IFすば   作:来世カズめぐ部屋の観葉植物になりたい者

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遂に始まりましたミツルギ戦。
戦闘描写がむっっずい!


第十一話 この魔剣の勇者と決闘を!

「ルールールルールー。でーがらーし、めーがみが、はこばれてーくーよー。きーっと、こーのーまーまーー、売られていくの」

「……お、おいアクア、怖がるのは分かるけど、もう街中なんだから、そろそろ出てきてくれないか? ボロボロのオリに入った膝抱えた女を運んでる時点で、唯でさえ街の住人の注目集めてるし、しかもその女がアクアだから視線が余計に痛々しくなってきてるし」

「……ダメ。このオリの中だけが安全地帯なのよ。皆には悪いけど、外に出る勇気が湧いてこないの」

 

すっかり檻の中に引きこもってしまったアクアを、馬で引きながら。

無事にクエストを終えて街に帰って来た俺達は、街の人達の冷たい視線を集めながらギルドへと向かっていた。

アクアが檻から出てこないので自分で歩かないため、馬にオリを引かせているにも関わらず俺達の歩みは遅い。

……今回は一名にトラウマが出来てしまったし、クエストを選ぶ際はもうちょっと注意して選ぶとにしよう。

 

そうやって、今後の方針について反省をしている最中の事だった。

 

 

「め、女神様っ!? 女神様じゃないですかっ! 何をしているのですか、そんなとこで!」

 

突然そんな事を叫びながらアクアに駆け寄り、オリを掴む男がいた。

 

……なんだこのイケメンは。見ていてイライラする。

 

そしてそいつはあろう事か、あの凶暴なモンスターでも壊せなかった頑丈なオリの鉄格子を、いとも容易く捻じ曲げ、中に座り込んでいるアクアへと手を伸ばす。

いきなりのことで呆気にとられている俺達を尻目に、その見知らぬイケメンは、同じく驚いているアクアの手を……、

 

「おい、私の仲間に馴れ馴れしく触るな。貴様何者だ? 知り合いにしては、アクアがお前に反応していないのだが」

 

アクアの手を取ろうとしたその男に、ダクネスがその男の手をガシッと掴んだ。

アリゲーターにたかられて喜んでいた先ほどとは違い、今のダクネスはどこに出しても恥ずかしくない立派すぎるクルセイダーだ。

……いつもこんな感じだったらもっといいのに…。

 

イケメンはそんなダクネスを一瞥すると、やれやれと言った風にため息を吐きながら首を振る。

それはまるで、自分は穏便に済ませたかったのに仕方ない、といった感じで。

そのイケメンの態度に、普段は余り表情をあらわにしないダクネスが、明らかにイラッとした。

俺はなんだかヤバそうな予感がしたので、この期に及んでも膝を抱えて檻から出ようとしないアクアに、とっと耳打ちする。

 

「……おい、あれお前の知り合いだろ?女神様とか言ってたし」

 

そんな俺の囁きに、アクアは一瞬だけ首を傾げ……。

 

「……そうよ!女神!そう、そうよ!女神よ私は!!それで?女神の私にどうしてほしいってわけ?」

 

アクアは漸く檻から出てきた。

こいつ!もしかしなくても自分が女神だってことを本気で忘れてたわけじゃないよな?

もぞもぞと檻から出てきたアクアは、その男を見て首を傾げる。

 

「……あんた誰?」

 

知り合いじゃないのかよ。

…いや、やはり知り合いの様だ。

スカしたイケメンが、驚きの顔で目を見開いているから。

多分、アクアが忘れているだけだろう。

 

「僕です!御剣響夜ですよ!あなたにこの、魔剣グラムを頂き勇者として選ばれた御剣響夜です!」

「…………?」

 

アクアがなおも首を傾げているが、俺は理解した。

こいつ、名前や恰好、見た目からして俺より先にこの世界に来た日本人だ。

正義感が強そうなこのイケメンは、茶色い髪をした黒目のイケメンだった。

何度でも言おう、イケメンである。

つまり敵!倒すべき敵だ!

鮮やかに輝く高そうな鎧を身に着け、腰には黒鞘に入った剣を下げていた。

そして後ろには、槍を持った戦士風の美少女と、革鎧を着て腰にダガーをぶら下げた美少女を引き連れている。

なんだこのハーレムは。

 

俺と同い年ぐらいだろうか?

