ソードアート・オンライン 心優しき阿修羅の男 作:路地裏の作者
ついに始まった≪キュクロプス・トーナメント≫。その第一回戦を前にして、アナウンスが会場に響き渡っていた。
『レディース・ア~ンド・ジェエントゥルマァ~ン!! ついに始まりました≪キュクロプス・トゥーナメント≫ゥッ! まずは、第一回戦ですッ!!』
「なんか、やたら力の入ったアナウンサーがいるなあ……」
「何なのかしらね、あのノリ」
「あは、ははは……」
ここは、選手控室。競技会場の観客席の地下に造られた空間で、チームごとに異なったエリアに転送される仕組みになっている。広さは四人がけのベンチが二つ並べられる広さで、壁際には七つのロッカー。ロッカーとは言ってもシステム的には所謂『倉庫』に該当しているらしく、このロッカーにアクセスすれば、個人が銀行やプレイヤーホームに預けてあるアイテムなどを出し入れできる。この部屋で作戦と各人の装備を整え、試合に臨むというわけだ。
「まー、いいんじゃねえか? プロレスのノリみたいで」
「まあ、こういうのはノリが大事だからね」
「しっかし、アレ、GM側のスタッフなんだよな? すごいハッチャケ具合だ」
確かにすごいノリなんだけど……この、何か役になりきる辺りが、どこかで聞いたような……
『それでは、皆さん、中央をご覧ください! 彼こそ今回の審判兼メインアナウンサーでぇすッ!』
「あら? この声の人、メインアナウンサーじゃなかったのね」
「へえ、一体どんな――――」
『――――さて、みなさん』
――――ん?
『今宵もやって参りました、≪キュクロプス・トーナメント≫。リングは地球――ではなく、この
「……何か、聞き覚えが」
「てか『リングは地球』って言いかけたよな」
間もなく入場だったので、控室を出て入場ゲートへと移動する。そこから闘技場を覗き見る……すると、
赤いタキシードに、片目眼帯つけたヒゲのおっさんが、イスに座ってスポットライトを浴びていた。
「「「「「――――Gガンかよッ!!」」」」」
どこの機動○闘伝だ!ゲーマーでオタクが入った5人の男子プレイヤーの気持ちは一つになった。その上、うまくモノマネしているものの、声がやたら聞き覚えがある。
「……アレ、中身
「………声が、どう聞いても、そうだよね」
……その上、その後の、実況・解説席の紹介が……
『解説のナカノさん、この第一回戦、どう見ますか?』
やたら渋い、世紀末覇王の声だし……
『ぶふふ~、ではなく、ハイ、アデランスのナカノです』
口調が
「……どっと疲れた」
「そういえばこの進行役は、GM側がプレイヤーに公募をかけて、クエスト扱いで行っているって聞いてたな」
「…………」
もう、いいや。
そうして、半ば意識が飛びながら聞き流していたが、メインアナウンサーの一つのくだりで意識が再び浮上した。
『――それでは皆さまお待たせしました。第一回戦選手の入場です! まずは≪仲良し領主チーム≫!!』
その号令とともに、反対側のゲートにスモークがたかれ、そこから五人の妖精と、飛竜にまたがった二人の妖精が飛び出した。
飛び出したメンバーは、ほとんどが当初の予定通り。サラマンダー領主のモーティマー、ユージーン将軍、ランス隊隊長のカゲムネ、シルフ領主サクヤ、レコン、そして
「…………そして、なぜアナタがそこに」
「ニャハハハハハ」
元情報屋、≪鼠≫のアルゴことアルフさんがいた。
『さあ! 続いてもう一つのチームの入場です! ≪月夜の黒猫団with猫カップル≫チーム!!』
「ダッカアアアアアアアッ!!」
「ぽば!」
とりあえず、チーム名を勝手に変更していたお調子者を、アッパーカットで吹き飛ばしながらの入場となった。
「ニャハハ、相変わらず『猫カップル』はおっかないナ」
「……はあ。アルフは何やってるのよ」
「んー? オイラも一応
「にゃはは、この
「「ニャハハハハハ」」
……笑い声がステレオで聞こえるんですが。
「――さて、そちらは置いておくとして。≪
その言葉に振り返ると、そこにはサラマンダーの主力陣。
「いつぞや言ったな? 戦術と戦略の違い、今日はじっくりと教えてやろう!」
「フ……我が宿敵キリトの前に貴様からだ」
そして、そこから少し離れて妖艶に微笑むシルフ領主。
「三国にまたがるドリームチームというわけだ。今日は勝たせてもらうよ」
「うう、緊張するけど僕も頑張ります!」
……これは、かなり手強いな。
「そんなに気負うことはないさ。俺達は俺達で頑張ろう」
そう言って横に近づいてきたのは、黒猫団のリーダー・ケイタ。こうしてさりげなく緊張をほぐせる辺り、SAOで最後まで生き残った貫禄を感じさせる。
「そーだな! オレの新しい短剣のためにも、頑張ろーぜ!」
「全くダッカーは……」
「ま、それがアイツだろ」
ダッカー、テツオ、ササマル。それぞれが軽口をたたきながら、それでも油断なく武器を構える。
「皆……頑張って」
サチはハープを胸に抱き、静かに祈りをささげる。
「さて、行きましょ」
軽い言葉とともに、光弓シェキナーを構えるシノン。……まあ、『猫カップル』と言われても仕方ないか。
「――そうだね」
右の拳を腰だめに、左手の盾を前面に押し出す。その盾はリズベット武具店に頼んだ特注品。無骨な黒鉄を
『それではッ!! フェアリーファイト、レディイィィ、ゴーーー!!!』
合図とともに、妖精たちの戦舞は始まった。
予定していた一回戦の内容までいかなかった……おのれ≪北斗の軍≫め!出しただけでネタかっさらって行くとは……
第一回戦はサラマンダー・シルフ・ケットシーの『三国同盟』。ちなみにカゲムネさんは人数合わせですwルグルー回廊のメイジは名前忘れたため、候補から削除しましたw
予約投稿がうまく働かず、削って再度投稿しました。12時頃に一瞬見た人はスイマセン……