“「演習試験?」”
「それにお前も参加してもらう」
ヒーロー科にある演習試験。例年はロボットを生徒が倒す感じだったが、どうやら今年は違うようだ。
「生徒2人組で教員1人と戦闘する。その動きなどで点数を決めるわけだ」
”「それに俺も教員側でやれと?」“
「そういう事だ」
”生徒が相手か.....ん?“
スティーブは何かに気付き相澤に質問する。
”「なぁ、それ絶対俺らが勝てるでしょ」“
「まぁ......そうだな。だから教員にはハンデがある」
そう言って重りを取り出す。
「これを身につけろ。お前の体重の半分だ」
”「へい、よいしょっあ.......」“
普通にインベントリにしまってしまう。なんとか防具のように付けようとするが、失敗に終わる。
”「........ハンデどうしよう」“
「.............自分で考えろ。俺に聞かれても知らん」
「.........で、切島と砂藤はスティーブだ」
「うわー副担任か。熱くなってきたぜ!」
”「よろよろ」“
昔ながらのしゃがみ挨拶をするスティーブ。ルールとしては生徒側は教員を拘束ロープで捕えるかゲートの外へ行くかのどちらかの条件を達成する事で試験終了となる。らしい。問題はハンデだ。本来教員は体重の半分の重りを付けなくてはいけないが、スティーブはそもそも重りを付けれない。どうするのかというと.......。
“「俺のハンデは武器の禁止だ」”
「武器?それはやり過ぎじゃ......」
“「なぁに、問題ない。そうだ、一つ俺について教えてやる。クラフターは狩人だが、時に木こり、時に鉱夫、時に探検者、時に交易者、そして時に教員だ」“
「えっと.....どゆこと?」
“「まぁ簡単に言えば俺は一つに縛られないって事だ。武器を振り回すだけでヒーローにはなれないだろう?」”
それっぽいことを言うスティーブ。ただその言葉に思う所があるのか黙る2人。
”「さ、そろそろ始まる。俺は位置につくから作戦会議でもしてろ」“
「っはい!」
『スタート!』
正直スティーブのハンデは辛い。攻撃禁止というのは具体的に剣、斧、弓、クロスボウを使わないことになる。もちろんTNTなどの爆発物や火打ち石と打ち金も禁止だ。そうなると足止めが基本となってくる。
”蜘蛛の巣、鈍化・タートルマスター・弱体化のポーション、雪玉・卵、釣竿、道具系ツール、ブロック全般。ノックバック剣がないのはキツいが........なんとかするか“
簡単に突破されないようにゲートに丸石を敷き詰めている。黒曜石は硬すぎるから流石にやめた。鉄ブロックは硬度は丁度良いが素材の無駄になる。
”どれだけ工夫を凝らすか.........来たな“
大通りの左の路地から音が鳴る。スティーブが即興で作ったトラップだ。トリップワイヤーフック(蛇口)を糸で繋ぐだけの物だが足元を注視しなければまず分からない。
「な、トラップ!?」
「他にもあるかもしれない...あ、やべっ」
”「待たせたなぁ」“
挨拶代わりに雪玉を投げまくるスティーブ。
「この程度!」
切島が体の前側を硬化させて向かってくる。砂藤は切島を盾にして機会をうかがっている。だが防がれるのは想定済みだ。むしろここからが本番。
“「ほい水」”
水で切島を流していく。もしヴィラン相手ならマグマ一択だが、今回は生徒相手。足止めを目的とするのと攻撃禁止なので水にしてある。硬化していると水に流されてしまい、硬化していないと雪玉の衝撃(ノックバック)は避けられない。
「俺が行く!」
そうなると重要になってくるのが砂藤だ。開始と同時に砂糖を口に入れてムキムキになっていたので壁を蹴ってスティーブにキックを入れる。スティーブは雪玉を砂藤に投げて牽制するが、そうなってしまうと切島がフリーになる。切島が水源を超えてしまう。もはや雪玉は意味をなさない。
“「かと言って手段が無いわけでは無いぞ。エンダーパール!」”
ワープをして距離を取る。置き土産にタートルマスターのポーションを投げて。前にも言ったがタートルマスターのポーションは防御力が馬鹿みたいに上がる代わりに移動速度がめちゃくちゃ遅くなる物だ。しかしエンダーパールには関係ない。おかげでスティーブだけが距離を取り、切島たちは取り残されてしまう。何やら話をしているが、スティーブは気にせず次の足止め方法を実行する。
“「時間稼ぎは蜘蛛の巣とソウルサンドが一番」”
両方ともに移動速度を下げ、蜘蛛の巣に至ってはジャンプ力まで下げるぶっ壊れ性能だ。引っかかってしまえばもはや切島たちに勝機は無い。当たり前のように道を塞ぐように設置する。
ここでタートルマスターの効果が切れる。
「っ、動けるぞ!砂藤、頼むぜ!」
「分かった!」
砂藤はこっちに向かって来るが、切島は脇道にそれて見えなくなる。
“「罠設置しとくか......っと、早くね?」”
すぐ目の前にグーパンチが迫っている。ここでポーションを咄嗟に投げる。効果は....
