もう一人の勇者   作:Katarina T

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少女、星空の下で

少女は、先にベンチに座っていた生徒の横に腰かけながら話し始めた。

 

「私はちょっと事情があって名前が無いので、少女ちゃんと呼んで下さい。」

 

「ん……名前がない?よくわからないけど…………分かった。少女ちゃんって呼ぶ。」

 

「はい。ありがとうございます。お姉さんはここで何をしてるんですか。」

 

「…………私?私は…………星を眺めてる…………」

 

「星…………ですか?」

 

「ん。…………ここからならよく見える。」

 

隣の生徒は空を見上げ、星を眺めている…………

 

…………まるで大切な誰かを思い出すように

 

 

少女もつられるように空を見上げた。

 

「わあぁ~。」

 

空はすっかり夜の帳が下りており、真っ暗な空間にたくさんの星々の綺麗な光が輝いていた。

 

少女はその光景に見惚れ、瞳を空の星と同じくらい輝かせている。

 

「とってもきれいです。これは、ユメとサオリにも教えないといけません。」

 

「それって…………バイトで一緒だった子たち?」

 

「はい。覚えててくれたんですか。」

 

「ん。……バイトの時動きすごかった…………それにとっても仲良さそうだったから………」

 

「えへへ。はい。ユメとサオリは私の大事な仲間です。」

 

仲のいいことを褒められて少女は嬉しそうに口元を緩ませた。

 

それを見た生徒は、どこか遠い目をしながら少女に話しかける。

 

「ん。大事にした方がいい。仲間と一緒にいると楽しい。」

 

「はい。二人とはこれからもずっと一緒です。………お姉さんにも仲間がいるんですか。」

 

少女がそう問いかけると、生徒の表情が苦しそうに……辛そうに……なり少し下を向いてしまう。

 

「あっえっえっと、すみません………」

 

「ん。………大丈夫、あなたのせいじゃない。」

 

生徒は、うつむいていた視線を少女に戻し、少し微笑みながら再び話し出す。

 

「…………それに今だって会おうと思えば、いつでも会える。」

 

「なら、どうして…………」

 

「……ん。…………あそこにいるみんなは、私と過ごしたみんなじゃないから………」

 

「……………………??」

 

「きっと……会えば受け入れてくれる……………そう言う人たちだから………」

 

「だったら、やっぱり会いに行くべきです。そうすればきっと……………」

 

少女の言葉を遮るように生徒の言葉がかぶされる。

 

「ん。でも………………私の席はもう…………埋まってる……………」

 

生徒はとても寂しそうな、それでいてどこか諦めを含んだ表情を浮かべて、残酷な真実を告げていた。

 

「…………………………………………」

 

少女は、何も話すことなくただじっと目の前の生徒を見る。

 

…………そして何かを思い出すように瞳を閉じる。

 

 

 

(…………ああ……やっと分かりました。)

 

 

 

思い出すのは少し前の自分…………初めて他人(大切な仲間)に出会えた日のこと

 

…………その人から目の前の自分じゃない全く他人の名前しか出てこなかったこと

 

…………自分じゃない誰かに向けた言葉しか言ってもらえなかったこと

 

その時に感じた…………寂しさを、少女は思い出していた…………

 

 

 

 

 

……それにあの場所には、もう居るべき人がいます。

 

そしてそれは私じゃ……ないです…

 

 

 

 

 

あの時の自分が目の前の生徒と重なる。

 

本当ならいたいはずの場所はもう埋まっていて…………

 

陽だまりには、もう入るスペースが残ってなくて…………

 

そのことを知ってとっても辛くて…………悲しくて…………

 

……………………寂しいことなのにそれでも我慢している、そんな顔を浮かべた生徒に少女は…………

 

 

 

 

 

「ん。もう夜も遅くなってきた。……そろそろ帰った方が「分かりました。」……っ!?」

 

今度は少女が、生徒の言葉を遮るように言い放ちベンチから立ち上がると、閉じていた両目を大きく広げ、真っ直ぐ生徒の顔を見つめる。

 

「えっと……何が分かったの?」

 

「私は今日、お姉さんを初めて見かけた時からずっとずっとお姉さんのことが気になっていました。そして今それがようやくわかったんです。」

 

「ん?私のことが?」

 

「はい。それでお姉さん、ちょっとお時間いただきます。私についてきてください。」

 

少女が戸惑っている生徒の手をギュッと掴むと、そのまま歩み始めた。

 

「ちょっと待って意味が分からない…って力強い。いったいどこに行くの?」

 

「私たちの拠点です。さあさあ全速前進です。」

 

少女は、生徒の手を放すことなく家路についた。

 

生徒も少女に何を言っても無駄だと悟ったのか、諦めたように少女についていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ。そう言えば、お姉さんの名前は何て言うんですか。」

 

「ん。今更だね。まあ別にいいけど…私の名前は……

 

 

……………砂狼シロコだよ。」

 

 

 

 

 

 

 




少女ちゃん……流石にその生徒はやめとこう




……えっやだ?さいですか……




まあでも、今回は流石に仲間入りは無理だよ。

何せシロコって別世界戦でみんなのこと傷つけたことや最終編で皆に迷惑をかけたことを気にしてるとこあるし、流石の少女ちゃんでも厳しいはずだしね。




……あれ、そう言えば少女ちゃんとユメって最終編の後で目覚めていたような




………あれ、そもそも少女ちゃんってこの世界でたまたま目覚めただけで、最終編が起きてないシロコ世界では目覚めてないんじゃね。(間接的にユメもいない)




…………あれ、少女ちゃんって元はキヴォトスを滅ぼす存在として生まれていたよね




……………あれ、ユメってホシノのエミュの元になった人だったよね




……………………おや?
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