鎮守府新型艤装開発報告書 作:深夜テンションって怖い
『大本営 新型艤装開発計画』
「...明石、なにこれ?」
「ああ、それですか。なんでも私達のサポート用の艤装を開発しようとしているようで...ある程度原案はあるから設計はそっちに一任するっていう中々に面倒な...」
彼女らはどこかの鎮守府に所属している艦娘、明石と夕張。
この鎮守府では明石が作って夕張が試すというのが一種のお約束となっている良きコンビである。
どうやら、彼女らは面倒な案件を抱え込んだようである。
「というか、深海棲艦には私たち用の艤装しか効果が無いはずでは?」
「攻撃が駄目ならサポートを、という事らしいです。ま、制式採用されるかどうかは知りませんがね」
「それは私たちの範疇じゃないしね」
そんな感じのようです。さて、今回の新型艤装は...
「じゃあ、今回はこれの試験をお願いします」
「お、どれどれ...『曳航用ロッドアンカー』...?なになに、『曳航中の迎撃のために曳航中の艦への負担を減らすために開発。ワイヤーと先端の鉤爪を射出し、鉤爪を艤装に食い込ませる事で固定、牽引が可能。腕に装備する事である程度離れた場所の対象も狙って引き寄せられる』、ねぇ。...これ、要る?」
「無いよりマシ、程度だと思いますよ。さあ、さっさと試験をしてきて下さい」
総評:使い所がない訳ではないが、非常に使用タイミングが限られる。
まず、本艤装は艤装運搬の抵抗に耐えられるワイヤーと巻き取り機構により、戦闘に大きな支障が出る程ではないものの、艦娘のバランス感覚に多少の影響を及ぼす程度の重量があり、普段との感覚の違いが実戦に影響を及ぼす可能性がある。
また、曳航においても駆逐艦が戦艦を牽引するなどは不可能ではないものの多少の無理が必要であり、迎撃という点でも片手が後ろに引っ張られそのまま体が半身になってしまう関係で通常の戦闘とは勝手が異なり、かなりの苦戦が想定される。
しかし、今までの「艤装を外して背負って曳航を行う」よりも安全な事は確かであり、その点においては十分に有用であると考える。艤装の被弾箇所からのフィードバックも容易になるため、帰還率や練度の向上にも一定の効果が見られるだろう。
ただ、航行不能状態になる事自体がレアケースであり、大抵の場合、そうなる前に大破撤退、もしくは轟沈している場合が多い事を考慮しておくべきだ。
以上の点から、本艤装は少数生産、もしくは必要数の生産のみに留めるべきだと考える。
補遺:本試験に参加した夕立が実戦試験において飛行中の敵艦載機に対して本艤装を発射、命中させ、素早くワイヤーを巻く事で高く跳躍する事があった。
馬鹿なのだろうか?
そもそもこういった使われ方を想定していなかったこちらにも非があると思うが、そもそもやろうとしないでほしい。
肩関節に負荷がかかった程度で済んだ事は幸運というほかないだろう。短時間の入渠で回復した。
改良案作成の際にはこういった使用用途ではない使い方ができないように脇部などに移設する事を提案する。
また、同様の使い方で、天龍などの近接戦闘用艤装を装備している艦娘に装備させ、白兵戦を行わせる事も可能だろう。