イケメンで、魔剣を貰い、高そうな装備を身にまとい、美少女を二人も引き連れるその姿は…。

一言で言えば、漫画の主人公っぽい奴だった。

 

「ああっ!いたわねそんな人も!ごめんね、すっかり忘れてたわ!結構な数の人を送ったし、忘れててもしょうがないわよね!」

 

俺やミツルギの説明で漸く思い出したアクア。

ミツルギは若干顔をひきつらせながらも、アクアに爽やか~に笑い掛けた。

 

「お久しぶりですアクア様。あなたに選ばれた勇者として、日々頑張っていますよ、職業はソードマスターで、レベルは三十七にまで上がりました。……ところで、アクア様はなぜここに?というか、どうして檻の中に閉じ込められていたんですか?」

 

ミツルギは、チラチラと俺を見ながら言ってくる。

アクアはこいつに、お前は選ばれし者だとか勇者だとか適当いってこの世界に送り込んだのか。

今の今まで存在を忘れていたところが、いかにミツルギにいい加減な事言っていたってことがよくわかる。

……いや、ふつうはそう取るな。

本人が檻の中から出たがらないんですと言っても、きっとこいつは信じてくれないだろう。

俺だって、そんな変わり者の女神がいることをこの目で見ても、未だに信じられないのだから。

 

俺は、アクアと出会ってから今日までのことを簡単に説明すると…………。

 

 

――――――

 

 

「……馬鹿な。ありえない!光栄にも女神様とパーティーを組めたのに!?クエストの為に檻に閉じ込めて湖に浸けた!?一体何を考えているんですか!?」

 

俺はいきり立ったミツルギに胸倉を掴まれていた。

それをアクアが慌てて止める。

 

「ちょちょ、ちょっと!?いや別に私としては結構楽しい毎日送ってるし、別に何にもきにしてないんだけど!今日のクエストだって、怖かったけど誰も怪我せず無事完了した訳だし。しかもクエスト報酬三十万よ三十万!それを全部くれるっていうの!皆優しいでしょ!?」

 

その言葉に、ミツルギは憐憫の眼差しでアクアを見る。

 

「……アクア様、こんな男にどう丸め込まれたかは知りませんが、こんな目にあって、報酬はたった三十万……? 貴女は女神ですよ? それがこんな……」

 

いきなりの初対面で言いたい放題だなこの野郎。

アクアの事碌に知らない癖に。

というかこんな大通りで女神とか叫ばないでほしい。

 

「ちなみにアクア様は今どこで寝泊りしているのですか?」

「ダクネスと一緒に宿屋で部屋を取ってるけど…?」

 

安心するようにホッと息をつくミツルギだが、俺の胸倉を掴む手の力は一切緩まらない。

いい加減痛いんだが。

そして、俺の胸倉を掴むミツルギの腕を、ダクネスが横から掴んだ。

 

「おい、いい加減その手を放せ。お前はさっきから何なのだ。カズマとは初対面の様だが、礼儀知らずにも程があるだろう」

 

バカなことを口走ってよく俺を怒らせているダクネスが、珍しく怒っていた。

みればめぐみんまでもが新調した杖を構え、今にも爆裂魔法の詠唱を……ってそれは止めろ!撃てないと分ってても心臓に悪い!

ミツルギは手を放すと、興味深そうにダクネスとめぐみんを観察する。

 

「クルセイダーにアークウィザード?……それに、随分綺麗な人たちだな。君はパーティーメンバーには恵まれているんだね。それなら猶更だよ。アクア様やこんな優秀そうな人たちを騙してパーティーに入れるなんて見過ごすわけにはいかない。さっきの話じゃ、就いている職業も最弱職の冒険者らしいじゃないか。彼女たちに無理ばかりさせて自分は楽をするなんて、恥ずかしいと思わないのかい?」

 

騙してって……。

改めて自分の立場を再確認できたが、本当に俺は恵まれた境遇にいるな。

一応、俺もチートのおかげで駆け出しにしては相当強いはずだが……、まあ職業が最弱職だし、他人から見ればそんなふうに映るのもしょうがないだろう。

ミツルギがそう言いたくなるのも分からないでもない。

コイツの中で今の状況は、『悪人に騙されて嫌々パーティを組まされている美少女四人を助け出し、自分の仲間に加える、仲間加入イベント』にしか見えてないのだろう。

勿論悪人とは俺のことだ。

それでも、俺達が好きで組んでるパーティに口出しするなとは思うけれど。

 

そんな俺の怒りも知らず、ミツルギが同情でもするかの様に、アクアやダクネス、めぐみんに対して憐みの混じった表情で笑い掛けた。

 

「君たち、今まで苦労したみたいだね。これからは僕と一緒に来るといい。勿論君たちだけ働かせるなんてことはしないし、高級な装備品も買い揃えてあげよう。というか、パーティ編成的にもバランス取れてていいじゃないか。ソードマスターの僕に、僕の仲間の戦士とクルセイダー。そして、盗賊にアークウィザードにアクア様。前衛も後衛も揃っているし、まるであつらえたみたいにピッタリなパーティ編成じゃないか!」

 

当然のごとく俺はその中に入ってない。いや、勿論この男のパーティに入りたいとも欠片も思わないが。

身勝手なミツルギの提案に、俺の連れの三人はヒソヒソと話し出した。

 

