少女とユメは意気揚々とオペラハウスへと足を運んだ。
辺りが薄暗くなり始めた頃、目的地であるオペラハウスに到着した二人は、ブラックマーケットでは目にすることが出来ない外観のキレイさに見とれて立ち尽くしていた。
そんな中少女たちは、あることに気づいた。
「……あ!そう言えば、入るには招待状が、必要なんじゃ……」
よく見れば、会場内に入っていく人たちは皆、入り口でガードマンのロボットに招待状を見せていた。
「……?私たちは、入れないんですか。」
「うん……折角ここまで来たけど、招待状がないし、しょうがないね。」
「大型イベントに参加するには、アイテム不足でしたか……残念です………」
少女は、傍から見ても凄く残念そうな雰囲気を漂わせていた。
「アハハ………せっかくだし、この近くでご飯食べていこっか。」
「はい………そうします………」
少女とユメがオペラハウスを後にしようとすると、後ろから唐突に声が掛かる。
「おい、そこのお前!」
話しかけてきたのは、スーツ姿でサングラスを掛けた、ギャング生徒だった。
「その黄緑色のヘルメットに小柄な体型……やはりお前…噂の賞金稼ぎだな。」
「何ですか。それ。」
「ふん、とぼけなくていい。最近ブラックマーケットで噂に成っているぞ。鮮やかな黄緑色のヘルメットを身に付け、どんなチンピラや賞金首であろうと必ず撃退し、まるで鳥のように空を駆ける…そんな凄腕の賞金稼ぎがいるとな…………ここにいると言うことは、お前もあの方に雇われた護衛だろ。」
「護衛………つまり対象を守りきることが、イベント戦の勝利条件…………はい。護衛クエスト発生です。」
「あれ?少女ちゃんいつの間にそんな依頼受けたの?」
「やはりな、流石ボス。既に噂の賞金稼ぎにまで、コネを持っていたとは…………ついてこい、お前たちが待機する部屋に案内しよう。」
少女二人は、案内に従って、オペラハウスに入って行く。
オペラハウスの中は、きらびやかな内装で彩られ、天井には、大きなシャンデリアがぶら下がっており、部屋の豪華さをより引き立てていた。
「うわぁ……スッゴいキレイ……」
ユメはその光景に見とれているのか、うっとりとした瞳をしながら目を奪われている。
少女も、興味津々といったように、辺りを見回していた。
「先ずはこっちの部屋で着替えてもらうぞ。さすがにその格好では、目立ってしまうからな。」
少女たちの格好は普段と変わらないラフな服装であり、どう見ても浮いていた。
対するオペラハウスに来ている人々は、皆ドレスやスーツなどきちんとした礼装に身を包んでおり、部屋の雰囲気にマッチしている。
……確かにこれでは余りにも目立ち過ぎる。
少女たちは、部屋の中に色とりどりの鮮やかでキレイなドレスが、数多く保管されている部屋に案内された。
「この中から好きなものを選んでくれ、着替えやメイクはこちらの者が対応してくれる。」
化粧台の近くにいたロボットが、静かにおじぎをする。
「ほっほんとにこの中から、好きなものを選んでいいの!?」
「ああ。ボスからも許可を得ている。」
「わーい。早速装備を選択します。」
少女たちは、嬉しそうにドレスを選んでいく。
====少女、着替え中====
それぞれ着替えを終えた少女たちが、部屋から出てきた。
「わあ。ユメ…とってもキレイです。」
ユメの服装は黄色をベースとして、下に掛けて白のグラデーションがかかった、ノースリーブのミディアムドレスワンピースであり、繊細なレース生地が高級感を与えており、ユメのスタイルも相まって、とても大人びた印象をかもし出していた。
「えへへ、ありがとー!少女ちゃんもとっても似合ってて、可愛いよー!!」
少女の服装は、ヘルメットと同じく、鮮やかな黄緑色のパーティードレスであり、袖のレースの切り替えが華やかを出しており、ふんわりとしたスカートが幼いながらも、元気いっぱいな少女の魅力をより引き立てていた。
おまけとばかりに、二人共に軽く化粧をしており、元から魅力的な少女二人を普段より一層キレイにしていた。
「ありがとうございます。私も新スキンをとっても気に入っています。」
少女二人は、互いのドレス姿を褒め合いながら、はしゃいでいる。
「これで、目立つことなく、会場内に溶け込めるな。私はこれから、別の仕事があるため外す。お前たちにも準備が在るだろ、指示があるまでは、会場内を回って貰って構わない。」
そういうと、ギャング少女は少女たちを残し、去って行った。
「では、これから探索開始ですね。」
「うんそうだね。さっきの会場とっても綺麗だったから、ゆっくり見たいよね。」
残された少女たちは、楽しそうにオペラハウス内を見て回った。
……ある程度オペラハウス内の探索を終え、近くの椅子に腰掛けて休憩をとっていると、ユメがポツリと話し出した。
「あぁ本当に楽しいなぁ…ありがとね、少女ちゃん。」
「…?ユメどうかしましたか?」
「ううんなんでもないよ…ただ今こうしていることが"奇跡"みたいに思えちゃって…」
「奇跡ですか。」
「うん…私なんかが、少女ちゃんみたいなとっても凄い子のパーティーになって、こんなに綺麗な場所で、とっても素敵なドレスを着て、大切な仲間と楽しい思い出を作れていることって…スッゴい奇跡なんだって思うんだ。」
ユメはなんとなく少女の頭を撫でながら、少し儚げにそう言った。
少女はユメの話を聞いて少し考え込むと、はっきりとした声で話し出した。
「それは違います。」
「えっ?」
「まずユメは、"なんか" では、ありません。ユメは、とっても優しくて、強い人です。私はユメ"だから"仲間に成りたいと……一緒に冒険したいと思ったんです。」
少女は、ユメを見つめながら、更に強い意志を込めて話を続ける。
「それに、さっき奇跡みたいって言っていましたが、確かにそうかもしれません。ですが、例え奇跡なんて起きなくたって、何度でも私がユメの手を掴んで仲間に誘います。」
「少女ちゃん……」
「例えユメが何者であろうとも、断られても、どこかに消えてしまっても、必ず見つけ出して助けて見せます。私は仲間を絶対に見捨てません。」
「……うん…ありがとう少女ちゃん……」
「はい。だからユメも私を助けて下さい。ユメがいてくれると、私も安心できます。」
「うん!まかせておいてよ!私とっても頑張っちゃうよ!」
「はい。ではもう一度探索に行きましょう。」
少女たちは再びオペラハウス内の探索に向かおうとしたが、そこに先ほど少女たちを案内したギャング少女が、やって来た。
「お前たちここにいたか…今回の護衛を共にするやつを紹介してやるから、付いてこい。」
少女たちはオペラハウスの奥にある部屋まで案内された。
「ここだ…さあ入れ。」
言われるがまま部屋に入るとそこには、白いドレスを着ており、鋭くクールな印象を受ける、頭に大きな青白いヘイローを浮かべた長い黒髪の生徒が…
「うん?仕事仲間か…私は錠前サオリだ。よろしく頼む。」
まるで待機中の兵士のように隙のない雰囲気を纏いながら、椅子に腰掛けて少女たちを見ていた。
少女とユメちゃん仲良さそうで良かったね。
|д゚)ジー(アビドス方向からの視線)
いや!ホント!ナカヨクナッテヨカッタネ(汗)