童貞が女の子と飯食ってたらハーレム築いてたんだが。 作:小魔神
異世界転生した。
異世界といってもよくある中世ヨーロッパみたいな世界じゃなくて、どちらかというと現代よりの世界だけど。まぁ、数十年前の田舎と言ったくらいの発展度だな。
俺が今住んでいる家も田舎の一軒家を思い浮かべてくれれば概ね相違ないと思う、そういう意味では、過ごしやすい環境ではあるわけだ。よくある中世ヨーロッパの世界観だと衛生面とか色々心配だしな。
ただあくまで現代寄りっていうだけで、俺が生きていた世界とは決定的に違うことも多い。
その一つがこれだ。
「ハルキさん、いつになったら私を抱いてくれるんですかー?」
この世界、貞操観念が緩すぎる。元いた世界と比較するともれなくビッチばかりだ。
しかも、タチが悪いのが男も女もお互いに取っ替え引っ替えだということだ。
俺だって最初はワクワクしたよ? でもこうも毎日迫られると一周回ってヤル気もなくなるよね。お陰で童貞のままだよ。
「ちょっと無視しないでくださいよー」
「おい、しれっとケツを触んじゃねぇ」
さっきからガチャガチャうるさいこいつはナデシコ。俺がこの世界で最初に知り合った女だ。年は俺と同じか少し下か? この世界は元の世界と公転周期が違うのか、いまいち年齢と見た目がリンクしないんだよな。
こいつのおかげで、俺はこの世界で生きていけるようになったので、そういう意味では命の恩人ではあるんだが、どうにもガツガツくるのでそこだけは苦手だ。
とりあえず俺のケツを揉んでいるナデシコの手を払う。元の世界ならセクハラで即効アウトだからな。
「ハルキさん、相変わらず鉄壁ですね。どんだけ身持ち固いんですか」
払われた手を見つめつつナデシコがいう。
お前が俺が童貞だってことを言いふらしたせいで、変な女が言い寄ってきて大変なんだぞ。それが無ければしれっと卒業していたのかもしれないのに。
「誰かれ構わず盛ってるお前らよりマシだろ。それに俺の初めてはお互い初めて同士がいいんだ!」
「いやいや、私くらいの年でそんな子がいたら、何かしら問題ある根暗しかいないですよー」
「お前口悪いな。別にいいだろ、どんな奴が好みだって」
こんな世界で貞操を守っている子、そんな女の子と俺は恋愛したいんだよ。童貞くさいと言われても、そこは譲れない。
「まぁそうですけど。でも、いきなりあんなことした人とは思えないですね」
「あんなこと?」
こいつに何かしたかな? 付き合いもそれなりには長くなってきたけど、ボディタッチすらしてないしなぁ。そう考えると俺の自制心も中々だよな、少なくともこいつは見てくれはいいわけだし。
それはそうと、こいつは一体何を言っているんだ?
「まさか、忘れたって言うんですか! 私、初めてだったのに」
プクっと頬を膨らませてむくれるナデシコ。こうしてると可愛いんだよなぁこいつ。実際は尻軽ビッチなんだけど。
それはともかく、こいつがこんな反応を示すってことは心当たりは一つしかないな。
「一緒に飯を食べたことか?」
「ちょっとお昼からそんなこと言わないでくださいよ。誰かに聞かれてたらどうするんですか」
そう、この世界は貞操観念は緩々のくせに、人と食事するハードルがものすごく高い。簡単に言えば性欲と食欲の価値観が入れ替わった世界って感じかな。
お陰で元の世界とのギャップがすごいんだよなぁ。みんなの前で食事をしようとしてナデシコに止められたことも何度かあったし。まぁよく考えれば、元の世界で考えるとオ◯ニーを見せつけているようなもんだ
し、止められて当たり前。むしろ止めてくれてありがたいくらいだ。
「あぁ、悪かったな。でも、お前いつもなんやかんや言いつつご飯食べていくじゃん」
ナデシコはいつも理由をつけては居座って夕飯を食べていくんだよな。まぁ、自炊はもといた世界でもやっていたし別に苦ではないしいいんだが。
それにこの世界はどうも食の発展が遅れてる。まぁ、公然での食事がタブー視されてるくらいだから当然かもしれないけど、食材1つ買うのも面倒なんだよなぁ。
「だから、黙ってくださいってば。私が誰かれ構わず食事をするような人だと思われたらどうするんですか」
「別に俺は気にしないけどな」
本当にどうでもいいしな。むしろ1人で食べるより誰かしら相手がいた方が楽しくていいくらいだ。そういう意味では歓迎なんだけどな。
「‥ハルキさんってもしかしなくても変態ですよね。私以外にそんなこと言わない方がいいですよ」
なんでこいつ照れてやがんだ。それに変態って言うのは心外だ、どう考えても盛りまくってるこいつらの方が変態だからな。それだけは間違いない。
それにお前以外って言っても、こうも顔を合わせるのはナデシコくらいしかいないしな。
「心配しなくてもこんなに飯を食っていくのはお前くらいだよ」
「そ、それならいいんですけどね」
だから、なんで照れてるんだよ。
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「結局、今日も食べちゃった‥」
家のベッドでゴロゴロ転がりながら1人呟く。
あの人の家で食事をとったのはもう何回目だろう?
少なくとも両手の数はとうに上回っている。
「ハルキさん、私のこと好きすぎるでしょ」
モテる女は辛いなぁ。
まぁ、私も初めての相手なんだし、思うところもないこともないわけだし? つまり何が言いたいかと言うとだ。
「相思相愛じゃん」
しかもハルキさん、未だに童貞だって言ってたし仲の良い女の人なんてまるでいなさそう。つまり、私だけがハルキさんの魅力を知ったいるわけだ。
「ハルキさん、ううんハルキ」
明日もご飯食べに行ったらはしたない女だと思われちゃうかな?
でも、いつでも食べに来ていいって言ってたし。いや、それでもあんまり行きすぎるのは良くないかな。
こうしてベッドで悶々としているうちに夜は更けていくのだった。