性格は自己中心勇者様な御剣だが、待遇としては悪くない提案だ。

レベルが三十八ということは、既にこの街を出て王都といった魔王軍との前線に出ても可笑しくない強さ。

いや、もしかしたらこいつは王都から魔王軍の幹部を倒しに先んじて来たやつなのかもしれない。

だとしたらアクアは俺よりもこいつについて行った方が、宿願である魔王討伐は達成されやすいと思う。

アクアは魔王が倒されないと天界に帰れない。

逆に魔王さえ討伐されれば帰れるということだ。

 

ミツルギと共に魔王討伐を果たせば帰ることができるし、アクア達が行くというならおれは止めないが……。

行ってほしくはないなあ。

 

特にめぐみんはこの世界に来て初めてパーティーを組んで、お互いに頼りにしている。同じ部屋に泊まれるくらいには信頼しているし、信頼されているはずだ。

だから大丈夫だと思いつつも、昔のことが頭をよぎり、このイケメンに付いて行ってしまうのではないかと怖くなってくる。

もし本当にめぐみんがこいつを選んでしまったら俺はショックで二、三日は寝込んでしまうだろう。

俺は、三人の心が動いたのかと心配になり、背後にいる皆の顔を見ると……。

 

「ちょっと、ヤバいんですけど。あの人本気で、引くぐらいヤバいんですけど。ていう勝手に話進めてるしナルシストも入ってる系で、怖いんですけど」

「どうしよう、あの男は何だか生理的に受け付けない。攻めるよりも受けるのが好きな私だが、アイツだけは何だか無性に殴りたいのだが」

「さっき爆裂魔法を使ったことをとても後悔していますよ…! もしまた使えるなら、あのスカしたエリート顔に、爆裂魔法を撃ちこんでやるのに…!」

 

おっと、大不評ですよミツルギさん。

と、アクアが俺の服の袖を引っ張った。

 

「ねえカズマさん。もうギルドに行きましょう?魔剣をあげた私が言うのもなんだけど、あの人とは関わらない方がいいと思うの」

 

正直腹の立つ男ではあるが、ここはアクアの言う通り立ち去るべきか。

 

「えーと。俺の仲間は満場一致であなたのパーティーには行きたくないみたいです。ではこれで」

 

俺はそう言うと、馬を引いて立ち去ろうとした……。

 

 

…………………。

 

 

「どいてくれます?」

 

俺の前に立ち塞がるミツルギに、俺はイライラしながら告げる。

どうしよう、人の話を聞かない系だ。

 

「悪いが、僕に魔剣という選ばれた力を与えてくれたアクア様を、こんな劣悪な環境にいることを放ってはおけない。魔王を倒すのは君じゃなくてこの僕だ。魔王を倒すのが目的なら、アクア様は僕と一緒に来た方が絶対に良い。」

 

漫画でよくある流れとして、この後の展開が目に見える。

こいつ、絶対…………、

 

「だから、僕と勝負をしないか? 僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら、何でも一つ、言う事を聞こうじゃないか」

「お断りします」

「な!?」

 

即答されたミツルギは心底驚いた様子でこちらを見てくる

そして怒ったように言い切ってくる

 

「キミはアクア様に相応しくない!どうしてもアクア様と共に行動するというのなら僕と勝負をしろ!!」

 

めんどくせー。

 

「勝負ねぇ?あー、ジャンケンでいいか?それならすぐ済むだろ?」

「な!?何を馬鹿なこと言っているんだ!?正々堂々決闘で勝負をするべきだ!」

「はっ!正々堂々ねぇ?魔剣持ちの高レベルソードマスター様が、駆け出しの職業冒険者相手に強制的に勝負をしかけておいて正々堂々?何これ笑うとこ?」

「ぐっ……!」

 

向こうはそのつもりだったんだろうが、こう言ってしまえば何も言い返せなくなる。

強者が弱者に正々堂々を強いてくる方がよっぽど卑怯だ。

そもそも、勝負の内容を決めていなかった向こうにも責任があるんだから。

 

 

「…アンタ普通の冒険者じゃないでしょ…」

 

アクアが余計なことを呟くが、ミツルギはよほど頭に血が上っているのか、聞こえている様子はない。

ミツルギが俺の言葉を受け、どうしようか悩んでいると、ミツルギの後ろから声が上がった。

 

「ちょっと、アンタ!キョウヤがここまで言っているんだから勝負しなさいよ!」

「そうよ!あんた負けるのが怖いからって、そんな事言っているんじゃないの!?」

 

さっき言ってた、仲間の戦士と盗賊だろう。

その二人は、俺を攻めるようにミツルギに追随してくる。

それと同時に、俺の後ろから殺気の様なものを感じた…?

 

振り返ってみると、めぐみんとダクネスが今にも飛び掛かりそうなほどの怒気を含んでいる。

 

「カズマ、そろそろ本気で爆裂魔法を打ち込んでもいいですか?」

「やめろっての!てかお前今日はもううてないだろ」

「おい、悪いがこのまま帰ってもらえないか?そろそろ私も我慢の限界だぞ?」

 

ダクネスが帰るように促すが、ミツルギは諦められないようで、再度俺に食って掛かる

 

「ぼ、僕はアクア様を大切に想っている!!だから僕は引く訳にはいかないんだ!!」

 

ああもうしつけーな!

