もう一人の勇者   作:Katarina T

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※注意!今回、ご都合主義的展開が多めになっていますので、ご注意ください!


少女、拾い物?

「おばあさん、おはようございま――……おや?それは、何ですか?」

 

少女がいつものように駄菓子屋へ顔を出すと、おばあさんは何やら難しそうな顔をしながら、手に持った一枚の紙を眺めていた。

 

少女はその紙が気になったのか、おばあさんの近くまで駆け寄ると、興味津々といった様子で覗き込みながら尋ねた。

 

「あぁ、これはね。一昨日、市場で買った品物の中に紛れ込んでいたものさね。何かしらの地図のように見えるけど……。地図だとすると、この場所は…………。」

 

そう言って、おばあさんは少女にも見えるように紙を広げた。

 

確かに、そこには地図らしきものが描かれており、その中の一か所には、目印のように大きな×印が記されていた。

 

「こ、これは……!宝の地図ですか!?」

 

「さぁねぇ。もしかしたら、そうかもしれないけど……。」

 

「早速、行ってきます!」

 

「まあ、お待ちよ……。」

 

おばあさんの言葉を最後まで聞くことなく、少女は今にも飛び出していきそうな勢いで声を上げた。

 

「……もし、これが本当に地図なら、この場所は少々厄介なところだよ。」

 

「??? どういうことですか?」

 

「…………地図に描かれているのは、このブラックマーケット近くの廃墟区画さ。それほど遠い場所じゃないし、行くだけなら半日もかからないだろうねぇ。」

 

「だったら、なおさらすぐに行きましょう!」

 

「話は最後までお聞き。その場所には、所属不明のオートマタがうじゃうじゃいてねぇ。おまけに、妙な機械音が聞こえてきたり、そこへ行った人間が行方不明になったりなんて曰くまであるのさ。

 

だから、ブラックマーケットの人間もあそこには滅多に近寄らない……そういう場所なのさ。

 

悪いことは言わない。近寄らない方がいいよ。」

 

おばあさんは一通り説明を終えると、少女の顔を窺うように視線を向けた。

 

しかし、そこにあったのは恐怖や不安などとは程遠い表情だった。

 

むしろ、少女は先ほどよりも一層やる気をみなぎらせており、今すぐにでも飛び出していきそうなほど目を輝かせていた。

 

「…………やれやれ。これは、止めても聞かなそうだねぇ。」

 

おばあさんは小さくため息をつく。

 

「行くのなら、準備はしっかりしておきな。」

 

「はい!準備は万全に、ですね!」

 

少女は元気よく返事をすると、さっそく準備に取り掛かった。

 

新しく購入した大きめのボストンバッグを持ってくると、中に役立ちそうな道具や食料、その他諸々を次々と詰め込んでいく。

 

一通り準備を終えた少女は、おばあさんから地図を受け取ると、意気揚々と駄菓子屋を飛び出していった。

 

「おばあさん!行ってきますね!」

 

「あぁ、無茶だけはしないようにね。」

 

おばあさんは、遠ざかっていく少女の背中を見送りながら、心配そうに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

====少女、移動中====

 

 

 

 

 

 

 

少女が目的地である廃墟区画に到着すると、そこにはおばあさんから聞いていた通り、数多くのドローンやロボット兵たちが徘徊していた。

 

それらは、まるで何かを警戒するかのように、周囲を絶えず巡回している。

 

「ここからは、スニークミッションです。」

 

少女は、そう呟くと、さっそく行動を開始した。

 

ロボット兵たちに見つからないように廃墟の陰に身を隠し、瓦礫の下に潜り込み、時には大きな瓦礫を抱えて周囲に溶け込もうとする。

 

……いや、最後のものは本当に隠れる役に立っているのだろうか?

