鎮守府新型艤装開発報告書 作:深夜テンションって怖い
「とりあえず新しい試験用艤装と、向こうに前に試験したアンカーの改良型。あと、改良型ロッドアンカーは試験艦隊の半分しか用意できなかったので装備するメンバーの選抜には気をつけて下さいね」
「了解!それはそれとして何で半分?」
「それ、意外と予算がかかるんですよ。ワイヤーに専用の鉤爪、問題点の解決のために射出機構を二基にしたので実質費用2倍ですよ」
今日も彼女らは仕事をこなす。それが最終的に役に立たないというのを薄らと理解していても。
「それと...はい、人数分のホルスターです」
「え、ホルスター?拳銃でも使うつもり...?」
「これを読めば分かりますよ。はい、設計図」
そう言って明石は丸められた設計図を投げた。
「...........は?ホルスターに充電機構...?」
「まあ、これに関しては私もどうかと思いましたよ。『作業用としても使えるしいざとなったら近接武器としても使える刀身を加熱させられるナイフ』....上層部は前線の兵士の事を考えているのか...」
「これ、ホットプレートでブン殴ると同じじゃないです?」
「まあ、細かい事はさておき。試験はお願い」
総評:量産するだけの価値は無いと思われる。
まず大前提として、海上においてナイフを使うような作業は殆ど行わず、あったとしても一部の大本営直属の特殊部隊程度だ。
作業用としては量産するだけの価値は無いだろう。
戦闘に使える艤装としてみても、艦娘が近接格闘戦を行うのは衝角攻撃を狙う時ぐらいしかなく、この衝角攻撃も戦術として使われる事はないと断言してもいい代物である。
そもそも格闘戦は仕掛けるメリットよりもデメリットが勝っている場合が殆どであり、もし指示されたのならばそれは死ねと言っているようなものである。もし使えたとしても深海棲艦の装甲を貫くことは勿論できず、装甲の隙間に刺すことでしかダメージを与えられない。加熱済みであれば致命傷といえるダメージを与えられるが、電熱線による加熱方式が採用されているため温度が上がるまで時間がかかり、一瞬の遅れが生死を分ける格闘戦においてはこのラグは致命傷である。
また、ホルスターの電子機器が水に触れると最悪感電の危険性がある。
費用の関係もあり、同素材でナイフを作成した方がいいと考える。
事例1:実戦試験中、本試験に参加していた空母、加賀が敵深海棲艦に組み付かれ転倒、ホルスターが水に触れたことで感電が起こり、加賀が気絶する事故があった。
幸い味方駆逐艦により素早く救助、曳航が行われ撤退する事ができたが試験ではない実戦においては致命的な事故になり得るだろう。
また、この事故によって加賀は比較的長期間の入渠となった。
責任者:夕張
もうめんどうになったので軽く結果だけ書きますが、改良前よりいいと思います。
両腰に後ろ向きに発射するように設置した事で重量バランスがよくなり、姿勢は変わってしまう問題も解決しました。
全体重量の増加と費用がほぼ二倍になっているところが欠点。
それと、マニュアルには説明書の使い方を遵守するように書いておいて下さい。
バカ夕立が反対向きに装備して立体機動なんちゃらみたいなことをしつつ同時に試験をしていた加熱式作業用ナイフを使って進撃のなんたらごっこを始めてしまいました。
返答:最早報告書の体を成していないため再提出をお願いします。_明石