 

「やる気ねえっていってんだろ!さっさとクエスト完了の報告行きたいし、もう俺は行くからな!」

「いい加減にしろ!サトウカズマ!!そちらにやる気がなくても、こちらは遠慮せずに掛かるぞ!!」

「それがお前の言う正々堂々なのか?付き合ってられねぇよ!」

 

そう言って、ギルドに向かおうと足を進めると、敵感知の反応がさらに大きく――――――ッ!?

 

「!!??」

「っめぐみん!!」

 

斬りかかってきたミツルギの剣先を、すんでの所でめぐみんを庇って躱した。

俺に向かって斬りかかった所、俺の後についていためぐみんに当たりそうになったようだ。

 

「……てめぇ、俺の仲間になにやってんだ」

「ほ、本当にすまない!巻き込みそうになってしまった」

 

ミツルギはめぐみんに怪我がないことを確認すると、一歩、二歩と後退して申し訳なさそうに頭を下げる。

この様子を見るに態とやったわけではなさそうだ。

 

「俺と勝負したいんだったよな?決闘で…ルールは?」

 

もういい加減、我慢の限界だった。

 

「ぼ、僕は魔剣だけで戦おう。スキルやその他のアイテムは使用禁止だ。逆に君は冒険者だからどんなスキルを使おうと自由だ!決着は、気絶もしくは降参を宣言した時点にしよう」

 

突然俺から決闘を持ち掛けられるとは思わなかったのか、ミツルギは目を見開いた。

雰囲気の変わった俺を見て少しひるんだミツルギが提示したルールは、レベル差を埋めるためか俺がかなり有利な内容だった。

 

「いいだろう。なら場所は街の外にしよう。俺は魔法使い寄りなんだ。街中で魔法を使うわけにもいかないしな。異論は?」

「ない」

 

ミツルギが答えた後、俺はめぐみんに声を掛ける。

 

「めぐみん、大丈夫だったか?」

「え、ええ。ちょっとびっくりしただけですから」

「すまん、仲間を守るのは私の役割だというのに、油断していた…!」

 

ダクネスが悔しそうに謝ってくる。

 

「ダクネスが謝ることじゃないだろ。別に気にすんな。それよりダクネスはクエストの完了を先にギルドの方に報告に行ってくれ。檻の返却もあるし、いつまでも待たすわけにはいかんだろ」

「承知だ。……万が一にも無いと思うが、遅れは取らないだろうな?」

「当然だろ?もう容赦しない」

 

俺の言葉にダクネスは頷くと、馬を引っ張りギルドの方へ向かっていった。

そんな俺達のやり取りをみていたアクアが少し心配そうに、

 

「カズマさん?やりすぎないでね?」

「…善処するよ」

 

 

――――――

 

 

俺とミツルギは、街から出てすぐの平原でにらみ合っている。

この場にいるのはアクアとめぐみん、それとミツルギの取り巻き二人。

開始の合図はアクアがしてくれるそうだ。

 

「……始めなさい!」

 

アクアが合図をした瞬間。

 

「っは!」

 

ミツルギは先手必勝とばかりに、間合いを詰め、俺に斬りかかってくる。

流石は高レベル、かなり速いな……だが。

 

「っ!?」

 

俺は天眼スキルと超回避スキル、逃走スキルを使ってミツルギの剣戟を難なく避ける。

連撃スキルは得意だったのだろう、俺に剣戟を容易く避けられたミツルギの顔は驚愕に満ちていた。

 

そろそろ反撃といこうか。

 

「『カース・ドライトニング』!!!」

 

俺は掌をミツルギに向け、無詠唱で雷の上級魔法を発動させた。

冒険者である俺が上級魔法を、それも無詠唱で扱ったことでミツルギは一瞬驚いた素振りを見せるが……。

 

「ハアッ!!」

 

すぐに気を取り直し、自身に迫る黒い雷を斬り伏せた。

 

「なっ!」

 

……マジか。

 

自動迎撃でもあるのか?雷なんてもん見切って斬るとかどうなってんだよ……。

というか俺の上級魔法を簡単に斬り伏せた辺り、先ほどアクアから聞いた通り本当になんでも斬れる強力な魔剣であるようだ。

 

出し惜しみは無しだな。

 

「『ライトオブセイバー』!!!」

 

俺は腰から剣を引き、刀身を覆い被せるように魔力で出来た光剣を作り出す。

俺はその状態のまま速攻スキルと高速準備スキルを発動させ、ミツルギに向かって踏み込み、剣を振った。

 

「っ!」

 

ミツルギは上級魔法を使ったこと、自分の剣を簡単に見切ったこと、そして相当のスピードを目の当たりにし、俺に対する警戒心を高め、俺の攻撃を受け止めるために剣を構えた。

 

「来るなら来い!叩き潰してやる!」

 

……勝機!

