新しくサオリをパーティに加え、少女は今……
(ドッッカーーン)
「「わあああぁぁーー。」!」
……全力で爆発から逃げていた。
「ほら!そこで意識を反らすな!周りをしっかり把握しろ!」
少し離れた場所から、サオリが少女たちに激をとばしている。
……今少女たちがいるのは、少女がユメを拾った廃墟区の一画。
そこでサオリの仕掛けたトラップを掻い潜りながら、誘導してきたロボット兵たちの相手を少女とユメはしていた。
……何故こんなことになっているのか?
……時はサオリをパーティに加えた日の夕方まで遡る。
「へぇ………お嬢ちゃん、また新しい子を連れて来たのかい………」
「はい。新しく仲間になったサオリです。」
「錠前サオリだ。今だ未熟な身であるがよろしく頼む。」
少女は、新しく出来た仲間を駄菓子屋のおばあさんに自慢するように、紹介した。
「………ふふ、素直そうな子じゃないか。お嬢ちゃんいい出会いをしたねぇ。」
「はい。サオリやユメに出会えて、私はとっても嬉しいです。」
「そ、そうか……そう言ってもらえると助かる。」
「っ!少女ちゃああん!!私もとっても嬉しいよ!!」
少女の言葉にユメは嬉しそうに顔を緩ませながら、少女に抱き着き、サオリも若干頬を赤くしながら照れくさそうにしている。
そんな少女たちを微笑ましそうに眺めていたおばあさんは、サオリに話しかけた。
「そう言えば、あんたは今住んでいるところとかあるのかい?」
「いや、いろんな所を転々と寝泊りをしているので、定住している場所はないな。」
「ええ!?そうだったのサオリちゃん?………だったら私たちの部屋で一緒に住もうよ。確かまだ使ってない部屋もあったし。」
「いい考えですね。そうしませんかサオリ。」
「い、いや、しかし、そこまで面倒を掛けるわけには…………」
「なあに変な遠慮してんだい…仲間ってんなら迷惑の一つや二つかけていいもんさ…………それであんたさんが納得できないってんなら、自分なりの方法で恩返ししてやればいいのさ。」
「……自分なりの方法で……か。」
サオリはおばあさんの言葉を聞き少し考えこむと、決心がついたのか少女たちの申し出を受け入れた。
「…………分かった……二人の誘い、ありがたく受け入れよう………迷惑をかけるな。」
「大丈夫です。サオリは私のパーティメンバーですので全然迷惑なんかじゃありません。」
「そうそうっ折角お友達になったんだから、いっぱい頼っていいんだよ!」
「…………話は決まったようだね。……今日はもう遅いから泊まっていきな。」
いつの間にか、すっかり日が暮れており、辺りは薄暗くなっていた。
少女たちはおばあさんの提案に甘えその日は、三人で駄菓子屋に泊まった。
その翌日少女が起きて洗面台に向かうと、先に起きていたサオリが顔を洗っていた。
「ん?少女ちゃんか……おはよう。ちょうど良かった、少し話がある。」
サオリも少女に気づくと、タオルで顔を拭きながら話しかけてきた。
「話…………ですか…………」(コシコシ)
少女は、まだ少し眠いのか、目をこすりながらサオリの方を向いた。
「ああ……実はあの後ずっと考えていたんだ…………どうすれば、私は恩を返すことができるのか。」
どうやらサオリは少女たちへの恩返しについて考えていたようで、それについての話らしい。
サオリは話を続けた。
「それで思いついたことがあるのだが…………今日の昼………時間を貰えないだろうか?」
…………時は戻り、何とかロボット兵たちを撃退した少女は「訓練完了。レベルアップです。」とガッツポーズを取っており、ユメは、「ひぃん…疲れたよ………」と座り込んでいた。
そんな少女にサオリが、タオルと水を持って話しかけてきた。
「二人とも、いい動きだったぞ。………だがまだまだ改善できるところが多いな。少しメニューを調整しよう。」
「それはいいけど…………サオリちゃんこれっていったいどういうことなの?」
「………ん?まだ説明してなかったか。これは住む場所を提供して貰うお礼だ。」
「お礼?」
「ああ。裏の世界で生きていくには、使える戦術が多い方がいいだろう…………幸い私にはゲリラ戦の戦い方を熟知している…………それを二人に教えることが恩返しになると思ったんだ。」
サオリの言葉を聞きユメは、自分たちのことを考えてくれたことに嬉しくなり、お礼を言う。
「そっかぁありがとうサオリちゃん!」
「礼を言うのは私の方だ。住むところを与えてくれて感謝するユメさん。」
「ユメでいいよっ同じパーティメンバーで仲間なんだし!」
「し、しかしパーティに入ったのは、そちらの方が先で先輩のはずだが…………いやそうだな…………仲間であるのなら堅苦しいのはよそう…………ユメ」
「うんうん!そうだよサオリちゃん!」
ユメとサオリはどうやらすっかり打ち解けたようで、仲良さそうに先ほどの訓練の反省点や改善策を話している。
その様子を眺めていた少女は、ユメとサオリの近くに移動すると二人の手を取って胸に抱き締めた。
「……?少女ちゃん?いきなりどうしたの?」
「何か問題でもあったか?」
少女は何故このような行動をしたのか自分でも分からず、しかし二人の腕を離すことなく黙って固まってしまう。
少女の様子にサオリは戸惑っているが、反対にユメは何か気づいたのかハッとしたような表情を浮かべた。
「もしかして………少女ちゃん寂しかったのかな?」
「………なに?そうなのか少女ちゃん?」
「……………………っ!?!?」
ユメとサオリのセリフに恥ずかしそうに少女の顔がみるみる赤くなっていく。
そんな少女にユメは、思いっ切り抱きついた。
「もうっっ少女ちゃんたらっかわいいなあ!心配しなくても少女ちゃんを仲間外れになんかしないよ!!」
「……………よくわからんが、私も同意見だ。仲間である以上少女ちゃんを見捨てたりしない。」
二人の言葉に少女は顔を益々赤くしながら、いつもならとっても嬉しいはずのユメの抱き着きを今は引き離そうと抵抗していた。
少女は新しくゲリラ戦術を覚えた
……羞恥心を獲得した。