ソードアート・オンライン 心優しき阿修羅の男   作:路地裏の作者

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今回少し短いです……


016 シールドクエスト11~三国同盟

 ついに始まった≪キュクロプス・トーナメント≫。その第一回戦を前にして、アナウンスが会場に響き渡っていた。

 

『レディース・ア~ンド・ジェエントゥルマァ~ン!! ついに始まりました≪キュクロプス・トゥーナメント≫ゥッ! まずは、第一回戦ですッ!!』

 

「なんか、やたら力の入ったアナウンサーがいるなあ……」

 

「何なのかしらね、あのノリ」

 

「あは、ははは……」

 

 ここは、選手控室。競技会場の観客席の地下に造られた空間で、チームごとに異なったエリアに転送される仕組みになっている。広さは四人がけのベンチが二つ並べられる広さで、壁際には七つのロッカー。ロッカーとは言ってもシステム的には所謂『倉庫』に該当しているらしく、このロッカーにアクセスすれば、個人が銀行やプレイヤーホームに預けてあるアイテムなどを出し入れできる。この部屋で作戦と各人の装備を整え、試合に臨むというわけだ。

 

「まー、いいんじゃねえか? プロレスのノリみたいで」

 

「まあ、こういうのはノリが大事だからね」

 

「しっかし、アレ、GM側のスタッフなんだよな? すごいハッチャケ具合だ」

 

 確かにすごいノリなんだけど……この、何か役になりきる辺りが、どこかで聞いたような……

 

『それでは、皆さん、中央をご覧ください! 彼こそ今回の審判兼メインアナウンサーでぇすッ!』

 

「あら? この声の人、メインアナウンサーじゃなかったのね」

 

「へえ、一体どんな――――」

 

『――――さて、みなさん』

 

 ――――ん?

 

『今宵もやって参りました、≪キュクロプス・トーナメント≫。リングは地球――ではなく、この闘技場(コロッセオ)とその上空! ルールは至ってシンプル。双方七人の妖精でチームを組み――相手の妖精を破壊して、破壊して、破壊して! 最後に頂点に立つ者こそが≪フェアリー・オブ・フェアリーズ≫の栄冠に輝き――――』

 

「……何か、聞き覚えが」

 

「てか『リングは地球』って言いかけたよな」

 

 間もなく入場だったので、控室を出て入場ゲートへと移動する。そこから闘技場を覗き見る……すると、

 

 

 赤いタキシードに、片目眼帯つけたヒゲのおっさんが、イスに座ってスポットライトを浴びていた。

 

 

「「「「「――――Gガンかよッ!!」」」」」

 

 どこの機動○闘伝だ!ゲーマーでオタクが入った5人の男子プレイヤーの気持ちは一つになった。その上、うまくモノマネしているものの、声がやたら聞き覚えがある。

 

「……アレ、中身邪偽(ジャギ)じゃないかしら」

 

「………声が、どう聞いても、そうだよね」

 

 ……その上、その後の、実況・解説席の紹介が……

 

『解説のナカノさん、この第一回戦、どう見ますか?』

 

 やたら渋い、世紀末覇王の声だし……

 

『ぶふふ~、ではなく、ハイ、アデランスのナカノです』

 

 口調が葉亜斗(ハート)になりかけてた解説だし……。

 

「……どっと疲れた」

 

「そういえばこの進行役は、GM側がプレイヤーに公募をかけて、クエスト扱いで行っているって聞いてたな」

 

「…………」

 

 もう、いいや。

 そうして、半ば意識が飛びながら聞き流していたが、メインアナウンサーの一つのくだりで意識が再び浮上した。

 

『――それでは皆さまお待たせしました。第一回戦選手の入場です! まずは≪仲良し領主チーム≫!!』

 

 その号令とともに、反対側のゲートにスモークがたかれ、そこから五人の妖精と、飛竜にまたがった二人の妖精が飛び出した。

 

 飛び出したメンバーは、ほとんどが当初の予定通り。サラマンダー領主のモーティマー、ユージーン将軍、ランス隊隊長のカゲムネ、シルフ領主サクヤ、レコン、そしてアリシャ・ルー(ウチの領主様)…………

 

「…………そして、なぜアナタがそこに」

 

「ニャハハハハハ」

 

 元情報屋、≪鼠≫のアルゴことアルフさんがいた。

 

『さあ! 続いてもう一つのチームの入場です! ≪月夜の黒猫団with猫カップル≫チーム!!』

 

「ダッカアアアアアアアッ!!」

 

「ぽば!」

 

 とりあえず、チーム名を勝手に変更していたお調子者を、アッパーカットで吹き飛ばしながらの入場となった。

 

「ニャハハ、相変わらず『猫カップル』はおっかないナ」

 

「……はあ。アルフは何やってるのよ」

 

「んー? オイラも一応猫妖精(ケットシー)だからナ。領主様に誘われたノサ」

 

「にゃはは、この()もかなりの腕だからねー? 優勝目指して誘ってみたんダヨ?」

 

「「ニャハハハハハ」」

 

 ……笑い声がステレオで聞こえるんですが。

 

「――さて、そちらは置いておくとして。≪幽霊拳士(ドッペルゲンガー)≫よ!」

 

 その言葉に振り返ると、そこにはサラマンダーの主力陣。

 

「いつぞや言ったな? 戦術と戦略の違い、今日はじっくりと教えてやろう!」

 

「フ……我が宿敵キリトの前に貴様からだ」

 

 そして、そこから少し離れて妖艶に微笑むシルフ領主。

 

「三国にまたがるドリームチームというわけだ。今日は勝たせてもらうよ」

 

「うう、緊張するけど僕も頑張ります!」

 

 ……これは、かなり手強いな。

 

「そんなに気負うことはないさ。俺達は俺達で頑張ろう」

 

 そう言って横に近づいてきたのは、黒猫団のリーダー・ケイタ。こうしてさりげなく緊張をほぐせる辺り、SAOで最後まで生き残った貫禄を感じさせる。

 

「そーだな! オレの新しい短剣のためにも、頑張ろーぜ!」

 

「全くダッカーは……」

 

「ま、それがアイツだろ」

 

 ダッカー、テツオ、ササマル。それぞれが軽口をたたきながら、それでも油断なく武器を構える。

 

「皆……頑張って」

 

 サチはハープを胸に抱き、静かに祈りをささげる。

 

「さて、行きましょ」

 

 軽い言葉とともに、光弓シェキナーを構えるシノン。……まあ、『猫カップル』と言われても仕方ないか。

 

「――そうだね」

 

 右の拳を腰だめに、左手の盾を前面に押し出す。その盾はリズベット武具店に頼んだ特注品。無骨な黒鉄を円形盾(バックラー)にしただけの遊びも装飾も存在しない代物。製作にかかわったリズベットが非難交じりに作った飾り気なしの作品だ。

 

 

『それではッ!! フェアリーファイト、レディイィィ、ゴーーー!!!』

 

 

 合図とともに、妖精たちの戦舞は始まった。

 




予定していた一回戦の内容までいかなかった……おのれ≪北斗の軍≫め!出しただけでネタかっさらって行くとは……

第一回戦はサラマンダー・シルフ・ケットシーの『三国同盟』。ちなみにカゲムネさんは人数合わせですwルグルー回廊のメイジは名前忘れたため、候補から削除しましたw

予約投稿がうまく働かず、削って再度投稿しました。12時頃に一瞬見た人はスイマセン……
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