 

「舐めてると痛い目みるぜ?『ルーンオブセイバー』ッッ!!!!」

 

ミツルギが防御の姿勢になったのを見た俺はミツルギに対し剣を振り被り、ライトオブセイバーを纏わせた状態でソードマスターの攻撃スキル、ルーンオブセイバーを発動した。

光の剣と化した俺の剣は更に雷を帯びて、圧倒的なエネルギーを放ち始める。

 

これは魔力をバカみたいに喰らう俺の奥の手の一つ。

使用者の魔力量に応じどんなものでも斬ることができるライトオブセイバーと、剣に雷を纏わせ、強大なエネルギーで相手を斬りつけるルーンオブセイバーの合わせ技だ。

これによりどんなに硬いものでも斬り伏せ、衝撃を与えることが出来る。

 

ヤツの剣は魔剣。今の俺のライトオブセイバーではあの魔剣を斬ることは出来ないだろう。

もし俺の剣があの魔剣の刃部分に当たれば、逆にこっちの剣が斬られてしまうかもしれない。

そのため俺は、グラムの刃に俺の剣が当たる直前、切り返しスキルを使い強引に軌道を変え、グラムの剣の腹の部分に剣を当てた。

 

ただでさえ大きな魔力を纏っていた剣を巨大なエネルギーが覆い衝撃波が放たれたことで、魔剣の腹の部分に剣が当たった瞬間、ミツルギの体が吹き飛んだ。

このコンボでも魔剣は斬れないと思ったから吹き飛ばすことを目的で使ったが、予想以上に効果はあったようだ

 

「なッッ!?」

 

まさか自分が吹き飛ばされるとは思っていなかったのだろう、ミツルギが心底驚愕したような顔でこちらを凝視している。

しかしどんな握力をしているのか、その手にはしっかり魔剣が握られていた。

俺は今の攻撃で、魔力に耐えきれず砕け散った剣を投げ捨て、無防備になっているミツルギに向かって腰に差していたワンドを突き出し―――!

 

「『カースド・クリスタルプリズン』!!!!」

「カッ!?」

 

吹き飛ばされ何も構えていなかったミツルギは大した抵抗もできず、その身体全身を氷漬けにされる。

 

これで大人しくなってくれたらいいが…。

 

俺の願いとは裏腹に、もう既に氷の表面にヒビが入りだした。

 

ピシッ、バキッ!

 

……流石は高レベルの冒険者だ。

グラムの力があるにしても、全身を氷漬けにされこんなにも早く出てこれるなんてな。

 

だが……。

狙いは氷から出てきた直後だ。俺はミツルギに向かって手を突き出す。

チャンスは一度、しかしこれに関して俺が外す確率は…零だ!

 

そう考えていると、ミツルギを閉じ込めていた氷が完全に砕けた。

 

バリイイインッッッッ!!!!

 

大きな音を上げ、ミツルギが氷の中から飛び出してくる。

しかし相当体力を使ったのか息が上がり、動きも止めている!

……今だ!

 

「よくもやってくれたね…!今度は僕が…」

「『スティール』!!!!」

「!?」

 

スキルを発動させたその瞬間、俺の左手にズシンと重たい感覚が襲ってくる。

一発で引き当てたようだ。

こういう時、俺が外すことはまずない。

 

俺は魔剣が消えて呆けているミツルギに向かって、もう一度魔法を発動させる。

 

「チェックメイトだ勇者サマ。『カースド・ライト「ちょ、カズマそれはまずいです!」っち」

 

武器の無い無防備な相手に上級魔法はまずいと思ったのだろう。

めぐみんに止められたので、俺は魔法の発動を中止し、別の魔法に切り替えた。

 

「今回はこれで勘弁してやる。だが、お前の魔剣は貰っていくぜ。『ライトニング』!!!」

 

俺は通常よりかなり多めの魔力を込めて、電撃の中級魔法を解き放った!

 

「うがあああああああ!!!」

 

ミツルギは一瞬悲鳴を上げると、そのまま膝から崩れ落ちた。

その鎧は所々焦げており、プスプスと白い煙がたっているのが見える。

立ち上がる可能性を見て警戒を緩めず、ミツルギを注意深く見るが、流石に魔剣の加護なしで電撃は耐えられなかったようで、ミツルギは白目を剥いて動かない。

 

「俺の勝ちだな」

 

アクアが近づいて確認すると気絶していたようで、俺に勝利を告げてくれた。

 

「魔剣の人は気絶したので、カズマさんの勝利!」

 

……名前ぐらい覚えといてやれよ。

アクアにあきれていると、ミツルギの仲間が大声を上げた。

 

「卑怯者!卑怯者卑怯者卑怯者!」

「あ、アンタ卑怯よ!魔剣を盗んだ挙句、丸腰のキョウヤに魔法を使うなんて!」

 

……は?