「な、力が!?」
“「弱体化。これから使いそうだなこれ。多めに作っておくか」”
攻撃力を下げるという単純な性能だが単純が故に強い。正直村人ゾンビ治療以外に使った事無いが。
“「これで遊ばしてやるよ」”
「つ、釣竿?」
ただの釣竿。魚を釣る道具。しかしクラフターが持てば強力な武器になる。器用に砂藤の背中に引っ掛けて勢いよく引っ張り蜘蛛の巣に引っ掛け.......れなかった。ちょうど砂藤の白い粉によるドーピンgゲフンゲフン砂糖でのムキムキが終わってしまう。普通ならばチャンスなのだが、タイミングが悪い。いつもの体型に戻ってしまい、釣竿が離れてしまったせいで蜘蛛の巣に引っ掛けることが出来なかった。
“「マジか......でももう一回やればいいか」”
再度釣竿で引っ掛けようとするが、射線を見て避けられてしまう。だが砂藤はだいぶ無理な姿勢で避けてしまったせいで足がもつれている。
「しまっt」
“「逃さねえよ?」”
このチャンスを見逃すほどスティーブは甘くない。的確に狙った釣竿の糸が砂藤に向かって行く。もはやここまで......ではない。スティーブは忘れてしまっていた。相手はマルチだという事を。
ボコッ
“「!?まずい、忘れてた!」”
いつの間にか回り込んでゲート前まで来ていた切島がゲートを塞ぐように置いていた丸石を一つ破壊していた。おそらく手を硬化して殴ったのだろう。設置していた罠は見抜かれたのか。どちらにしろこのままでは生徒側の勝利、スティーブの敗北となる。
“「間に合え!」”
スティーブは砂藤をスルーしエンダーパールをゲートの方に投げる。
雪玉はおそらく硬化で無効化される。他に採掘を止める方法としては割り込むのが有効だ。左手に盾を持ち、スピードのスプラッシュポーションを足元に投げる。おそらくスピードの効果無しでは間に合わないからだ。準備を整えると同時にエンダーパールがゲートに着弾する。
「壊れろ!」
“「させるか!」”
切島の拳が届くのが先か、スティーブの盾が届くのが先か。ギリギリスティーブが間に合いそうだったが、それを邪魔する者がいた。
「切島ぁ!壊せえええ!」
“「は!?もうここに!?」”
砂藤だ。後からスティーブは知ることになるが、スティーブの体に触れていたからか一緒にワープ出来たようだ。あの時スティーブと砂藤の距離はある程度離れていたが、スティーブがミスって釣竿を引っ張って戻してしまっていた。そのせいで距離が近くなったから一緒にワープ出来た......一歩間違えれば壁に埋もれるかもしれない危険なことをしてまで来た理由は、
「切島、早く!」
「おっしゃああああ!!」
“「クソッ!」”
スティーブの邪魔、切島の援護だ。おかげで切島は壁を壊すことが出来た。もうゴールは目の前、だがスティーブは最後まで足掻く。
“「タートルマスターァァァァ!!」”
スティーブ含め全員の移動速度が極端に遅くなる。しかしスプラッシュポーションで効果を強化しているのであまり続かない。タートルマスターのポーションもこれが最後。スティーブはすぐに牛乳を飲み、タートルマスターの効果を打ち消す。そして切島が開けた道を丸石で塞ぎ.......ここで終了の合図が来る。
「あー、あとちょっとだったなぁ」
“「よくやったと思うぞ。マルチの利点を生かしていたし、俺も結構危なかったからな」”
「あ、ありがとうございます」
ちなみに切島と砂藤は条件を満たしていなかったが合格になった。俺相手にしてはよくやったからだそうだ。
“ていうか、ゲートの壁を黒曜石にしたらほぼ絶対無理ゲーになってたな。難易度調整は良さそうだ”
というわけで次は合宿になるのですが、アンケートをとっていきたいと思います。ぜひ投票していただけると嬉しいです。
助太刀として登場させるならどっち?
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先輩スティーブ(スマブラsp)
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後輩スティーブ(100人)