ちっちゃいTS魔女ちゃんによる、異世界ダンジョン探索配信 作:龍翠
「さあさあ、じゃあ滑りましょう!」
「納得いかないなあ……」
スティックって言うんだっけ。それを持って、スキー板を下に向けようとして。
「ぶへ」
前から倒れた。
「ちょ、リオンさん、早速ですか、最高ですね!」
「…………」
おもいっきり笑うアスティ。過去一番ぶっ殺したい気持ちがわき上がってきたかもしれない。
「ねえ、アスティ」
「はい。何ですか?」
「一発殴ってもいいかな?」
「いいですよ? 痛くないですし」
「上等だ畜生ぁ!」
『リオン、キレた!』
『まあこれはしゃーないw』
『なお邪神が言う通り痛くない模様』
『ぺちぺちいってる……w』
なんでぐーで殴ってるのに音がぺちぺちなんだよ! いくらなんでもおかしくない!? この体はちょっと力が足りなすぎると思う!
「いえ、力に関しては元の体準拠ですけど」
「むきゃー!」
『むきゃーを口で言うなw』
『お猿さんかな?』
『お猿TS幼女……ひらめいた!』
『何をひらめいたんですかねえ』
本当に何をひらめいたんだよ! いや言わなくていい何も触れなくていい文字にもするな! 聞きたくない!
「なるほど」
「おいこらアスティ何がなにほどだ、何を考えた、いや言うな記憶から抹消しろ!」
「うふふ」
「こわい!」
『さすが我らの邪神様』
『期待してます!』
「するなバカ!」
ボクの味方はいないのかな本当にさあ!
ともかく、スキーを再開だ。付き合ってたら全然練習ができない。せめてクレハちゃんたちと一緒に滑ることができるようになりたい。さすがに寂しいから。
「おおお……」
「リオンちゃん、大丈夫?」
ゆっくり滑っていたらクレハちゃんが隣に来た。心配そうに見られていて、ちょっと申し訳ないと思う。でもそれ以上になんだかとても情けない。
「スキーの文化もちゃんとある日本人が、スキーの文化がない異世界の人に見守られてるって、立場がおかしい……!」
「えっと……その……。ごめんね?」
「うぐう……!」
謝られると、余計に悲しい……!
夕方近くまで練習して、どうにかなだらかな斜面ぐらいなら滑られるようになった。にこにこ笑顔のクレハちゃんがとても眩しかったです……。
その後は、スノーモービル。たださすがに運転の仕方が分からないから、その体験みたいな感じだ。ハンドルに捕まっておくだけ。操縦はアスティが遠隔でやることになってる。
ちょっと不安だったけど、実際にやってみるとこれはこれで楽しい。どこに行くか分からない不安はあるけど、風を切るという感覚はなんだかやみつきになる。ちょっとしたジェットコースターに乗ってる気分だ。
ちなみに女神パワーで落ちないようになってる。すごいぞ女神パワー。もっと別のことに使え。
「気持ちいいー!」
それはともかく、とても楽しい!
『これは純粋に楽しそう』
『女神の遠隔操作なら事故とかも心配なさそうだしな』
『曇り顔ですら喜ぶ邪神なのに大丈夫か?』
『大丈夫だ、問題ない(言い聞かせる的な意味で)』
「怖いこと言うな!」
一気に不安になるからやめてほしいわりと切実に!
「ふふふ……まさに今のリオンさんは私の手のひらの上……。悪くないですね……」
「なんか怖いこと聞こえてきた!?」
『気のせい気のせい』
『リオンちゃんはのんびり楽しもうぜ!』
「楽しめるかちくしょう!」
『でしょうねw』
くっそ、アスティの安心安全を信じるんじゃなかった! それを言うやつが一番安心できないやつだった! なんか、一気に怖くなってきたよ! 下手なジェットコースターより絶対怖い!
「もう止めてえ! こわいよお!」
「まあまあそう言わずに」
「ちくしょうがあああ!」
『楽しそうだなあ』
『誰が?』
『邪神が』
もうちょっとボクも楽しいイベントにしてほしいなあ!
壁|w・)もーびる!