 

「何言ってるんだ?こいつがどんなスキルを使っても良いと言ったんだぞ?卑怯だとか罵られる理由はないな」

 

アホな事言いだす二人に対して正論で返す。

なんか、こいつらからも人の話を聞かなそうなオーラを感じるな…。

相手するのも時間の無駄だし、無視でいいか。

あ、でも何も言わずに持って行っても後日なんか言われそうだし一応言っとくか。

俺の正論を聞かずにギャーギャー騒いでる取り巻き二人に対して爽やかな笑顔を作っていい放った。

 

「俺の勝ちだし、この魔剣は何でも一つ言う事聞くってやつで貰っとくよ。それじゃ」

 

その言葉に取り巻きの一人がいきり立つ。

 

「なっ!バカ言ってんじゃないわよ!それにグラムはキョウヤしか使えないんだから!魔剣はのち主を選ぶのよ。すでにその剣は、キョウヤを持ち主と認めたのよ?あんたには、魔剣の加護は効果がないわ!」

 

自身たっぷりに言ってくる少女の言葉に俺はアクアの方を振り向いた

 

「……マジで?この戦利品、俺には使えないのか?チート増えるって思ったから巻き上げたんだけど」

「残念だけど、魔剣グラムはあの痛い人専用よ。さっきもいったけど、装備すると人の限界を超えた膂力が手に入り、石だろうが鉄だろうがサックリ斬れる魔剣だけれど。カズマが使っても普通の剣よ」

 

なんてこった。

でもまあせっかくだし貰っておこうか。

今の戦いで剣もボロボロになっちまったし。

 

「まあ、でもせっかくだし貰っとくわ。じゃあな。そいつが起きたら、これからは俺らにあまり関わらないでと言っといてくれ。……それじゃアクア、めぐみん、ダクネスが待ってるだろうしさっさとギルドに行こうぜ?」

 

言って踵を返す俺に、ミツルギの仲間の少女が武器を構えた。

 

「ちょちょちょ、ちょっとあんたまちなさいよっ!」

「キョウヤの魔剣返して貰うわよ。こんな勝ち方、私達は認めない!」

 

そんな二人の少女に、俺は手を突き出して、見せつける。

 

「真の男女平等主義者な俺は、女の子相手でもドロップキックを食らわせられる公平な男だ。……手加減してもらえると思うなよ?」

 

少しきが引けるが、しょうがない。

こうでも言わないとどかないだろうし。

俺は右手で持つワンドを突き出し魔法を放つ体勢をとった。

 

「「ううっ……」」

 

俺の手をみた二人は、先ほどの戦いを思い出したのだろう。

不安げな表情で後ずさった。

何を怖気づいているのやら。さっきまでこいつらが俺にやろうとしていることを、そのままやり返しているだけだというのに。

 

「あそこで気絶しているミツルギ連れて、さっさと立ち去れ。そうすれば見逃してやるから」

 

そういうと二人は、観念したかのように二人でミツルギを肩で支えながら、街の方へ歩いて行った。

 

……俺達も帰るか。

 

 

――――――

 

 

翌日。

依頼完了の確認と檻や馬の返却やらで報酬の支払いは後日ということになり、あの後俺達は解散して、先ほど朝食がてらギルドに集まったのだが……。

 

「何でよおおおおおお!」

 

ギルドの中からやかましい叫び声が聞こえてきた。

 

「アクアの声だったな」

「ああもう、アイツは兎に角騒ぎを起こさないと気が済まないのか!」

 

俺とめぐみんとダクネスが三人で飯を食べている席に、とぼとぼとアクアが歩いてくる。

そのまましょんぼりした様子で席に座ると、

 

「……今回の報酬、壊した檻のお金を引いて十万エリスだって…。……檻の修理代が二十万エリス…。…………私が壊したんじゃないのに…!」

 

そう言って顔を伏せるアクアに、流石に同情した。

ミツルギに関しては、アクアはとんだとばっちりだ。

 

「あの男!今度会ったら絶対ゴッドブローを喰らわせてやるんだからっ!」

 

アクアが涙目になりながら、席についてメニューをギリギリと握りしめながら歯ぎしりをしている。

俺としては正直もうあいつには会いたくないんだが。

……と、アクアが未だ悔しげに喚く中。

 

 

「ここにいたのかっ!探したぞ、佐藤和真!!」

 

俺達の席から少し離れた場所に、丁度話題の魔剣の勇者様が取り巻きの少女二人を連れて立っていた。

走り回ったのかミツルギの息は上がっており、その顔は抑えきれない怒りの表情で満ちている。

 

「君のことは、ある盗賊の少女に教えてもらったよ。『パンツ脱がせ魔』だってね!!他にも幼女を粘液まみれにしておぶるのが趣味な男だとか、噂になっているそうじゃないか。鬼畜のカズマだってね!!!」

「お、おい待て!誰がそれ広めたのか詳しく!」

 

俺はこちらに向かって歩みを進めるミツルギに咆えた。

盗賊には心当たりはあるが、他が問題だ。

俺の知らない所で、鬼畜だのなんだのとあらぬ噂が……!

