「此処は一体どこなんでしょう?」
少女は、昨日余りに無我夢中に移動しており、自分でもどこをどう移動したのか覚えておらず、自分の居る場所が何処なのかさっぱりわかっていなかった。
周りの空気は昨日見た街と同じくらい賑わっていたが、道のあちこちにゴミが散らばっており、建物の壁には落書きや銃弾の跡などがあちこちにあり、何処か不穏な雰囲気を漂わせている。
街中にいる人々の服装も顔を隠すように深めの帽子を被っていたり、マスクを着けていたりと、見るからに怪しい格好をした人が大半を締めていた(自身の格好を棚に上げて)。
「おお!見たことがないものでいっぱいです!」
少女は、始めて目にする景色や路上販売をしている品物に興味津々なのか、あちこち忙しなく動き回る。
少女がその様に街中を移動していると、目の前から銃声と共に、少女のいる方向に走ってくる数人の人影が見えた。
「待てや!コラ~~!!」
「ちょっとあたしらと、付き合えよ!!」
「悪いようにしないからさぁ!」
「うわーん!私の方はとくに用はないんですよーー!?ですから、付いてこないでくださーーい!」
ブロンドカラーの髪をした女の子を三人のスケバン少女たちが何やら叫びながら追い回している。
「これは、突発イベント発生ですね。」
少女は、背のアサルトライフルを構えると追われている女の子を庇うようにスケバン少女たちの前に立ち塞がった。
「ああ!何だよお前!邪魔だからどけよ!!」
「あたしらは、そのトリニティ生に用があんだよ!」
「邪魔するってんなら!容赦しねぇぞ!おら!!」
スケバン少女たちは、突如現れた少女に向かって、自分の銃を突きつけながら苛立ちを隠そうともせず、怒鳴り声をあげる。
「え??え?危ないですよ!逃げて下さい!」
女の子も現況に困惑しながらも、今にも撃たれそうになっている少女を心配し、声を上げる。
しかし、無情にも少女に銃弾が浴びせられる
(ドガガガガガ)
よりも前に少女が、アサルトライフルをスケバン少女たちに撃ち放った。
「「「うわーーーーー!!!」」」
(バタン………キュー………)
銃撃をくらったスケバン少女たちは、情けない叫び声をあげて、目を回し気絶した。
「ぱんぱかぱーん。戦闘に勝利しました。突発イベント達成です。早速ドロップ品の確認をします。」
少女は気絶した少女たちに近づき体をまさぐりだした。
すると、誰かが少女の行動を止めるように、声を掛けてきた。
「ちょっと!何やってるんですかー!?」
声を掛けてきたのは先ほど追われていた女の子であり、少女の突然の行動に驚いた様子で、慌てて少女がやっていることを止めようとしていた。
「???だめなんですか?」
「だめに決まっているじゃないですか!いくら襲ってきたとは言え、人の物を取ったらいけませんよ!」
「うーん……?…わかりました……残念ですが、剝ぎ取り不可のエネミーだったと思っておきます……」
「エ、エネミー??とにかくわかってもらえて良かったです。」
少女は、物色することをやめると改めて、女の子の方に視線を向けた。
女の子の方も、意外と簡単に説得できたことに安堵して、肩から力を抜くと、少女の視線と目を合わせ話始める。
「えっと、助けてくれてありがとうございます。私は阿慈谷ヒフミっていいます。」
ブロンドカラーの長い髪を揺らし、幼い顔立ちをして、背には少女が下げているものと同じキャラクターの形をしたリュックサックを背負い、頭に黄色く輝く羽の付いた輪っかを浮かべた“平凡な?女の子”に、少女は出会った。