ちっちゃいTS魔女ちゃんによる、異世界ダンジョン探索配信   作:龍翠

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再びギルドへ

 

 今日はついにギルド紹介の人と会う日。ちょっと緊張してます。

 

「胃が……胃が痛い……!」

 

『ギルドでちゃんと話していたリオンはどこへ』

『多分一種の興奮状態だったんじゃないかなあ』

『リオンを前から知ってるワイ、こうなると思ってたw』

 

 くそう、こいつら他人事だと思って……! いや実際他人事なんだけど!

 今は午前七時。配信を開始して、パソコンの前でうだうだしてる。うだうだ。

 

「うだうだってなんだ……?」

 

『どうした急に』

『うだうだ……?』

『何か考えて自分でツッコミいれたんだろうが、何もわからんぞ』

 

 うん。だよね。そろそろ気合いを入れよう。

 

「ところでアスティ」

「はい」

「ボクは鍵を開けた覚えがないんだけど」

「転移しました!」

「…………」

 

 部屋に誰もいないことを確認して配信を開始したはずなのに、いつの間にか当然のようにいるのが本当に意味が分からない。

 いや、ダンジョンに行く時はアスティに転移してもらうから、どうせ呼ぶけど。呼ぶけどさ。

 

「ボクのプライバシーは?」

 

『と、性癖を開示された投稿者が言っております』

『お前にプライバシーなんてないだろ現実を見ろ!』

『よく考えなくてもかわいそすぎるw』

 

 ボクにだってプライバシーは欲しいなあ……!

 

「まあいいや。朝の待ち合わせだったけど、いつ頃行けばいいかな」

「少なくとも今はまだいないみたいです」

「なんで分かるの……?」

「観測できますので! すごいでしょう?」

 

 すごいはすごいけど、何でもありかこの女神。何でもありだったわ。

 ともかく。まだ一時間ある。じゃあ少し話をしよう。

 

「昨日からダンジョンが解禁されたけど、潜った人はいるの?」

 

 昨日、ついにダンジョンが一般開放された。されてしまった。まだ調べきれていないだろうに開放したのは、多分外国からの圧力があったんだと思う。海外でも話題になってるみたいだから。

 

『富士山はな……さすがに遠すぎてな……』

『俺行った!  ボス部屋も見つからなかったしまだまだ制限も多いけど、また行ってみたいね』

『制限とは?』

『ダンジョンで手に入れた魔石は自衛隊に渡さないといけないんだよ。他にもいろいろ』

 

 そうらしい。ボクは説明を受けてないから知らないけど、魔石は自衛隊が回収だそうだ。専門機関に送られて、じっくり調べるんだと思う。

 その魔石で発電とかできるようになったら、それなりの値段で買い取ってくれるようになるかもね。今はまだまだ分からないけど。

 

「自衛隊の人たちもまだボス部屋にはたどり着いてないみたいだね」

 

『広大すぎるんだよあそこ』

『俺らにも案内人がほしいです』

『神様ヘルプミー!』

 

「いやです」

 

『即答w』

『知ってたw』

 

 少しぐらい手伝ってあげてもいいと思うけど……。きりがないかな。ボクの代わりに誰か行ってくれてもいいんだけどね……!

 

『でもすごい勢いで地図が作られてるから、きっとボス部屋到達も時間の問題だと思う』

『リオンちゃんもがんばって!』

 

「はーい……」

 

 正直、行きたくないっていう気持ちが未だに強いけど……。だって知らない人と会うのは怖いから……。でも約束を破る方が人として問題だと思うし、行かないとね。

 

「よし、アスティ。お願い」

「はい! かしこまり!」

「古すぎるからやめた方がいいよ」

「そんな!?」

 

 どこで覚えてくるんだろうね、そんな言葉。

 ボクが少し呆れてる間に、アスティは少し落ち込みながらも転移魔法を使ってくれた。

 

 

 

 そうして転移した先は、先日日本に帰る前にいた場所。狭くて薄暗い路地裏だ。あとはギルドに向かうだけ、だね。

 

「ちなみにアスティ」

「はい?」

「観測、だっけ。できるんだよね。どんな子がもう分かるの?」

「それは会ってからのお楽しみ、ですね!」

 

 むう……。やっぱりだめか。ボクとしては心の準備をするためにも知りたかったんだけど。

 

「変に明るい人じゃなければいいな。無駄にテンション高い人は怖い」

「そんな変な人はそうそういませんよ」

「アスティもその枠だけど」

「え」

 

『え、じゃないが』

『本当に自覚ないのかとぼけてるのかどっちだこれ』

『この女神様のことだから自覚がない可能性も……』

 

 多分、自覚ない方だと思うよ。わりとショックを受けてるみたいだから。

 そんなアスティを置いて歩いていく。たどり着いたギルドの扉を開けると、あの時以上の喧噪が広がっていた。

 




壁|w・)プライバシー(笑)
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