ていうか幼女って、もしかしなくてもめぐみんの事だよな…?

チラッと隣の席のめぐみんを見ると、目を真っ赤にさせて額に青筋を立てている。

あーあ…。

こちらの様子に全く気づかないミツルギは、真剣な表情で俺に詰め寄ってくる。

そんなミツルギの前に、めぐみんがゆらりと立ち上がり―――!

 

「ぐあぇっ!?」

「「ああっ!?キョウヤ!」」

 

めぐみんに横から無言で杖のフルスイングを受け、ミツルギが吹き飛んだ。

床に転がるミツルギに、慌てて仲間の少女たちが駆け寄る。

なぜ叩かれたのか分からないといった表情のミツルギに、めぐみんは目を真っ赤にして言い放つ。

 

「誰が、誰が幼女ですか!誰が!私が最近気にしていることを堂々と言い放って!!ぶっ殺しますよ!!」

 

……気にしてたのか。

 

「ええっ!?そ、そんなつもりではなかったんだ。ごめんよ、気にしてたのなら謝るから…」

 

「……分かればいいのですよ」

 

めぐみんはミツルギから謝罪を受け取ると、不機嫌そうにしながら席に戻った。

そんなめぐみんを気にしながら、ミツルギは気を取り直し、アクアに向かって姿勢を正し、

 

「……アクア様。僕はこの男から魔剣を取り返し、必ず魔王を倒すと誓います。ですから、この僕と同じパーティーに……!」

「『ゴッドブロー』!!!!」

「はぁ~んっ!」

 

アクアに頬をぶん殴られ、はたまた吹き飛んだ。

 

「「キャアアア!!きょ、キョウヤ!?」」

 

再び床に転がるミツルギに、アクアはツカツカと詰め寄り、その胸倉を掴み上げると。

 

「ちょっとあんた、壊した檻の修理代払いなさいよ!三十万よ三十万!」

「えっ…あっ、はい」

 

……さっき、二十万って言ってなかったか?

ミツルギは殴られた所を抑え、尻もちをついた体勢で、アクアに気圧されながら素直に財布を出した。

 

「すいませーん!シュワシュワと、カエルのから揚げ山盛りくださーい!」

 

ミツルギから金を受け取ったアクアは、ほくほくしながら店員に注文を始めた。

上機嫌に片手を上げるアクアに、店員さんとめぐみん達が少し引いている。

 

そんな様子のアクアを気にしながら、ミツルギは気を取り直し俺に悔しそうにいう。

 

「こ…こんなことを頼むのは、虫がいいのも理解している。……だが頼む!魔剣を返してくれないか?あれは君が持っていても役に立たないし、代わりに店で一番言い剣を買ってあげるから……!」

 

本人自ら言っているが、また随分と虫のいい話だ。

アクアは俺の転生特典ではないが、腐っても女神、その力は本物だ。

アクアが仲間になるというのは、魔剣程度では比較にならないだろう。

つまり、俺もミツルギの持つ魔剣相当のものを賭けたって事になる。

てか、こいつに要求するようなものがパッと出てこないんだよなぁ。

 

一番いい剣っていっても、もう新しい剣は頼んでるし、こいつ自身には恨みなんて一欠けらもない俺が必要以上にこいつを殴る理由もない。

今のところ欲しいものは……。

考え込んでいると、前の席に座っているアクアが怒り出した

 

「私を景品にしておいて、負けたら高い剣を買ってあげるから魔剣返してって、なめてるの!私がその辺で売ってるお高い剣と同等だと言いたいの?無礼者!無礼者!無礼者!仮にも女神であるわたしを賭けの対象にした奴の顔何て見たくないから、あっち行って!ほら早く!あっちへ行って!」

 

怒りが頂点に達してるアクアは、さっきミツラギの取り巻きがしていた事の当てつけのように責め立てる。

ミツルギの顔が青ざめた。

まあ、勝手に話が進められた挙句にこれではアクアが怒るのも無理はないか。

「まま、待ってください!アクア様!僕は別に貴女を安く見ていた訳では…っ!」

 

慌てるミツルギに、ダクネスがポンポンとミツルギの肩をたたく。

 

「……な、なんでしょうか……?」

 

ミツルギの注意を引いたダクネスが。そのまま俺を指で差す。

正確には、俺の腰の辺りを。

 

「…あー…すでに、この男は魔剣を持っていないのだが………」

「えっ!?」

 

言われて気づいたミツルギが。

 

「さ、サトウカズマ!?魔剣は……?ぼ、ぼぼぼ僕の魔剣はどこへ?」

 

顔中に脂汗を浮かべて俺に縋りつく。

そんなミツルギに、俺は一言。

 

「売った」

「ちっくしょおおおおおおおおおおお!」

 

