「おはようございます。さっそくですが、今日はお出掛けです。」
「少女ちゃん…いきなりどうしたの?」
シロコが泊まった翌朝、皆が朝の支度を済ませると、少女が唐突にそう言ってきた。
少女は戸惑っている皆に向けて元気よく今日の予定を話し出した。
「はい。今日はシロコも連れて皆で、アイテム収集をします。ちょうど近くのデパートで、バーゲン?という特殊イベントがあると、昨日おばあさんが言ってました。」
「ああっそう言えば、そんなこと言ってたね。つまりそのデパートに行くってこと?」
「はい。おばあさん曰く、バーゲンとは戦場であり、勝ち残ったものはよりいい装備を手に入れることが出来るらしいです。」
「戦場だと…………随分と物騒なところなのだな。準備は万全にしておかねば…………」
「ん。別にそこまで危なくない…………というか私も行くの?」
シロコの問に少女は、大きく頷きつつはっきりと告げた。
「はい。もちろんシロコも一緒です。」
「……ん。そっか……」
「少女ちゃん勝手に決めちゃってるけど…………シロコちゃんはいいの?予定とか入ってない?」
「ん。大丈夫………時間はある…」
「それなら良かったです。それでは準備が出来たら早速、出発しましょう。レッツゴーです。」
少女たちは、サッサと準備を済ませるとデパートへ向かった。
「無事に目的地に到着です。これより探索クエスト開始です。」
「わあぁひっろいね。人も多いし何だかお祭りみたい。」
「………なるほど、確かにここは何処か戦場と似た雰囲気を感じる………準備してきて正解だった。」
デパートに到着した少女たちは、中の広さと人の多さに驚いていた。
「因みに少女ちゃんは、何か買いたいものでもあるの?」
「いえ。私は皆と一緒に冒険に行きたかっただけなので、これといった用は…………あっでも、これだけいろんな物があるのなら、もしかしたらここにはレアアイテムが、あるかもしれません。それを探しましょう。」
「うーんなるほど。じゃあ色々見て回ろっか!」
「はい。皆行きましょう。」
少女は、ユメ、サオリ、シロコを連れてデパート内の探索を開始した。
~レジャー用品売り場~
「わ~釣り竿だけでもいろんな種類があるんだねぇ。どういうのがいいんだろう。」
「ん。釣り竿にもそれぞれ特徴がある。それを見極めるべき。」
「ふむ。自分にあった性能の武器を選ばなければ……満足のいく成果を得られないということか…………」
「なら、私はこの大きな網で一網打尽にします。」
「ん。それは、釣りじゃない………」
~日用品売り場~
「これは………一体何に使うものなんだ?」
「サオリ、未知のアイテム発見ですか。」
「ふふ。違うよ二人とも。ほらここを引っ張ると………はい。」
「わあ。一瞬で棚になりました。変形ギミックですか。」
「この世界には、こんな便利なものまで、あるのだな。しかし、安すぎないか。」
「ん。そう言えば足りなくなってたものがあった、買って行こうかな。」
~お菓子売り場~
「おお。色んなお菓子でいっぱいです。」
「ほんとだね少女ちゃん!いくつか買って帰ろうっか!」
「ん。凄くいい匂いがする。」
「凄くきれいだな。これは本当に食べて良いものなのか?」
~化粧品売り場~
「見て見てサオリちゃん!このリップ、サオリちゃんに似合いそうだよ。」
「…い、いや、私にこういうのは似合わないと思うが。」
「そんなことありません。サオリはすっごく綺麗ですから、使用すれば魅力がもっと上がること間違いなしです。」
「ん。私も似合うと思う。付けてみるべき。」
「シ、シロコお前まで………わ、分かった、買ってくる。」
…………その様に買い物を楽しんでいた少女たちは、洋服売り場にやって来ていた。
「「「「「わーーわーーーギャー――ギャーーー」」」」」
「ふむ。ここは、凄い生徒数だな。…………なるほど、ここが戦場か。」
「ひぃん……ほんと凄い人の数………流石にこの中に行くのはちょっと………」
洋服売り場には、バーゲンを目当てに集まった生徒たちでごった返しており、本当に戦場の中のような空気感を放っていた。
「ん。どうする、諦めて他のところ見て回る?」
「うーん。流石にこの中に突撃していくのは無謀に感じます。」
「問題ない。こういう時のために準備はしてきている。」
「サオリちゃん?そう言えば、ずっと持ってたそのバックは何なの?」
サオリは、バックの中を開け皆に見せて来た。
…………そこには、爆弾やらロープやらが大量に入っていた。
「これと、私が教えたゲリラ戦術を使えば、ここにいる奴らを鎮圧することは可能だ。」
「なるほど…掃討戦開始というわけですね。」
「ん。なるほど、確かに理にかなっている。」
「うーん確かにこのままだとゆっくりお買い物もできないし、ナイスアイディアだよサオリちゃん!」
いや、そんなことしていいわけないだろ…………と言ってくれる者は残念だがここにはいない。
…………そもそも君らなら、小細工何てしなくても大抵の奴は、相手にならないだろう、ということを指摘してくれる人もいない。
そんな物騒なことを少女たちが話していると、突然デパート内に銃声が鳴り響いた。
(ドババババっ)
「っ銃声です。これは突発イベント戦の可能性大です。」
「ひぃん、一体何が起こったの?」
「ん。あれを見て。」
シロコが指さした方には、デパート内を巡回していたガードロボットが、何やら慌ただしく動き回りながら、手当たり次第に銃を打っていた。
「どうやら、暴走しているようだな。動きにまるで統率性がない。」
「うわっすっごいパニックになってるよ!」
突然銃を乱射し襲い掛かってくるロボットたちに、周りの生徒は慌てて逃げまどっている。
それを見て少女は、UFGを抜きながら一歩前に出た。
「はい。やはりこれは、突発イベント戦です。それなら私が全員やっつけます。」
「……うん、これじゃあ落ち着いて買い物もできないしね。」
「なるほど、やはりここは戦場だったのだな。ならこの場合、武力鎮圧するのが一番手っ取り早い。」
「ん。これは仕方のないこと。」
ユメ、サオリ、そして…………シロコも自分の武器を構えて少女に並んだ。
「では、皆行きますよ。戦闘開始です。」
…………その後のことは、特に語るところもないのだが、
…………あえてなにか言うのなら……
……………………可哀想なくらい一方的であった。