 

本人は至って真面目に隠密行動をしているつもりらしい。

 

そんな奇妙な隠密行動を繰り返しながらも、少女は何とか敵に見つかることなく、地図に記された×印の場所までたどり着いた。

 

しかし、そこにあったのは崩れかけた建物だけで、周囲を見渡しても、これといって怪しそうなものは見当たらない。

 

「むむむ……。地図の場所はここで間違いないはずなのですが……。」

 

少女は地図と目の前の景色を交互に見比べながら、首を傾げる。

 

とりあえず、何か手掛かりがないかと崩れた建物の中へ足を踏み入れてみると、瓦礫の奥に地下へと続く通路が口を開けていた。

 

「おおっ!隠しダンジョン発見です!」

 

少女は目を輝かせると、迷うことなくその通路へと足を踏み入れていった。

 

 

 

 

 

 

 

…………通路の奥には、広大な工場が広がっていた。

 

以前、少女が目を覚ました場所よりもさらに規模が大きく、天井も高い。

 

周囲からは機械の駆動音が絶え間なく響いており、どうやら今もなお稼働を続けているらしい。

 

しかし、その一方で、工場内には人の気配がまるで感じられなかった。

 

これほど大規模な施設でありながら、長い間誰も出入りしていないかのような、不気味な静けさが漂っている。

 

少女は、そんな工場の廊下を進みながら、時折襲い掛かってくるロボット兵たちを撃退していく。

 

「むむっ!敵襲です!」

 

(ガガガガガッ!!)

 

「排除完了です!」

 

(ドサッ!)

 

……そんな調子で、少女は遭遇する敵を片っ端から片付けながら、特に明確な目的地も決めず、己の直感を頼りに工場の奥へと進んでいった。

 

そして、しばらく歩き続けた先で、少女は一つの巨大な扉を発見する。

 

それは、少女が以前眠っていた部屋にあったものと同じか、それ以上の大きさを誇っていた。

 

扉の表面には何やら複雑な機構が組み込まれており、見るからに頑丈そうである。

 

「ここは……ボスステージですね!」

 

少女は扉を見上げながら、どこか楽しそうに呟く。

 

そして、意気込むように拳を握りしめた。

 

「それでは、いざ!」

 

(ギギギギギギィィィィィィィィ……ガッシャン!!)

 

少女が扉に手をかけ、押し開けようとした、その時だった。

 

なんと、少女が力を込めるよりも先に、扉がひとりでに開き始めたのだ。

 

「おおっ!?」

 

突然のことに少女は少しだけ驚いたものの、すぐに気持ちを切り替える。

 

「……自動ドアだったんですね!」

 

そう解釈した少女は、特に疑問を抱くこともなく、そのまま部屋の中へと足を踏み入れていった。

 

 

 

 

 

 

 

部屋の奥には、少女の数倍はあろうかという巨大な機械が一つだけ鎮座していた。

 

その周囲には、作業用と思われる端末がいくつか設置されているだけで、他には特に目立ったものはない。

 

まるで、この巨大な機械こそが、この施設の中心であるとでも言うかのようだった。

 

「これは……?」

 

少女は興味深そうに機械を眺めながら、ゆっくりと近づいていく。

 

しかし、その時だった。

 

(ビィ―――!ビィ―――!)

 

突然、部屋の中にけたたましい警報音が鳴り響いた。

 

「ふえっ!?」

 

それと同時に、どこに潜んでいたのか、大量の戦闘ドローンが姿を現し、少女を取り囲んだ。

 

さらに、追い打ちをかけるように、目の前の巨大な機械までもが起動を始めたのか、眩い光を放ち始める。

 

「むむっ……!これは、何だかマズそうです!」

 

少女は直感的に、あの機械を動かしてはいけないと感じ取った。

 

そして、考えるよりも先に、手にしていたグレネードランチャーを構えると、巨大な機械に向けて発射した。

 

(ドォォォン!!)

