とある一般人のお話   作:小説大工の源三

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パッと浮かんだものを捨て置きました。
興味があればどうぞ。


とある臆病者の話

 

 

 自分は臆病者だ。

 何をするにも、一歩、肝心なその一歩が踏み出せずにいる。

 昔からそうだ。自分は転校生だった。だが、人と人のコミュニティが完全に形成される前の時期に生まれ育った街から、別の街へ移り住んだ。

 移り住んだ最初の頃は近所の同年代の子供と遊んでいた。

 楽しく遊んで互いの家に行き来した。お互いの両親も仲が良く、この関係が変わらないと、当時の自分はそう思っていた。

 だが、そんな日常は、終わりを唐突に告げた。

 移り住んでから大体、2年と3ヶ月が経過した頃、近所の子はかなり遠くの街へ引っ越すというのだった。

 当初の自分は『そうなんだ』とただ、漠然と『いつも』が終わったのを知らされたと言うのに、何も理解していなかったのだ。

 今思えば、『変わる』と言うことを理解することに無意識のうちに怖がっていたのだろう。

 理解をしようとしない自分と対照的に、周囲の子供達は泣く者が多数いた。

 なぜ泣くのか、わからない。そんな自分の目には涙なんて物は浮かぶこともなかった。

 それからは、人が移り変わるように人が出ては入ってくる。それでも変わらない者もいたが、それでも人が変わっていく。卒業式にだって涙は出てこなかった。

 友人……と、呼んで良いのかわからないが、そんな人達がちょっとくだらない事をやろうとしていたのを見て、そんな人達と仲良くなりたいと思ったが、声も出ず近く寄ろうとも足が動かず、そのまま集団は何処かへ行ってしまった。

 少し広い教室にその一歩を踏み出す勇気のない臆病者の自分だけが残る。

 

 そして、更に歳を重ねて、行くと自分というモノに何も感じることがなくなっていた。

 だからだろうか、何をするにも無気力に生き始めていた。そして本を読んでいる内に『死』というモノが知りたくなった。

 昔、小学生の時に見ていたドキュメンタリー番組だかバラエティ番組で生き返ったと言う人の話を聞いたがどれも現実味がなく、当時の自分には全くわからなかった。

 ラノベの異世界転生のように女神様にあっただの、何もない真っ暗闇だの。どれも統一性がなかった。

 だからこそ話題に上がっていたのだろう。ヒトが死を恐れているのは、死後どうなるかがわからないからだ。人間、未知のもの、理解のできないモノに恐怖を抱く。

 歴史的な人物で言うならオルレアンの聖女ジャンヌ・ダルクはキリスト教の教えに従い、100年戦争で活躍したが、終局的には魔女として排斥された。

 遅咲きの英雄と讃えられたが、彼女の持つ理解のできないナニカに恐れを抱いた誰かが火種となり、火刑に処された。

 それでも彼女は刑の日になったとしても変わらなかったそうだ。キリスト教における蘇りを信じているからだと、自分は思っている。死後が分かれば、死後と言う未知への恐怖はなくなっているのだから。

 イジメもそうだ。イジメられる理由は様々だが、その一つにジャンヌ・ダルクにしたと同じように、理解できないから、それを遠ざける為に魔女裁判の様に排斥する。

 そうして理解不能なモノを遠避けて自身の安心を得る。

 

 話が逸れてしまったが、自分自身、死ぬと言うことは流石に怖いようで、何度かナイフを首の頸動脈付近に当てがったり、首吊り用の紐を作り、それを吊るしたりなど、様々な方法を考えていたが、結局は死ぬが怖いからと、やめて、今ものうのうと生きている。

 

 それでも根付いた、希死願念だけは取り除かれはしなかった。

 今日も自分はいつ、どう死ぬのか考えている。望むのなら、叶うのなら、誰かの為にこのくだらない命が使われればいいなと、そう思いながら瞳を閉じた。

 

 

 

 

 

 

おやすみなさい。

 

 




難しく考える必要はありません。
ただ自分勝手な人の話と考えてもらえれば。
ジャンヌの話も自己解釈多め…
読み流ししてもらえれば。
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