俺の金袋を見て、ミツルギは泣きながら走っていった。

 

「「あ!キョウヤ待ってー!」」

 

それを追って取り巻き二人も去っていった。

 

 

――――――

 

 

「こんちわー、親父さん。頼んだモノ出来てる?」

「おー!来たか!お前さんに頼まれてた剣はなんとか形になったぞ」

 

ミツルギとの騒動の後、俺達はアクセルの街にある鍛冶屋に訪れていた。

昨日使った、ライトオブセイバーとルーンオブセイバーの組み合わせを始めて使ったとき、安物の剣では負荷がかかり過ぎていることに気づいた。

そこで俺は魔法にも耐えられる新しい剣が欲しいと思ったのだ。

マナタイトの杖を参考に、魔法剣が作れないか考えた俺は、武器屋の親父さんに相談を持ちかけていた。

杖とは違い多少性能は下がるらしいが作れるようだったので、武器の形状も提案していた。

作成まで余り時間はかからないとのことだったが、金の方を用意するのに時間がかかると思っていたので受け取りはもっと先の予定だったが、思わぬところでデカい収入があり、こうして今日受け取りに来れたというわけだ。

 

 

 

「お前さんから聞いた焼き入れだの何だのってのは調べてもさっぱりわからなかったが、なかなかに楽しい仕事だったぜ。なんとかこのKATANAっていう奴に形状も寄せられた。それとマナタイトの方も上手く入ったぞ」

「おー!すげーそれっぽく出来てる!!」

 

日本男児たる者やはり刀には強い憧れがある。

というわけで刀を作ってもらっていた。

俺は鍛冶屋のおっちゃんから鞘に入った一振りの剣を受け取ると、早速鞘から抜いてみる。

 

「カズマ、それが昨夜いっていた新しい武器ですか?なんだか琴線に振れるものがあります…」

「そうだろ?刀っていうのは武器としてだけではなく、美術品としても価値があるからな」

「確かに美しいな、武器としてみても切れ味が鋭そうだ」

 

ダクネスも刀の素晴らしさを理解したのか、すっかり見入っている様子だ。

 

「親父さん、これで量産できるんだろ?鍛冶スキル教えてもらった分はチャラでいいよな?」

 

俺の特典の一つは、上級職までの全スキル。その中には冒険者が使わない、一般スキルというものが入っていなかったので、俺は刀のメンテナンス用に鍛冶スキルを教えてもらった。

 

「ちゃっかりしてんなぁ。まぁそれを作る際にそこそこ貰ったし、お得意様だからいいけどよ。後はそいつの銘だな、この魔法のかかった札に銘を書いて柄に貼れば完成だ。これからはそれがお前さんの愛剣になるんだ。せいぜい立派な名前付けてやんな」

 

言いながら、店主はニカッと渡って魔法の掛かった札を差し出してきた。

刀の銘かあ……。

俺は磨かれた刀身を見ながら、よくゲームに出てくる刀の名前を思い出す。

 

「……何にしようかな?正宗?村正…菊一文字、備前長船…長曽祢虎徹。うーん……。いや、ここは天下五剣から、童子切安綱もいいか?」

 

うーむ。悩む…日本神話から草薙の剣…天叢雲剣という手も…。

 

「ちゅんちゅん丸」

 

……。

 

「今なんて?」

「ちゅんちゅん丸といいました。この剣の名前は、『ちゅんちゅん丸』です」

 

めぐみんがそう言うと、いつの間にか札を受け取り、俺がもつ剣の柄に…。

 

「ちょっ!!」

 

刀に銘が刻まれた。

ちゅんちゅん丸と…

 

「おま!何してくれてんの!」

 

思わず俺はめぐみんの頬をつねる。

 

「ひ、ひはいでふ!ははひへふははい!」

「カ、カズマ。その辺に…」

 

ダクネスの仲裁で仕方なく頬を放す。

 

「酷いですよカズマ!いいじゃないですか!優柔不断なカズマに代わって、この私がカッコいい名前を付けてあげたんですから!」

 

そういえば、紅魔族ってネーミングセンスが独特だったっけ…一人で来るべきだった…。

 

「ああ……俺の念願の刀が………」

 

俺は少し涙目になりながら、店主に金を払う。

新しい武器も得たし、今日はどうしようかなと思って店を出たその時だった。

 

『緊急!緊急!前冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門にあつまってくださいっっ!』

 

街中に、お馴染みの緊急アナウンスが響き渡ったのは。

 




裏設定

今作のカズマさんは幼馴染を事故で亡くしているため大事な人の危険にとても敏感です。普段のクエストはテレポートという逃げの手段があるため特に切羽詰まったりとかはありませんが、今回のミツルギさんのは結構ちゃんと危なかったのでカズマさんのトラウマスイッチが発動してちゃんと怒っていました。
その後めぐみんとアクアからフルボッコにされて怒りが収まった感じですが。


第一章は十二話で終わらせたかったんですけど無理でした。ごめーんね
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