 

しかし―――。

 

「なっ!?効いていません!?」

 

グレネードランチャーの直撃を受けたにもかかわらず、巨大な機械には傷一つついていなかった。

 

いや、正確には違う。

 

爆発の瞬間、機械の表面に薄いバリアのようなものが展開され、爆撃を完全に防いでいたのだ。

 

「むむむ……。通常の攻撃は通用しないようですね……。」

 

少女は銃火器による攻撃が無意味だと判断すると、すぐさま別の手段へと切り替えた。

 

周囲を取り囲むドローンたちには目もくれず、UFGを起動する。

 

そして、一気に機械との距離を詰めた。

 

勢いを殺すことなく、そのまま肩に背負っていた盾を構える。

 

「これで、どうですか!!」

 

次の瞬間、少女はミサイルのような勢いで巨大な機械へと突っ込み、盾による渾身のシールドバッシュを叩き込んだ。

 

(ドゴォォォン!!)

 

その一撃は、先ほどまでの攻撃とは比べ物にならないほどの威力だった。

 

巨大な機械は衝撃に耐え切れなかったのか、激しい火花を散らしながら動きを止める。

 

そして、それと同時に、少女を取り囲んでいた戦闘ドローンたちも次々と機能を停止し、床へと転がり落ちていった。

 

「……ふぅ。何とかなりましたね。」

 

辺りに静寂が戻る。

 

少女は一息つくと、改めて目の前の巨大な機械へと視線を向けた。

 

そして、何かを確かめるように、そっとその表面に手を触れた。

 

 

 

 

 

 

 

―――その瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

(ヴゥゥゥゥゥゥン…………)

 

 

 

 

 

 

 

再び機械が動き出したのか、先ほどとは比べ物にならないほど眩い白い光が部屋全体を包み込んだ。

 

「ふえっ!?ま、またですか!?」

 

少女はあまりの眩しさに目を開けていられず、思わず瞳を閉じる。

 

すると、その光の向こうから、かすかな声が聞こえてきた。

 

 

 

「………いやだな……死にたくないな…………だれ……か………助け………て…………」

 

 

 

「………っ!?」

 

 

 

それは、今にも消えてしまいそうなほど弱々しい声だった。

 

少女は思わず息を呑む。

 

そして、声の聞こえてきた方へと手を伸ばした。

 

 

 

誰かは分からない。

 

どうしてこんなところにいるのかも、何が起きているのかも分からない。

 

けれど―――。

 

 

 

…………それでも。

 

 

 

目の前で助けを求めている人に手を伸ばすこと。

 

それこそが、【□□】の役目だから!!

 

 

 

少女は光の向こうにいる誰かの手を掴むと、決して離さないように強く握りしめた。

 

そして、その手を力いっぱいに引っ張り上げる。

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!引っ張ります!!」

 

 

 

(グググググッ……!)

 

 

 

光の中から引きずり出されたのは、少女よりも背丈の大きな、一人の緑髪の生徒だった。

 

その生徒の体が完全に引き出された瞬間、巨大な機械から放たれていた光は徐々に弱まっていく。

 

やがて、光は完全に消え去り、機械も再び沈黙した。

 

 

 

「はぁ……はぁ……。」

 

 

 

少女は荒い息を吐きながら、今しがた引っ張り出した生徒のもとへ駆け寄った。

 

彼女は全身ボロボロで、服もところどころ傷んでいた。

 

しかし、胸元がかすかに上下している。

 

どうやら、呼吸はしっかりと続いているようだった。

 

 

 

「……よかったです。」

 

 

 

少女は心底安堵したように呟くと、張り詰めていた肩の力を抜いた。

 

それから、持ってきていた医療キットを取り出し、手早く応急処置を施していく。

 

幸いにも、今すぐ命に関わるような状態ではなさそうだった。

 

もっとも、こんな場所に長居する理由もない。

 

少女は応急処置を終えると、緑髪の生徒を慎重に背負い直した。

 

「よし……帰りましょう!」

 

そうして少女は、救い出した生徒を背負い、足早にブラックマーケットへと戻っていったのだった。




いや……少女ちゃん…………一体何拾ったの!?ねえ!?




あ、後これは、関係ないことではあるんですが、

…………この世界のホシノって、たまに休日にアビドス砂漠をうろついているんですよね

まるで何かを探しているような…………


いや、ホント関係ないと思いますが………



次回  拾い上げたモノ(青春)。少女、パーティー結成
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