」

 

 そして、さらに先。向かい合うのは二人の人物。十字剣と十字盾を持ち、この世界を作り上げた創造主(カミサマ)。そして、もう一人。お遊び武器の一つである、ヨーヨーを手にしたどこかの世界の唯一神(カミサマ)

 

 

「――――では、始めようか」

 

「――――待ちくたびれたよ」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 これは、ある日の一幕。決して語られない、決して残らない、ある一日の熱き戦いの一幕だ……。

 




というわけで、『ノーゲーム・ノーライフ』から主人公パーティーにゲスト出演していただきました!

こうやって見ると、普通に無理を通せるテトの能力に脱帽……今の連載が落ち着いていたら、テトと『  』をアインクラッドに投下する連載とか、やってみたかったなあ……多分その世界では、≪防具破壊(ドレスブラスト)≫が憧れの的だと思うんだ!!(力説)

キャリバーはもう少しお待ちください。中々書く時間ありませんので……
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